こんにちは、こうせつです。先日、ちょっと大きめの画面のタブレットが急に必要になりまして、Amazon から Fire HD 10 を購入しました。とりあえず役割は終わったのですがウェブ会議に使用できるか?や手元にあるいろいろな周辺機器やストレージなどをつないでみたら仕事に使えるか?という検証をしてみました。
今回取り上げるのは2019年販売の最新モデル(2020年9月時点)第9世代。本サイトで Fire HD 10 を取り上げているのは2017年9月の第7世代なので、スペックなどにも少しだけ触れていきます。
目次
スペック・筐体
Amazon Fire HD 10 のスペックは以下の通りです。
ディスプレイサイズ | 10.1インチ HD |
解像度 | 1920 x 1200 (224ppi) |
プロセッサ | オクタコア2.0GHz、2GB RAM |
オーディオ | Dolby Atmos、デュアルステレオスピーカー マイク |
Alexa搭載 | Alexa搭載。ハンズフリーモード対応 |
ストレージ | 32/64GB |
USB | USB-C (2.0) |
microSDカードスロット | あり 512GBまで対応 |
カメラ | フロント・リア ともに2メガピクセル |
wifi | デュアルバンド a/b/g/n/ac |
バッテリー | 最大12時間 |
サイズ | 262 x 159 x 9.8mm |
重量 | 504g |
カラー | ブラック、ブルー、ホワイト |
あまりにも有名なタブレットなので、いまさらという感じもしますが Fire HD 10は「Amazon が販売している自社の電子書籍や動画、音楽を最大限楽しむためのタブレット」です。あくまで Amazon の各種サービスを利用することを前提としているので同等のタブレットよりもカメラや内蔵ストレージ、メモリのスペックを抑えたりGPSを搭載しないなど、価格を低くする工夫もされています(32GB 15,800円~)。また、10インチのタブレットとしては504gと少々重めです(参考:iPad Air 第4世代 458g)。
ただ価格を抑えているわけではなく、音楽や動画のための底面にステレオスピーカーを装備、Alexaを使用するためのマイクを搭載、2019年モデルからは充電端子もUSB Type-C を採用するなど、数年前のタブレットに比べると新しい技術も入っています。
内蔵ストレージが32GBもしくは64GBのどちらかしか選べないので、iPadなどと比べると少ない印象は否めませんが、microSDや後述のUSBメモリなどでの拡張に対応しているところも注目です。
スペックとしてもう1つ触れておくべきはインストールされているOSの話です。Fire HD10はAndroid PieベースのFire OS7を採用しています。Android ベースですがアプリのインストールにはAmazon独自にアプリストアを使用するため、通常では Google Play からアプリのインストールができません 。実は比較的簡単にGoogle Play を使えるようにする裏技もあるのですが、もちろんメーカー動作保証外のため、今回は取り上げません。
ちなみにブラウザも Chrome ではなく、Silkブラウザという独自のものが標準です。
あくまで今回は裏技などを使わず、標準のまま & 純正アプリストアでどれくらいまで接続できるか、という検証です。
ウェブ会議の対応
Amazon Fire HD 10 は Google Play からアプリのインストールができないため、Amazon のアプリストアで主要なウェブ会議アプリがインストールできるか?やSilkブラウザで使えるかをチェックします。
アプリ名 | 対応 |
Zoom | ○ |
Google Meet | - |
Microsoft Teams | △ |
Skype | ○ |
Facebook Messenger | ○ |
Cisco Webex | ○ |
○:アプリあり、△:Silkブラウザから利用可能、-:利用不可(未確認)
主要なものを確認したところ、多くのサービスで利用できそうです。Microsoft Teams は現時点で企業向けの契約者のみ利用可能ですが、今年中にMicrosoft 365 Personal(旧 Office 365 Solo)契約者も利用可能になる予定です。残念ながらというか、当たり前というかGoogle Meet は使えず、会議に参加しようとしても Silkブラウザが反応しませんでした。
現時点で Fire HD 10 でウェブ会議を行うときは Zoom か Skype が良さそうです。
入力機器・ストレージ
Amazon Fire HD 10 に手元にある入力機器をいろいろつないでみました。
USB ハブ
機器名 | 可 / 不可 |
エレコム U3HC-A423P5 | ○ |
サンワサプライ ADーALCMV01 | - |
まず前提として、有線ポートはUSB Type-C が1ポートのみなので、拡張できるように USB ハブが必要です。「エレコム U3HC-A423P5」はUSB Type-C x2 と USB 3.0 x2の合計4ポートのハブです。USB Type-C のうち1ポートはPD(Power Delivery)対応です。
以降、有線接続のものはこちらのハブを使って検証しました。
キーボード・マウス
Amazon Fire HD 10 に入力機器としてキーボードとマウスを接続してみました。
機器名 | 接続方法 | 可 / 不可 |
エレコム TK-FBP102 | Bluetooth | ○ |
エレコム TK-FCP096 | 有線 | ○ |
AKKO 3068 | Bluetooth | ○(有線不可) |
Apple Wireless Keyboard (JIS) ※廃盤 | Bluetooth | ○ |
以前、本サイトで実機レビューをしたエレコムの2機種、Akkoの Bluetooth キーボードは全て使うことができました。日本語入力は [Shift]+[スペース]でできるようになります。Apple Wireless Keyboard は、[かな] と [英数] で日本語入力と英数入力の切り替えができました。
ちなみにメールは SilkブラウザでGmailが使えるのと、アプリストアから Outlook のインストールができました。
機器名 | 接続方法 | 可 / 不可 |
マイクロソフト Sculpt Comfort Mouse | Bluetooth | ○ |
ロジクール M100r | 有線 | - |
今回の検証に使用したBluetooth 接続のマウスはマイクロソフト Sculpt Comfort Mouseです。設定の画面からBluetooth機器の登録を行うことで利用可能でした。左クリック、右クリック、スクロールとも動作します。ただ、親指部分のWindowsボタンを押しても何の反応もありません。ホーム画面に切り替わるかな?とちょっと期待していたいのですが残念でした。
有線接続のマウスはロジクール以外のものもいくつか試しましたが、残念ながら認識しませんでした。
USBメモリ・ポータブルHDD
機器名 | 接続方法 | 可 / 不可 |
USBメモリ エレコム MF-CAU3116GBK | Bluetooth | ○ ※USBハブ無しで接続可 |
ポータブルHDD バッファロー HD-PCH1.0U3 | 有線 | - |
Amazon Fire HD 10 でUSBメモリやポータブルHDDが使えるか試したところ、USBメモリは使用可、ポータブルHDDは使用不可でした。あいにくポータブルSSDが手元にないので検証できませんでした。ポータブルHDDが使えないのは電源容量の問題かと思います。
エレコム MF-CAU3116GBK 以外にも使用できるUSBメモリはありましたが、この商品はUSB Type-C と USB A 両方のコネクタを備えているため、ハブ無しで使えるのも便利だと思います。
その他(未検証含む)
手元に機器がなかったので検証できませんでしたが、有線LANアダプタも使えるという情報がありました。USB Type-C 専用であれば BUFFALO 有線LANアダプター LUA4-U3-CGTE-BK あたりが良さそうです。
ディスプレイに出力するのは残念ながら対応していません。同じ Amazon の Fire TV Stick などにミラーリングする必要があります。
イヤホン・ヘッドセット・プリンター
Amazon Fire HD 10 にその他、いろいろ接続してみました。
イヤホン
Amazon Fire HD 10 には 3.5mmステレオジャックが搭載されているので、一般的なイヤホンであれば接続が可能です。手元にあるイヤホンをつないでみましたが、音質としては良くもなく悪くもなく普通の出力といったところです。
ヘッドセット
Amazon Fire HD 10 に SONY WF-1000X や Mpow H7 など Bluetooth ヘッドセットを接続したところ、問題なく接続が可能でした。ただし、SONY のアプリ「Headphones」のインストールができないため、Bluetoothイヤホンの音質やノイズキャンセリングの強弱を調整することはできませんでした。
プリンター
意外だったのがプリンターです。自宅で使っているのが Brother DCP-J962N という4~5年前に発売された少々変わった機種なのですが、アプリストアから「Brother iPrint&Scan」をインストールすると、しっかり認識や印刷、スキャンまですることができました。
※ステータスのエラーは検証中にインク切れになったもので、認識できていないわけではありません。
Brotherだけでなく EPSON、Canonにもそれぞれ対応アプリがありましたので利用可能だと思います。いずれの場合も対応機種に注意が必要です。
まとめ
上の写真がとりあえず私が考える最適かつ現時点で購入できるセットです。ちなみに画面にはPDA工房の衝撃吸収【反射低減】保護フィルムを貼っています。
持ち運びを考えると、タブレット本体が504g、キーボードが約264g、合計で約770gです。これはPanasonic のレッツノートRZシリーズとほぼ同じ重さですね。RZシリーズは20万円以上しますが、Fire HD 10 は本体とキーボードを一緒に購入しても2万円程度です。処理速度や作業できることに違いはあるにしても、非常に安価にウェブ会議の環境を作ることができることがわかりました。
実は冒頭に役割は終わった、と書いたのですがリビングのソファで使ったり、作業中に音楽や映画を流しっぱなしにするなど意外と活躍してくれています。思ったよりもいろいろな機器が使えるので、今後も継続して触っていこうかな、と思える検証でした。
関連リンク
Fire HD 10 タブレット:Amazon
コメント
会議アプリで画像がコマ落ちしないのか?とか音飛びしないのか?何人まで同時接続して使用に耐えるのか?といった検証はされたのでしょうか?
こんにちは、コメントありがとうございます。ZoomとTeamsで使っていますが、8名程度の会議であれば問題ないですね。回線状況にも左右されるとは思いますが。
なるほど、実用上問題ないという認識で良いようですね。ありがとうございます。
これならTECLAST T30でよさそう