HPのビジネスモバイルノート「EliteBook 830 G5」を紹介します。この製品は「法人向け」ということになっていますが、HPの直販サイト「HP Directplus」は個人が法人向けPCを購入することができますので、あまり法人向けであるということ意識する必要はありません。また、一般に「法人向けPC」と言うと、ディスプレイがTN液晶で解像度が低めだったり、ストレージがHDDだったり、そもそも価格が法人の大量購入を意識したものになっていて「定価なんてあってないようなもの」だったりして、個人が購入しにくいイメージがありますよね。
しかし、このEliteBook、私がチェックした感じだと、法人向け特有のわかりにくさはほとんどなく、一般的な個人向けPCと同様に購入検討することができると思いますし、ビジネスに特化した機能も装備されていますので、とっても魅力的だと思いました。
1.スペック
EliteBook 830 G5はかなりのワイドバリエーションです。いくつか用意されているベースモデルを見ると、大別して「Wi-Fiモデル」と「LTEモデル」があり、単にLTEモジュールの有無だけでなく、基本構成にも違いがあります。例えばCPU。
Wi-Fiモデル:Core i3-8130U/i5-7200U/i7-8550U
LTEモデル:Core i3-8130U/i5-7200U/i5-8250U/i5-8350U/i7-8650U
なぜにCore i5だけ第7世代が残っている?とは思いますが、こんな感じです。このうちi5-8350Uとi7-8650UはvPro(法人など組織でPCを管理するのに便利な機能です)対応なので、vProが必要な場合はLTEモデルに限られるということになります。ただ、個人利用の場合はあまり関係ないでしょう。
RAMは最小で4GB、最大で32GBで、注文時に容量を指定できますので、ほとんどの人には大丈夫でしょう。また、法人向けモデルながら、ストレージはSSD専用です。128GBから1TBまで細かく選択できるほか、接続形式もSATA 3とNVMeを選べるようになっています。
ディスプレイは13.3インチで、これまた法人向けモデルながらIPS液晶で解像度も1,920 × 1,080と文句なしの水準です。ここまで見ると、CPUにせよRAM、ストレージ構成にせよ、ディスプレイにせよ、個人向けの高性能ノートPCと比べても特に変わったところはないと思われます。また、全バリエーションではありませんが、「HP Sure View」という、のぞき見防止用の機能(ボタンひとつで試薬を狭くすることができる)も選択できます。
入出力ポートに関しては13.3インチのモバイルノートとしては悪くありません。Type-CはThunderbolt 3ですし、有線LANポートも装備されます。特に有線LANポートを備えているあたり、ビジネスマシンぽいですよね。ただし、SD(micro規格も含む)スロットはありません。それと、LTEモデルのSIMスロットはmicroSIMとなっています。
カメラはWindows Helloの顔認証に対応します。また、指紋センサーもありますので、ビジネスマシンとして生体認証を重視しているものと思われます。
サイズは13.3インチとしては「割と小さい」ほうではあります。横幅310 mmというのはハイエンドクラスの13.3インチモバイルノートよりはやや大きく、低価格帯のモバイルノートよりは小さいですね。また重量は1.33 kgですからモバイル利用に支障があるような重さではありませんが、個人向けのハイエンドクラスと比較してしまうとやや重いです。ただこの製品、米軍調達基準(ミルスペック、MIL-STD 810G)をクリアしていまして、高い堅牢性も備えていますので、少し重いだけの根拠はあると言えます。
2.筐体
正面から見るとベゼルも細く、引き締まったデザインになっています。あまりビジネスビジネスした感じではないというか、プライベートで使っても十分カッコいいと思います。
筐体素材はCNC加工のアルミ合金です。また、ちょっと注目なのが天板のロゴマークで、これ「プレミアムロゴ」なんです。個人向けPCだとPavilionには使われておらず、ENVYとSpectreのみに使われているもので、この製品の「格」を物語っていると言えます。
また、天板には「背面マイク」がついています。珍しいですね。「小規模会議で向かい側に座る人の声も届ける360° 全方位マイク」とのことです。
それと、この画像には直接関係ないのですが、この製品のスピーカーシステムはHPお得意のBang & Olufsenです。なので、音楽鑑賞などをしてもかなり満足度の高い音質になっていると思います。
そして、これがまたすごいんですけど、キーボードにはThinkPadでいう「トラックポイント」のような「ポイントスティック」がついています。実際に使ってみないと使用感についてはなんとも言えませんが、HPのPCが使えないようなものを装備しているとは考えにくいので、「マウスいらず」なのかもしれません。
右側面のみ画像がありました。左側面にはUSB ポートが1つあるだけで、ほとんどのポートは右側面となります。また、画像のやや右側に縦長のポートがありますが、これは「HP UltraSlim Dock」というドッキングステーションを接続するためのものです。
3.価格など
HP EliteBook 830 G5はHP Directplusで販売中で、11月16日現在の価格は84,800円(税込み91,584円)から、となっています(ウインタブ限定クーポンでさらに安くなります。「関連リンク」欄をご覧ください)。最低価格の構成は「Core i3/RAM4GB/128GB SSD/FHDディスプレイ/Wi-Fi」となりますが、この製品は注文時に構成のカスタマイズが可能なので、RAMを8GBにするとか、CPUをCore i5にするとか、ストレージを256GBにするとかのカスタマイズがかなりフレキシブルにできます。そうすると10万円を越えてしまいますが、個人向けノートに全く引けを取らない充実装備に加え、ミルスペックの筐体品質であるとか、顔と指紋のダブル生体認証であるとかいったビジネス向きの機能も備えていますので、10万円を越えても妥当という気はします。
HPの法人向けPCを個人購入する場合、「PCリサイクルラベル(無料オプション)」を必ずセットするようにしてください。カスタマイズ画面で指定できます。これがないとPC廃棄の際にかなり面倒なことになってしまいます。逆に言えばそれくらいですかね、注意しないといけないのは。
この製品はつい最近発売されたわけではなく、私のほうで「法人モデルなのでノーマーク」でした、なので、紹介記事を書いていなかったのですが、製品詳細を確認したら、むしろ個人向けPCよりもウインタブ読者に向いているのでは?と思いました。この冬の有力な購入候補になると思います。
4.関連リンク(HP)
ウインタブ専用リンク(クーポン)_法人向けPC
※このリンクはウインタブ限定です。ここからHP Directplusに行くと、EliteBook 830 G5がセール価格からさらに4%オフで購入できます。詳しくはこちらの記事をご覧ください。