こんにちは、natsukiです。最近元気なメーカー、Blackviewの最新Androidタブレット「Tab10 WiFi」のレビューをお届けします。レビュー機は、メーカーより提供していただいたものとなります。最近のBlackviewは続々と新製品を投入していて、さらにサブブランドの「OSCAL」名義の製品もあるため、ちょっとややこしくなっていますが、簡単にいうと、この「Tab10 WiFi」は、オーソドックスな構成のAndroid13世代エントリースペックタブレットです。
特徴としては、独自OSのDoke OS P3.0により、パソコンのようにアプリを使える「PCモード」を備え、オフィスワークにも使いやすいこと、付属品としてケースやタッチペンがはじめから付いてくるオールインワン構成であるということが挙げられます。ちなみに、「Tab10」と名のつく製品は、他社製品どころかBalckview製品でも「Tab10」「Tab10 Pro」などがあり(いずれもAndroid11世代の製品です)、紛らわしいので、購入の際はご注意ください。
・エントリークラスのタブレットとしてバランス良い仕上がり、ストレージは余裕あり
・PCモードでパソコンのようにウインドウ表示ができ、オフィスワークにも使える
・専用ケースとタッチペン、換え保護フィルムと、付属品が充実
・金属製の高級感ある筐体
ここは注意
・製品名通り、LTE非対応
・ディスプレイ解像度は1,280×800ピクセル
・WidevineはL3
関連サイト
Blackview Tab10 WiFi:Amazon
目次
1.Blackview Tab10 WiFi スペック
Blackview Tab10 WiFi | |
OS | Doke OS_P3.0(Android 13ベース) |
SoC | Mediatek MT8788 |
RAM | 8GB(拡張機能により最大16GB) |
ストレージ | 256GB |
ディスプレイ | 10.1インチIPS(1,280×800ピクセル) |
バンド | ― |
ネットワーク | 802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth5.0 |
入出力 | USB Type-C、microSDカードリーダー、3.5mmオーディオジャック |
カメラ | イン5MP/アウト13MP+0.3MP |
バッテリー | 7,680mAh(急速充電非対応) |
サイズ | 240×156×8.4mm(実測) |
重量 | 473g(実測) |
付属品 | タッチペン、専用ケース |
スペックは、ご覧の通りの2023年の10インチクラスのエントリースペックタブレットとしてオーソドックスな構成となっています。CPUはMediatek MT8788で、後で確認するようにAntutu v10ベンチマークは23万点台。3Dゲーム以外なら問題なく動作しますが、3Dゲームはきついというくらい。
ストレージはエントリークラスながら256GBもあります。ディスプレイ解像度は1,280×800ピクセルにとどまります。また、WidevineはL3なので、有料動画配信サービスの多くはHD画質での視聴はできません。製品名に「WiFi」とあるように、Wi-Fi専用機であり、LTEには対応しません。
2.Blackview Tab10 WiFi 筐体
本体
それでは、実機を見ていきましょう。箱内部は省略しますが、本体は専用ケースを装着済みで収納されているという、ちょっと珍しい収納の仕方でした。
同梱品一覧です。左上から、マニュアル、microSDカードスロットイジェクター、充電アダプター、充電ケーブル、タッチペン、換え保護フィルム、本体(ケース装着済み)です。ご覧の通り、かなり充実しています。マニュアルは多言語で、日本語表記もありますが、内容は基本的なことで、特に読まなくても大丈夫でしょう。充電アダプターは5V-2.0Aで、いわゆる急速充電には対応していません。保護フィルムは、本体にもはじめから貼ってあるんですが、やや指滑りがよくありません。換えフィルムの方があきらかに良いフィルムで、せっかくなので貼り替えたところ、指滑りは快適になりました。元のフィルムも使えないというほどではないので、貼り替えるかどうかはお好みで。
本体背面です。色は金属質の灰色で、ビルドクォリティは十分。安っぽさはまったくありません。なお、技適マークもちゃんとあります。
カメラバンプのアップです。カメラは2眼あるように見えますが、シングルです。「AI Camera」なんてたいそうなロゴを入れていますが、Blackviewは、新興メーカーの中では、カメラのソフトウェア調整の面でも健闘してる方です。
側面を見ると、上側面はマイク穴のみ、下側面は何も無し、ディスプレイ向かって左側面は電源、音量ボタン、スピーカー、右側面は3.5mmオーディオジャック、microSDカードスロット、USB Type-Cポート、スピーカー、となっています。
microSDカードスロットです。本機はLTE非対応のため、当たり前ながらSIMトレイはありません。
専用ケースとペン
専用ペンです。いわゆるデジタイザーではなく、ディスクタイプのタッチペンです。従って、タッチ操作や、チェックやアンダーラインを入れる程度には使えますが、細かい文字やイラストを書けるようなものではありません。
専用ケースは、ちゃんとカバーを閉じればスリープし、開ければ自動で起動します。画像のように三角形に折り込んでスタンドにもできる、オーソドックスな構造です。角度調整はできません。ちなみに、ペン収納スペースはありません。
3.Blackview Tab10 WiFi 使用感
システム
容量は256GBと、エントリークラスのタブレットとしては非常に余裕があります。さらにmicroSDカードでの拡張にも対応しているので、容量不足で困ることはないでしょう。RAMは8GBに、流行の拡張機能により追加で8GBの拡張が可能。デフォルトでは5GBの拡張になっていました。通常、このクラスのタブレットであれば8GBでも十分ですが、本機の場合、PCモードでオフィスワークも可能なので、つまり「処理の軽いマルチタスク」をこなす機会が想定されるため、本来のメモリよりは低速となるもののメモリ拡張技術の恩恵は比較的大きいかもしれません。
WideVineは、先述のようにL3になります。アプリ「DRM Info」で確認しました。従って、多くの有料配信コンテンツでは、HD画質での視聴ができません。YOUTUBEなどでは関係無く高画質を視聴可能です。
初期アプリ
初期アプリ一覧です。「DRM Info」のみ、私がインストールしたものです。「Fanguess」というのは海外動画配信視聴アプリです。ご覧のように、ほぼ基本的なアプリのみの構成となっています。
ディスプレイ
発色は十分ビビットです。有機ELディスプレイのLenovo YOGA770と並べても、大きく劣るようには見えません。やや寒色が強いかも知れませんが、くっきり感は増すので好みの範疇だと思います。設定から微調整も可能です。
解像度は1,280×800ピクセルで、10.1インチサイズともなると、やはり、特に文字などでFHDとの差は感じてしまいます。とは言っても、もちろん十分に読めるレベルです。ここは価格なりの部分でしょう。
タッチペン
タッチペンがついてくるとはいっても、Blackview Tab10 WiFiは、本格的なペン入力に対応しているわけではありません。従って、文字やイラストを書くほどの感度はありません。チェックを入れたり、アンダーラインを引いたり、おおざっぱな文字をゆっくり書く、くらいなら十分に使えます。または、後述のPCモードでパソコンのように使う場合も、指よりタッチペンの方が操作しやすいかと思います。
スピーカー
スピーカーは、ステレオです。最近は安価なタブレットでも、ほとんどステレオになりましたね。音質は、動画視聴がメインなら十分、本格的に音楽を聴きたいなら力不足といったところ。こだわって聴くのでなければ、特に不満は出ない品質です。ちなみに、レガシーな3.5mmオーディオジャックを備えています。
カメラ
新興メーカーは、画素数で頑張っても、ソフト面でどうしても大手メーカーに水をあけられることが多いのですが、最近のBlackwiewは、カメラのソフト面にも力を入れていて、先日レビューしたBlackview A200 Proも、メインカメラはXIAOMI製品に匹敵する出来で驚かされました。
さて、このBlackview Tab10 WiFiも、撮影してみると、色味はしっかりAIが効いて、より彩度が増したものとなります。もちろん、タブレットのカメラなんで、暗所やズーム撮影は厳しく、明るい部分が白飛びしたりとかはあり、スマホでの撮影に比べれば見劣りしますが、十分な光量のもとで撮影する分には、それなりに見栄え良く撮ってくれます。「タブレットのカメラとしては」というただし書き付きですが、悪くない仕上がりです。
なお、タブレットにしては、撮影モードも「ナイトモード」「美顔」「パノラマ」「ポートレート」「白黒」「Pro」と、比較的豊富に用意されています。動画撮影時の手ぶれ補正はありません。
サイドパネル(Doke OS独自機能)
Doke OSは、Galaxyシリーズのように、画面サイドからフリックで呼び出す「サイドパネル」が使えます。もっとも、内容はアプリへのショートカットと天気予報のみ。また、「PCモード」では使えません。うーん、残念。PCモードでこそ、簡易ランチャーとして活躍できそうなんですが。
PCモード(Doke OS独自機能)
PCモードとは
さて、Blackviewタブレットの目玉機能(?)、「PCモード」です。PCモードでは、このようにアプリをウインドウ状態で起動して、まるでパソコンのようにマルチタスクを行うことが可能です。基本的に、別途キーボードを用意することが前提となりますが、メールを打ったり文章を書いたり等、オフィスワークが十分にできます。もっとも、アプリのインターフェースは、当たり前ながらタッチ対応で設計されているためにボタン類が大きく、実際に同時に表示して作業を十分に行えるのは2つくらいまでが限界かと思います。また、「パソコン的な操作」がすべてできるわけではありません。それでも、下部のツールバーからウインドウを適宜切り替えられるだけでも、十分に便利というものです。ツールバーには起動中のアプリが表示されるだけでなく、特定のアプリをあらかじめ配置しておくことも可能です。一方で、やや不安定な部分もあり、例えば私の場合、なぜかMicrosoft Wordは、ツールバーに配置しても勝手に消えてしまう現象が発生しています。
操作には、一部小さめのアイコンもあり、またアプリそのものは当然ながらタッチ操作前提で、マウス操作には最適化されていないので、付属のタッチペンを使うとよりはかどるでしょう。実際、PCモードとタッチペンの相性はかなり良く、付属で付いているありがたみを感じられます。
Androidなので、無料でMicrosoft Officeが使える
Androidなので、Microsoft WordやExcelが無料で使えます。まだまだデファクトスタンダードなソフトなので、なにげに、これはかなり大きなメリットなんじゃないでしょうか。もちろん、Googleドキュメントやスプレッドシートなどを使ってもかまいません。
設定
PCモードの設定は、設定画面にあります。このように、キーボードの接続によって自動的にPCモードを切り替えることも出来、これは便利なので、PCモードをよく使うならONにしておくことをお勧めします。キーボードの接続は、もちろん、Bluetooth接続でも検出して切り替わります。
4.Blackview Tab10 WiFi 性能テスト
Antutu V10でのベンチマーク結果はご覧の通りです。GPUベンチマークは「Lite」になります。使用時は、読み込みなどでスクロールがやや引っかかることも散見されますが、待つようなことはなく、高負荷な3Dゲーム以外なら、十分快適に動作します。
5.まとめと価格など
Blackview Tab10 WiFiは、エントリークラスの10インチサイズAndroidタブレットとして、オーソドックスな構成の製品です。エントリークラスだけに、タッチペンやスタンドにもなるケースがはじめから付いてくるというオールインワンセットは、嬉しいポイントです。また、10インチサイズであれば、Blackview独自OSであるDoke OSの「PCモード」によって、一定のオフィスワークなどを行うことも十分に可能です。オフィスワークは処理が軽量な場合が多いので、エントリークラスであることも欠点にはならないでしょう。基本的なスペックを押さえつつ、付属品とシステムで一定の拡張性も持たせているので、「とりあえず持つタブレット」としてはちょうどよいのではないかと思います。解像度が1,280×800ピクセルで、WidevineがL3、LTE非対応といった点には注意が必要ですが、ここは価格とのバランスで判断すべき部分になるかと思います。
その価格ですが、記事執筆現在、Amazonで定価26,900円に7,000円OFFと8%OFFクーポンが発行されていて、両方を適用すると17,748円となります。10インチクラスのAndroidタブレットは、中華新興メーカーの激戦区ですが、BlackviewのDoke OSは他にない個性なので、これをどう評価するかで選ぶとよいと思います。
6.関連リンク
Blackview Tab10 WiFi:Amazon