こんにちは。かのあゆです。Huaweiは11月14日に日本国内向け新製品発表会を行い、「Huawei nova 5T」の国内投入を正式に発表しました。nova 5Tはnovaシリーズの最新モデルで、フラッグシップモデルであるHuawei P30/P30 ProやMate 20 Proと同じくハイエンドCPUのKirin 980を搭載し、前面ディスプレイにはパンチホールノッチを採用。アウトカメラは4レンズ構成のものを採用する高性能スマートフォンです。
グローバル市場では「Mate 30」シリーズが発表されていますが、現在行われている米国の制裁の影響によりGoogle関連のアプリを搭載できない状態で販売されているため、残念ながら14日のイベントにおいては発表されず、そのためnova 5Tは日本国内では2019年後半期のハイエンドモデルとしての意味合いも大きい端末です。
1.スペック
初期搭載OSはAndroid 9 PieベースのEMUI 9.1です。すでにグローバル市場ではAndroid 10ベースのEMUI 10がリリース済みとなっていますが、まだnova 5Tはグローバルモデルでもアップデートが提供されていないため、旧バージョンとなるEMUI 9.1を搭載して出荷されます。近いうちにEMUI 10へのアップデートも実施され、先行ベータテストも実施されます。
nova 5Tに関してはグローバル版が8月に発表されており、制裁の影響を受ける直前に販売開始となったモデルということもあり、日本国内版でもGoogle関連のアプリはしっかり搭載されています。HuaweiはMate 30の発表時にHuawei独自ストアを強化していく方針を打ち出していますが、現状どうしてもGoogle Play Storeのほうがアプリ数は多く、またGoogle関連のアプリが搭載されていないと国内での常用は厳しいですが、nova 5Tに関してはGoogleの認証も通過した状態で出荷されるため、心配する必要はありません。
搭載しているCPUはMate 20/30、Huawei P30/P30 Proと同じくKirini980で、日本国内正規モデルではRAM 8GB/ストレージ128GB構成のモデルが導入されます。フラッグシップモデルとは異なりHuawei独自規格のNM Cardによるストレージ拡張には対応していませんが、そもそもNM Card自体が国内ではMicroSDと比較するとどうしても割高になってしまうのと、もともと128GBと大容量ストレージを搭載していることもあり、一般的な使い方であれば容量不足に困ることはないでしょう。Kirin 980は現行Huaweiフラッグシップモデルにも搭載されているハイエンドクラスのCPUのため、EMUI 9.1に搭載されている「GPU Turbo 3.0」との組み合わせで「PUBG Mobile「CoD Mobile」といった最新タイトルも快適にプレイできるほか、EMUI 9.1で新たにサポートされた新ファイルシステム「EROFS」により、ゲーム以外のパフォーマンスも向上しています。
ディスプレイは6.26インチサイズFHD+(2,380 x 1,080)で、Mate 20 ProやP30/P30 Proとは異なり有機ELではなくIPSパネルを採用しています。ただ解像度がFHD+と高く、IPSパネル自体が品質の高いものになっているため、画質のほうは十分なものになっていそうです。指紋認証センサーはディスプレイ埋め込み式ではなく、筐体右側面に配置されています。
カメラはイン32MP、アウト48MP + 16MP + 2MP + 2MPという構成で、ライカ監修ではないものの4レンズ構成のアウトカメラを採用しています。メインカメラ、超広角カメラだけでなく、被写界深度測定カメラとマクロカメラも搭載したことにより自然なボケ感のある写真が撮影可能です。Huaweiは発表イベントや公式イベントで「あなたのポケットにプロ級のカメラを」というキャッチコピーを使っており、ライカ監修ではないとはいえHuaweiのカメラはミッドレンジモデルでも満足度が高い製品が多いだけにカメラフォンとしてもかなり期待できそうです。
バッテリーは3,750 mAhのものが搭載されており、わずか30分で50%の超急速充電を実現する「Huawei SuperChargeシステム」に対応します。
2.筐体
国内での前モデルに相当する「nova 3」ではノッチを採用していましたが、nova 5Tでは国内Huaweiスマートフォンとしては初めて「パンチホールノッチ」を採用します。このデザインは他にSamsungやUMIDIGIが採用していますが、実は世界で最初にこのノッチデザインを採用したのはHuaweiの「Honor View 20」(日本未発売)でした。通常のノッチと比較するとより画面を広く活かせるデザインです。
背面はHuawei端末ではすっかりおなじみとなったグラデーション加工が施された高級感のあるデザインです。アウトカメラレンズ部周りのデザインも含めHuawei P30シリーズに似た雰囲気になっています。筐体色は「クラッシュブルー」「ブラック」「ミッドサマーパープル」の3色が用意されます。このうち「クラッシュブルー」と「ブラック」は他のHuawei端末とよく似た雰囲気になるのですが、「ミッドサマーパープル」はなかなか派手な筐体色となっており、こちらを選択すると新しくなった「nova」ロゴも大きく配置されています。国内で販売されているスマートフォンではなかなかない筐体色となっているので街中で使うと目立つかもしれません。
3.まとめ
Huawei nova 5Tは11月29日より家電量販店、Amazon.co.jp、各種MVNOキャリアより販売開始となり、価格は54,500円(税抜)です。昨年発売されたnova 3もそうですが位置づけ的にはミッドハイモデルという扱いでありながらフラッグシップモデルと同じハイエンドクラスのCPUを搭載し、アウトカメラも4眼レンズ構成のものを搭載するなどかなり魅力的な端末に仕上がっています。それでいてSIMフリーモデルとして販売されているP30や国内ではキャリアモデルとして販売されているP30 Proよりも安価な価格設定であるため、コストパフォーマンスは非常に高いと言えます。
アメリカによる制裁は今後緩和されるという情報もありますが、現状Huaweiが置かれている状況はあまりよろしくない、というのも事実でしょう。最悪国内では新端末を出さないまま2019年を終えてしまうかとすら考えていただけに、今回魅力的な新モデルを発表したこと、そして既存の端末も含めAndroid 10へのアップデートを提供する方針を発表したことに安心しました。今後もHuaweiには日本国内展開をあきらめてほしくないと願っています。
4.関連リンク
Huawei nova 5T : Huawei