中国メーカーLOKMATのAndroid OS搭載のスマートウォッチ「LOKMAT APPLLP 7」をご紹介します。最近Banggoodで販売がスタートした製品で、型番から見てニューモデルだと思います。ウインタブが以前から注目してきたOS搭載スマートウォッチのジャンルですが、2021年はニューモデルも少なく、目立った技術革新も見られなかったように思われます。と、いうことで紹介記事もあまり掲載していません。今回ご紹介するLOKMAT APPLLP 7も特に目新しい機能は搭載されていませんが、このジャンルの製品としては比較的価格が低めなのが好印象です。
1.LOKMAT APPLLP 7 スペック
スペック表
LOKMAT APPLLP 7 | |
OS | Android 9 |
CPU | SC9832e+PAR2822 |
RAM | 2GB/4GB |
ストレージ | 16GB/128GB |
ディスプレイ | 1.6インチ(400 × 400) |
LTEバンド | FDD:B1/2/3/4/5/7/8/20 TDD:B38/39/40/41 |
SIM | Nano SIM |
ネットワーク | 802.11 b/g/n(推定)、Bluetooth 4.1 |
入出力 | POGO Pin |
カメラ | 5MP |
バッテリー | 1,000 mAh |
サイズ | 本体:50×50×15.5mm、バンド幅22mm |
重量 | 72 g |
バリエーションモデル
・RAM2GB/ストレージ16GB
・RAM4GB/ストレージ128GB
コメント
OSはAndroid 9です。メーカー側では「Android 9.1」と称していますが、公式にはAndroidに9.1というバージョンは存在しておらず、「スマートウォッチ向けに高度なカスタマイズをしました」という意味で9.1と表記しているものと思われます。なお、このジャンルの製品で現状最も新しいOSバージョンはAndroid 10で、Android 11という製品はウインタブの知る限り、まだありません
CPUはUNISOC SC9832eとPAR2822のデュアルチップです。Android OS搭載のスマートウォッチではこのようなデュアルCPU構成の製品がしばしば見られますが…、
デュアルチップとしている理由は「省電力モード」のためです。Android OS搭載のスマートウォッチは概してバッテリー駆動時間が短く、使い方によっては終日バッテリーが持ちません。大きなバッテリーを搭載するという手もあるものの、そうすると重量が重くなり、腕時計として使いにくくなってしまいます。そのため、「省電力モード」を搭載し、省電力モードではPAR2822という低性能・低消費電力のCPUを動かす、という仕組みになっています。つまり、デュアルチップにしている理由はパフォーマンスを上げるためではありません。
この製品の省電力モードについてはご説明ができません。しかし、ウインタブの経験上だと、省電力モードではAndroid OSのフル機能は使えず、時刻の表示とか歩数測定など、ごくベーシックな機能のみ使えるようになっています。
RAMとストレージは2GB/16GBと4GB/128GBの2種類の組み合わせがあります。「その中間を用意してくれよ!」と言いたくなる感じ。Android OS搭載スマートウォッチは極小なディスプレイサイズがボトルネックとなり、操作性に難がありますし、プレイできるゲームも限られますので、はっきり言ってCPU性能とかRAM容量はあまり気にしなくて大丈夫ですが、いろいろ使い倒すことを考えるとストレージ16GBというのは少し足りないかもしれませんね。また、この製品はmicroSDカードは使えません。
ディスプレイは1.6インチで解像度は400 × 400です。腕時計としてはこれでも大きいほうですが、この解像度だとGoogle Playアプリで動作しないものもあると思います。また、Banggoodのスペック表に「AMOLED(有機EL)」という記載がありましたが、説明画像にはTFTという記載がありましたので、おそらく有機ELではないと思います。
昨年くらいからこのジャンルの製品でデュアルカメラとか13MPくらいの高画素数カメラを搭載する製品が出てきました。しかし、この製品のカメラは5MPです。ウインタブの経験上、Android OS搭載スマートウォッチのカメラ性能は表示されている画素数ほどの品質にはなっていません。5MPということだと「メモ用」くらいの性能になると思っておくほうがいいでしょう。思ったよりも画質が良ければラッキー、ということで…。
サイズはこんな感じです。Android OS搭載スマートウォッチは「腕時計型のスマホ」なので、一般的な腕時計やスマートウォッチよりも、どうしても大きく、厚く、重くなってしまいます。また、文字盤の部分でOSを操作するわけですから、ディスプレイをやたらと小さくすることもできません。そのため、スポーツウォッチ(ダイバーズウォッチ)っぽいデザインにして、サイズの大きさをよく見せる工夫がなされていることが多いです。
2.LOKMAT APPLLP 7 筐体
正面から見たところです。上でご説明したとおり、スポーツウォッチっぽいデザインで、ベゼル(タキメーター)がついています。APPLLP 7ではベゼル部分がゴールドと、ちょっと高級な配色のモデルも用意されています。私はこういうのは好きではありませんけど。
SIMスロットは左側面に、カメラは右側面にあります。最近は文字盤の上部や側部にカメラを搭載するOS搭載スマートウォッチが出てきていますが、APPLLP 7の場合はこの位置なので、事実上ビデオチャットには使えません。腕時計でビデオチャットとかって近未来的で、「やってみたいこと」の1つなんですけどね。ただし、それ以外の写真撮影などでは悪くない位置だと思います(読者の皆さんも頭の中でシミュレートしてみてください)。
背面です。充電とデータ接続用のPOGOピンがあり、センサーも付いています。APPLLP 7はAndroid OSのほぼフル機能を使えるほか、ヘルストラッカーなどと同様に「心拍数モニター」「血中酸素濃度モニター」「睡眠モニター」「ブレス・トレーニング(すみません、これ何のことかわかりませんでした)」といった機能もあり、各種スポーツで使えるデータ測定機能もあります。
ただし、Android OS機能以外の部分については数千円で購入できるヘルストラッカーと大差ないか、あるいはヘルストラッカーよりも劣る、と考えておくほうがいいでしょう。
3.LOKMAT APPLLP 7 価格など
LOKMAT APPLLP 7は中国の通販サイトで販売中で、Banggoodでの12月23日現在の価格は2GB/16GB版が139.99ドル(16,195円)、4GB/128GB版が219.99ドル(25,451円)です。また、AliExpress内のLOKMAT Official Storeでは2GB/16GB版が116.87ドル(13,835円)、4GB/128GB版が186.87ドル(22,118円)と格安です。なお、AliExpressの価格は製品ページにあるクーポンを使用したものです。
一般の認識はともかく、ウインタブ的にはそんなに目新しい仕様の製品ではありません。ただし、カメラ位置がイマイチ、という以外は特に悪いとも感じられず、システムスペックの割にはお買い得だと思います。「クセの強いジャンル」ですから、初めてウインタブの記事を読まれるという人におすすめしたい製品とは言いにくいものの、愛読者の人ならある程度このジャンルの製品の長所・短所をご理解いただいていると思うので、試してみてはいかがでしょう。
4.関連リンク
LOKMAT APPLLP 7:Banggood
LOCKMAT APPLLP 7:LOKMAT Official Store(AliExpress)