こんにちは。かのあゆです。以前ウインタブでひらちょんさんが中華スマートフォンとしては珍しいLTEバンド19に対応したミッドレンジスマートフォン「Ulefone T1」の実機レビューを行っていますが、今回はそのストレージ強化版である「Ulefone T1 Premium」を中国の通販サイト「Banggood」に提供していただきましたのでレビューしたいと思います。Banggoodにはこの場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございます。
かのあゆ個人としては今回初めてUlefoneのT1シリーズを試用しましたが、メイン端末としても十分活用できるスペックになっていて中華スマートフォンを初めて購入したいという方にもお勧めできる端末だと感じました。
1.スペック
基本的なスペックとしてはひらちょんさんが先にレビューしている通常版のUlefone T1とほぼ同じですが、「Premium」という名称になっていることもあり、ストレージは64GBから128GBに強化されています。
日本国内で正式に流通しているハイエンドクラスの端末でも128GBというストレージ容量の端末はかなり少ないので、これだけでも「希少な存在」と言えます。本端末はmicroSDカードによるストレージ拡張にも対応していますが、SIMスロットの仕様上、DSDS(SIM2枚挿しによる同時待ち受け)で使う場合はmicroSDカードを使えず、ストレージの拡張を行うことができません。しかし、これだけ容量があれば内蔵ストレージのみの運用でも容量不足に陥る可能性は低いでしょう。
SIM通信に関しては今回のレビューで検証できませんが、日本国内で利用されているLTEバンド19にも対応しています。対応バンドは中華スマートフォンとしてはかなり広いので世界各地で安心して使用することができるのではないでしょうか。
使用感に関しては後述しますが、Helio P25も日本国内で流通しているQualcomm Snapdragon 625やHuawei Kirin 658とほぼ同等の性能となっており、重量級の3Dゲームをプレイしなければスマートフォンに求められるすべての作業を快適にこなすことができます。
OSも独自UIではなく、素のAndroid 7.0ほぼそのものなので初心者の方でも特に違和感なく使えそうです。
2.筐体
今年に入って液晶の縦横比に18:9という大型サイズのものを中華スマートフォンでも各社採用するようになりましたが、Ulefone T1に関しては従来通り縦横比16:9で前面に指紋認証センサーを内蔵したホームボタンというベーシックなデザインを採用しています。
ベースモデルのUlefone T1は筐体色がシンプルなブラックとレッドのみとなっていますが、本端末は「Premium」という名称がついているだけあってカラフルな配色の特別仕様となっています。
同梱物です。Ulefoneのエントリークラス端末と比較するとかなり豪華な構成となっており、液晶フィルム、簡易ケース、バンカーリング、microUSB to USB-C変換ケーブル、USB-Cケーブル、ACアダプター(海外仕様)が付属しています。液晶フィルムに関しては付属品として付属するものとは別に本体にもすでに装着済みでした。
ケースはあくまで筐体の背面をカバーしてくれる簡易的なものですが、本端末専用のケースを探すのは大変なので標準付属しているのは非常にありがたいです。
スマートフォンの付属品としてバンカーリングがあるのは日本国内で流通している端末も含め初めて見ました。背面カバーに取り付けることで端末の落下防止になる便利なアイテムです。
前面のデザインはスマートフォンとしてはごくベーシックなものになっています。個人的には縦横比18:9の液晶を採用した端末にすっかり慣れてしまっているので、この形状の端末はひさびさです。そのため逆に新鮮に映りました。
指紋認証センサーはホームボタンに内蔵されています。最近では背面に指紋認証センサーが配置されている端末も多くなってきましたが、個人的にはこの位置に配置されているほうが気軽に使いやすいと感じました。指紋認証の精度も非常に高かったです。
背面は1,600万画素+500万画素のデュアルカメラが配置されています。カラーリングは見ての通りブルーとレッドの二色構成で、かなり個性的な色遣いとなっています。好き嫌いが激しそうなカラーリングではありますが、個人的には「カラフルでアリ」なんじゃないかなと感じました。
ただ付属のカバーだとこのカラフルなカラーリングが活かせないのでクリアタイプのTPUケースを確保したほうがいいかもしれません。とはいっても現時点ではBanggoodでもAmazon.co.jpでもクリアタイプのケースが流通していないので、少し困ってしまいますが…
左側面にはSIMカードスロットが配置されています。カードスロットはデュアルSIM仕様となっており、SIM2がmicroSDカードスロットも兼ねています。
右側面にはボリュームボタンと電源ボタンが配置されています。
上部には3.5mmイヤホンジャックが配置されています。近年iPhoneやHTC U11など3.5mmイヤホンジャックを廃止した端末も増えてきましたが、やはりイヤホンジャックとが搭載されていたほうが使い勝手はいいのではないでしょうか。
下部はUSB-Cコネクタとステレオスピーカーが配置されています。USB-CコネクタはMediaTek PumpExpress 2.0に対応したアダプターを使用すれば急速充電を行うことが可能になっています。
ステレオスピーカーに関しては試しに動画コンテンツを再生してみましたが特に目立った音割れなども起きず、十分な音質となっていました。
3.使用感
システム
前述の通りUlefone T1 Premiumに搭載されているAndroidのバージョンは昨年リリースされたAndroid 7.0 “Nougat”となっています。すでに最新バージョンであるAndroid 8.1”Oreo”が登場しているため、最新のOSではなくなってしまいましたが、マルチウィンドウやGoogleアシスタントなどの便利な機能は本端末でも利用することができます。
OSに関しては独自UIではなく素のAndroid 7.0ほぼそのもので、標準ランチャーはAndroid標準の「Launcher 3」に設定されています。またUlefone T1 Premiumでは初期設定されている壁紙も筐体カラーリングに合わせた特別仕様になっており、これがなかなか完成度の高いものになっています。
プリインストールアプリも非常にシンプルで、主要なGoogleアプリと最低限のシステムアプリのみで中華端末によく含まれているサポートアプリすら入っていません。
ただし、Google検索アプリやGoogle Play Music、YouTubeなど必須となるGoogleアプリはプリインストールされているため、後からGoogleサービスを使用するために別途ダウンロードする必要はなく、すぐ利用を開始することができます。
日本語入力に関してもGoogle標準のマルチランゲージ対応キーボード「Gboard」がプリインストールされているため、標準で日本語入力が可能になっています。
初期出荷ROMのAndroidセキュリティパッチは2017年9月5日と比較的新しいものが適用済みとなっています。もちろんOTAアップデートの項目も存在するのでセキュリティパッチやOSのアップデートがリリースされた際はそのまま受け取ることが可能です。
購入直後のストレージの空きは上記の通りとなっており、システムファイルのサイズが3.11GBと非常にコンパクトに収まっていることもあり、128GBという大容量ストレージを思う存分活用することができるようになっています。
スペックのところでも書きましたが、基本的にこれだけ余裕があればmicroSDカードで容量を拡張する必要もなさそうです。もちろんアップデートでデータサイズがどんどん肥大化していく大容量ゲームも思う存分楽しめます。
ほぼ素のAndroidそのものですが、独自要素も若干追加されており、指三本で下にスワイプすることでスクリーンショットを撮ることができる機能や、ジェスチャー機能などが搭載されています。
独自部分に関してはローカライズされておらず英語表記のままですが、特に設定項目の意味が分からず困るということはないかと思われます。
カメラ
カメラは最近のトレンドになりつつあるデュアルレンズを採用したものになっており、本端末では1,600万画素と500万画素のデュアルレンズ構成となっています。
「デュアルレンズだから写真がきれいに撮影できる」というわけではないのですが、本端末は暗所でもクリアな写真を撮影することができます。ハイエンド端末のカメラと同レベルというわけにはいきませんが、SNSやブログで使う分には十分な画質を確保している印象です。
また本端末ではデュアルレンズを生かした「Bokeh(ボケ)」モードも搭載されており、上記サンプルのような味のあるボケ写真も簡単に撮影することができます。カメラのUIに関しては非常にシンプルな構成になっており、「ビデオ」「Facebeauty」「Bokeh(ボケ)」「写真する(日本語化のミスだと思います。オートモードのこと)」「プロ」「パノラマ」が選択可能となっています。
ビデオ撮影に関しては4K撮影には対応しておらず、1080p(FullHD)までの対応となりますが普段使いであれば特に困ることはないでしょう。
4.ベンチマーク
ベンチマークはいつも通りAntutu Benchmarkで行いました。
LeEco Le Pro 3(Snapdragon 821): 161,331
LeEco Le Max 2(Snapdragon 820): 135,484
Lenovo ZUK Z2(SnapDragon 820): 132,410
UMI Z(Helio X27): 110,070
Vernee Apollo(Helio X25): 93,251
Elephone S7(Helio X25): 92,543
Ulefone T1(Helio P25): 67,409
Ulefone Armor 2(Helio P25): 66,331
Xiaomi Mi A1(Snapdragon 625): 63,577
Blackview BV8000 Pro(Helio P20): 63,473
DOOGEE MIX(Helio P25): 61,975
DOOGEE Y6 MAX(MT6750): 45,070
CoolPad Max A8(Snapdragon 617): 43,832
Elephone P8 Mini(MT6750T): 42,593
※マウス MADOSMA Q501(Snapdragon 410): 35,663
ZOJI Z7(MT6737); 30,616
Ulefone U008 Pro(MT6737): 30,103
※Cube WP10(Snapdragon 210): 29,273
※ドスパラ Diginnos Mobile(Snapdragon 210): 23,785
※FREETEL KATANA 01 (Snapdragon 210) : 22,724
※印はWindows 10 Mobile搭載機です
日本で販売されている端末ではASUSのZenfone 3に搭載されているQualcomm Snapdragon 625やHuaweiのP10 Liteに搭載されているKirin 658とほぼ同等のスコアをたたき出しています。
RAM容量が4GBと本機より少ないUlefone T1のほうがなぜかベンチマークスコアでは上回っているという逆転現象が起きていますが、誤差の範囲でしょう。ハイエンドクラスの性能ではありませんが、スマートフォンに求められる多くの機能はこれだけのスコアがあればストレスなくこなすことができるでしょう。
重量級の3Dゲームの実行は無理がありますが、比較的動作の軽い3Dゲームも十分快適にプレイすることができました。またスマートフォンで行う普段の動作も非常に軽快でストレスがたまることはありませんでした。
5.まとめ
Ulefone T1 Premiumは現在Banggoodにて269.99ドル(約31,208円)で販売中となっています。十分な性能と大容量ストレージを持ち合わせ、LTEバンド19にも対応するなど、非常にバランスの取れた良端末になっている印象でした。
UlefoneはODMも行っているメーカーで、近年は日本国内向けに「EveryPhone PW」名称でUlefone Power 2を日本国内向け仕様として販売していますが、Ulefone T1シリーズはすでに日本での販売を意識したような通信バンドになっているのでもしかすると本端末も日本で何らかの形で正式販売する計画があるのかもしれません。ただその場合この性能だとBanggoodよりも販売価格は高めになりそうですが…
Ulefoneの端末は個人的に低価格のエントリーモデルが多い印象だったのでここまで高品質な端末が登場したことに驚いています。初心者が購入する中華スマートフォンとしても非常に失敗のないスペックとなっているため、初めて中華端末を購入する方も後悔することはないのではないでしょうか。
「Premium」版の特別仕様の筐体カラー、壁紙も個人的には魅力的で、あえてケース類を装着せずに運用するのもありなのではないかなと思いました。
6.関連リンク
Ulefone T1 プレミアム エディション 5.5インチ 6GB RAM 128GB ROM MTK Helio P25 オクタ コア 4Gスマートフォン : Banggood