こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。今回はASUSのゲーミングブランド「ROG(Republic of Gamers)」の最新モデル「Zephyrus G GA502DU」を実機レビューします。この製品の最大の注目ポイントは「CPUがRyzen 7 3750Hである」という点で、「どのくらいのパフォーマンスが出るのか」ということに興味がわいてしまいますが、それだけではなく、ゲーミングノートPCとしては落ち着いた、非常に美しいデザインになっていて、ちょっと「大人向けのゲーミングノート」という雰囲気も感じられ、とにかくカッコいい製品です!
1.スペック
冒頭に触れたとおり、この製品のCPUはAMD Ryzen 7 3750Hです。RyzenはIntel Core iプロセッサーに型番名を寄せてきていて、末尾がHということでモバイル用の高性能CPUである、ということはわかると思います。ただ、Core i7-9750H(6コア12スレッド)とは異なり、4コア8スレッドです。Ryzenをゲーミングノートに搭載することにより、ベンチマークスコアにどのくらい響いてくるのか楽しみではあります。
外部GPUはGeForce GTX1660Tiで、薄型ノート用に設計されたMax-Qデザインとなります。Max-Qの場合、通常版の1660Tiよりも若干パフォーマンスが落ちますし、これを搭載することによってRyzenの強みである内蔵GPU(Radeon RX Vega 10)がゲームプレイに使えなくなる(内蔵GPUと外部GPUは同時には動きません)ので、これもまたベンチマークスコアにどのくらい変化があるのか気になるところです。
RAMは16GB、ストレージは512GBです。購入時に増設はできません。特にストレージに関しては(当面は困らないと思いますが)オンラインゲームは40GBとか50GBといった大容量のものもありますので、たくさんゲームをインストールする場合は少し不足感があるかもしれません。プレイしていないゲームは潔くアンインストールしましょう。
ディスプレイは15.6インチのFHD解像度で、ノングレア(非光沢)タイプ、リフレッシュレートは120 Hzです。一般的なノートPC(60 Hz)よりもかなり高いリフレッシュレートですが、最近は144 Hzのディスプレイを搭載するゲーミングノートが増えています。しかし、120 Hzと144 Hzだとほとんど体感差はないものと思われますので、特に不満を感じるようなものではないでしょう。
また、この製品、Webカメラがありません。これはまた思い切った…と感じますが、動画配信なんかで顔出しをしている人には不便なのかな?そういう人たちがどんな設備を使っているのかわからないんで、この辺は何とも言えません。あと、非ゲーミングでビデオチャット(Webでのテレビ電話)を使う人は困るでしょう。ちなみに私はあんまり関係ないです。
サイズは最近のゲーミングノートの例にもれず、「横幅が小さい」ものになっています。ただ、それだけではなくて、ゲーミングノートとしてはかなりの薄型です。この辺は筐体説明のところで触れたいと思います。
2.筐体
同梱物です。レビュー機はメーカーからの貸出機で新品未開封の状態ではなかったので、特にペーパー類は新品とは異なる可能性があります。取扱説明書、保証書、初期不良時などに対する注意事項の書かれたペーパー、あとはACアダプターと電源ケーブルです。ACアダプターはゲーミングPCらしく大型(180W)で、電源ケーブル込の重量は524 gでした。
天板です。天板の素材はおそらく金属(アルミ)だと思われます。デザインと質感が非常に高いものでした。とてもカッコいいです!
天板は対角線を境に、方向の異なるヘアライン加工が施されていて、一般的なゲーミングノートのような派手さはないものの、個性的で高級感があります。ただ、やや大きめの「ROG」のロゴマークは電源オン時に赤く発光し、この製品がゲーミングノートであることを主張します。
底面の素材はプラスティックで、ユーザーがメンテナンスできる開口部(ハッチ)はありません(ただし、開口はできます)。また、底面の手前側(開口部側、画像の下の部分です)にはステレオスピーカーが装備されています。
左側面です。このアングルから見るとわかりやすいと思いますが、この製品は筐体が薄く、かつスクエア(角張った)な仕上げになっていて、他のノートPCとは少し異なる雰囲気になっています。こちらには画像右からUSB 3.0 ×2、通気孔を挟んでセキュリティロックスロットがあります。
左側面です。画像左からDC-IN、有線LAN、HDMI、USB 3.0、USB Type-C、そしてオーディオジャックがあります。この製品の音声入出力は入力/出力が別々ではなく、兼用になっていて、一般的な(非ゲーミング)ノートPCと同じ構成になっています。
背面には一見すると通気口しかないように見えます。しかし、この部分はこの製品のデザインアクセントにもなっていて、
「REPUBLIC OF GAMERS」のロゴが入っていて、この製品がASUSのROGであることがすぐにわかります。また、それだけではありません。
ヒンジ部分も特徴的なデザインになっています。また、この画像の少し凹んだ部分(これ、キーボード面です)にはLEDのステータスインジケーターがあります。
前面はシンプルで、ポートやボタンはありません。しかし、角張ったデザインであることがよくわかりますね。
キーボードです。ここは少し特徴的です。まず、15.6インチサイズながらテンキーはありません。従来、15.6インチサイズであればテンキーがついているのが当たり前でしたが、最近はゲーミングノート、非ゲーミングノートともコンパクト化(特に横幅)が進み、テンキーを廃したレイアウトになっているものが増えてきました。事務作業、特に経理業務など数値入力が多い作業の場合はテンキーがついているほうが便利ですが、テンキーがないレイアウトだと、ホームポジションとPCの中心がほぼ一致するため、テキスト入力やゲームプレイ時により自然な姿勢でPCに向き合うことができます。このあたりは一長一短があるかと思いますが、ゲーミングノートであればテンキーはなくてもいいかもしれないですね。
それと、この製品は英語配列しか選べません。ゲームプレイのみを前提とする場合はこれで問題ありませんが、個人用PCの場合、必ずしもゲームプレイのみに使うわけではないと思いますので、英語配列に慣れていない人は使い始めのうち少し戸惑うことになると思います。
また、配列は基本的に6列ですが、上部左側に4つのキーがあり、ボリューム調整、マイクのオン/オフ、設定アプリ「ROG Armoury Crate」の起動が割り当てられています。また、Fキーのある上段は4キーごとに間隔が空いていて、ASUSではこれを「デスクトップ・インスパイアード」キーボードと呼んでいます。
キーボードのバックライトは少し落ち着いていて、ホワイトのみで、他の色は使えません。輝度は3段階に調整可能です。また、筐体そのものにも天板のロゴ(電源オンで赤く光ります)を除き、イルミネーション機能はありませんので、AURA Sync(筐体と周辺機器のイルミネーションをコントロールできる)機能はありません。
アルファベットキーのキーピッチは手採寸で左右に約19 mm、上下に約18 mm強くらいで、十分な余裕があります。またキーストロークはノートPCとしては標準的な深さだと思います。もちろんNキーロールオーバーにも対応します。
正面から見たところです。上部と左右のベゼルが非常に細くなっていて、デザインをカッコよく見せてくれますし、ゲームプレイ時の画面への没入感も高くなっています。なお、繰り返しになりますが、この製品にはWebカメラはありません…。
ヒンジを最大開口するとこんな感じです。Lenovo製品のように水平位置(180度)までは開きませんが、実用上なんの問題もないくらいの角度は確保されています。それと、この製品は一見するとリフトアップヒンジ(ヒンジを開口すると筐体後部がせり上がり、キーボードに適度な角度がつく構造。ASUSの用語だとエルゴリフトヒンジ)に見えますが、実際はそうではありません。しかし、底面のゴム足が「後部のほうが高い」ので、キーボード面にはやや傾斜がつきます。
一通り筐体をチェックしてみました。感想として「大人向けのゲーミングノート」かな、と。例えばキーボードバックライトがホワイトのみでRGBではないこと、実用上はなくても構わない筐体各部のイルミネーションがないこと、そして角ばっていてスリムな筐体デザインなど、非常にカッコいいと感じますが、ゲーミングノートにありがちな派手さはありません。「ROGのZephyrus」ではありますが、必ずしもゲームプレイだけを想定した製品ではなく、ビジネスマンやクリエイターがタフな(PC負荷の高い)作業に使うのにも向くと思います。決して「地味」なわけではなく「控えめながらタダモノではないオーラ」がありますね。個人的にはこの筐体デザインを高く評価したいです。
3.使用感
設定アプリ
この製品には「Armoury Crate」という設定アプリがインストールされています。操作性がよく、簡単にパフォーマンスモードの切り替え(サイレント、パフォーマンス、Turboなど)ができ、それをビジュアルで示してくれるので、初めて使う場合でも非常にわかりやすいです。なお、今回のレビューではベンチマークテストの際「Turboモード(最もパワフルなモード)」にして測定しています。
また、このようにゲームプレイ時のプロセス管理や、
キーボード設定やファンの風量、他の設定アプリの基本設定の変更なども可能です。システムモニター機能もついていますので、非常に強力な設定アプリだと言えます。
こちらが「ROG Game visual」という画質設定用のアプリです。このアプリはレディーメードでゲーム種類別、利用シーン別に最適な画質設定をしてくれます。あまり細かい調整はできませんが、色温度の調整は可能です。
音響系では「Sonic Studio 3」というアプリが入っていました。こちらも利用シーン別に設定が可能で、イコライザーもありましたので、マニュアルでの微調整も可能です。
「GAMEFIRST V」というネットワーク管理(タスクごとの通信の優先順位を設定したり、通信状況をモニターできる)用のアプリも入っていました。
ウインタブではここのところLenovoなどのゲーミングPCのレビューをしてきていますが、この製品にプリインストールされている設定アプリ群は非常に優秀だと思います。専門的な知識がなくとも直感的な操作で設定を選べますし、その気になれば手動で細かい調整も可能なものが多かったので、ゲーム初心者の人も上級者の人も納得できる機能になっていると思います。
ディスプレイ
ASUSのスペック表では開示されていませんが、この製品のディスプレイは視野角が広く、IPS(IPS相当)だと思います。発色も良好ですが、手持ちのディスプレイとの比較では少し色味が淡く(薄く)感じられます。前述の「ROG Game visual」で画質を変えることができますが、どちらかというと「目の保護」に重点が置かれているようで、発色をより鮮やかにする、という設定(モード)は見当たりませんでした。他のディスプレイと並べてガン見すると少し違いがわかる、というレベルなので、実用上は不満を感じるような品質ではないと思います。
キーボード
筐体説明のところでも書きましたが、この製品は15.6インチサイズながらテンキーを装備していません。そのため、PCの中心に向き合ってホームポジションをとることができます。これには一長一短あるかと思います。私の場合は数値入力よりもテキスト入力のほうが圧倒的に頻度が高いので、テンキーレスのほうが使いやすいですね。
打鍵感は非常にいいです。キーピッチに十分な余裕があるので、英語配列であることを別とすれば誤入力の心配はありません。また、押下圧(キーの重さ)が大きめで、打鍵の際の反発力もまた大きめです。しかし、重い、というよりは「小気味よい」と感じられるレベルで、長時間のタイピングでも疲れは感じませんでした。打鍵音も小さめなので、静かな場所でも問題なく使えると思います。
このキーボード、かなり出来がいい、と少し感動しました。
スピーカー
非常に高品質だと思います。簡単に言うと「元気がいい」音が出ます。音量も大きいですし、低音から高音までメリハリもあります。ダンス系とかロック系、女性ヴォーカルなども聞いてみましたが、もれなく元気がいい、という感じ。
また、オンラインゲーム(CS:GO)もプレイしてみましたが、臨場感のあるサウンドが楽しめ、ゲームプレイにも十分な水準の音質だと思います。
設定アプリの出来もよく、非常に細かい調整が可能です。また、イコライザーを使って完全手動設定というのもできますので、だれでも好みの音質に仕上げることができるでしょう。
バッテリー
ゲーミングノートの場合、GeForceが仕事を始めるような場面、つまりゲームプレイ時のバッテリー稼働時間を測定するのはあまり意味がありません。おそらくあっという間にバッテリー切れになってしまうし、ゲーマーの人ならバッテリー稼働でオンラインゲームを長時間プレイしようとは思わないでしょう。
しかし、この製品は15.6インチノートとして薄型・軽量な部類になりますし、非ゲーミング用途で外出先でPC作業をするケースも多いと思われます。そのため、ライトな使い方をした場合、どのくらいバッテリー稼働時間があるのかは知っておきたいところです。
「ディスプレイ輝度100%にしてブラウザーのEdgeからYou Tubeを開き、ボリュームを30%程度にして動画視聴を1時間、その間にテキストライティングを15分程度実施」してみたら、バッテリー消費は24%でした。この際、Armoury Crateの設定は「サイレント(省電力)」になっていました。私が自分で操作したわけではなく、バッテリー稼働にすると自動的にサイレントモードに切り替わるようです。
この使い方だと単純計算で4時間以上はバッテリー稼働ができることになります。また、この数値は「伸びしろ」があります。ディスプレイ輝度は落とせますし、Armoury Crateでさらなる省電力設定にすることが可能だからです。なので、ライトな作業に絞って使う場合、おそらく5時間以上はバッテリー稼働が可能と思われます。ゲーミング用としては電源供給が必須ですが、ビジネス用途なら半日くらい出先で作業するのは十分可能ですし、断続的にPCを使うということなら終日は充電なしで行けると思います。
4.性能テスト
参考:
Lenovo Legion Y740(15)(Core i7-9750H、RTX2070 Max-Q): 20,217
ドスパラ GALLERIA GCR1660TGF-QC-G(Core i7-9750H、GTX1660Ti): 20,113
Lenovo Legion Y7000(Core i7-9750H、GTX1650): 19,882
ドスパラ GALLERIA GCR2070RNF(Core i7-9750H、RTX2070): 19,838
MSI GL63 8SE(Core i7-8750H、RTX2060): 19,178
ASUS ZenBook 15 UX534FT(Core i7-8565U、GTX1650): 17,330
Lenovo IdeaPad S540 Gaming Editon(Core i5-8265U、GTX1650): 9,060
参考:
ドスパラ GALLERIA GCR1660TGF-QC-G(Core i7-9750H、GTX1660Ti): 12,030
Lenovo Legion Y740(15)(Core i7-9750H、RTX2070 Max-Q): 11,724
Lenovo Legion Y7000(Core i7-9750H、GTX1650): 11,433
ドスパラ GALLERIA GCR2070RNF(Core i7-9750H、RTX2070): 11,218
ASUS ZenBook Pro Duo UX581GV(Core i9-9980HK、RTX2060): 9,792
ドスパラ GALLERIA GCF2060GF-E(Core i7-8750H、RTX2060): 9,100
ASUS ZenBook 15 UX534FT(Core i7-8565U、GTX1650): 8,026
オンラインゲームのベンチマークソフト2種では「あれ?」という結果になってしまいました。ドラクエベンチではメタルスライム(スコア1万点以上)すら出ていません。ドラクエベンチの場合、たまに「どうやっても外部GPUが効かない」ケースがあるのですが、最高品質で9,000点台というスコアは(少なくともIntel CPUの場合は)出ませんので、おそらくRyzen 7とGTX1660Tiがともに機能した結果だと思います。また、ドラゴンズドグマオンライン(DDON)でもかなり低いスコアです。DDONのほうは外部GPUを認識しないということはありませんので、これも正規のスコアと言えます。
参考:
ドスパラ GALLERIA GCR2070RNF(Core i7-9750H、RTX2070): 7,219、16,668、35,109
マウス NEXTGEAR-NOTE i7901BA1(Core i7-7700K、GTX1080): 6,703、17,345、37,589
Lenovo Legion Y740(15)(Core i7-9750H、RTX2070 Max-Q): 6,508、14,067、36,491
OMEN X by HP(Core i7-7820HK、GTX1080): 6,283、15,476、30,804
MSI GL63 8SE(Core i7-8750H、RTX2060): 6,205、14,838、33,985
ASUS ZenBook Pro Duo UX581GV(Core i9-9980HK、RTX2060): 5,850、13,667、28,140
ドスパラ GALLERIA GCR1660TGF-QC-G(Core i7-9750H、GTX1660Ti): 5,610、12,852、34,583
ドスパラ GALLERIA GCF1070GF(Core i7-8750H、GTX1070): 5,583、15,146、36,268
ドスパラ GALLERIA GCF2060GF-E(Core i7-8750H、RTX2060): 5,453、13,800、33,609
ドスパラ GALLERIA GKF1070NF(Core i7-7700HQ、GTX1070): 5,280、14,030、30,686
DELL ALIENWARE 17(Core i7-7700HQ、GTX1070): 5,257、13,233、29,845
ドスパラ GALLERIA GCF1060NF(Core i7-8750H、GTX1060): 3,965、10,506、29,442
ドスパラ GALLERIA GKF1060GFE(Core i7-7700HQ、GTX1060): 3,808、9,888、26,344
Lenovo Legion Y7000(Core i7-9750H、GTX1650): 3,722、8,164、26,019
GALLERIA GKF1060NF(Core i7-7700HQ、GTX1060): 3,717、9,989、24,824
DELL G7(Core i7-8750H、GTX1060): 3,703、9,743、26,843
GALLERIA GKF1060GFE(Core i7-7700HQ、GTX1060): 3,625、9,784、24,233
ドスパラ GALLERIA Mini 1060(Core i5-7500、GTX1060): 3,583、9,276、22,203
ドスパラ raytrek RKF1060TGK(Core i7-7700HQ、GTX1060): 3,518、9,207、23,689
ASUS ZenBook 15 UX534FT(Core i7-8565U、GTX1650): 2,988、6,789、20,260
ドスパラ GALLERIA GCF1050TNF(Core i7-8750H、GTX1050Ti): 2,528、6,776、17,005
ドスパラ GALLERIA GCF1050TGF-E(Core i5-8300H、GTX1050Ti): 2,523、6,802、20,045
GALLERIA GKF1050TNF(Core i7-7700HQ、GTX1050Ti): 2,492、6,858、18,179
NEXTGEAR-NOTE i4400GA1(Core i7-7700HQ、GTX1050Ti): 2,449、6,852、20,453
Lenovo ThinkPad X1 Extreme(Core i7-8750H、GTX1050Ti Max-Q): 2,393、6,490、19,506
GALLERIA QSF965HE(Core i7-6700HQ、GTX965M): –、5,344、16,987
ドスパラ Critea VF-HGK1050(Core i7-7700HQ、GTX1050): 1,826、5,553、17,109
HP Pavilion Power 15(Core i5-7300HQ、GTX1050): 1,797、5,230、14,052
※左からTime Spy、Fire Strike、Sky Diverのスコア
気を取り直して3D Markです。こちらはGTX1650あるいはGTX1060クラスのスコアにはなりました。ただし、同じGTX1660Tiを搭載するGALLERIA GCR1660TGF-QC-Gにはかなり水を開けられた格好です。ハードウェア(PC)とソフトウェア(ベンチマークソフト)の相性みたいなものもありますので、一部のスコアが高くなるとか低くなるというのはしばしばある話です。しかし、ゲーム系のベンチマーク3種(3D Markの個別テストを別物とすれば5種)を実施した結果がこれ、というのは受け入れざるを得ないでしょう。今後RyzenのファームアップデートやNVIDIAのドライバーアップデートなどでスコアが改善する可能性はある(特に前者)と思いますが、現状だとIntel CPU(Coffee Lake)搭載PCよりもパフォーマンスは低め、という評価です。
参考:
Lenovo Legion Y740(15)(Core i7-9750H、RTX2070 Max-Q): 5,830
ASUS ZenBook Pro Duo UX581GV(Core i9-9980HK、RTX2060): 5,727
Lenovo Legion Y7000(Core i7-9750H、GTX1650): 5,618
ドスパラ GALLERIA GCR1660TGF-QC-G(Core i7-9750H、GTX1660Ti): 5,573
ドスパラ GALLERIA GCR2070RNF(Core i7-9750H、RTX2070): 5,505
DELL G7(Core i7-8750H、GTX1060): 5,401
ドスパラ GALLERIA GCF2060GF-E(Core i7-8750H、RTX2060): 5,328
ドスパラ GALLERIA GCF1070GF(Core i7-8750H、GTX1070): 5,122
MSI GF75 Thin(Core i7-8750H、GTX1050Ti): 5,009
ドスパラ GALLERIA GCF1060GF-E(Core i7-8750H、GTX1060): 4,976
ドスパラ GALLERIA Mini 1060(Core i5-7500、GTX1060): 4,906
ドスパラ GALLERIA GCF2070GF-E(Core i7-8750H、RTX2070): 4,893
ASUS ZenBook 15 UX534FT(Core i7-8565U、GTX1650): 4,709
ドスパラ GALLERIA GCF1050TGF-E(Core i5-8300H、GTX1050Ti): 4,545
OMEN X by HP(Core i7-7820HK、GTX1080): 4,290
iiyama STYLE-17FH054-i7(Core i7-8750H) : 4,281
HP Spectre x360 13(Core i7-8565U): 4,223
Lenovo ThinkPad T490(Core i7-8565U、MX250): 4,158
ASUS ZenBook 14 UX434FL(Core i5-8265U、MX250):3,933
Lenovo ThinkPad X280(Core i7-8550U): 3,909
ドスパラ Altair F-13KR(Core i5-8350U): 3,778
HP Spectre 13(Core i5-8265U): 3,766
HP ENVY X360 13(Ryzen 7 3700U): 3,728
NEC LAVIE Direct NEXT(Core i7-8550U): 3,704
ドスパラ Critea VF-HEKS(Core i7-8550U、MX150): 3,704
HP ENVY x360 15(Ryzen 3500U): 3,617
DELL Inspiron 17 5000(5770)(Core i7-8550U、Radeon 530): 3,607
東芝 dynabook AZ65/G(Core i7-8550U): 3,546
HP ENVY 13(Core i7-8550U):3,534
DELL XPS 13(9370)(Core i7-8550U): 3,518
ドスパラ Critea VF-HGK1050(Core i7-7700HQ、GTX1050): 3,492
東芝 dynabook VZ82/F(Core i7-8550U): 3,491
富士通 LIFEBOOK WS1/B3(Core i7-8550U): 3,479
Microsoft Surface Pro 6(Core i5-8250U): 3,399
東芝 dynabook DZ83/J(Core i7-8550U): 3,353
マウス m-Book J(Core i5-8250U): 3,350
東芝 dynabook UZ63/F(Core i7-8550U): 3,341
Microsoft Surface Laptop 2(Core i5-8250U): 3,199
HP Spectre Folio 13(Core i5-8200Y): 3,108
PC Markはグラフィック性能だけでなく、表計算ソフトや画像加工ソフト、ビデオチャットなどのビジネスソフトの利用もシミュレートしている総合的なテストです。ここでのスコアは決して低いとは思いませんが、高性能版のRyzen 7とGTX1660Tiの組み合わせとしては不満ですね。
ここまで一通りテストしてみて「たぶんAMDのファームウェアじゃね?」と考察します(あくまで個人的な考えです)。私の知る限りRyzen 7 3750HというCPUはゲーミングノートPCへの搭載例がまだ非常に少なく、同じ第2世代モバイルRyzenでも「末尾U」のものほど経験値がつみあがっていないと思われます。最終的にCoffee LakeのCore iプロセッサーをしのぐ性能になるのかまではわかりませんが、おそらく今後ファームウェアのアップデートでパフォーマンスは向上していくものと思われます。
参考までにCrystal Disk Markのスコアも掲載しておきます。SSDなので高速に読み書きはできますが、先日来レビューしているLenovo LegionシリーズやドスパラのGALLERIAなどと比較するとやや低速ではあります。ただし、私の使い方だと遅いと感じる場面はありませんでした。
5.まとめ
ASUS ROG Zephyrus G GA502DUはASUS Storeで販売中で、10月14日現在の価格は183,800円(税込み202,180円)です。
この製品の筐体品質およびデザインに関しては非常に高く評価したいです。記事中にチラッと触れましたが、「大人向けのゲーミングノート」という雰囲気がよく出ていまして、ガチャガチャした装飾もなく、薄型で美しいデザインは本当に素晴らしいと思いました。また、キーボードの打鍵感やディスプレイ品質もよく、仮にこの製品を非ゲーミング主目的(平日はビジネス用として使い、休日にゲームプレイを楽しむ)として購入するのであれば文句なし!となるはずです。エリートビジネスマン向けって言えるでしょうw まあ、Webカメラがないのはご愛嬌ですけどね。
しかし、今回のレビューで残念だったのがベンチマークテストのスコアです。私のやり方がまずかったのかもしれませんし、AMDのファームウェアが未成熟であった可能性もあります。後者であれば今後ベンチマークスコアはより高いものになるものと思われます。「大人向けのゲーミングノート」と書きましたが、逆に言うと「コアゲーマーがゲームプレイ専用に購入するのであれば少し物足りない」というのが「直近の」ベンチマークテストから言えることでもあります。
トータルで見て、この製品の価格は「パフォーマンス最優先」だと若干高め、非ゲーミング用途も視野に入れ、特にちょくちょく出先に持ち出して使いたいというニーズのある人には、筐体デザインや筐体品質が非常にいいこともあり、おすすめできるものと思います。
6.関連リンク
ROG Zephyrus G GA502:ASUS 製品紹介ページ
ROG Zephyrus G GA502DU (GA502DU-A7G1660T):ASUS Store
コメント
天板ロゴが赤く光るのは起動した時のみですか?それとも起動している間ずっとですか?
また、赤く光らないようにすることはできますでしょうか。
ご回答いただけましたら幸いです。