iiiF150の最新タフネススマホ、Air1 Proの実機レビューです。iiiF150ブランドの製品では「R2022」を実機レビューしていますが、今回のレビュー機、Air1 ProはR2022よりも搭載されているCPUのスペックは低めです。しかし「Air」という名称がついていることからわかるとおり、タフネススマホとしては薄型の筐体を採用しており、持ち運びやすくなっています。
なお、今回のレビュー機はiiiF150よりサンプル提供していただきました。iiiF150にはこの場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございます。
・タフネススマホながら薄型の筐体
・鮮やかな色味の筐体色
・余計なアプリがインストールされていないクリーンなAndroid 12搭載
・充電や着信時に点灯するLEDランプ搭載
ここがイマイチ
・普段使いは快適だが、GPU性能は低いのでゲーム用には不向き
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iiiF150 Air1 Pro:AliExpress内IIIF150 Official Store
目次
1.iiiF150 Air1 Pro スペック
スペック表
iiiF150 Air1 Pro | |
OS | Android 12 |
CPU | MediaTek Helio G37 |
RAM | 6GB |
ストレージ | 128GB |
ディスプレイ | 6.5インチ(2,400x 1,080) |
LTEバンド | B1/3/7/8/19/20 |
SIM | nanoSIM × 2(SIM2はmicroSDと排他) |
ネットワーク | 802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth 5.0 |
入出力 | USB Type-C、MicroSDカードリーダー |
カメラ | イン8MP/アウト48MP + 20MP + 2MP |
バッテリー | 5,000 mAh |
サイズ | 171.0x 81.6x 11.35 mm |
重量 | 272 g |
コメント
搭載しているOSは現時点で最新のAndroid 12です。中国メーカーのスマートフォンでも同バージョンをプリインストールする端末が増えてきた印象を受けます。以前実機レビューを行ったDOOGEE S98とは異なり、OSアップデートやセキュリティアップデートの期間などは明言されていないものの、発売前に約1.83 GBと大きめのシステムアップデートがリリースされています。独自UIは採用されておらず、素のAndroid OSに準じたソフトウェアが採用されています。
CPUはMediaTekの最新エントリー向け製品となるMediaTek Helio G37です。その名前から想像できるとおり、中華スマートフォンでも採用機が多かったHelio P35/G35の後継となる製品で、Helio A22/G22よりは性能が高いものの、AnTuTu Benchmark v9での総合スコアは12万程度なので、3Dゲームをプレイする用途にはあまり向いていません。ただし、それ以外の普段使いに関してはストレスなく快適に利用できる性能を備えています。RAMは6GB、内蔵ストレージは128GBという構成で、MicroSDカードによるストレージ拡張に対応します。
ディスプレイは6.5インチサイズ、解像度はFHD+(2,400 × 1,080)です。パネルはIPS液晶を、強化ガラスはコーニング社のゴリラガラス 3を採用しています。エントリー向けの製品だと解像度がHD+にとどまっている製品がまだ多いのですが、Air1 Proでは高解像度のディスプレイを採用しています。ただし、以前レビューしたR2022とは異なり、リフレッシュレートは60Hz表示にとどまっています。
カメラはイン8MP、アウト48MP(メイン) + 20MP(ナイトビジョン) + 2MP(マクロ)という構成です。超広角撮影は非対応ですが、中国スマートフォンでは搭載されている機種が増えてきたナイトビジョンカメラを搭載しており、暗所でも明るい写真を撮影可能です。
ワイヤレスネットワークは802.11a/b/g/n/acとBluetooth 5.0に対応します。VoLTEは利用できますが、R2022と比較すると対応しているバンドは最低限です。また技適の電磁表示も確認できませんでした。
バッテリー容量は5,000 mAhで、18W出力のUSB PD急速充電に対応します。また海外渡航時にGoogle Pay等の決済サービスを利用できるNFCもサポートしています(おサイフケータイには対応しません)。
MIL-STD-810G準拠のタフネス性能を備えるほか、IPX6/9K準拠の防水・防塵に対応します。
2.iiiF150 Air1 Pro 筐体と使用感
付属品はマニュアルなどのペーパー類(日本語表記もあり)、USB-C to Aケーブル、ACアダプター(海外プラグ)、SIMピンです。また、液晶保護フィルムも付属していました。
今回はノベルティも送っていただきました。Air1 Proよりメーカーロゴがザインに一新され、その新ロゴをあしらった缶ケースの中にオリジナルステッカーとピンバッチが入っていました。
前面です。R2022と同じくディスプレイはティアドロップ型ではなく、パンチホールノッチが採用されています。ベゼルは太めですが他社タフネススマホと比較してもスタイリッシュなデザインに仕上がっていると感じました。
背面です。今回のレビュー機の筐体色は派手めな「フォール・フォー・メープル」ですが、このほかタフネススマホらしい色合いの「ブラック・ロック」も設定されています。新しいブランドロゴがデザインされたカメラバンプ部といい、他社タフネススマホには見られない個性的なデザインになっており一目惚れしてしまいました。製品の性質上裸で使う機会が多い端末ですし、街なかで使っていたら目立つと思います。
カメラバンプ部には懐中電灯としても利用できる強力なトリプルフラッシュライトのほか、イルミネーション用のLEDランプも組み込まれており、充電時や電話の着信時に点灯させることが可能です。ゲーミングスマホではよく見かけるギミックですが、タフネススマホで搭載されているのは珍しいと思います。
左側面にはSIMトレイ、プログラムボタンがあります。
右側面には指紋認証センサーを兼ねた電源ボタン、ボリュームボタン、ストラップホールが配置されています。
上部にボタンやポート類はありません。
下部にはパッキンで覆われたUSB-Cポートがあります。3.5 mmイヤホンジャックはなく、有線イヤホンを接続する場合は別途変換ケーブルを用意する必要があります。
システム
工場出荷時にプリインストールされているのは前述の通り、現時点で最新バージョンとなるAndroid 12です。ほぼ独自カスタマイズが施されていないピュアなAndroid OSを搭載しているので、Android12の最新機能を思う存分楽しむことができます。プリインストールされているアプリは独自の「ツールボックス」アプリを除けばAndroidシステム標準とGoogle関連のアプリのみとシンプルなソフトウェア構成です。余計なアプリは一切搭載されていません。
Android 12では設定されている壁紙に応じて通知領域などの色が変わる「ダイナミック・カラー」に対応しましたが、Air1 Proでは残念ながら対応していません(ただし、指定されている4色の中からアクセントカラーを変更することは可能です)。
かのあゆが知る限りこの機能をサポートしているのはGoogle Pixelシリーズを除けばSHARPのAQUOSシリーズなど一部の端末のみで、カスタムUIを採用しているXiaomiやSamsungはもちろんのこと、Air1 Proと同じく素に近いAndroid 12を搭載していたDOOGEE S98も対応していなかったので、あまり普及していないような印象です・・・
R2022にも搭載されていた「ツールボックス」アプリも健在です。ある意味タフネススマホでは必須ともいえるもので、「方位磁石」や「歩数計」「サウンドデジベル」などアウトドアでの利用に便利な機能が一つにまとまっています。犬の鳴き声やエンジン音などを再生できる「サウンドシミュレーション」も健在です。アウトドアシーンでエンジン音や犬の鳴き声を鳴らすことがどれだけ役に立つかは不明ですが・・・
工場出荷時のストレージ情報です。システムが使用している領域は13GBと、シンプルなソフトウェアを搭載しているぶん、比較的コンパクトに収まっています。空き容量も115GB確保されているので、よほど大容量アプリを大量にインストールするような使い方でもしない限り、MicroSDカードを使用しなくても容量不足に困ることはないかと思われます。
工場出荷時のファームウェア情報です。Androidセキュリティパッチは「2022年4月5日」と比較的新しめのものが適用された状態です。前述の通り実は発売前のタイミングで1.83 GBと大きめのOTAアップデートがリリースされていたのですが、Androidセキュリティパッチなどの更新は含まれていませんでした。
ディスプレイ
ディスプレイは6.5インチサイズで、解像度はFHD+(2,400 × 1,080)です。iiiF150ブランドの中ではフラッグシップモデルに位置づけられているR2022ではタフネススマホとしては初となるリフレッシュレート90Hz表示に対応することがセールスポイントになっていましたが、Air1 Proでは60Hz表示にとどまっています「DRM Info」で確認できるWidevineのレベルは「L3」でした。
前述の通り、低価格帯のスマートフォンだと解像度がHD(1,520 × 720)に抑えられているものが多いのですが、高解像度のディスプレイを採用しているため写真や動画なども美しい画質で楽しめます。IPS液晶ですが発色も良好です。ただし、強化ガラスが2013年に登場した「ゴリラガラス3」と古めなのが少し気になりました。ラフに使用する機会が多い端末であることを考えると強度の高い後継製品を採用してほしかったところです・・・
液晶保護フィルムに関してはPDA工房ですでに製品化済みです。ガラスフィルム並みの強度を誇る9Hタイプの製品もラインナップされているので、購入時に一緒にそろえておくと安心できます。特徴的なアウトカメラバンプ部の保護フィルムも用意されています。
スピーカー
スピーカーはモノラル出力です。メーカーから提供されている資料やAliExpressの製品ページを見る限りスピーカーの最大出力は非公開となっていますが、最大音量にすると結構大きな音が出ます。音質に関してはモノラル出力故に本格的に音楽や動画コンテンツを楽しむ場合に物足りなさは感じるものの、アウトドアシーンで楽しむ分には十分な性能です。
カメラ
標準カメラアプリです。「ナイトビジョン」モードがそのまま「夜間視力」と訳されているのは若干違和感を感じますが、癖のないUIでナイトモードなどの必要な機能も一通りそろっています。
199ドル(発売記念セールでは139ドル)で販売されているエントリースマホと言うこともあり、カメラ性能は正直そこまで期待していなかったのですが、いい意味で期待を裏切ってくれました。明るい場所はもちろん、夜景でもナイトモードで撮影するとノイズを抑えた美しい写真を撮影可能です。この価格帯でこれだけ撮れるとは思わなかったので本当に予想外でした。
AIによるシーン自動識別機能にも対応しているので、飯テロ写真もおいしそうに撮影することが可能です。
中国メーカー製タフネススマホでは搭載されている機種が多くなってきたナイトビジョンモードも搭載されています。上記画像は深夜3時頃にほぼ真っ暗な公園で撮影したものになりますが、細かい部分も含め明るくくっきりと撮れています。
3.iiiF150 Air1 Pro 性能テスト
参考:
Xiaomi 12 Pro(Snapdragon 8 Gen 1):971,423
ASUS ROG Phone 5s(Snapdragon 888+):846,862
ASUS Zenfone 8(Snapdragon 888):785,280
Mi 11T(Dimensity 1200 Ultra):582,178
Xiaomi Pad 5(Snapdragon 860):566,309
realme GT Master Edition(Snapdragon 778G):542,182
Xperia 1 SOV43(Snapdragon 855):511,163
Xiaomi Mi 11 Lite 5G(Snapdragon 780):500,573
Oneplus Nord CE 2 5G(Dimensity 900):430,049
Redmi Note 11 Pro + 5G(Dimensity 920):427,053
Samsung Galaxy Fold SCV44(Snapdragon 855):414,302
OnePlus Nord CE 5G(Snapdragon 750):384,505
iiiF150 R2022(Helio G95):350,565
POCO M4 Pro 5G(Dimensity 810):349,498
OnePlus Nord N10(Snapdragon 690):342,506
POCO M3 Pro 5G(Dimensity 700):330,303
Redmi Note 11 Pro(Helio G96):336,280
POCO M4 Pro 4G(Helio G96):311,030
Redmi Note 11S(Helio G96):307,755
realme narzo 50(Helio G96):287,043
Redmi Note 11(Snapdragon 680):277,105
Blackview A95(MediaTek Helio P70):227,817
CHUWI HiPad Plus(MT8183):172,713
Samsung Galaxy Note FE(Exynos 8890):177,984
OUKITEL C22(Helio A22):99,664
AGM H3(Helio P22):84,184
BlackView A55S(Helio A22):78,630
geanee ADP-503G(MT6737M):46,316
MediaTek Helio G37は位置づけとしてはMediaTek Helio P35の後継となる型番です。割とひっそりと発表されたため目立っていませんが、2021年11月に発表された比較的新しい型番となります。AnTuTu Benchmark v9.0.4での総合スコアは126,993点で、Helio A22よりは高いスコアになっているものの、GPUの性能がかなり低いので軽量クラスの3Dゲームも快適にプレイするには厳しい性能です。この機種でゲームを楽しむのであれば2D主体のタイトルがメインになりそうです。ただし、ゲーム以外の用途に関しては特にストレスを感じることはありませんでした。
4.iiiF150 Air1 Pro レビューまとめ
iiiF150 Air1 Proは6月8日午後4時(日本時間)よりAliExpress内のIIIF150 Official Storeにてワールドプレミア(発売記念セール)が開催され、通常価格199ドル(約26,355円)のところ、139ドル(約18,408円)で購入可能です(日本時間6月13日午後3時59分まで)。
iiiF150ブランドの製品の実機レビューを行うのはこれで2回目となります。前回レビューしたR2022は使用中に落としてしまってフレームに傷がついてしまったものの、それ以外は無事でタスネススマホとしての実力は「本物」であることを確認済みです。今回レビューしたAir1 Proは端末としてはエントリークラスに位置づけられる製品であるものの、大容量RAMを搭載しているおかげで通常利用は快適にこなせます。
タフネススマホながら薄型な筐体を採用しており、今回レビューしたフォール・フォー・メープルの色合いも素晴らしく「端末デザイン」で惚れ込んでしまいました。カメラバンプ部のLEDライトもすごくかっこいいんですよ・・・
端末性能はそこまで高くはありませんが、Androidゲームをあまりプレイしない方であれば十分メインにできる性能は備えていますし、カメラ性能も高く満足度は極めて高い一台に仕上がっています。
5.関連リンク
iiiF150 Air1 Pro:iiiF150公式サイト
iiiF150 Air1 Pro:AliExpress内iiiF150 Official Store