こんにちは、壁です。今回は実機レビューです。まずは端末を提供いただいたBanggoodにお礼申し上げます。ありがとうございます。この端末はストライクゾーンど真ん中来ました。確かにスペックシートを見れば特にスゴい点であったり尖った点はありません。しかし、それこそがこの端末の魅力でもあるのです。ではでは、早速ですがスペック表から見ていきましょう。
1.スペック
まず、今回のレビューにあたっては公式ホームページにおいて、Android 8.1の表記がありますが、現時点では後日アップデート対応とのことで、今回はAndroid 7.0でのレビューとなります。スペックですが、RAM4GBにストレージ64GBはこれで『標準』。中華スマホのこの辺りの進化は著しいものがありますね。CPUは1.5GHzオクタコアのMedia-Tek MT6750T。このCPU、数値の割にはパワフルなCPUで『ドリフトスピリッツ』(バンダイナムコ)では高解像度モードでも快適に動きました。
ディスプレイはシャープ製のFHD+の解像度(2,160×1,080)を持つIPS液晶で、発色が豊かです。本機にはMedia-Tek独自の画像処理エンジン『MiraVision』が搭載されておりリアルタイムで補正をかけてくれます。
バッテリーは8,500mAhの大容量。Ulefone Power 5といった10,000mAh以上の大型バッテリースマホが跳梁跋扈している中では少ないと感じると思いますが、その分重さは280gに抑えてバッテリー容量と重量のバランスを取っています。確かに10,000mAh以上のクラスだと300g越えは当然なので、それらより軽くなっている本機は丁度いいと思います。
カメラについて後述しますが、フロントは13MP、リアは21MPと5MPの組み合わせ。5MPのセカンダリーセンサーはボケ処理要員で、通常撮影時は21MPのプライマリーセンサーのみが働きます。イメージセンサーは全てサムスン製『ISOCELL』です。
本機はオーディオジャックを廃して、USB-Cケーブルを介してイヤホンを接続するようになっています。
では、筐体や付属品を見ていきましょう。
2.デザイン
まずは化粧箱。
黒とゴールドの組み合わせ。次に付属品。
本体、USB-Cイヤホン変換ケーブル、SIMピン、TPUケース、マニュアル、ACアダプタ、USBケーブル、USB-OTGアダプタ、それからあと一つがコレ。
Lightning、micro-B、USB-Cが一体になったUSBケーブル!こんなの初めて見ましたよ。これは重宝しそうです。
驚いたことにマニュアルには日本語で書かれています。ちょっと文法がおかしいのはキニシナイ。でも、中華スマホで日本語対応しているのは異例です。
では、本体に電源を入れてみましょう。なんと、この端末はブートアニメーションにブートサウンドという豪華仕様です!ロゴだけの味気ないものではないのは好印象です。
本体正面です。インフィニティディスプレイの表示領域は広いのもそうですが、横幅がそれほどでもないので6インチでありながらコンパクトに見えます。写真では分かりづらくて恐縮ですが、シャープ製のディスプレイが本当にキレイで、発色に関しては手持ちの端末で比較するとXperia XA1 UltraやZenfone 3よりもイイです。先ほど述べたように、画像処理エンジン『MiraVision』があるので、そちらでホワイトバランスやコントラストなどを調整して自分の好みの発色にすることもできます。
本体背面。公式画像見る限り、背面はアルミを切削加工してるのか?と思い、持ってみたら樹脂パネルでした。メタルフレームにバックは樹脂の組み合わせですね。この方が軽く仕上げられます。ていうか、そこまで凝ってたら価格に跳ね返ってますねw
iPhoneライクなデザインが多勢を占める中、このような独自デザインの筐体には好感が持てます。パネルの模様は好みが別れると思いますが、個人的にはアクセントとなっててアリかと。指紋認証センサーも背面です。レスポンスは良好です。本機の指紋認証センサーはUlefone t1のようなホームキーの機能はありません。
カラーバリエーションはブラックとシャンパンゴールドの2色です。どちらともカジュアルよりはフォーマルな印象を受けます。
同じ6インチ機のXperia XA1 Ultraと並べてみました。ちょっと分かりづらいですが、長さはXperia XA1 Ultraの方が長く、幅も広いです。感覚的にはS3の幅は5.5インチ並みですね。
この画像だと見えにくいですが、スイッチ類は左側にあります。たいていのスマホは右側についてることが多く、最初見た時は戸惑うかと思いましたが、自分が左利きなのが幸いして、親指で操作できるのが好印象でした。反対側の右側にSIMスロットがあります。Nano-SIMが2枚入りますが、一つはmicro-SDと排他利用となります。本体のストレージが十分あるのでSIM2枚差して運用するのも悪くないでしょう。DSDSするにはストレージは64GBぐらいあった方がいいよねヤッパシ。
本体底面をXperia XA1 Ultraと比較。こうして見ると分かりやすいですが、S3の方は厚さはありますが、幅はXA1 Ultraよりも狭くなってます。角がラウンドしているので持ちやすく、この厚みが動画鑑賞などで横向きに持った時など安定してホールドできます。スピーカーは右側のスリットにあり、左側のスリットはマイクとなってます。この辺りの工作精度が本当によくなりましたよね。
3.使用感
まずはベンチマーク。
Antutu v7でのスコアです。よくあるミドルクラスのスコアです。流石にHelio搭載機には及ばないですが、意外なことに実際に使っている限りでは体感に差はありませんでした。
本機は多分に漏れず、素のAndroidです。
セキュリティパッチは2018年3月。ここから8.1にアップグレード予定です。
インフィニティディスプレイを採用している本機らしい設定なのが「フルスクリーンモード」でアプリごとにフルスクリーンで表示するか16:9で表示するか選択することができます。ゲームをフルスクリーンですると表示領域が増えるので、是非ともオンにしたいところです。
では、カメラチェックにいってみましょう。今回は同じ20MP級のサムスン製イメージセンサーを搭載したZTE AXON 7も比較に加わってもらいました。まずはお馴染み(?)の限界集落の田園風景。
Ulefone t1と比べて一目瞭然。ディテールの再現が細かくていいです。木々の緑のグラデーションも悪くありません。
これもお馴染み、愛車のノート。こんなナリでも何故かストラットタワーバーが入ってます。意外なことにナトリウムランプの質感でコケませんでした。ちょっとノイズはありますが、許容範囲。ここもUlefone t1よりもキレイに撮れてます。
ちょっと緑が鮮やかすぎるかなという感じに撮れてしまいました。でも、ケータイのカメラって個人的にはこれぐらい派手な方がいいんじゃないかなと思います。ちなみに見えている港は坊津の秋目港。奈良時代には鑑真上人が上陸し、『007は二度死ぬ』のロケで丹波哲郎とショーン・コネリーが訪れた場所でもあります。
花も赤色が飽和することなく鮮やかに撮れます。花弁や葉のディテールも見事です。
これにはビックリ。Ulefone t1は諦めてしまった小倉あんを見事に再現しています。トーストも色乗りがよくて美味しそう。
では、AXON 7との比較に移りましょう。まずはAXON 7で撮った写真から。
鹿児島中央駅に停車中の817系電車です。次にS3で撮った817系を見てみましょう。
両方ともフルオートで撮りましたが、S3の方は露出が引っ張られてしまって明るくなりすぎましたね。ちょっと失敗。で、気になることがあって、近い被写体だとクッキリ映るのですが、遠めの被写体だとどうも霞むというかそんな感じを受けます。
2枚並べると分かるかも。S3の方は画面奥の松林の再現が甘くなってるのがわかりますか?ホワイトバランスはAXON 7が曇天の判断でしたが、S3は晴天の判断でした。
本機にはカメラアプリの調整項目にシャープネスの調整ができるので、こちらを高めにとるとよりシャキっとした感じ仕上がると思います。本機のカメラは「遠景はちょっと不得意だけど、近めの被写体は得意」といった感じです。フルオートだとホワイトバランスがやや派手めな感じですが、これを逆手にとって、より鮮やかな青空や海、山といった写真を撮れるので今からの季節だと、さわやかな写真が撮れると思います。逆にマニュアルでホワイトバランスを調整すると割と見た目に近い色合いの写真が撮れます。
カメラアプリはMedia-Tekの純正アプリですが、Ulefone t1用とは異なり、こちらの方が新しめのようです。調整項目もこちらの方が多く、電子的手ブレ補正にも対応しています。ただ、この電子的手ブレ補正は画質を犠牲にして写真を2枚以上撮って合成して、手ブレしてないように見せているので、画質を重視するのであればオフにして問題ありません。シーンセレクターがあるのも○。夜景を撮る時などは重宝すると思います。
以上のように、カメラは結構頑張ってます。欲を言えばマニュアルモードを充実させてほしいところです。あと一つ気になったのが動画撮影で音声がモノラルだった点。セカンドマイクがなかったのでわかっていましたケドネ。音の拾いは良好で通常録音に加え、『会議モード』もあります。
オーディオはイヤホンジャックがないので、USB-C変換ケーブルを使って聞くことになります。特にHi-Fiチップを積んでいることもないので、ハイレゾには非対応となります。
『Neutronオーディオプレイヤー』で検証してみると、出力サンプリングレートは48kHz固定。ビット数も16bitなので、ハイレゾでの出力には対応していないことがわかります。しかし、こと連続再生時間となると大容量のバッテリーに物を言わせて長時間聞けるのも本機の特色でもあります。『POWER AMP』なんかはハイレゾ対応機であってもダウンサンプリングして出力しているので、本機とは相性が良さそうです。
4.まとめ
BLUBOO S3はBanggoodにて2018年5月28日現在$169.99(19,296円)で販売中です。ミドルスペックですが高解像度のシャープ製高画質ディスプレイ、いざという時には他機種にも給電可能な大容量バッテリーを備えつつ重量を280gに抑えて、ちょうどいいバランスの端末に仕上がっていると思います。ゲームもそれなりに動くので、インフィニティディスプレイでのゲームプレイ入門にも最適だと思います。
最近の大容量バッテリー搭載のモデルでは、タフネス系のデザインに寄っているものもありますが、本機はシンプルなデザインで「いかにも」感が薄いのも個人的には好印象です。「スマートに大容量バッテリーなスマホを持ち歩きたい」という人は検討してみてはいかがでしょうか?
近日中にもAndroid 8.1へのアップデートが予告されいていますので、こちらの方はまた日を改めてお伝えしたいと思います。
5.関連リンク
Bluboo S3:Banggood
コメント
817系の写真はS3のほうがいいけど
橋の写真はAXONのほうが好き
風景画を写すのは苦手そう
いくつか撮ってみたりしましたが、遠いところを写すのは苦手なようです。
本文中にも書きましたが、シャープネスと彩度で気休め程度のゴマカシはできます。
素晴らしいレビューです。
このスピード感が心地よいです。
ありがとうございます、励みになります。
もっと語彙力と文才があればいいんですけどね~w
一般のType-Cケーブルは使えましたか?
S1で使えなかったのが痛かったので
タフネススマホ特有のロングコネクタではないかどうかが知りたいです。
当方、エレコムとAnkerのUSB-Cケーブル使ってますが、問題なく使えますよ。
S1もケーブルの差し込み口を少し削ると利用できましたよ。
テザリング対応していますでしょうか?よろしくお願いします。
テザリング出来ますよ〜。
モバイルWiFi代わりに使うのもアリだと思います。