Dynabookがモバイルノート「dynabook X83(CHANGER)※型番はdynabook X83/LW」を発表しました。この製品は法人向けモデルなのですが、近日中に個人向けとしても発売されます(ただし、筐体色や仕様の一部は法人モデルと異なります。また、製品名もX83ではなく、個人向けの型番体系に変更されるはずです)。
7月18日に都内で記者発表会が開催され、ウインタブも出席し、会場で実機にも触れ、Dynabookのご担当者から説明もいただきました。で、この製品「ヤバい(褒め言葉)」です。ウインタブ読者なら「近日中に個人向けモデルが発売されるなら、ちょっと待ってみようかなあ…」と思われるんじゃないかと思います。
目次
1.dynabook X83(CHANGER) スペック
スペック表
dynabook X83(CHANGER) | |
OS | Windows 11 Pro Windows 10 Pro(Windows 11 Proをダウングレード) |
CPU | Intel Core i5-1334U/Core i5-1345U/Core i5-1340P Core i5-1350P/Core i7-1360P/Core i7-1370P |
外部GPU | なし |
RAM | 16GB/32GB(LPDDR5-4800) |
ストレージ | 256GB/512GB SSD(PCIe, NVMe) |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 13.3インチ(1,920 x 1,200) 13.3インチ(1,920 x 1,200)タッチ |
ネットワーク | Wi-Fi6E(a/b/g/n/ac/ax)、Bluetooth 5.1 |
入出力 | USB4 Type-C(Thunderbolt 4)× 3※、USB 3.2 Gen1 Type-A × 2、HDMI、オーディオジャック、LAN(RJ45)、microSDカードリーダー ※Sサイズバッテリーの場合Thunderbolt 4 × 2 |
カメラ | Webカメラ(92万画素/200万画素・顔認証) |
バッテリー | バッテリーS:目標値12時間 バッテリーL:目標値20~24時間 |
サイズ | バッテリーS:298.8 × 212.0 × 17.7-18.7 mm バッテリーL:298.8 × 212.0 × 17.9-18.9 mm |
重量 | バッテリーS:目標値800 g バッテリーL:目標値950 g |
コメント
dynabook X83(CHANGER)は法人向けモデルなので、個人向けPCのようにカチッと決まったカスタマイズメニューはありません。
OSはWindows 11 ProもしくはWindows 10 Pro(ダウングレード権行使)で、Home版の設定はありません。CPUは第13世代のCore i5/Core i7の複数型番が設定されており、vPro対応の型番(Core i5-1345U/Core i5-1350P/Core i7-1370P」もあります。
RAMは16GB/32GB、SSDは256GB/512GBです。また、ディスプレイは13.3インチの「高輝度・高色純度・広視野角」パネル、解像度は1,920 × 1,200(アスペクト比16:10)でタッチパネルも選べます。個人向けモバイルノートの上位モデルR(RZ)シリーズは14インチで解像度1,920 × 1,200、同じく上位モデルのG(GZ)シリーズは13.3インチで解像度1,920 × 1,080(アスペクト比16:9)ですから、両者の中間くらい(個人的な感想では「いいとこどり」)です。
法人モデルならではの強固なセキュリティ機能も搭載しています(上の画像の「Secured-core PC」はvPro対応CPUのみの機能となります)。
2.dynabook X83(CHANGER)スペック
実機をチラッと見た感じ、GシリーズとRZシリーズの兄弟機種というか、(実際にはサイズなどが違うんですけど)あまり見分けがつきません。
筐体素材はマグネシウム合金で筐体色も「ダークテックブルー」と、Rシリーズと同じです。
X83(CHANGER)の「CHANGER」というのは「簡単にバッテリーを交換できる」という意味合いです。エンドユーザーがリスクなく、3分ほどでバッテリーを交換できる構造になっています。
私もバッテリー交換を試させてもらいました。一応「ネジ2つ」を外すのでドライバーは必要になりますが、ネジさえ外してしまえばあとは簡単で、他に工具は必要なく、特別に力が要るというわけでもありません。また、バッテリーを外してもシステム基板にはアクセスできず、したがってRAMとかSSDは見えません。
モバイルノートで簡単にバッテリーが交換できる構造になっているのは、いまやPanasonicのLet’s noteシリーズくらいじゃないでしょうか?しかもX83(CHANGER)はバッテリー交換に対応しつつ最小重量800 g(目標値)と超軽量です。ただし、バッテリーサイズに「S」と「L」があり、バッテリーSだと800 g、Lだと950 gとなります。…Lでも1キロ切りです…。
キーボードです。メーカーの開示では「86キー(JIS配列準拠)、キーピッチ約19 mm」と開示されており、基本的な仕様はRシリーズ、Gシリーズと同じとのこと。ただし、タッチパッド部分に物理クリックボタンがつきました。この点は多くの人に歓迎されるんじゃないか、と思います。
さらに、個人向けモデル発売時にはおそらく見送られるだろう、とのことですが、X83(CHANGER)は「キーストロークが1.5 mmと2 mmの2種類から選べます」。これはすごい!展示会場でキーストローク2 mmのものを少し打鍵させてもらいましたが、はっきり言って「私の好み」でした。でもまあ、個人向けモデルでは1.5 mmになっちゃうんでしょうね…。
筐体はもちろん180度開口可能。ビジネスミーティングの際などには便利な構造です。
「いやこれ、『あたおか』だろ!」と思ったのが入出力ポート構成です。繰り返しますが、X83(CHANGER)は13.3インチサイズで最小重量800 gの超軽量モバイルノートです。しかし、USBポートはなんと5つ、うちThunderbolt 4が3つ、HDMIポートにmicroSDカードリーダー、そして有線LANポートまで装備します。USBポートが5つ(Thunderbolt 4が3つ)というモバイルノートPCって、他にありましたっけ?
なお、注文時にSサイズバッテリーを選択する場合はUSB Type-Cポートが1つ減り、合計で4つ(うちThunderbolt 4が2つ)となります。
3.dynabook X83(CHANGER)価格など
「dynabook X83(CHANGER)※型番はdynabook X83/LW」は7月18日から受注開始、価格はオープンです。発表会の席上では質疑に対して「10万円台の半ばくらいから30万円くらいでしょうか」という回答がありましたが、法人向けの製品なので発注企業の求めに応じてカスタマイズされるケースが多いでしょうから、実際のところ予想は難しいです。
また、dynabook X83相当の個人向けのモデルが発売されることはほぼ確実と見ていいでしょう。私の勝手な予想ですが、この秋冬くらいかなあ、とは思います。
ウインタブでちょくちょくDynabook Directのセール情報記事を掲載していて、よく製品価格をチェックしているのですが、国内大手メーカーとしてはかなり価格を低く抑えている印象がありますので、個人向けモデルの価格にも期待できる…と思います。
4.関連リンク
ビジネスモバイルノートPC X83/LW:Dynabook