AOKZOE A1 Proの実機レビューです。AOKZOE A1の上位モデルで、CPUがZen3/RDNA2世代のRyzen 7 6800Uから最新のZen4/RDNA3世代のRyzen 7 7840Uにアップグレードされています。
ASUSがROG Allyを投入したこともあってさらに盛り上がってきた印象があるゲーミングUMPCですが、AOKZOE A1 Proはとにかくパワフルで魅力的な製品でした。
・ゲームはもちろんのこと、メインPCとしても活躍出来る高い性能
・最新AMD APUを搭載しつつも比較的安価な設定
・スタイリッシュな筐体デザイン
ここがイマイチ
・競合製品に7インチモデルが増えており、それらと比較すると筐体サイズは大きめ
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目次
1.AOKZOE A1 Pro スペック
スペック表
AOKZOE A1 Pro | |
OS | Windows 11 Home |
CPU | AMD Ryzen 7 7840U |
外部GPU | — |
RAM | 16GB/32GB(LPDDR5X 7500) |
ストレージ | 1TB/2TB SSD(M.2 2280 PCIe 4.0 ×4) |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 8インチIPS(1,920 × 1,200) |
ネットワーク | Wi-Fi6E(a/b/g/n/ac/ax)、Bluetooth 5.2 |
入出力 | USB4 Type-C、USB3.1 Type-C、USB3.0 Type-A、オーディオジャック、microSDカードリーダー |
カメラ | — |
バッテリー | 65Wh/17,100 mAh(3.85V) |
サイズ | 285 × 125 × 21-40 mm |
重量 | 729 g |
バリエーションモデル
・RAM16GB/1TB SSD
・RAM32GB/1TB SSD
・RAM32GB/2TB SSD(レビュー機の構成)
コメント
OSはWindows 11 Home(2022 Update適用済み)です。競合機の一つとなるSteam DeckではLinuxベースのSteam OSをプリインストールしていますが、すべてのWindows向けゲームが完全に動作するわけではないことを考えると、やはりフルバージョンのWindowsが初期導入されているのは安心感があります。ゲームランチャー「AOKZOEプレイヤーセンター」などの便利なユーティリティも含まれています(後述します)。
CPUはRyzen 7 7840Uです。無印版AOKZOE A1に搭載されているRyzen 7 6800Uも高性能なCPUでしたが、Ryzen 7 7840Uでは最新のZen4アーキテクチャとRDNA3世代のRadeon 780Mにより最新ゲームもスムーズにプレイできる性能を持ち合わせています。TDPは4Wから最大28Wまで調整可能です。
RAMは16GB/32GB、内蔵ストレージは1TB/2TBです。下位構成でも大容量なのであまり出番はないかと思われますが、MicroSDカードスロットも備えているので簡単にストレージ領域を拡張できます。
コントローラーはXBOX One互換です。3軸ジャイロセンサーも内蔵し、スマホゲームと同じく本体を傾けて操作することも出来ますが、サードパーティ製のドライバが必要とのことで今回はテストしていません。
2.AOKZOE A1 Pro 筐体と使用感
以下に掲載する画像はポート類などを見やすくするため、一部「明るさ」を調整する画像加工をしています。ご了承ください。
付属品はマニュアルなどのペーパー類、USB-C to Cケーブル、65W出力対応USB PD ACアダプターです。今回お借りしたレビュー機ではマニュアルと保証書は日本語の記載がありませんでしたが、実際の製品では日本語マニュアルが付属するものと思われます。
前面です。レビュー機の筐体色は「クオンタムブルー」です。ゲーミングUMPCらしいメカメカしいテクスチャーが施されたデザインが素敵です。
ボタン類は左右スティック、方向キー、ABXYボタン、スタートキー、バックキー、メニューキー、Turboキー、キーボードキーがあります。キーボードキーは長押しするとXBOX互換コントローラーモード、マウスモードに切り替わります。Turboボタンは後述する「AOKZOE Game Center」を呼び出せます。
なおデスクトップに配置されているアプリはレビュー環境構築後のもので、本来プリインストールされている構成とは異なります。ご了承ください。
背面には排気口とキックスタンドがあります。スタンドを立てることによりデスクでBluetoothキーボード、マウスと組み合わせてモバイルPCとして活用する際にも見やすい角度で作業できます。もちろん動画視聴時も活躍してくれるでしょう。グリップ部は緩やかなカーブになっていてフィット感は良好でした。
左側面、右側面には何もありません。
上部にはUSB-C × 2、USB 3.1 Type-A、ボリュームボタン、電源ボタンがあります。かのあゆは良く動画データをUSBメモリに転送するのでフルサイズUSB Type-Aポートが備わっているのはありがたく感じました。
下部にはUSB-Cポートがあります。
手持ちのAYANEO 2021と比較してみました。AYANEO 2021は7インチサイズなので、AOKZOE A1 Proのほうが一回り大きいです。当然と言えば当然なのですがNintendo SwitchやAYANEO 2021用ケースを使い回すことは出来なかったので、別途揃えておくほうがいいですね。
厚みはAOKZOE A1 Proのほうがあります。手に持った感覚としてはAYANEO 2021が比較的Nintendo Switchに近いのですが、エルゴノミクスデザインを採用しているおかげでAOKZOE A1 Proも持ちやすくなっていて長時間バスの中などでゲームをプレイしていても疲れることはありませんでした。
レビュー機のシステム構成です。今回お借りした試用機はRAM 32GB/2TBモデルでした。個人的には下位構成の16GB/1TBモデルでも十分かな…と感じたのですが、PCゲームは容量が100GB超えるタイトルも多いので、より多くのゲームタイトルを持ち運びたいガチゲーマーさんなら2TB一択ですね。
OSはWindows 11 Homeです。このレビューを執筆している時点で最新アップデートとなる2022 Update(バージョン22H2)が既に適用済みでした。Windows標準の回復は利用できませんが、独自に用意されているリカバリ環境を使用して工場出荷時の環境に復元できます。
3.AOKZOE A1 Pro 使用感
ゲームプレイ
今回はかのあゆが普段実際にプレイしているゲーム3タイトルで動作検証しました。いずれも現在唯一「携帯できる」家庭用ゲーム機になってしまったNintendo Switchには移植されていないタイトルです。なおTDP設定は「28W」に設定した上で検証しています。
まず最初にプレイしたのはカプコンの大人気格闘ゲーム最新作、「ストリートファイター6」です。2023年6月6日にリリースされたばかりのタイトルで、既に全世界で200万本もの売り上げを達成しています。今後追加キャラクターの追加やアーケード版の稼働も予定されているのでさらに盛り上がることになりそうです。自分だけのキャラクターを作り上げることが出来る「ワールドツアーモード」や簡単操作で必殺技・超必殺技やコンボを繰り出せる「モダンスタイル」が新たに追加され、格闘ゲームを全くプレイしたことがない方でも楽しめる作品です。
かのあゆはまだ製品版を購入していないので、今回は無料ダウンロードできるデモ版で検証しています。近いうちに製品版の購入も検討しています。
申し訳ございません、設定画面のスクリーンショットを撮り忘れてしまいました。最初グラフィック設定「High」設定でプレイしたのですが、TDP28W設定でも処理落ちが激しく、シビアな入力が必要とされる格闘ゲームのプレイには厳しい印象でした。
グラフィック設定「LOW」にすればスムーズにプレイすることが出来ました。テクスチャーの品質はコンシューマ版より劣ってしまいますが、極端に汚くなってしまうということもなく、年を重ねたリュウの肉体美も十分表現できています。スティックやボタンの操作感も良好で、スムーズにコマンド入力を行うことができました。
Nintendo Switchではまずリリースされる可能性がなさそうなタイトルなので、バスや公園でも名作格闘ゲーム最新作をプレイできるのは魅力的ですね。ちなみに後述しますがこの設定であればTDP 15W設定でも問題なくプレイできます。
次にプレイしたのは「Need For Speed Unbound」です。2022年12月にリリースされたばかりの最新作ですが、早くもXBOX Gaming Pass/EA Playのリストに追加されました。当初あまりにもカジュアルになったビジュアルが肌に合わなかったのですが、プレイしてみるといつものNeed For Speedらしくレースや警察との派手なチェイスを思い切り楽しめる作品でした。最近のアップデートで映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」でもおなじみデロリアン DMC-12が追加されたので今後ゆっくりプレイしていきたいと思います。
グラフィック設定はデフォルトから変更していません。Ryzen 5 4500Uを搭載するAYANEO 2021では解像度やテクスチャーの品質が低めに設定されていて、場面によってはフレーム落ちが目立つ場面も見られましたが、AOKZOE A1 Proでは解像度、テクスチャー品質ともに高めに設定されていて、コンシューマ版とほぼ変わらない美しい画質でプレイすることが出来ました。さすが最新のZen4/RDNA3アーキテクチャを採用するRyzen 7 7840Uですね。ただTDP設定をデフォルトの15W設定に変更すると動作が重くなってしまったので、基本的には28W設定でプレイすることをおすすめします。
「Need For Speed Hot Pursuit Remasterd」も検証してみました。2010年にリリースされた「Need For Speed Hot Pursuit」のリマスター版で、当時XBOX 360のみDLCコンテンツとして配信されていたポルシェ車両を追加し、現在のハードウェアに合わせてグラフィックもアップデートされています。原作はもう13年前の作品ですが、今プレイしても楽しめます。
リマスター版とはいえ、ベースになっているのは13年前のタイトルなのでAOKZOE A1 Proではグラフィックプリセットを「高」に設定してもスムーズに動作します。こちらはNintendo Switch版もリリースされていますが、AOKZOE A1 Proではより高解像度でスーパーカーやパトカーを乗り回すことができます。通勤時のバス内でこの作品を持ち出せるのは原作をリアルタイムでプレイしていたこともあっていろいろと感慨深く感じられてしまいました・・・
最後に検証したのは「Forza Horizon 5」です。リリースから既に2年が経過しましたが、現在でも積極的にコンテンツが追加されています。XBOXとWindows独占タイトルなので携帯機でプレイできるのはゲーミングUMPCだけの特権ですね。
ゲーム開始時に実行できるベンチマーク(実際に自動運転でレースを行って平均フレームレートなどを計測)ではグラフィックプリセット「低」が推奨されましたが、実際には「最高」でも平均フレームレートは35fpsで安定しています。実際のゲームプレイでも致命的な処理落ちは発生せず、壮大なメキシコの道を美しい画質で走り抜けることが出来ました。…これゲーミングUMPCですよね?
1年前はこのタイトルが持ち出せるだけでも感動したものですが、短期間でここまで内蔵GPUの性能が進化するとは思いもしませんでした。
ディスプレイ
ディスプレイは8インチサイズで、解像度はFHD+(1,920 × 1,200)です。リフレッシュレートは60Hzで、ROG Ally(120Hz)に比較すると物足りなく感じられてしまいそうに感じられますが、実際にゲームプレイしていて特に意識することはありませんでした。
パネルはIPS液晶です。表示品質は高く、高解像度設定でプレイするゲームのプレイ画面を美しい画質で表示してくれます。今回はゲーム中心でレビューを行っていますが、動画視聴でも活躍できそうです。
スピーカー
スピーカーはステレオ出力です。手持ちのAYA NEO 2021もそうなのですが、バランスがとれていて音質自体は健闘しているのですが、若干音量が小さく感じられた点が少し気になりました。
筐体自体が小さいので仕方ない部分ではあるのですが、より迫力のある音質でゲームを楽しむのであれば有線イヤホンかワイヤレスイヤホンと組み合わせるほうがいいと思います。ただ前述の通り内蔵スピーカーの音質自体は満足しているので、部屋や野外でゲームをプレイする分には十分だと思います。
専用ユーティリティ
他社ゲーミングUMPCと同じく、AOKZOE A1 ProでもCPUのパフォーマンスやファン速度、バイブレーション設定、内蔵LEDのイルミネーション設定などをリアルタイムで変更できるAOKZOE プレイヤーセンターがプリインストールされています。「TURBO」ボタンを押すことでゲームプレイ中でも呼び出すことが可能です。
TDPは最小4W、最大28Wまで調整できるので、例えばWEBブラウジングや文章作成等の用途ではTDPを落としてより長時間バッテリー稼働する設定に変更できます。
「TURBO」ボタンを長押しするとランチャーを呼び出せます。XBOX Gaming Pass、Steamライブラリにあるタイトルを自動認識してくれますが、EA Play経由でインストールしたタイトルは手動登録する必要がありました。
4.AOKZOE A1 Pro 性能テスト
ベンチマークテストはすべてTDP 28W設定で実施しています。
GPU性能をテストする「3DMark」での計測結果です。今回Ryzen 7 7840Uに内蔵されているRadeon 780Mがレイトレーシングをサポートしているので「Port Royal」も実行しています。
前世代のRyzen 7 6800U(ONE-NETBOOK ONEXPLAYER min pro Ryzen版)のスコアが898、2,590、6,320(Port Royal/Time Spy/Fire Strike)という数値だったので、DirectX 11、Direct 12環境での3D性能は確実に向上しています。Port Royalのスコアも向上していますが、さすがにまだレイトレーシング対応ゲームで設定を有効にするにはパワー不足感はあります。
「FINAL FANTASY XV Windows Edition ベンチマーク」でも性能をテストしてみました。システム要件が高めのタイトルなので、解像度FHD設定でプリセットを高画質に設定すると「やや重い」という評価になりました。一昔前のオンボードGPUではそもそも動作すらしなかったのでこれだけ高いスコアが出ていること自体凄いことだと思うのですが・・・
プリセットを軽量品質まで落とせば「やや快適」という評価まで上がりました。解像度をHDまで落とせばグラフィック設定をもう少し高めに設定してもFINAL FANTASY XV Windows EditionをAOKZOE A1 Proで楽しむことが出来そうですね。
参考(過去データから一部抜粋):
MSI Titan GT77 HX 13V(Core i9-13980HX、RTX4090):9,187
MSI Katana 15 B13V(Core i7-13620H、RTX4050):7,955
ASUS ROG Ally(Ryzen Z1 Extreme):6,654
HP Pavilion 15-eh(Ryzen 7 5825U)5,954
VAIO SX12(2022)(Core i7-1260P):5,761
富士通LIFEBOOK NH WN1/H1(Core i7-12700H):5,614
VAIO F14(Core i7-1355U):5,553
dynabook AZ/HV(Core i7-1260P):5,503
MSI Prestige 13 Evo A12M(Core i7-1280P):5,500
VAIO SX14(Core i7-1280P):5,452
MSI Modern 14 C12M(Core i7-1255U):5,366
VAIO SX14(Core i7-1195G7):5,278
Lenovo ThinkPad X13(Core i7-1165G7):5,205
Lenovo IdeaPad Slim 550 14(Ryzen 5 5500U):5,076
ASUS Zenbook 17 Fold OLED UX9702(Core i7-1250U):5,074
DELL Inspiron 14 AMD(Ryzen 5 5625U):5,031
DELL XPS 13 Plus(Core i5-1240P):4,980
dynabook MZ/HS(Core i7-1165G7):4,967
dynabook SZ/MV(Core i7-1255U):4,902
HP Spectre x360 14(Core i7-1255U):4,834
HP ENVY x360-bf(Core i7-1250U):4,833
富士通LIFEBOOK CH WC1/G3(Core i5-1240P):4,613
Microsoft Surface Laptop Go 2(Core i5-1135G7):4,066
テレワークやワープロ、表計算ソフトの利用、動画/画像処理といったビジネスシーンでの利用を想定した「PCMark 10」では総合スコア6,714点をマークしました。数値としては同じくZen4アーキテクチャのRyzen Z1 Extreamを搭載するASUS ROG Allyとほぼ同等ですね。モバイル向け第12世代Core i7を上回る数値で実に素晴らしいと感じました。
参考(過去データから一部抜粋):
MSI Titan GT77 HX 13V(Core i9-13980HX、RTX4090):2,149、30,358
MSI Creator Z16P B12U(Core i9-12900H):1,918、17,827
VAIO F14(Core i7-1355U):1,837、7,400
マウス DAIV 6P-RT(Core i7-12700H):1,814、12,873
dynabook AZ/HV(Core i7-1260P):1,809、8,940
ASUS Vivobook Pro 15X OLED K6501ZM(Core i7-12650H):1,806、14,632
MSI Katana 15 B13V(Core i7-13620H、RTX4050):1,802、11,620
MSI Modern 14 C12M(Core i7-1255U):1,797、8,791
ASUS ROG Ally(Ryzen Z1 Extreme):1,784、13,962
VAIO SX12(2022)(Core i7-1260P):1,769、9,334
富士通LIFEBOOK NH WN1/H1(Core i7-12700H):1,754、11,953
MSI Prestige 13 Evo A12M(Core i7-1280P):1,667、9,514
VAIO SX14(Core i7-1280P):1,661、9,354
MSI Stealth 15M B12U(Core i7-1280P):1,659、13,793
dynabook GZ/HV(Core i7-1260P):1,655、7,586
富士通LIFEBOOK AH(Core i7-1260P):1,646、9,012
dynabook RZ/HV(Core i7-1260P):1,634、8,524
ASUS ROG Strix G15 G513RW(Ryzen 9 6900HX):1,580、14,830
dynabook SZ/MV(Core i7-1255U):1,551、5,160
ASUS ROG Flow X16 GV601(Ryzen 7 6800HS):1,543、13,832
ASUS Vivobook 15 OLED K512EA(Core i7-1165G7):1,497、5,555
MSI GP66 Leopard 11U(Core i7-11800H):1,491、12,210
ASUS Vivobook Pro 15 OLED(Ryzen 7 5900HX):1,482、12,108
dynabook MZ/HS(Core i7-1165G7):1,477、5,526
ASUS M3700WY(Ryzen 7 5825U):1,454、9,046
MSI Bravo 15 B5(Ryzen 7 5800H):1,422、11,241
DELL Inspiron 14 AMD(Ryzen 5 5625U):1,364、8,013
Lenovo Legion 560(Ryzen 7 5800H):1,348、11,419
富士通LIFEBOOK CH WC1/G3(Core i5-1240P):1,304、5,260
Lenovo IdeaPad Slim 550 14(Ryzen 5 5500U):1,170、6,973
ASUS ZenBook 14(Core i5-8265U):1,023、3,691
HP Pavilion x360(Core i5-7200U):790、1,740
CPU単体の性能を計測するCINEBENCH R23です。こちらも優秀で、シングルコアでは第12世代Core i7-1260Pに近い数値を計測しています。基本ゲームプレイを前提にしている設計ではありますが、外部モニターとキーボード、マウスを組み合わせればメインPCとしても活用できる性能です。動画編集もこなせそうですね。これだけ性能が高ければAOKZOE A1 Pro一台にすべてを任せることが出来るでしょう。
SSDは最新のPCIe 4.0規格です。リード、ライト性能ともにCrystal Disk Markでは圧倒的な数値をマークしています。WordやExcel等のビジネスソフトの利用やWEBブラウジングなどの普段使いでは正直SATA規格のSSDでも十分高速で体感的な差は感じづらいのですが、大容量データを取り扱うゲームでは読み書き速度が高速な方がロード時間は短縮されます。
OSの起動も本当に電源オンから瞬時に起動(ウインタブ注:ちょっとオーバーか…)しますし、ストリートファイター6(デモ版)やNeed For Speed Unbound、Forza Horizon 5をプレイした際のロード時間も早くストレスを感じることはありませんでした。
バッテリー持ち
レビュー期間中、2日間程度でしたが通勤時にAOKZOE A1 Proを持ち込んでゲームを楽しんでいました。プレイしていたタイトルは「ストリートファイター6(デモ版)」、「Need For Speed Hot Pursuit Remastered」「Need For Speed Unbound」「Forza Horizon 5」です。
プレイするタイトルによって稼働時間は変わってくるかと思われますが、TDP28W設定では1時間半、デフォルト設定のTDP 15W設定では2時間程度でバッテリー残量100%から35%の状態に推移しました。
パワフルなCPUを搭載している分、TDP設定を最高まであげてしまうとやはりバッテリー持ちは短くなってしまいます。それでも通勤片道であればグラフィック設定を犠牲にすることなく快適にゲームをプレイすることが出来たのは感動しました。TDP15W設定にすると稼働時間は延びますが、「Forza Horizon 5」(グラフィック設定「高」)、「Need For Speed Unbound」はフレーム落ちが目立ちました。逆に「ストリートファイター6(デモ版)」(グラフィックプリセット「LOW」)、「Need For Speed Hot Pursuit Remastered」(グラフィックプリセット「高」)は特に設定を変更しなくても28W設定とほぼ変わらずスムーズに動作したので、タイトルによってはTDP設定を落とした方がより長くゲームをプレイできます。
いずれにしてもUSB PD対応モバイルバッテリーがあればどこでもバッテリーを充電することが出来るのでこの点はあまり気にしなくてもいいかな…と感じました。65W出力に対応するモバイルバッテリーであれば付属しているACアダプターとほぼ同じ速度で充電が完了しますし、購入しやすい価格帯の製品も登場してきているのでAOKZOE A1 Proと一緒に揃えておくとより快適なモバイルゲーミング生活が送れるでしょう。
5.AOKZOE A1 Pro レビューまとめ
AOKZOE A1 Proはハイビーム公式オンラインストア、実店舗(秋葉原/日本橋)にて予約を受け付けています。8月上旬発売予定で、価格は16GB/1TBモデルが119,800円(税込)、16GB/2TBモデルが149,800円(税込)、32GB//2TBモデルが159,800円(税込)です。バッテリー交換も含め購入後のサポートは国内対応が可能なので安心出来ます。
ValveのSteam Deckが日本国内で正規販売を開始し、ASUSがROG Allyを投入したことによりさらに盛り上がってきたゲーミングUMPCですが、AOKZOE A1 Proは最新のRyzen 7 7840Uを採用しているということで紹介記事を執筆している時点で気になっていました。
内蔵GPUの性能は近年本当に著しいのですが、AOKZOE A1 Proであれば今までの製品よりも高い解像度、グラフィック設定でゲームを持ち出すことが出来ます。Windows搭載PCとしてのポテンシャルも高く、仕事でも活躍出来るのでAOKZOE A1 Proの場合自宅ではミニPCとして、外出先ではゲーム機として使うことのもありでしょう。
価格も約12万からと比較的購入しやすい設定に抑えられているのでROG Allyの強力なライバルになると思います。正直どちらもいい機種なので購入検討には悩んでしまいますね。
6.関連リンク
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