
ALLDOCUBEのタブレット、iPlay 80 mini Ultraの実機レビューです。SoCにDimensity 8300を搭載する、中国メーカー製品としては非常に高性能な8.8インチタブレットで、おそらく日本市場でも大人気になると思われます。
なお、ALLDOCUBE製品については2月下旬にマルウェア「Keenadu」が混入しているとの報道がありましたが、この件に対するメーカーの対応は迅速で、3月4日には対象となる全製品のOTAによるセキュリティアップデート完了が報告されています。そもそもマルウェア混入を許したことが問題、と言ってしまえばそれまでですが、この件に対するメーカーの対応は「過ちて改めるに憚ること勿れ」そのもので、「誠実かつ迅速」であったと評価します。
なお、レビュー機については、念のためレビューに先立ってAnti-virus Dr.Web Lightにてフルスキャンを実施しましたが、マルウェアの混入は認められませんでした。
なお、このレビューはALLDOCUBEより実機のサンプル提供を受け実施しています。また、4月10日より楽天とAmazonでセールが予定されています。
・セール価格:49,999円
(元値は59,999円)
・セール終了は4月10日0:00から12日23:59まで
・高性能なSoC、Dimensity 8300
・独自UI、ALLDOCUBE OS 5.0Lを搭載
・発色品質が高くリフレッシュレート144Hzのディスプレイ
・8インチタブとして、スピーカー配置が理想的
・GPS精度も良好
・Android 17へのOTAアップグレードをメーカーが約束
ここはイマイチ
・カメラ画質が悪い
目次
1. スペック表
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| OS | ALLDOCUBE OS 5.0L (Android 16) |
| SoC | MediaTek Dimensity 8300 (MT8883) |
| RAM | 12GB (LPDDR5、仮想RAM最大8GB) |
| ストレージ | 256GB (UFS 3.1) |
| ディスプレイ | 8.8インチIPS (2,560×1,600) 144 Hz |
| バンド | FDD:B1/2/3/5/7/8/18/19/20/26/28A/28B TDD:B38/40 5G:n1/3/5/8/20/28/38/41/77/78 |
| 無線通信 | Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3 |
| ポート類 | USB Type-C 、microSDカードリーダー |
| カメラ | 前面 5MP/背面 13MP |
| バッテリー | 3.85V / 7,200 mAh 33W急速充電対応 / バイパス充電対応 |
| センサー | 加速度センサー、環境光センサー ジャイロスコープ、電子コンパス ホールセンサー デュアルバイブレーションモーター |
| サイズ | 208.2×129.2×7.75 mm |
| 重量 | 328 g (実測値) |
2. 外観

同梱物です。取扱説明書は日本語も含む多言語で書かれており、内容は「各部名称」と「安全な利用についての注意事項」のみと、最低限の内容です。ウインタブ読者には必要性は低いと思います。ACアダプターは日本のコンセント形状に合うもので出力は最大20Wです。iPlay 80 mini Ultraは最大33Wの急速充電に対応しますが、33W充電を実現するにはサードパーティの急速充電器が必要です。また、「バイパス充電 (充電器からの電力をバッテリーを通さずデバイス本体に直接供給する機能。バッテリーの発熱を抑え、劣化を防ぐ効果があります)」にも対応しています。
その他、USB Type-C – Type-CのケーブルとSIMイジェクトピンが入っていました。

本体前面です。ベゼル幅は細いです。また、ここではベゼル幅を確認しやすくするためにアプリ一覧画面を表示していますが、初めてホーム画面を見た際 (この記事のトップ画像です)に「めちゃめちゃキレイ!」と、少し感動してしまいました (後述します)。

背面です。筐体素材は金属で筐体色はやや濃いめのグレー、タブレット製品としてはオーソドックスな色だと思います。

上側面

下側面
上側面と下側面です。iPlay 80 mini Ultraのスピーカーは上下側面に一つずつ、つまり横向きで持った際の左右にスピーカーが配置されています。8インチ級の中国タブレットとしてこの配置は珍しいです(他社製品のほとんどは縦向きで持った際の下側面に1つもしくは2つスピーカーが配置されています)。
この配置だと横向きで持つであろう動画視聴時、あるいはゲームプレイ時などに自然で臨場感のあるステレオサウンドを楽しめます。地味に感じられるかもしれませんが、この製品の使い勝手を大きく向上させている点だと思います (後述します)。

右側面

左側面
左右側面です。右側面には電源ボタンと音量ボタンがあり、電源ボタンが赤いのがデザインアクセントになっています。

左側面のSIM/microSDスロットは「nanoSIM + nanoSIM or microSD」という構造で、中国タブレットとしてはごくオーソドックスなものです。

レビュー機には「別売り」の専用ケースがついていました。

特に高級感はない、と言いますか、よくあるTPU製のケースで、蓋の部分を使ってタブレットスタンドにもできるタイプです。また、iPlay 80 mini Ultraはホールセンサーを搭載しているため、蓋を閉じれば画面消灯、蓋を開ければ画面点灯します。

純正ケースなのでUSBポートやスピーカーグリルと干渉しません。「ゴージャスなケース」ではありませんが、Androidタブレットでもスマホと同様に傷つき防止のためのケースは必須だと思いますし、特にタブレットの場合は動画視聴時などにスタンドが欲しくなりますので、このケースはぜひ本体と一緒に購入しておきたいところです (ただし、タブレットを手で持ってゲームをする際には蓋の部分が少々邪魔に感じられます)。
3. システム
ホーム画面とアプリ一覧画面です。TokTokとWPS Officeがありましたが、基本的にプリインストールアプリは多くありません。ホーム画面の壁紙がカッコいいですね!
CPU-ZでSoCの型番やRAM容量、ストレージ容量を確認しました。これを見る限りメーカーの開示情報は正しいと判断できます。これらも悪意があればごまかせますけど、冒頭に書いた通り、ALLDOCUBEの対応は誠実だと思っていて、「過失によるマルウェア混入ではなく、故意の偽装」は考えにくい、というのがウインタブの見解です。
なお、Model名が「MT8792Z/CA」になっており、ALLDOCUBEの開示である「MT8883」とは異なっています。MT8792Z/CAは「Dimensity 8350」とされますが、これは「製造ロットやファームウェアのバージョンによる識別子の違い」であると思われ、ウインタブとしては「重要視しない」と判断しました。
設定メニューはほぼ完全に日本語対応していますが、ごく一部は日本語対応していません。しかし、特に難解なところはなく、辞書が必要、という感じではありません。これはメモリ拡張の画面で、「拡張する/しない、4GBを拡張する、8GBを拡張する」から選択できます。仮想RAMは物理RAMと同様の使用感にはなりませんが、もしゲームなどでメモリ不足を感じるような場面があれば「一応」拡張を試してみてもいいかもしれません (個人的には仮想RAM拡張により挙動が大きく改善されたという経験をしたことはありません)。

最近何かと物議を醸しているベンチマークテストですが、一応Antutu Ver.11をやってみました。(仮にあったとして)ベンチマークブーストの挙動を見破るのは非常に難しいですが、この画像にある通り、温度上昇が32℃までであったこと、および1,670,352点というスコアは、nanoreviewの公表値「1,609,292」と3%強の誤差であることから考えて、「変なことはしていないだろう」と判断しました。
SamsungやXiaomiなど大手メーカーのタブレットならともかく、中国メーカーのタブレットとしては極めて高いスコアだと思います。なお、参考までに、中国メーカーでDimensity 8300を搭載する8インチ級タブレットには他に「Headwolf Titan 1」があります。
4. ディスプレイ/スピーカー/バッテリー持ちの印象
ディスプレイ
解像度 (2,560✕1,600)、発色品質とも高水準で、原色が鮮やかに表示されます。ウインタブではこれまでに無数のAndroidタブレットをレビューしていますが、その中でもトップクラスの品質だと思います。
また、設定項目に「カラー」と「Color adjustment and color temperature」というのがあり、これらの項目で発色を微調整できます。個人的には何もしなくても全く問題ないと思いましたが。
なお、WidevineはL1で、NetflixでもL1判定になることを確認しました。よって、動画サブスクリプションサービスでHD以上の画質で視聴ができます。
ちょっと気になる点として、この製品のリフレッシュレートは「144Hz固定」です。もちろん「高リフレッシュレート」ですが、アダプティブ (可変式)ではありません。バッテリー持ちという観点だと少々不利だと思います。
スピーカー
外観説明のところでも触れましたが、iPlay 80 mini Ultraは…、いやALLDOCUBEの8インチタブレットは全般にスピーカー配置が良く、動画視聴の際にしっかりステレオ感が出ます。
スピーカー音質は「頑張ってるなあ」という感じ。さすがに低音は弱いのですが、聴いていて「一生懸命低音を絞り出そうとしている」と感じます。「音圧がある」と言うんでしょうか、エネルギッシュな音です。8インチタブレットのスピーカーとしては高く評価できますが、じっくり音楽を聴きたいという場合はイヤホンを使うほうがいいでしょうね。
バッテリー持ち
ALLDOCUBE iPlay 80 mini Ultraのバッテリー容量は7,200 mAhです。この容量は一般的な8インチタブレットとしては大きく、ゲーミングタブレットとしては標準的と言えます。
ディスプレイ輝度を「自動 (測定時は38%になっていました)」に、音量を「約30%」にして下記の操作をしました。
ゲーム「鳴潮」を30分
ゲーム「ラストウォー」を45分
Netflixの動画視聴を30分
トータルで105分使用し、その間のバッテリー消費は28%でした。単純計算だと1時間あたり約16%のバッテリー消費、バッテリー駆動時間は6時間15分ほどとなります。最もバッテリー消費が小さかったのが動画視聴で「30分で5% (換算すると1時間あたり10%の消費、バッテリー駆動時間は10時間)」、最もバッテリー消費が大きかったのがラストウォーで「45分で15% (換算すると1時間あたり20%の消費、バッテリー駆動時間は5時間)」でした。
この製品はSoC性能が高く、ディスプレイのリフレッシュレートも144 Hz固定のため、バッテリー消費が大きいのでは?と予想しましたが、実際の測定値は私の体感よりも「長持ち」だったと思います。
ただし、鳴潮については「30分間戦闘シーンなし、ほぼ走り回るだけ」だったので、より上位のステージだとバッテリー消費量は大きくなると思います。
タブレットのバッテリー駆動時間は音量やディスプレイ輝度、システム負荷の大小によってかなり大きく変わります。よって、この結果は「ちょっとした参考程度」とお考えください。
5. ゲームプレイ
次に実際のゲームプレイですが、私がよくプレイしているゲームはパズル系のものが多く、「なんならUNISOC T606でも問題ない」ようなものばかりなので、今回は「鳴潮 (めいちょう)」を試してみました。鳴潮の必要スペックですが、
最低スペック:
OSバージョン:Android 7.0以上
SoC:Snapdragon835、ARM Mali-G71/72、またはそれ以上
推奨スペック:
OSバージョン:Android 7.0以上
SoC:Snapdragon gen1+/ gen2/ gen3
または同等の性能を持つMediaTekのSoC
となっていて、推奨スペックの「Snapdragon Gen 1+/Gen 2/Gen 3」というのがいまいちわかりませんが、最低スペック「Snapdragon 835」というのは2016年リリースの古い型番でAntutu Ver. 11のスコアが約44万点 (出所:Nanoreview)」ということなので、Dimensity 8300だと明確にクリアできます。
また、Snapdragon 8+ Gen 1のAntutu Ver. 11スコアも約141万点 (Nanoreview)なので、まあ、iPlay 80 mini Ultraも推奨スペックはクリアしていると考えていいでしょう。
私は日常的にこのゲームをプレイしていないので、「快適なのか不快なのか」については断言できません。ただ、その前提で言わせてもらえば「動作はスムーズ」と感じました。
ということで、せめて「おすすめ設定で選ばれるグラフィック品質」だけは確認してみました。こちらの動画をご覧ください。
鳴潮のグラフィックプリセットは画質が低い順から「ウルトラパフォーマンス、パフォーマンス優先、バランス、グラフィック優先」の4つです。iPlay 80 mini Ultraの「おすすめ設定」は「バランス (上から2番目)で30fps」となりました。また、鳴潮のフレームレートは最大60fpsなのですが、「バランス」の状態で40fps以上にすると「重すぎ」という警告が表示されました。
6. その他
カーナビゲーション

カーナビとしても使ってみました。タブレットをカーナビに使うのはiPlay 80 mini Ultraが2機種目で、初めて使ったLZF ZPad3よりも明らかに使用感が高かったです。その理由がアンテナ感度なのか、それともハードウェアなのかは判然としませんが、いつも使っているGoogle Pixel 8とそん色のない使用感でした。
ただし、これはiPlay 80 mini Ultraのせいではありませんが、Google Mapで「(ディスプレイが小さめのため)スマホとして認識」されてしまい、当初は画像にあるような「横向き表示」ができませんでした (強制的に縦向きになる)。そのため別アプリを使って強制的に横向き表示にして使いました。
あと、お使いの車載スタンドにもよりますが、私が最近購入した車載スタンドでは「ケースごと装着可能」でした。なにげにこの点も使い勝手上は非常に重要だと思います。いちいちケースを外すのはかなり面倒ですからね。
カメラ画質

曇天の日中、屋外で撮影

夜間、電球色の蛍光灯の下で撮影
カメラ品質は「悪い」です。特に日中の屋外での発色がかなり悪く、正直なところあまり使いたいとは感じません。もともとALLDOCUBE製品のカメラ品質は決して悪くはなく、この製品についても背面カメラの画素数は13MPありますので、おそらくソフトウェアの問題ではないかと思われます。今後アップデートがあれば画質の方ももう少し改善するものと思います。
7. レビューまとめ
ALLDOCUBE iPlay 80 mini UltraはAmazonと楽天で販売中で、通常価格は59,999円ですが、4月10日よりセールが予定されており、49,999円で購入できます。
私はスマホゲームをあまりやりませんので、この製品の最大の特徴である「ゲーム性能」についてはあまり適切な評価ができません。一方で、「普段使い」という点について言えば、他社製品よりも「頭ふたつくらい」高いスペックになっていることもあり、使用感も上だと感じました。
特にディスプレイの発色品質とスピーカー音質 (スピーカー配置と言うべきか)、GPSの精度などは他社の低価格帯タブレットよりも明らかに上でした。ゲームだけでなく「普段使いの快適性」という評価軸でも49,999円を支払う価値は大きいと思います。
8. 関連リンク
・セール価格:49,999円
(元値は59,999円)
・セール終了は4月10日0:00から12日23:59まで
2014年にサイトを開設して以来、ノートPC、ミニPC、タブレットなどの実機レビューを中心に、これまでに1,500本以上のレビュー記事を執筆。企業ではエンドユーザーコンピューティングによる業務改善に長年取り組んできた経験を持ち、ユーザー視点からの製品評価に強みがあります。その経験を活かし、「スペックに振り回されない、実用的な製品選び」を提案しています。専門用語をなるべく使わず、「PCに詳しくない人にもわかりやすい記事」を目指しています。
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