HP OmniBook Ultra 14-fdの実機レビューです。HPの個人向けノートPCとしては最上位に位置する製品で、CPUにRyzen AI 300シリーズを搭載するCopilot+ PCです。パフォーマンスはもちろんのこと、筐体品質も高く、「持つ喜び」を与えてくれる製品です。
なお、このレビューは日本HPよりレビュー機をお借りして実施しています。
・Ryzen AI 300シリーズ搭載のCopilot+ PC
・PCゲームもできる高いパフォーマンス
・長時間のバッテリー駆動が可能
・発色品質が高く、タッチ対応するディスプレイ
・4スピーカー搭載で動画視聴・音楽鑑賞も快適
ここがイマイチ
・14インチサイズの割に重量がやや重い
・最上位モデルだけに「安くはない」
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HP OmniBook Ultra 14-fd 製品詳細

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目次
1.概要
スペック表
OmniBook Ultra 14-fd | |
OS | Windows 11 Home |
CPU | AMD Ryzen AI 9 365/Ryzen AI 9 HX 375 |
外部GPU | なし |
RAM | 16GB/32GB(オンボード, LPDDR5x-7500) |
ストレージ | 1TB SSD (PCIe Gen4 NVMe M.2) |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 14インチIPS (2,240 × 1,400)タッチ |
ネットワーク | Wi-Fi7(a/b/g/n/ac/ax/be)、Bluetooth5.4 |
入出力 | USB Type-C(Thunderbolt 4、映像出力/PD対応)× 2 USB Type-A(10Gbps)、オーディオジャック |
カメラ | Webカメラ(9MP)顔認証対応 |
バッテリー | 最大21時間 |
サイズ | 315 × 227 × 16.4 mm |
重量 | 1.57 kg |
バリエーションモデル
・スタンダード:Ryzen AI 9 365/16GB
・スタンダードプラス:Ryzen AI 9 365/32GB
・パフォーマンス:Ryzen AI 9 HX 375/32GB
※左からCPU/RAM
レビュー機は「Ryzen AI 9 HX 375/RAM32GB/1TB SSD」のパフォーマンスモデルでした。
コメント
HPは2024年5月に「新しいネーミング構成を構築」する旨のプレスリリースを出しています。「OmniBook」というのはその新しいネーミング構成に基づいた名称です。まずはHPの新しいネーミング構成を確認してみます。
HPの個人向けノートPCは「OmniBook」という名称に統一され、レビュー機「OmniBook Ultra 14-fd」はその中でも最上位に位置していることがわかります。この記事執筆現在(2025年3月)、「OmniBook」を冠する製品として「OmniBook Ultra Flip 14-fh(Core Ultraシリーズ2, Lunar Lake搭載)」「OmniBook X 14-fe(Snapdragon X搭載)」があり、すべてCopilot+ PCです。
ということで、スペック表で目を引くのはやはり「CPUの型番」です。Ryzen AI 300シリーズ(Strix Point)を搭載し、NPU性能が最大55TOPSと高く、もちろんNPU以外も非常に高性能です。
2.外観と使用感
ACアダプター
ACアダプターは65Wと標準的な出力のもので、電源ケーブル込みの実測重量は307 gでした。なおこの画像では保護用のビニールフィルムが貼り付けられた状態です。
天板と底面
天板です。筐体はアルミ製でリサイクル素材を多用しているとのこと。筐体色はメテオシルバーという、若干濃いめのシルバー(あるいはグレー)です。
この画像を見ると下部(ヒンジ側)が斜めにカットされていて、Spectreシリーズ(OmniBookに名称が変更される前のHPの個人向けノートPC最上位ブランド)の特徴を引き継いでいることがわかります。後述しますが、この「斜めの部分」にもポートが配置されています。
底面です。画像下部(使用時には手前側になります)にスピーカーが2つ。
側面

前面

背面
前面と背面です。こちらにはポート類やボタン類はありません。

左側面
左側面です。画像左からUSB Type-Aポート(データ転送速度10Gbps)、イヤホンジャックがあります。

右側面
右側面です。画像右にUSB Type-Cポート(Thunderbolt 4)があり、「斜めの部分」にもUSB Type-Cポート(Thunderbolt 4)があります。OmniBook Ultra 14-fdにはUSBポートが合計で3つあるのみで、HDMIポートなどはありません。とはいえ、Thunderbolt 4はデータ転送速度が最大40Gbpsと高速ですし、映像出力やUSB PDにも対応しますので、たくさんの周辺機器を同時に接続するような使い方でない限り問題はないでしょう。
キーボード
バックライトキーボード (日本語配列)、キーピッチ : 約18.7×18.7mm、キーストローク : 約1.0mm、JIS標準準拠[79キー]と開示されています。キーピッチはほぼ標準サイズサイズなので狭苦しさはありません。キーストロークは浅めながら打鍵感はよく、打鍵音も小さいので長時間のタイピングが苦になりません。両サイドにスピーカーが配置され、タッチパッドもご覧の通り大型サイズです。
キートップの印字はくっきりと見やすく、バックライトは不要と感じられましたが、暗めの場所などでは助かると思います(バックライト輝度は2段階に調整でき、暗いほうでも十分に実用的です)。
ディスプレイ
発色はキレイです。HPでは詳細な発色品質を開示していませんが、確実に100%RGBもしくはそれ以上の品質だと思います。手持ちのPCモニター(27インチIPS液晶、FHD解像度、99%sRGB)と比較しても鮮やかさという点で勝っていました。
ただし、タッチ対応することもあって、グレア(光沢)タイプです。グレアタイプのほうが発色面では有利ですが、「置き場所を選ぶ」といいますか、映り込みが激しいので、出先で窓などの光源を背にしてPCを使うと視認性が落ちます。ただ、この製品の場合、重量が1.57 kgとやや重く、毎日外出先に持ち出して使う、という用途には向かない(「据え置き、ときどきモバイル」という使い方に向きます)ので、「発色優先・タッチ対応」という仕様で良かったのかもしれませんね。
その他
ヒンジを最大開口したところです。最近のノートPCによく見られる「ヒンジが180度開く」タイプではありません(ヒンジが180度開口すると、ミーティングの際などに向かい側にいる人と画面共有が容易になります)。しかし、一人で作業するぶんには全く問題ありません。
スピーカー・カメラ・マイク
OmniBook Ultra 14はキーボード面に2つ、底面に2つ、合計で4つのスピーカーを搭載しています。音質は素晴らしいですね。4スピーカーかつ配置もいいので音質はクリアですし、ステレオ感もしっかり出ます。もともとHPの上位モデルはスピーカー品質が非常に高く、大げさでなく「業界ナンバーワンでは?」と思っていますが、この製品のスピーカーもその例にもれません。音楽鑑賞や動画視聴が楽しくなるスピーカーだと思います。
設定アプリ「MyHP」で音質の調整ができます。もともとのスピーカー品質が高いので、特にいじらなくても満足できますが、ここで低音を強調するなどしてお好みの音質にすることができます。
また、マイクのAIノイズ除去もここで設定できます。マイクの設定項目は少ない(ノイズリダクションのオン/オフ、マイクモードの切り替え)ですが、実用面ではこれで十分かと思います。
カメラの設定は「Poly Camera Pro」で行います。設定項目は非常に多く、Copilot+ PC向けのWindowsの標準機能「Windowsスタジオエフェクト」よりも数段使い勝手がいいです。OmniBook Ultra 14-fdのWebカメラは9MPと非常に高画素数なため「自分の顔の映りが鮮明すぎて辛いので、少しぼかしを入れる」とかもアリかと(冗談です)。
「離れたらデバイスの画面をオフにする(人感検知機能)」も充実しています。HP製品に限らず、最近のノートPCの上位モデルにはこの手の機能がついていることが多いですが、個人的には「むしろウザい」と思っていて、一切使っていません。意図せずに画面が消えてしまったりして、結構イライラしちゃうんですよね。しかしOmniBook Ultra 14-fdではこのあたりの挙動を細かく調整できますので、人によっては、あるいは利用環境によっては便利に使えるのかもしれません。
3.性能テスト
ベンチマークテスト
設定アプリ「MyHP」に「パフォーマンスのコントロール」という機能があります。基本的にここは「Smart Sense(システムにお任せ)」で良いと思いますし、でOmniBook Ultra 14-fdはもともとの性能が十分に高いので、事務系の作業(Office系アプリやWebアプリなど)では「静か」「省電力機能」で問題ないと思います。しかし、ベンチマークテストでは最もパフォーマンスが高くなるであろう「パフォーマンス」モードにしました。Windowsの設定も「最適なパフォーマンス」とし、本体を電源に接続して測定しました。
表計算ソフトやビデオチャット、画像加工など、実際のビジネスシーンをシミュレートしたテスト、PC Markのスコアです。ビジネス系のPCの性能測定で重視すべきベンチマークテストと言えます。ウインタブが最も重視しているテストです。
参考(過去データから一部抜粋):
Core Ultra 9 185H:8,099
Ryzen AI 9 365:7,896
Ryzen AI 9 HX 370:7,511
Ryzen 7 8845HS:7,446
Core Ultra 7 258V:7,527
Ryzen 9 PRO 6950H:6,987
Ryzen 7 8840U:6,949
Ryzen 7 PRO 6850H:6,858
Core Ultra 7 155H:6,849
Ryzen 5 8645HS:6,708
Core i9-13900H:6,542
Core Ultra 5 135H:6,485
Core Ultra 7 155U:6,392
Core Ultra 5 125U:6,376
Ryzen 5 7535U:6,021
Core i7-1360P:5,929
Core i5-1340P:5,677
Core i7-1355U:5,452
Core i7-1255U:4,834
Core i5-1335U:4,775
Core i5-1135G7:4,066
レビュー機の搭載CPUはRyzen AI 9 HX 375でした。過去データとの比較では「格下」のRyzen AI 9 365にわずかに及ばない結果となりましたが、これはレビュー機のコンディションとか電力・周波数のメーカーセッティングによって変化しますし、そもそも7,000点台後半のスコアはPC Markが想定しているビジネスシーンでの利用では十二分に高いです。
CPU性能のみを測定するCINEBENCH 2024のスコアです
参考(過去データから一部抜粋):
Core i7-14700:122、1,177
Core Ultra 7 258V:121、676
Core i9-13900H:117、687
Core Ultra 9 185H:111、910
Ryzen AI 9 HX 370:110、942
Ryzen AI 9 365:109、1,008
Snapdragon X Elite:108、1,038
Ryzen 9 8945HS:108、958
Snapdragon X Plus X1P-42-100:108、754
Ryzen 7 8845HS:106、956
Ryzen 9 7940HS:106、914
Core Ultra 7 155H: 105、964
Core Ultra 7 155U:101、533
Ryzen 5 8645HS:98、585
Core Ultra 5 125U:95,533
Core Ultra 5 125H:95、516
Ryzen 9 PRO 6950H:93、774
Ryzen 7 PRO 6850H:91、765
Ryzen 7 5825U:85、590
Ryzen 3 5425U:78、365
※左からシングルコア、マルチコアのスコア
CINEBENCH 2024では「Ryzen AI 300シリーズ(Strix Point)最上位型番」の面目躍如、というスコアになりました。シングルコアではIntelのCore Ultraシリーズ2(Lunar Lake)のCore Ultra 7 258Vにわずかに及ばない結果となりましたが、マルチコアではノートPC用CPUとして過去最高レベルのスコアをマークしています(表中にあるCore i7-14700はデスクトップPC用のCPUです)。
グラフィック性能を測定するPC Markのスコアです。
参考(過去データから一部抜粋):
Core Ultra 7 258V:4,397、8,611、35,677
Core Ultra 9 185H:4,143、8,223、31,710
Core Ultra 7 155H:3,924、8,338、24,476
Ryzen AI 9 365:3,895、8,885、34,303
Ryzen AI 9 HX 370:3,800、8,026、31,138
Core Ultra 5 135H:3,454、7,235、24,791
Core Ultra 5 125H:3,392、7,301、23,168
Ryzen 9 7940HS:3,362、7,776、29,076
Ryzen 7 8845HS:3,330、7,908、29,873
Ryzen 7 8840U:2,943、7,206、27,471
Ryzen 9 PRO 6950H:2,846、7,051、27,983
Ryzen 7 PRO 6850H:2,660、6,601、26,920
Ryzen 5 8645HS:2,437、6,253、24,401
Core Ultra 7 155U:2,319、5,162、19,024
Core Ultra 5 125U:2,081、4,826、19,421
Core i9-13900H:1,956、5,440、19,477
Core i7-1360P:1,786、4,991、16,779
Core i7-1355U:1,760、4,859、16,891
Ryzen 5 7530U:1,281、3,137、13,730
Ryzen 7 5825U:1,242、3,226、12,859
Ryzen 3 5425U:1,122、2,848、11,949
※左からTime Spy、Fire Strike、Night Raidのスコア
グラフィック性能は非常に高いです。Core Ultra 7シリーズ1、シリーズ2、Ryzen 7 8000シリーズ、Ryzen AI 300シリーズのいずれも少し前のGeForceのエントリー型番、GTX1650を凌ぐスコアが出るようになっていますので、ちょっと古めのゲームタイトルなら高画質でプレイできるはずですし、最新のAAAタイトルでも画質を落とせば動くレベルです。
バッテリー駆動時間
設定アプリMyHPのパフォーマンス設定を「省電力機能」に、Windowsの電源設定を「最適な電力効率」に、ディスプレイ輝度を70に、音量を30%に、バックライトをON(暗いほう)にして下記の作業をしてみました。
画像加工ソフトGIMPで簡単な画像加工を約32分
ブラウザー上でYouTubeの動画・音楽視聴を約25分
Webブラウジングとテキスト入力を約15分
※上記トータルの利用時間は約72分
この際のバッテリー消費量は12%でした。単純計算だと1時間あたり約10%のバッテリー消費、バッテリー駆動時間は10時間となります。これ、ウインタブのレビュー結果としては「非常に優秀」です。MyHPのパフォーマンス設定を省電力にした、というのもあるでしょうが、上に掲載したベンチマークスコアをマークできるノートPCのバッテリーが10時間持つ、というのは「ちょっと前なら異常」なレベルです。
これまでのウインタブのレビューでは「Core Ultraシリーズ2(Lunar Lake)」のバッテリー持ちが素晴らしい!」としていましたが、OmniBook Ultra 14-fdのバッテリー持ちはそれに劣りません。
なお、バッテリー駆動時間はPCの使用状況(使うソフトウェアやディスプレイの明るさ、レビュー機のコンディションなど)によって大きく変化します。この点ご注意ください。
4.レビューまとめ
HP OmniBook Ultra 14-fdはHPオンラインストアで販売中で、3月20日現在の価格は229,800円からです。レビューに使用した「パフォーマンスモデル(Ryzen AI 9 HX 375/32GB/1TB)」の価格は269,800円です。なお、この製品は読者クーポンの対象になっているので、製品価格から7%OFFで購入ができます(229,800円のモデルなら213,715円になります)。ただし、読者クーポンはセール価格との併用ができないケースもありますのでご注意ください。
記事中で説明した通り、「OmniBook Ultra」というのはHPの個人向けノートPCの最上位モデルです。そのため「どうしても20万円以上にはなってしまう」のですが、筐体の品質、ディスプレイの美しさ、CPU性能、スピーカー、そしてバッテリー持ちと、どこをとっても素晴らしいです。メインPCとして長く愛用できる製品であることは間違いありません。
HPの「OmniBook Ultra」はこの製品の他に「OmniBook Ultra Flip 14-fh」という、モバイル利用に適した2-in-1タイプの製品があります(ウインタブで実機レビューをしています。こちらをご覧ください)。「Flip」もCopilot+ PCですが、搭載CPUがRyzen AI 300ではなく、Core Ultraシリーズ2(Lunar Lake)です。利用スタイルやCPU型番のお好みによってどちらにするかを選ばれるといいでしょう。
6.関連リンク
この製品はウインタブ読者クーポンの対象になり、販売価格から7%OFFになります(ただし、キャンペーン価格になっているものは対象外です)。そのため、まずこちら
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