
ALLDOCUBE iPlay70 Pad Proの実機レビューです。12.1インチと少し大きめで高精細 (2,560×1,600)なディスプレイを搭載し、独自UIのALLDOCUBE OS5.0Lはキーボードやマウスでの使用感を高めてくれる「デスクトップモード (PCモード)」に対応するなど、様々な用途で快適に使える製品です。
この製品の搭載SoCは「Helio G100」です。原神や鳴潮といった重量級の3Dゲームのプレイには向きませんが、それ以外はほとんどのことが不満なくこなせます。
このレビューはALLDOCUBEより機材のサンプル提供を受け実施しています。また、今回はAntutuスコアは一応掲載しますが、「ゲームプレイの使用感」については対象外とさせていただきます。
なお、レビューに先立ちAnti-virus Dr.Web Lightにてフルスキャンを実施し、マルウェア等の混入がないことを確認しています。
・12.1インチ・解像度2,560 × 1,600で発色のいいディスプレイ
・独自UI、ALLDOCUBE OS 5.0Lを搭載
・4スピーカー搭載で配置も理想的
・別売りの専用キーボードは本格的
ここはイマイチ
・デスクトップモードは細かい不具合が多く、まだ発展途上
・キーボード、カバー込みだと実測値は1,128 gとやや重い
※3月29日まで発売記念セール開催中、22,999円で購入できます
目次
1. スペックなど
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| OS | ALLDOCUBE OS 5.0L (Android16) |
| SoC | MediaTek Helio G100 |
| RAM | 8GB(仮想RAM拡張により最大16GB) |
| ストレージ | 128GB |
| ディスプレイ | 12.1インチ (2,560×1,600) 90Hz |
| バンド | FDD:B1/2/3/5/7/8/18/19/20 B26/28A/28B TDD::B38/40/41 |
| 無線通信 | Wi-Fi 5、Bluetooth 5.2 |
| ポート類 | USB Type-C 、microSDカードリーダー |
| カメラ | 前面:8MP/背面:16MP |
| バッテリー | 10,000 mAh |
| サイズ | 289.2×181×7.4 mm |
| 重量 | 582 g |
昨今、他社製品でスペックの偽装やベンチマークブースト (ユーザーの設定にかかわらず、ベンチマークテストのときだけ高いスコアが出るようにシステム設定を調整する)の問題が指摘されていますので、可能な範囲で検証しました。
CPU-ZとAntutuのシステム情報です。CPU-ZではSoCが「Helio G99」、Antutuでは「Helio G100」と表示されました。Helio G99とHelio G100は基本スペック (CPUとGPUの構成や周波数など)が同一で、カメラまわりの対応 (最大画素数など)が異なるのみです。また、SoCの型番「MT8781V/CA」によってG99かG100かは識別できません。
一方、Antutuでは「G100」と表示されています。ただこれは、CHUWIの偽装問題がそうであったように、メーカーに偽装する意図があれば簡単にごまかせます。よって、この製品のSoCがHelio G99なのかG100なのか、確証の持てる結論は出せません。
個人的には「G99であろうとG100であろうとユーザーに実害はない。この製品のカメラは最大16MPなので、G99でもG100でもSoCの許容範囲内である。」と考えます。
RAMとストレージに関してはCPU-Zで「7,717MB / 108.65GB」、Antutuでは (上の画像にはありませんが)「8.09GB / 128GB」と表示されました。この点も、特にAntutuの表示はごまかそうと思えばごまかせるはずですが、ウインタブではこれ以上の検証はしません。
「そもそもALLDOCUBEを信用できるか?」という点では「信用できる」との判断です。先般のマルウェア混入問題での対処が非常に誠実・迅速であったことと、「さすがにその舌の根も乾かないうちに偽装するほど面の皮は厚くないだろう」と考えます。
Antutuベンチマークスコアは約54万点でした。NanoreviewにHelio G100搭載機のAntutu Ver. 11のデータが77件あり、その最大値が60.2万点、最小値が48.9万点、平均値が56.6万点でした。この結果をもってベンチマークブーストをしているか否かは判断できませんが、「Helio G100搭載機の計測値としては妥当」であり、またこの製品の特性 (ゲームを主目的として購入する製品ではない)から見て、メーカーがあえてベンチマークブーストをするメリットはないと考えます。
最後にバッテリー容量ですが、Antutuではしっかり10,000 mAhと表示されました。しかし、ここも「ごまかそうと思えば簡単にごまかせる」部分です。
レビュー中の体感としては10,000 mAhにしてはやや駆動時間が短めと感じられましたが、だからと言って容量を偽装しているとまでは思いません。また、12インチサイズで筐体重量582 g (実測値580 g)というサイズスペックから考えて、容量10,000mAhというのは不自然ではありません (参考:Galaxy Tab S9+は12.4インチ/10,090 mAhで公称値581 g)。
次に急速充電を試しました。純正品ではない、UGREENの急速充電器とUSB Type-Cケーブル (いずれも65W以上の充電に対応します)で測定したところ、最大値が「27W」でした。公称値の33Wではありませんが、これは「偽装」とは言えません。PD充電における変換ロスや発熱抑制を考慮すれば「ごく現実的かつ適正」な数値と判断します。
さらに細かく検証することはできなくもないです。しかし、ウインタブはこれ以上の検証は時間の無駄だと判断し、この製品の仕様は「適正」であると判断します。
2. 外観と使用感
タブレット本体
付属品

本体の同梱物です。左上の取扱説明書は一部日本語での説明もありましたが、全体的には非常に簡単な内容でお世辞にも親切とは言い難いです。ただ、ガジェット好きなウインタブ読者にとってはこれで問題はないと思います。
左下にACアダプター、その右にUSB Type-C – USB Type-Cのケーブル、そしてSIMイジェクトピンがあります。ACアダプターは日本のコンセント形状に合うもので出力は20Wです。iPlay70 Pad Proは最大33Wの急速充電に対応しますが、付属のACアダプターでは33Wの充電はできず、サードパーティ製の急速充電器が必要となります。
ディスプレイ

前面のベゼルは低価格帯のAndroidタブレットとしては細いほうだと思います。
発色品質は高く、手持ちのPCモニター (100%sRGBの色域のもの)と比較してみたところ、全くそん色はありませんでした。個人的には「ALLDOCUBEの中上位モデルのディスプレイは他社製品よりも発色に優れている」と感じます。
「ディスプレイの発色」については設定アプリ内に複数の調整項目があります。画像左は「ディスプレイ」メニューの「カラー」、画像中も「ディスプレイ」メニューの「MiraVision」、そして画像右が「ユーザー補助」メニューの「色補正」です (ただし、色補正については視覚にハンディのある人向けの調整項目で、Android OSの標準機能です)。個人的にはこれらの項目をいじる必要はないと判断しましたが、必要に応じて手動調整されるといいでしょう。
リフレッシュレートは90Hzです。アダプティブ (可変式)ではないので、90Hz固定となります。60Hzのディスプレイと比較して若干スクロールが滑らかに感じられますが、常時90Hzのため、バッテリー持ちは少し悪化すると思われます (今回はバッテリー持ちについては詳細な検証ができませんでした)。
WidevineはL1です。Netflixアプリで確認しました。
背面と側面

背面です。金属製で筐体色はタブレット製品としてはオーソドックスなグレーです。質感はよく、しっかり感もあり、軽くねじっただけでミシミシと音が出るようなことはありません。

横向きに持った際の上側面です。こちらにはSIM/microSDカードスロットとマイク穴があります。

SIM/microSDカードスロットは「nano SIM+nano SIM/microSD」とオーソドックスな構造になっています。

下側面の中央にキーボード接続用のPOGO Pin、その両脇にキーボードのツメを受ける穴があります。

左側面です。左側に電源ボタンと音量ボタン、そしてスピーカーグリルが2つ。

右側面です。こちらにもスピーカーグリルが2つ、中央にUSB Type-Cポートがあります。
スピーカーの使用感
画像を見ていただいた通り、ALLDOCUBE iPlay70 Pad Proは横向きで持った際の左右側面に2つずつ、合計で4つのスピーカーを搭載しています。
スピーカーの音質は低価格帯タブレットとしては高水準です。あくまで同価格帯の競合製品と比較してのことですが、特に低音がしっかりと出ますので音に厚みが感じられ、安っぽさがありません。また、スピーカー配置もいいのでステレオ感もしっかり出ます。Widevine L1で高品質なディスプレイと合わせ、動画視聴はとても快適です。
キーボードケース (オプション品)
オプション品のキーボードケースも送ってもらいました。

このオプション品は2つのパーツがあります。左側がキーボード、右側がスタンドカバーです。

このキーボードは中国の低価格帯タブレット用としてはかなり本格的です。アルファベットキーのキーピッチは手採寸で19 mm強 (19.2 mmくらいかと思います)と十分に余裕があり、キーストロークも1.2 mmと浅めながら実用的なものになっています。上部には音量調整や曲送り、ディスプレイ輝度調整などができるマルチメディアキーがついています。また、タッチパッドとパームレストまでついています。ただし、もちろん、と言いますか「英語配列」です。


本体とキーボードはマグネットでしっかり接続され、すぐに外れてしまうこともありません。背面にスタンドカバーを取り付けると、このようにSurfaceっぽい見た目になります。

キックスタンドは角度調整が可能です。目視で最大100度くらいまで開きますので、実用上は十分な角度が確保されていると思います。
ただ、このキーボードカバー、結構な重さです。実測値でカバー部分が273 g、キーボード部分が275 g、合計で548 gあり、本体の実測重量580 gと合わせると1,128 gと、モバイルノートPCと大差ない重量です。

打鍵感はややプラスチッキーですが、薄型のキーボードなのでこの点は仕方がないでしょう。キーピッチ、キーストロークとも実用上十分、と言うか普通のノートPCと変わりません。輝度や音量などの調整ができるのも便利です。
デスクやテーブルなどの平面にベタっと置かないと打鍵時にたわみを感じてしまいますが、そこさえ気をつければ使いやすいと感じました。…ALLDOCUBEさん、日本語配列のキーボードってやっぱり難しいですかね…。
3. システム
ホーム画面とアプリ一覧画面です。なお、アプリ一覧のうち、赤枠で囲んだものは私がレビューのためにインストールしたもので、プリインストールアプリではありません。
TikTokとWPS Officeのアイコンが見えますが、それ以外に変わったものはありません。プリインストールアプリは最小限だと思います。
iPlay70 Pad ProはAndroid16ベースの独自UI、ALLDOCUBE OS 5.0Lを搭載しています。しかし、設定メニューのUIは特殊な感じは全くありません。メニューのごく一部、というかメモリ拡張のところだけ英語表記のままですが、基本的にすべて日本語化されています。
また、後述しますが、左の画像に「デスクトップモード」があるのと、キーボード周りで少し細かい設定ができるようになっています。
私が見たところ、ALLDOCUBE OS 5.0Lには「デスクトップモード (PCモード)」以外はそれほど多くの独自項目はなく、むしろプレーンなAndroid 16、と感じられました。
4. デスクトップモード
個人的に「ワーケーション」に関心を持っているので、このレビューでも「キャンプ場などにタブレットを持っていき、PCのように使える」デスクトップモードを試すのが非常に楽しみでした。
「見た目」はかなりWindowsっぽい
デスクトップモードは設定アプリから、もしくはクイック設定パネル (通知パネル、画面上端から下にスワイプすると出てくるパネルです)から切り替えができます。
これがデスクトップモードです。画面は横向きに固定され、下部にWindows風のタスクバーが現れます。
左下の「四角が4つ」のアイコンはWindowsボタンのような役割で、クリックするとこのようにアプリ一覧が表示され、左側にQuit (デスクトップモードの終了)、Lock Screen、Setting (設定)のアイコンも表示されます。
右下のアイコン群の左端のアイコン (「丸に下矢印」みたいなアイコン)をクリックするとやはりWindowsっぽい「クイック設定」が表示されます。
デスクトップモードではこのようにアプリをウインドウ表示できます。また、Windowsのようにマウスドラッグでウインドウ位置を変更したり、ウインドウサイズを変更したりできます。
いろいろと「煮詰められていない」
で、このデスクトップモード、残念ながら高く評価することはできません。ALLDOCUBE製品にデスクトップモードが実装されるのは今回が初めてではありません。ウインタブが知る限り、少なくとも2024年7月に「iPlay 60 Pad Pro」をレビューした時にはすでにこのモードがありました。しかし、「十分に煮詰められていない (熟成されていない)」と言わざるを得ません。
例えばアプリ一覧画面を出した際「マウスドラッグでしかアプリ一覧をスクロール (ページ送り)できない」とか、クイック設定の画面でディスプレイ輝度や音量を調整しても「(音量や輝度が)何%なのか表示されない」といった「足りない点」があります。でもまあ、このくらいは全然我慢できます。
より深刻なのは「一部のアプリをウインドウ表示した際に、ウインドウの移動もサイズ変更もできないことがある」という点です。特にウインドウの移動ができないのであれば、そもそもウインドウ表示する意味がありません。
この画像、ブラウザーのChromeでウインタブのサイトを表示しています。画像の上半分がタブレットモード (普通のモードですね)、下半分がデスクトップモードです。タブレットモードではPC版のように「タブ」が表示されています。一方でデスクトップモードでは「スマホと同じように、タブが表示されず、右側に現在アクティブなウィンドウ数が表示されているのみ」です。
Android版のChromeは基本的にディスプレイサイズ (解像度)を自動で判別し、適したUIにします。つまり、スマホなどの小さな画面だとタブは表示されず、タブレットなど大きな画面だとタブが表示されます。12.1インチのiPlay70 Pad Proであれば当然「大画面」とみなされ、タブが表示されるはずですし、実際デスクトップモードにしなければタブは表示されます。
しかし、デスクトップモードにするとシステムUIが強制的に「小さい画面」とChromeに認識させているようで、本来「タブが必要」なはずのデスクトップモードではどうしてもタブが表示されないんです。逆です、逆!
ウインタブの記事はブラウザー上で執筆します。また、情報収集もWebサイトから行います。例えばあるメーカーのノートPCの製品紹介記事を書く場合、メーカーの製品ページとウインタブの執筆画面を何度も行き来します。この際、タブがあれば簡単に操作できますが、タブが出ない場合はいちいちタブ一覧画面を開き、必要なタブを探し、それをアクティブにする、という操作になります。…そんなのやってられないです。
これを回避する策はいくつかあります。一例として、Chromeと別なブラウザー (FireFoxやOperaなど)を共用し、Chromeで記事執筆画面を、Operaでメーカー製品ページを開いておけば、タスクバーのアイコン (現在アクティブなアプリのアイコンが表示されます)でChromeとOperaを切り替えることができます。
ただ、正直なところ「あと一歩足りない」気がします。一つ一つの「未完成な部分」は比較的簡単に修正できると思いますので、レビューが終わったらALLDOCUBEに改善依頼を出したいと思います。
5. その他
カメラ
スマホの実機レビューでカメラを「その他」に分類すると皆さん怒ると思います。しかし、ALLDOCUBE iPlay70 Pad Proは大きめサイズのタブレットなので、カメラの重要性は低いと思います。特にアウトカメラでスナップ写真を撮るような機会はごく少ないでしょう。画素数も前面8MP/背面16MPと、低価格帯タブレットとしては悪くないものの、スマホのカメラ画素数には遠く及びません。
カメラアプリはMediaTekの標準カメラアプリです。画像右に「撮影モード」の項目がありますが、基本的に機能豊富とは言えません。手ブレ防止機能はありませんし、パノラマ撮影やプロモード、美顔モードなどもありません。正直なところ、カメラにこだわったタブレットとは言えないですね。
以下、何枚か撮影した写真を掲載します。オリジナルの撮影サイズは4,632×3,480 (16MP)で、サイト掲載用に「1,200×902 (1MP)」に縮小しています。アプリの設定は「完全にデフォルト」です。
屋外で撮影すると発色は比較的自然ですし、画質もまあまあ、と感じられます。

標準

2倍ズーム

4倍ズーム
ズームは最大4倍で、2倍くらいまでなら画質も悪くありません。

光量が足りない室内で撮影するとボロが出ます。このように画質が粗くなってしまいます。ALLDOCUBE iPlay70 Pad Proのカメラはレジャーの際に屋外で撮影するぶんには何とか行けるが、室内撮影はちょっと厳しいですね。
カーナビ

GPSも内蔵しているので、カーナビとして使ってみました。今回はレビュー期間が短く、近場で1時間程度使っただけですが、精度は高いと判断できます。12.1インチの大画面でカーナビ、というのはとても快適で、常用したいと感じましたが、晴天の日中だとディスプレイ輝度は少し足りないと感じられました。輝度に関してはスマホには及ばないですね。
6. レビューまとめ
ALLDOCUBE iPlay70 Pad ProはAmazonと楽天で販売中で、通常価格は29,999円ですが、3月29日までの期間、発売記念として22,999円で購入できます。また、このレビューでも紹介した専用キーボードカバーやタブレットケースとのセットモデルも販売中です。
当初最も期待していたデスクトップモードに関しては、残念ですが高く評価することはできません。ただし、12.1インチディスプレイと、低価格帯タブレット用としては出来のいいキーボードカバーを使っての文書作成や簡単な画像加工 (PhotopeaというWebアプリを使いました)などは十分こなせ、個人的には「次回のワーケーションの際にこの製品をメインに使ってみたい」と感じられました (この際はデスクトップモードではなく、通常のタブレットモードにすると思います)。
ディスプレイの発色品質は高く評価できます。また、スピーカー品質も価格のわりに高水準なので、動画視聴は快適にこなせました。今回はゲームプレイをしていませんが、搭載SoCやAntutuスコアを見る限り、「ぜいたくを言わなければ多くのゲームアプリがサクサク動作する」と思います。
動画視聴用として、またキーボードを接続して軽めのPC作業ができる端末として、22,999円 (キーボード込みだとAmazonで30,398円、楽天で30,998円、ただし楽天はポイントが付きます)という価格はお買い得だと思います。
7. 関連リンク
2014年にサイトを開設して以来、ノートPC、ミニPC、タブレットなどの実機レビューを中心に、これまでに1,500本以上のレビュー記事を執筆。企業ではエンドユーザーコンピューティングによる業務改善に長年取り組んできた経験を持ち、ユーザー視点からの製品評価に強みがあります。その経験を活かし、「スペックに振り回されない、実用的な製品選び」を提案しています。専門用語をなるべく使わず、「PCに詳しくない人にもわかりやすい記事」を目指しています。
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