こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。最近のWindowsストア、iOSやAndroidからの移植も進んでおり、急速に充実度を高めていると感じています。
海外メディアによれば、MicrosoftがWindowsストアにあった「詐欺的なアプリ(scam app)」1,500本を削除した、とのことです。これは私達にとって朗報だと思います。
1.詐欺的アプリとは?
例えばWindowsストアで「VLC(人気のメディアプレイヤー)」と検索した場合の検索結果が上の画像でした(現在は改善されています)。米国のWindowsストアでの検索なので、日本版とは少し異なる結果だと思いますが、日本版でもこれに近い状況だったはずです。画像を見ると似たようなタイルが大量に並んでいますが、本物のVLC公式アプリはひとつだけです。全部が全部ということではないですが、この中に悪質なものが含まれていました。具体的にはアプリのコンテンツが「本物のVLCのデスクトップ版ダウンロードページのリンク」しかなく、しかも(本物のVLCは無料なのに)2.49ドルとかの有料という、まさに詐欺的な内容です。
私はSafariとかChromeとか、ストアアプリになっていないはずの有名ソフトウェアがなぜかWindowsストアに複数あって、しかも有料、というのを何度か見たことがあります。明らかに不審なのでダウンロードはしていませんが、恐らく詐欺的アプリだったんだろうと思っています。Windowsストアにアプリを出品するためにはMicrosoftの審査を受けなくてはならないはずなんですが、なぜこのような詐欺的アプリがこれまで野放しになっていたのか、よくわかりません。
家庭用ゲーム機の時代から、「クソゲー」は存在していましたし、うっかりクソゲーを買ってしまって腹を立てたこともありますが、クソゲーは詐欺ではなく、製作者的には「これは絶対面白い」という確信があったはずですから、そこに悪意はなかっただろうと思います。だからまだ許せます。しかし、こういう詐欺的アプリをもし掴まされたら、本当に腹が立つでしょうね。悪意のかたまりなんだから。
2.Microsoftの対策
Microsoftではこのような詐欺的アプリを1500本削除したと同時に、今後のアプリ登録の要件(certification requirements)を強化しています。
名称 – アプリの機能を明確かつ正確に反映したものであること
カテゴリ – アプリの機能と利用目的に照らして、正しいカテゴリに登録すること
アイコン – 他のアプリと見間違えないように差別化されること
これらの要件は新規アプリだけでなく、既存アプリのアップデートの際にもチェックされ、さらに既存アプリについてもすべてチェックしていく、とのことです。また、削除した1500本のアプリに課金してしまった人には代金を返却する方針とのことです。
現在では20万本に到達したと言われるWindowsストアアプリですが、iOS(120万本)やAndroid(Google playだけで120万本以上)と比較すればまだまだ貧弱です。比較的審査が厳格なiOSには詐欺的アプリは少なく、事実上野放しで非公式のアプリストアが存在するAndroidには詐欺的アプリだけでなくウイルスやマルウェアが仕込まれたアプリが大量に存在すると言われています。「Windowsストアの充実」は私達ユーザーにとってもMicrosoftにとっても最重要テーマだと思いますが、「充実」というのは「量」だけでなく「質」も意味しますね。なので、今回のMicrosoftの行動は大歓迎ですし、ぜひ努力を継続してもらいたいと思います。
3.関連リンク
How we’re addressing misleading apps in Windows Store:Windows公式ブログ(英語)
Microsoft removes 1500 apps from Windows Store, will refund anyone who purchased them:Neowin(英語)
Microsoft Announces Stricter Policies On Naming Of Apps In Windows Store, Removes 1500 Spam Apps:The Microsoft-News.com(英語)