こんにちは、かのあゆです。ソニー・モバイルは9月5日よりドイツ・ベルリンにて開催されている「IFA 2019」で最新ハイエンドスマートフォン「Xperia 5」を正式に発表しました。Xperiaのハイエンドモデルは1年に2回モデルチェンジを行っていますが、今回は位置づけが異なっており、今年前半に投入されている「Xperia 1」は継続販売され、Xperia 5はXperia 1のスペックを一回り小さい筐体に収めたコンパクトモデルに位置付けられる製品となります。
1.スペック
OSはAndroid 9 Pieが初期搭載されています。すでにAndroid 10がリリース済みとなっていますがXperiaに搭載されているソフトウェアは素のAndroidに準拠したものになってきており、昨年のAndroid 9 Pieリリース時も早いタイミングでアップデートが配信されていたのでXperia 5、および先に販売されているXperia 1に関しても発売からそんなに遠くないうちにAndroid 10へのOSアップデートが配信されるものかと思われます。ただし、国内キャリア版に関してはどうしてもプリインストールされているキャリアアプリの検証などもしなければいけない関係上、グローバルモデルから配信が遅れる傾向にあります。
CPUはXperia 1と同じくハイエンドCPUであるQualcomm Snapdragon 855が搭載されています。すでに最新ハイエンドCPUとしてマイナーチェンジ版に相当するSnapdragon 855+が登場していますが、どちらかといえばクロック数を向上したゲーミングスマートフォン向けの製品という位置づけに近いため、既存のSnapdragon 855との性能差はそこまで気にする必要はないでしょう。最新の重量級3Dゲームも快適にプレイできる2019年最高峰クラスのCPUです。
RAMは6GB、内蔵ストレージはグローバルモデルでは128GBという構成で、内蔵ストレージに最新の高速転送規格である「UFS 3.1」を採用することにより、ゲームプレイ時のロード時間などが以前のXperiaと比較すると高速化しています。ただし国内キャリア版として発売中のXperia 1ではグローバル市場とは異なり、ストレージ容量が64GBに減らされており、国内で販売されるXperia 5に関しても同じ対応がとられる可能性が少なくはなさそうです。現時点では国内版の仕様が発表されておらず、内蔵ストレージ64GBでもMicroSDカードによるストレージ拡張にも対応していることもあり、十分すぎる容量ではあるのですが、Xperia 1ではグローバル版に存在しない64GBモデルを国内向けに投入して批判を受けていたこともあったため、できれば全モデル同一仕様で投入してほしいところではあるのですが…
ディスプレイはXperia 1と同じく縦横比21:9で解像度は2,520 x 1,080です。画面サイズがXperia 1の6.5インチから6.1インチに変更された関係で4K(3,840 x 1,644)でこそなくなってしまったものの、それ以外の仕様は共通で有機ELを採用し、HDR対応や映画製作などのマスターモニターとしても利用できる広色域などXperia 1のディスプレイ使用をしっかり受け継いでいます。
カメラはイン8MP、アウト12MP(望遠) + 12MP(標準) + 12MP(超広角)という構成で、プロ仕様のカメラアプリ「Cinema Pro」も利用できるなど基本的な仕様に関してはXperia 1のものを継承していますが、搭載されているイメージセンサーが積層型ではなくなった関係で、スーパースローモーション撮影がXperia 1の960fpsから120fpsに変更されるなど、差別化が行われています。またXperia 5から新しく搭載された機能として撮影時にレンズの汚れや指の入り込みなどを知らせてくれる撮影アドバイス機能が新たに追加されています。
バッテリー容量は3,140 mAhとなっており、USB PD/Qualcomm QuickCharge 4.0による急速充電に対応しています。また近年のXperiaではおなじみとなっているQnovo社のバッテリー長寿命化技術やいたわり充電機能も継続して搭載されています。このほかグローバル版ではNFCに対応しており、日本国内キャリア版ではこれがおサイフケータイ対応のものに変更されるものかと思われます。また既存の圧縮音源をハイレゾ相当にアップグレードしてくれるDSEE HXも搭載されています。
2.筐体
基本的なデザインはすでに販売されているXperia 1の新しいデザインを継承しています。Xperia 1では昨年のXZ2シリーズ/XZ3の「アンビエントフロー」と呼ばれているデザインからかつてのXperia Zシリーズを思わせるフラットな筐体デザインに一新しており、Xperia 5でも健在です。ノッチ非採用の21:9縦横比という点も同一ですが、Xperia 1の6.5インチから6.1インチになった分筐体もコンパクトになっており、横のサイズは68mmと昨年のハイエンドコンパクトであるXperia XZ2 Compactの65mmに迫るものです。
背面デザインはXperia 1では中央に配置されていたアウトカメラが左端に移動している点を除けばほぼ共通のデザインです。指紋認証センサーは右側面に配置されています。
カラーリングは「ブラック」「グレー」「ブルー」「レッド」の4色展開で、Xperia 1で設定されていた「パープル」が設定されなくなった代わりに「レッド」が新色として追加されています。カラーリングとしては「ボルドー・レッド」と呼ばれているものに近く、なかなか魅力的に仕上がっています。
3.まとめ
Xperia 5はグローバル市場では10月上旬より販売開始予定で、価格は799ユーロ(約94,000円)とXperia 1より若干安価な価格設定に抑えられています。昨年以前は同じコンセプトのフラッグシップモデルを年に2回投入していたXperiaですが、今回は「Xperia 1の基本スペックはそのままに、よりコンパクトな筐体に収めたモデル」としてXperia 5を投入しており、名称自体は変わってしまっていますが、どちらかといえばXZ2世代まで設定されていたXperia Compactシリーズの後継に近いモデルです。Xperia 1も実機を見るとポケットに入るサイズ感ではあるのですが、よりコンパクトなスマートフォンが欲しいという方であればXperia 5のほうがよりよい選択肢になるかもしれません。
国内ではおそらくいつも通り3キャリアの秋・冬モデルとしてまもなく投入が正式発表されるものと思われますが、ちょうどXperia 5の発表と同じタイミングでドコモ専売モデルだったXperia AceがSIMフリー仕様で楽天モバイル向けに投入されており、Xperia 5でもSIMフリーモデルとしての展開に期待したいところです。
4.関連リンク
Xperia 5 : Sony Mobile Communications