こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。先日展示会に参加し、国内外のメーカーのパソコンを見学してきました。この展示会では日頃ウインタブでは必ずしも取り上げる機会が多くない富士通やMicrosoft、東芝といった大手のメーカーが出展しており、一参加者として、短時間ではありますが各メーカーのご担当者とお話をすることができました。ということで、これから何回か、当日出展されていた製品のうち、気になるものを紹介したいと思います。
まずは富士通の「FMV ESPRIMO」です。Microsoft Surface Studioの登場により注目度が上がったオールインワンPCということになりますが、Surface Studioの対極に位置する製品といえ、決して悪い意味ではなく富士通らしいというか、「お父さんの書斎のパソコン」という感じですね。ちなみに展示会で富士通のご担当者も「私もそう思います」的なことを言われてました。モバイルデバイスを専門的に扱っているつもりのウインタブですが、この製品を紹介する理由は「面白いので読者に伝えたいと思った」からです。
1.スペック
この製品は「カタログモデル(FH90/A3)」と富士通の直販サイト「WEB MART」のみで取扱のある「カスタマイズモデル(WF2/A3)」がありますが、ここではカスタマイズモデルを中心に説明します。
OSはWindows 10の64ビット、CPUはCore i7-6700HQで、ノートPC用とはいえかなりのハイスペックです。RAMは4GB/8GB/16GBから選択可能で、カタログモデルは8GBです。ディスプレイは27インチと大画面で、IPS液晶のFHD(1,920 × 1,080)となります。ストレージは最低構成だと1TB HDDですが、256GB SSD + 3TB HDDという構成まで選択することができます(カタログモデルは3TB HDD)。ここまで見ると、GeForceなどのGPUが非搭載とはいえ、家庭用のPCとしてはかなりの高性能であることがわかりますね。
しかし、この製品はCPUやRAMのスペックというよりもマルチメディア対策のほうが行き届いている印象があります。象徴的なのはカタログモデルではTVチューナーが内蔵されているというところで、当然リモコンも付属します(カスタマイズモデルはチューナーなしも選択できます)。またスピーカーはPioneerと共同開発したハイレゾ対応、しかもウーファーつきで、ソフトウェア的な改善だけでなく、ハードウェアそのものを強化しています。
以下、筺体のところでもう少し詳しく説明します。
2.筺体
もともと富士通はこの手のオールインワンPCをずーっと前から展開していたと記憶しており、展示会で見かけた際にもあまり関心を持てませんでした。自分の中にはまだまだオールインワンPCと言うものに対するネガティブな先入観がある、ということだと思います。
で、足を止めたのがこれ。この製品の内部構造の模型なのですが、Pioneerとのコラボである、ということに関心を持ちました。
ディスプレイの下、他のオールインワンPCだとスタンドの位置にあるスピーカーは左右に4W、中央に10Wのウーファーを備え、重低音も強化されています。
オールインワンPCの多くは光学ドライブがディスプレイの側面に配置されているなど、入出力系が前面、背面、側面に分散されていることがありますが、この製品は「フロントアクセス」と称し、光学ドライブのトレイや使用頻度の高いポートは前面に集中させています。おそらくこれは実用面でかなりの恩恵があると思われます。
ディスプレイ側はベゼル幅が細く、スッキリした印象です。
もちろんポップアップ式のカメラで「顔パス」も大丈夫です。
キーボードは薄型でテンキー付きのものが付属します。キーストロークが約3 mmということなので、デスクトップ用のフルキーボードとしては浅いですが、キーの位置によって重さを調整している「3段階押下圧」を採用し、キートップも若干凹んだ形状にするなど、長時間のキー入力をよく考慮した作りになっています。
3.価格など
富士通 FMV ESPRIMOは富士通の直販サイト、「WEB MART」で販売中で、価格は下記のとおりです。
カタログモデル: 228,225円
※RAM8GB、ストレージ3TB HDD、Blu-rayドライブ、TVチューナーつきの価格
カスタマイズモデル:160,276円から
※RAM4GB、ストレージ1TB HDD、DVDスーパーマルチ、TVチューナーなしの価格
カスタマイズモデルの最低構成を選ぶ場合、富士通らしくない割安さがあると思います。しかし、製品の性質上、TVチューナーやBlu-rayはつけたいところなので、実際にはもう少しお金がかかりそうですね。というか、あえてカタログモデルを選ぶ、というのも「らしい」と思います。
この製品の場合、冒頭に書いたように「お父さんが書斎に置くパソコン」という印象があります。こういうのを持っておくと十分な性能がある上、操作もめんどくさくないし、余計なことを考えなくてもおよそあらゆることができてしまいます。また、テレビを観たりBlu-rayで映画を観たり、といった用途でも素晴らしい実力を発揮してくれるでしょう。
Surface Studioも(実際に自分にはクリエイターとしての能力はないけれど)手にとって試してみたいとか思いますが、FMV ESPRIOMOもそれとは全然異なる動機で欲しくなりますね。余計なことを考えたくないのならこっちでしょう。ちなみに私もお父さんですが、日頃激しく中華製品を試用している反動もあり、「ああ、いいなあ、これ」とつい…。
関連リンク
27型ワイド デスクトップパソコン ESPRIMO FHシリーズ:富士通 FM WORLD
ESPRIMO FHシリーズ:富士通WEB MART
コメント
いろいろな客先でPCを借りることが多いのですが、8割がたESPRIOMOです。
(仕事場も書斎も同メーカー、というのも選択理由になりそうですね)
ブラウザソフトとプロバイダの区別がつかない
(IEのクラッシュが続いた挙句、NTTに電話クレーム)
添付されてきたパワポファイルがアクロバットで開かない! と
癇癪を起す・・・ような雰囲気の客先では単なる出入りのライターという
立場はそっちのけ、原稿もそっちのけでソフトインストールに始まり
各種リカバリ作業、HDDメモリ換装、果ては機材入れ替えにあたって
某商会とリース価格の交渉、なんて顛末に至ったりします。
というわけで、ESPRIOMOのお陰で少しだけ「パソコンの中身」に
詳しくなりました(笑)。
いろいろイジってみての所感ですが、さすが国産モデルという
造りの丁寧さ(耐久性は文句なしですね)、嫌な言い方をすると
“推奨外の使用方法は本当に推奨しません”的な融通の利かなさでしょうか。
特にリカバリ作業など、純正の付属ディスクを使わずに完遂させるのに
ひと苦労でした。
同時期に購入した某台湾製やら格安PCショップ組み上げモデルが
軒並み故障してリタイアしていく中、低い負荷とはいえ365日24時間稼働を
淡々と続け、OS入れ替えに伴うパフォーマンス不足が明らかになるまで
きっちり使い倒せるあたり、オフィスPCの理想形だと思います。
自宅にデスクトップを導入する予定はまずありませんが、
中古市場の所謂“タマ数”が潤沢なこともあり、第3世代のi5モデルあたりが
1万円程度で落札できる状況ですので、思わず入札しそうになります(笑)。
決定的なネックが“絶望的なまでに所有欲を満たせない”というものですが
こちらの細いベゼルを見るにつけ、おっ、ちょっとカッコいいなとか
感心してしまいました。でもパイオニアのスピーカをきっかけに
PCオーディオに覚醒してDACやらスピーカーをごちゃごちゃ買い足して
奥さんに怒られるお父さん、というのも想像にたやすいような(笑)。
T9さん、こんにちは、コメントありがとうございます。この製品は工業製品といいますか、家具としての押し出しが強く、お父さんの書斎にはピッタリな気がします。車だとクラウンですかね。
記事を読んでいたら「お父さんの書斎のパソコン」イメージが湧きました。
携帯性ならノートかタブレット、性能や拡張性なら通常のデスクトップなのですが、マニアでない人のエンタメ用途メインなら、オールインワンの一体型でも良いかもですね。
ウインタブさんがスピーカーに惹かれた気持ちも分かります。
ちなみに私、”書斎”とか”ホームオフィス”とか言う言葉に滅法弱いです。
自分だけの書斎に高性能PC…
憧れますな~(´∇`)
こんにちは、コメントありがとうございます。気が合いますね(ニヤリ)。しかし、これにしてしまうと快適さに甘えてしまって、知識欲を満たそうというモチベーションがなくなってしまわないかと少し心配になりますね。
バカにしているわけでは無いんですか
何か90年代に薄型で小ベゼルのモニターのが普通にあれば
出てそうな商品だと思ってしまいました
性能も長持ち差も良いだろうと思いますが…
別の商品が欲しくなってしまいます…
こんにちは、コメントありがとうございます。私も最初そう思ったんですけど、実機をみたらすごく良さげなんですよ!製品イメージはちょっと古く感じますが、快適に使えそうではありますよ!