こんにちは。かのあゆです。KDDIのグループ企業である「UQコミュニケーションズ」が提供しているMVNOキャリアである「UQ Mobile」では回線品質の確認のためにSIMカードやスマートフォン本体を2週間程度レンタルすることができる「Try UQ Mobile」というサービスを行っていますが、そこで6月に発売開始となったばかりのHuawei P20 liteの取り扱いが開始されていたので実際にお借りしました。今回はそのP20 liteのレビューを行いたいと思います。また、Try UQ Mobileは手軽に最新のスマホとUQ MobileのSIMの使い勝手や通信品質を確認できる制度になっていますので、興味のある方は試してる価値があると思います。
Try UQ Mobile:UQ Mobile
なお、Huawei P20 liteはオープンマーケット(通常のSIMフリー)版、UQ Mobile版、ワイモバイル版、au版が存在しており、オープンマーケット版・UQ Mobile版、Y!Mobile版に関してはプリインストールアプリに細かい差異はありますがすべてSIMフリー版・デュアルSIMモデルとなっています(そのためワイモバイル版やUQ Mobile版をドコモ回線で使用することも可能)。
1.スペック
搭載CPUはHuaweiの関連企業であるHisilicon社製のKirin 659。以前ウインタブでレビューした前モデルP10 liteに搭載されていたKirin 659のクロックアップ版で、P20 lite以外ではnova 2、nova lite2、Mate 10 liteに採用されているCPUとなります。
ハイエンドCPUではありませんが性能的には十分すぎるものとなっており、WEBブラウズやSNSなどの基本動作から3Dゲームまでそつなくこなすことができるようになっています。ただ性能的にはP10 liteのKirin 658からそこまで大きくスペックアップしたわけではないので、現在P10 liteを使っているのであれば無理に乗り換える必要はないと思います。
そのほかメインRAMに関しては前モデルのP10 liteが3GBだったのに対してP20 liteでは4GBに強化されているため、アプリを複数実行したときのパフォーマンスも向上しています。
ただし、オープンマーケット版、UQ Mobile版、ワイモバイル版に関しては残念ながらストレージがP10 liteから据え置きの32GBとなっており、au版が64GBに強化されていることからオープンマーケット版も64GBに共通化してほしかったというのが正直な感想だったりします。
OSはAndroid 8.0で、Huawei独自UIであるEMUI 8.0が搭載されています。ドコモ向けに販売されているP20 Proでは本来搭載されているランチャーの切り替え機能が削除されてしまっていることが一部で話題となりましたが、P20 liteでは本来の仕様通りiOS風のスタイルかAndroid準拠のドロワーメニューに切り替えることができるようになっています。
カメラに関してはインカメラが16MP、アウトカメラが16MP+2MPのデュアルレンズ仕様となっています。さすがに上位モデルであるP20やP20 ProのようにLeica監修レンズというわけでもなく、そもそもデュアルレンズの仕様自体も異なっているものの、3万クラスの価格帯のスマートフォンの中ではかなり高品質な写真を撮影することができるようになっています。
2.デザイン
付属品に関してはTry UQ Mobileで貸し出されるセットが本来の付属品がすべて揃ったものではないため、今回のレビューでは割愛しますが、SIMフリー版P20 liteには
マニュアル
Huawei SuperCharge(急速充電)対応ACアダプター
USB-Cケーブル
ステレオヘッドセット
専用TPUケース
SIMイジェクトピン
が付属しています。
Huawei端末には基本的にTPUケースが標準で付属しているため、購入したその日からすぐに追加購入することなく即運用開始できるので非常にありがたいです。ただし、液晶保護フィルムは付属していないので、別途購入しておくといいでしょう。
また、Huaweiの独自急速充電規格である「Huawei SuperCharge」に対応したACアダプターも標準で付属しており、これを使うことで端末を100分でフル充電することができます。
それではデザインを見ていきます。P20 liteは一部の地域では「nova 3e」という名称で販売されていますが、デザイン的には上位モデルであるP20やP20 Proのものを継承しており、一目見ただけでは3万クラスのミッドレンジスマートフォンとは思えない高品質なデザインとなっています。
前面デザインはGalaxy S8以降のGalaxyすら上回る19:9縦横比の「FullView」ディスプレイを採用。本体上部には2017年発売の「EssentialPhone PH-1」から採用が始まったノッチが搭載されています。この辺に関しては好みが別れそうで、かのあゆも当初は違和感があったのですが、使っているるうちに慣れてしまいました。
本体背面も基本的に上位モデルのHuawei P20やP20 Proに準拠した、高級感のあるデザインとなっています。P20やP20 Proでは前面下部に配置されている指紋認証センサーが背面に移動しているという差異はありますが、ぱっと見た感じでは同じデュアルレンズカメラを搭載したP20と間違えてしまいそうです。
今回Try UQ Mobileで貸し出されたP20 liteのカラーリングは「クラインブルー」で、これは著名なアーティストである「イフ・クライン」氏が発表したカラーを参考にしたものとのこと。光の当たり具合によって印象が変わる加工がなされていることもあって、この辺も3万円クラスのミッドレンジ機とはとても思えないものとなっています。
左側面はSIMスロットが搭載されています。
SIMスロットはオープンマーケット版、UQ Mobile版、ワイモバイル版に関してはmicroSDカード/microSIMカード(排他式)スロットとnanoSIMカードスロットを搭載したデュアルSIM仕様となっています。ただしau版に関してはデュアルSIM機能が無効になっているため、microSDカードスロット+nanoSIMスロットという構成のシングルSIM仕様となります。
右側面にはボリュームボタンと電源ボタンが配置されています。
本体上部はマイクが配置されています。
本体下部は3.5mmヘッドフォンジャックとUSB-C端子、モノラルスピーカーが配置されています。前モデルのP10 liteではmicroUSB端子が採用されていましたが、P20 liteではUSB-C端子に移行しました。また上位モデルであるP20/P20 Proでは廃止されている3.5mmヘッドフォンジャックも搭載。
サラウンド技術の「Huawei Histen Audio」にも対応しているため、イヤホン接続で迫力のあるサウンドを楽しむことができるようになっています。内蔵スピーカーはモノラルとなっており、この辺に関してはステレオスピーカーかつDolby Atmosに対応したフラッグシップモデルのP20/P20 Proと差別化されています。
3.使用感
P20 liteにはAndroid 8.0ベースのEMUI 8.0が搭載されています。
今回はTry UQ MobileでレンタルしたUQ Mobile版のため、UQ Mobile関連のアプリがいくつかプリインストールされていますが、基本的にはGoogle関連のツールとEMUIに含まれているHuawei独自アプリのみがプリインストールされたシンプルな構成となっています。
ホームランチャーに関しては標準設定ではiOSライクのスタイルが適用されていますが、設定から一般的なAndroid端末と同じドロワースタイルに切り替えることもできるので、数年前のHuawei端末と比較して他メーカー製Android端末からの乗り換えがしやすくなっています。
面白い機能としては「スマート解像度」というのがあります。解像度をあえて低く設定することで消費電力を抑えるという機能です。
「気になる人は気になる」であろう画面上部のノッチに関しては、上部を黒で塗りつぶして目立たなくする設定にすることも可能になっているので、どうしてもノッチが気になって仕方ないというのであればノッチを隠す設定にすると使いやすくなるかもしれません。
UQ Mobile版P20 liteの初期出荷状態でのストレージの空き容量は32GB中20GB。UQ Mobile関連のアプリが最小限のものしか入っていないこともあり、オープンマーケット版P20 liteもおおむね空き容量はほぼ同じような感じになるかと思われます。
十分といえば十分な容量で、Huawei端末の場合データの保存先をMicroSDカードに設定することもできるようになってはいますが、贅沢を言えばやはりau版と同じくオープンマーケット版やUQ Mobile版、ワイモバイル版も64GBに統一してほしかったところではあります。
UQ Mobile版の最新ファームウェアバージョンは「8.0.0.100」でAndroidセキュリティパッチは2018年5月5日のものが適用済みとなっています。実はP10 liteもそうでしたがオープンマーケット版、UQ Mobile版、ワイモバイル版、au版でファームウェアの管理が別扱いで、au版P20 liteはすでにこれよりも新しい「8.0.0.120」が配信中となっており、Androidセキュリティパッチも2018年6月1日とより新しいものが適用済みとなっています。
一般家電量販店やUQ Mobile/ワイモバイル以外のMVNOキャリアで購入できるオープンマーケット版P20 liteに関してもセキュリティパッチは配信されていくかと思われますが、UQ Mobile版に関してセキュリティパッチの配信がやや遅いほか、OSのメジャーアップデートに関しても行われない可能性もあるので、キャリアとしてUQ Mobileを選択するのでなければオープンマーケット版を普通に購入したほうがアップデート面では安心できるかもしれません。
カメラアプリのUIに関しては前モデルのP10 liteから基本的に大きな変更は行われていないものの、デュアルカメラ搭載になったため「ワイドアパーチャーモード」などいくつか新機能が追加されています。
インカメラは16MP+2MP構成のデュアルレンズカメラとなっており、上位モデルのP20/P20 ProのようにLeica監修レンズでこそないものの、このクラスのスマートフォンの中では明るい場所での撮影、薄暗い場所での撮影ともにかなり高画質な写真を撮影することができます。
また「ワイドアパーチャーモード」を有効にすることによって自然なボケ味が出た写真を簡単に撮影することも可能です。販売価格6万以上のフラッグシップモデルに搭載されているハイエンドスマートフォンのカメラと比較すると厳しい部分もあるものの、P20 liteの販売価格が3万円台であることを考えるとかなり満足できるカメラ性能となっているのではないでしょうか。個人的には普段使いならP20 liteのカメラでも十分かなと感じています。
4.ベンチマーク
性能テストはいつも通りAntutu Benchmarkの最新バージョンであるv7.0.9で行いました。
参考 :
Samsung Galaxy S9 SM-G960F (Exynos 9810): 250,018
Samsung Galaxy S8 Duos SM-G950FD (Exynos 8895) : 194,363
Samsung Galaxy S8 SC-02J (Snapdragon 835) : 194,096
Sony Xperia X Performance F8132 (Snapdragon 820) : 157,502
Chuwi Hi9 Air(Helio X20): 95,498
Chuwi Hi9 (MT8173) : 88,330
ALLDOCUBE X1(Helio X20): 85,170
Vernee V2 Pro (Helio P23); 79,410
Huawei P10 Lite(Kirin 658) : 78,986
HOMTOM HT70(MT6750T): 59,460
Blueboo S3(MT6750T): 57,837
Nomu S10 Pro (MT6737T) : 51,425
Vernee M6 (MT6750); 50,186
T-bao X101A (MT8783): 40,933
VKWorld Mix Plus (MT6737) : 44,558
PIPO N8(MT8163A):39,785
Kirin 658を搭載していたP10 liteよりCPUのクロック数などが強化されたKirin 659を搭載していることもあり、ベンチマークスコアはHelio X20搭載機に近いスコアをたたき出しています。
国内で正規流通している、3万クラスで購入できるミッドレンジスマートフォンも「ついにここまで高性能化したか…」というのが正直な感想で、実際に試用していて特に不満を感じるような箇所はなかったのでP20 liteでも十分メインを務めさせることができると感じました。
このクラスだともはや「Asphalt 8 Airborne」や「Need For Speed No Limits」あたりであれば十分快適に動いてしまいますが、試しに現在のスマートフォン向け3Dゲームの中では重量級クラスになるであろう「PUBG Mobile」をインストールして軽くプレイしてみたところ、グラフィック設定は「快適画質(最低設定)」に設定されました。
さすがに標準画質やハイエンドスマートフォンを前提にしているHD画質でのプレイは厳しいかもしれませんが、「快適画質」であれば画質は落ちてしまうものの、ゲーム自体は普通にプレイすることが可能でした。
5.まとめ
Huawei P20 lite(UQ Mobile版)は31,212円(税込)で販売中です。この価格はオープンマーケット版よりも安価ですが、UQ Mobileとの通信契約が必要となります。一方で通信キャリアならではの端末代金がお得になる分割プランも用意されており、そちらのほうが販売の主力になっているようです。
前モデルのP10 liteは昨年のSIMフリースマートフォンの中でトップクラスの売り上げを誇った端末で、実際に一時期かのあゆも所有してウインタブでレビューを行っていますがかなり完成度の高い端末で満足度は非常に高かったわけですが、P20 liteはそのP10 liteをより進化させた端末となっており、短時間での試用でしたがかなり完成度の高い一台となっていました。
P20や日本国内ではドコモ専売となっているP20 Proは確かにフラッグシップクラスのスマートフォンらしい素晴らしい端末たちですが、日本国内版P20は販売価格が75,384円(税込)とかなり高価になってしまうことや、現在のAndroidスマートフォンの性能が全体的にエントリークラスでも十分快適に動作するレベルに達していることを考えると3万円台で購入できるP20 liteでも十分という方は結構多いのではないでしょうか。
性能面でバランスに優れており、デザイン面でも上位モデルと共通の美しい筐体を採用したP20 liteは今年も売れ筋の一台になりそうです。
・・・というわけで、かのあゆもTry UQ Mobileの試用期間中にiPhone 6sからの乗り換えでこの製品を購入してしまいました。そのへんのところはまた後日…。
関連リンク
Try UQ Mobile:UQ Mobile
Huawei P20 lite(UQ Mobile版) : UQ Mobile
Huawei P20 lite(オープンマーケット版) : Huawei Japan
コメント
そろそろ機種変更だなあと思いちょうど気になっていた機種だったのでとてもありがたいレビューでした!
買い確定です。
>Hisilicon社製のKirin 659。以前ウインタブでレビューした前モデルP10 liteに搭載されていたKirin 659のクロックアップ版