ASUSがCES 2024の開催に合わせ、ゲーミングスマートフォン「ROG Phone 8シリーズ」を発表しました。ゲームプレイを最重視したハイエンドモデルで、従来モデルから筐体デザインが大幅に変更されています。また、ゲームプレイのみにとどまらず、カメラなどの機能でも妥協していません。
1.ROG Phone 8シリーズ スペック
スペック表
ROG Phone 8/8 Pro/8 Pro Edition | |
OS | Android 14 with ROG UI |
SoC | Qualcomm Snapdragon 8 Gen 3 |
RAM | 8:12GB/16GB 8 Pro:16GB 8 Pro Edition:24GB |
ストレージ | 8:256GB 8 Pro:512GB 8 Pro Edition:1TB |
ディスプレイ | 6.78インチAMOLED(2,400 x 1,080)165Hz |
バンド | 5G:n1/2/3/5/7/8/12/18/20/25/26/28 38/40/41/48/66/77/78/79 FDD-LTE: B1/2/3/4/5/7/8/12/17/18 19/20/25/26/28/32/66 TDD-LTE: B34/38/39/40/41/42/43/48 |
SIM | nanoSIM × 2 |
ネットワーク | 802.11a/b/g/n/ac/ax/be、Bluetooth 5.3 |
入出力 | USB Type-C、オーディオジャック |
カメラ | イン32MP/アウト50MP + 13MP + 32MP |
バッテリー | 5,500 mAh |
サイズ | 163.8×76.8×8.9 mm |
重量 | 225 g |
バリエーションモデル
ROG Phone 8
・RAM12GB/ストレージ256GB
・RAM16GB/ストレージ256GB
ROG Phone 8 Pro
・RAM16/ストレージ512GB
ROG Phone 8 Pro Edition
・RAM24GB/ストレージ1TB
※ROG Phone 8のRAM16GB/ストレージ256GBモデルはプレスリリースには記載がありませんでしたが、ASUSグローバルサイトに記載がありました。
コメント
OSはAndroid 14ベースのROG UIです。素のAndroid OSをベースにArmory CreteやGame Genieといった、ゲームプレイ時に便利な機能が追加されています。
特にArmory Creteではグラフィックの調整やCPUのパフォーマンスといった、他社スマートフォンでは設定できないような項目も細かく調整できます。
新機能として最近トレンドになりつつあるAI生成(Stable Diffusion)によるオリジナル壁紙の作成や、オフライン環境でもアプリや写真を検索できる「Semantic Search」が利用可能です。
アップデートのスケジュールは明言されていませんが、今まで通りであれば最大2回のOSアップデートと(Android 16まで)と3年間のセキュリティアップデートが提供されると思われます。他社では4〜6回のOSアップデートが保証されていることを踏まえると、今後ASUSもアップデート期間を延長してくれることを期待しています。
SoCはSnapdragon 8 Gen 3です。日本国内ではまだ搭載端末が出そろっていませんが、2024年1月の時点で最強スペックを誇っています。AnTuTu Benchmark v10での総合スコアは200万点をオーバーする数値を計測しますが・・・普段使いではもはやオーバースペックとも言える性能なので、3〜4年間メイン端末として運用しても不満を感じることはないでしょう。
冷却システムに「Game Cool 8」が採用され、単体でも長時間ゲームをプレイした際の発熱が抑えられていますが、ROG Phoneシリーズではおなじみの外部冷却ファン、「Aero Active Cooler X」も用意され、ROG Phone 8/ROG Phone 8 Proに装着することで最大28度まで本体を冷却できます。
GPUはハードウェアによるレイトレーシングもサポートしています。RAMとストレージはROG Phone 8が12GB/256GBと16GB/256GB、ROG Phone 8 Proが16GB/512GB、24GB/1TBです・・・現状のAndroid OSだと16GBでもまず使い切ることはないのですが、24GBだともはやゲーミングPC並ですね。
ディスプレイは6.78インチサイズで、解像度はFHD+(2,400 × 1,080)です。
パネルにSamsung製AMOLED(有機EL)を採用していて、最大リフレッシュレートは165Hz、タッチサンプリングレートは720Hzです。スペック自体は前モデルのROG Phone 7からほぼ変更されていませんが、上下左右のベゼルを狭めることにより、94%の画面占有率を実現しています。ただし、個人的に少し気になる変更も行われています(後述します)。強化ガラスはコーニング社のゴリラガラス ヴィクタス2です。
カメラはイン32MP、アウト50MP(標準) + 13MP(超広角) + 32MP(望遠)です。もともとROG Phoneシリーズはカメラ品質にも妥協がありませんでしたが、ROG Phone 8シリーズではZenfone 9/10と同じく6軸スタビライザーが組み込まれていて、動きが激しい場面でも手ぶれを抑えた写真・動画が撮影可能です。光学ズームは最大3倍まで拡大できます。
バッテリー容量は5,500 mAhです。ROG Phone 5〜7の6,000 mAhから若干容量が減っていますが、発表によるとCPUの省電力化により稼働時間はほぼ変わらないとしています。
ROG Phone 8シリーズではゲーミングスマートフォンとしては世界初となる、IPX5/8準拠の防水・防塵に対応しています。
2.筐体
ROG Phoneシリーズでは2018年に発売した初代モデルから昨年発表されたROG Phone 7シリーズに至るまで、長らくノッチを採用してきませんでしたが、ROG Phone 8シリーズではZenfone 10と同じくディスプレイ上部にパンチホールノッチが配置されています。
ゲーム中はどうしてもパンチホールが気になってしまいますので従来のデザインの方が理想的と感じていたのですが、今回ROG Phone 8シリーズでパンチホールノッチを採用したのは残念です。
ROG Phone 8の背面です。今までのROG Phoneシリーズはゲーミングスマホらしい、メカニカルなテクスチャーがデザインされていましたが、ROG Phone 8ではビジネスシーンでも違和感なく使えそうな、おとなしめのデザインに変更されています。筐体色はPhantom BlackとRebel Greyです。
「Armory Crate」アプリでLEDの色を変更できる「Aura LED」も健在です。
上位モデルのROG Phone 8 Pro/Pro EditionではPhantom Blackのみの設定です。画像を見る限りシボ加工が施されているようですが、やはり以前のROG Phoneシリーズと比較すると全体的におとなしめのデザインになった印象です。
ROG Phone 7 Ultimateまで用意されていたサブディスプレイは非搭載となりましたが、代わりにドットでオリジナルアニメーションを表示できるAnime Visionが備わっています。
ゲームプレイ中のタッチ操作を割り当てることが出来る超音波式ボタン、「Air Trigger」も健在です。かのあゆはよくレースゲームをプレイするので、ここにアクセルとブレーキを割り当てているのですが、細かい操作にも対応でき、いまやないと困る存在です。
3.価格など
ROG Phone 8シリーズはこの記事を執筆している2024年1月10日の時点ではまだ発売日が発表されていません。ASUS JAPAN公式サイトではまだページが用意されていませんが、日本国内でも正規投入されることは確定しているようで、価格は以下の通りです。
ROG Phone 8
12GB/256GB:1,099.99ドル(約159,500円)
ROG Phone 8 Pro
16GB/512GB:1,199,99ドル(約174,000円)
ROG Phone 8 Pro Edition(※AeroActive Cooler X同梱)
24GB/1TB:1,499.99ドル(約217,500円)
※1ドル=145円として円貨を計算しています
※ROG Phone 8の16GB/256GBモデルについては価格情報がありません
ASUSでは初代ROG Phone〜ROG Phone 3を第1世代、ROG Phone 5シリーズ〜ROG Phone 7シリーズを第2世代としていて、今回発表されたROG Phone 8シリーズは第3世代に位置づけています。
かのあゆが実機レビューを担当したのはROG Phone 5sからで、ROG Phone 5sは中古品を購入し、現在も愛用しています。カメラ性能も含め不満に感じたことはなかったのですが(むしろ2024年現在でもメインとして活躍できるとすら思っています)、それでも「もっとカメラ機能を強化してほしい」という声も多かったようで、今回Zenfone 9/10で初採用された6軸スタビライザー機能を搭載するなど、カメラフォンとしても魅力的な端末に進化しています。IPX5/8準拠の防水・防塵にも対応したので、急に雨が降ってしまっても安心できるようになったのもうれしいところです。
ただ、やはりディスプレイにパンチホールノッチを採用したことに関してはゲーミングスマホとしては少し残念に感じられてしまいます。せめてNubiaのREDMAGICシリーズのようにアウトカメラがディスプレイ埋め込み型であればよかったのですが。
とはいえAndroidスマートフォンとしてはまさに「化け物」といっていい性能を備えていますし、ソフトウェア、ハードウェアの完成度の高さは毎回素晴らしいので、ROG Phone 8シリーズも早く実機に触れてみたいと思います。
コメント
オーバースペック過ぎてこのスペックいかせるアプリあるかが気になる。