ウインタブが注目しているジャンル「Android OS搭載のスマートウォッチ」ですが、2019年に入り、バッテリーの節約を主目的とした「デュアルOS(デュアルモード)」「デュアルCPU」の製品が主流になってきました。まだジャンルとしてはニッチであり、製品の完成度も不十分ではありますが、その中でもZeblazeのスマートウォッチは日本でも割と人気があります。ウインタブでは「Zeblaze THOR 4 Pro」をライターのかのあゆさんが実機レビューしてくれましたが、そのZeblazeからニューモデルが登場です。
1.スペック
OSはAndroid 7.1.1ですが…
このように「Smart Watch Mode」と「Smart Wristband Mode」の切り替えが可能です。基本的に競合製品(デュアルCPUの最新モデル)と同じようにバッテリー節約を意図した簡易モードを搭載しているということになりますが、この「モード」のことを「OS」つまり「デュアルOS」と呼ぶメーカーもあったりします。ウインタブでは今この製品と似たシステム構成のLEMFO LEM9をレビュー中(近日中に記事を公開します)ですが、この「モード切り替え」の機能もついていて、モード切り替えの際にどうやら再起動してるっぽいので、デュアルOSと呼んでも大げさではないのかもしれません。
CPUはMediaTek MT6739とNRF52840のデュアルチップです。この型番は競合製品と全く同じで、CPU性能という点では差別化はできていません。RAMは2GBと、比較的余裕があり、ストレージは他社製品と同じように16GBです。個人的にはこの種の製品はディスプレイサイズが非常に小さいためにタッチ操作の操作性に難があり、高いスペックにしたところでその性能を活かしきれないだろうと思いますので、その観点では十分なスペックかと思います。
ディスプレイは1.39インチの有機ELで解像度は454 × 454と、競合製品(最新モデル)と同じ品質です。解像度に関しては昨年のモデル(400 × 400とか320 × 320)よりもワンランク上がっていますね。
また、すでにご存知かと思いますが、この製品はAndroid OSを搭載し、単体でSIMカードを挿入できますので、「電話機」「スマートフォン」として使うことができます。対応するSIMサイズはNanoSIM、通信バンドは日本仕様とは言えませんが、LTEのBand 1には対応しています。
入出力ポートは「POGOピン」で、画像(下に掲載します)を見ると4ピンになっていますので、充電だけでなくPCとのデータ伝送も可能と思われます。これ結構重要で、OS搭載スマートウォッチはカメラもついていますから、PCなどにデータを流したくなる場面が多くなると思います。一部の製品は充電専用になっていてデータ伝送ができませんので、この点はありがたいと思います。
カメラは8MPと、このジャンルの製品としては高画素数な部類です。物理的に8MPなのかソフトウェア補間により8MPとなるのかは不明ですが、割とキレイな写真が撮影できるかもしれませんね。また、この製品はカメラの配置が少し変わっています(後述します)。
肝心のバッテリーですが、容量は545 mAhなので、それほど大きくはない、というかむしろ競合製品よりも小さめです。軽量化という目的もあるんでしょうし、バッテリー節約機能(Smart Wristband Modeなど)が強化されていることによるメーカーの自信というのもあるのかもしれません。バッテリー稼働時間は「Smart Watch Mode(Androidの機能がフルに使えるモード)」で1日、「Smart Wristband Mode(節約モード)」で4日という説明になっています。
2.筐体
Android OS搭載のスマートウォッチはどうしてもサイズが大きめになるせいか、外観はスポーツウォッチ(G-SHOCKなど)に似た雰囲気を持っています。この製品もその流れに沿ったデザインですが、カメラ位置が変更されています。通常だと側面のリューズの位置にレンズが来るようになっていますが、この製品は画像の通り前面の右側にレンズが配置されています。この配置だとビデオチャットの際には便利だと思われますが、風景とか「自分の顔以外」のものを撮影する場合には少し使いにくいでしょうね。
背面です。POGOピン(4ピン)が見えますし、下側にはSIMスロットのカバーも見えます。また一般的なスマートウォッチやヘルストラッカーと同様、心拍数センサーも装備されます。また、バンドが交換できるのかできないのか、ということについては説明がありませんが、画像を見る限り交換は難しいと思われます。
筐体素材はケースが亜鉛合金(Zinc Alloy)でバンドがシリコンとなっています。
側面のデザインも一風変わっています。ボタンが2個ついている、というのは競合製品と同じですが、競合製品の多くは腕時計のリューズに似せたデザインになっているのに対し、この製品はスッキリとしたボタン形状になっています。
それと、防水・防塵性能については説明がありませんでした。競合製品の多くは「IP67レベル」になっていますが、Zeblazeの製品ではTHOR 4 Proが「生活防水」にとどまっていましたので、おそらくこの製品も同様に「生活防水レベル」なのではないか、と思われます。毎日腕に装着するものだけに、この点は少し残念です。
3.価格など
Zeblaze THOR 5は中国の通販サイト「Banggood」でプレオーダー中で、6月4日現在の価格は139.99ドル(15,591円、期間限定のセール価格です)となっています。2018年のAndroid OS搭載スマートウォッチよりも少しだけ高価になっていますが、OSやCPUの構成を考慮すれば納得はできると思います。
この製品じゃないんですけど、台北出張の際にレビュー機のLEMFO LEM9を持っていきまして、いろいろと試してみました。シューティングゲームの「ストライカーズ1945」はちゃんと動作しましたし、ファーストステージのボスキャラも撃破できましたw 先日ライターのかのあゆさんがZeblaze THOR 4 PROのレビューをした際に、「使えるアプリは非常に少ない」という感想を書いていたので、ちょっと不安でしたが、多少はプレイできるゲームもありましたし、「スマートニュース」なんかも普通に使えました(使いやすいとは言ってませんw)。また、文字入力がかなり厳しいのは間違いありませんが、音声入力の性能がいいので、ある程度は音声入力でWeb検索などができましたし、Twitterのダイレクトメッセージなんかもできました。
このジャンルの製品も、代を重ねるごとに使い勝手がどんどん良くなっていると感じました。ウインタブ的には依然として2019年注目の製品ジャンルです。
4.関連リンク
Zeblaze THOR 5:Banggood
コメント
バッテリー短いのは解消が難しいから
リストバンドの中にバッテリー仕込んで使うかな