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AGM Glory G1Sの実機レビュー -「ガチ」なタフネス性能はそのままに、薄く、軽くなったGloryシリーズ最新モデル。サーマルカメラは相変わらず便利!

AGM Glory G1S 実機レビュー
こんにちは、かのあゆです。「ガチ」なタフネススマホを手がけているAGMの製品はウインタブでも「AGM H3」と「AGM Glory Pro」を実機レビュー済みですが、今回は最新モデル「AGM Glory G1S」の実機レビューです。

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基本スペックはAGM Glory Proを継承していますが、筐体のデザインが変更され、薄く、軽くなっています。なお、レビュー機はAGMよりサンプル提供していただきました。この場を借りて御礼申し上げます。ありがとうございます。

ここがおすすめ
・Glory Proより薄型化した筐体
・余計なアプリがインストールされていないシンプルなソフトウェア
・ナイトビジョンカメラ、サーマルカメラ搭載
ここがイマイチ
・最新のAndroid 12ではなく、前バージョンのAndroid 11
・レーザーポインターの使い道は・・・
販売サイトはこちら
AGM Glory G1S:AGM公式サイト
Glory G1S:AGM Mobiles Official Store(AliExpress)

1.Glory G1S スペック

スペック表

AGM Glory G1S
OS Android 11
CPU Qualcomm Snapdragon 480 5G
RAM 8GB
ストレージ 128GB
ディスプレイ 6.53インチ(2,340 x 1,080)
LTEバンド 5G:n1/2/3/5/7/8/28/41/66/77/78
FDD-LTE:B1/2/3/4/5/7/8/12/13
17/18/19/20/25/26/28A/28B/66
TDD-LTE:B34/38/39/40/41
SIM nanoSIM x 2(SIM2はmicroSDと排他)
ネットワーク 802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth 5.0
入出力 USB 3.0 Type-C、microSDカード、イヤホンジャック
カメラ イン16MP/アウト48MP+20MP+2MP+サーマル
バッテリー 3.7V/5,500 mAh
サイズ 172.8 x 82.8 x 14.8-18.4 mm
重量 315 g

コメント

OSはAndroid 11です。既に中華スマホメーカーでもAndroid 12を搭載しているところが増えていますし、OSアップデートの実績がないこともあり、できれば最新バージョンを搭載してほしかったところではあります。しかし、Android 11でも最新のGoogleサービスが利用できますので、特に問題はありません。

CPUはGlory Proと同じくSnapdragon 480 5Gです。Qualcommの5G対応CPUとしてはエントリークラスに位置づけられる製品ですが、性能はSnapdragon 600番台に近いものになっており、後述するAnTuTu Benchmark v9での総合スコアは約34万点という高いスコアを計測しています。端末のコンセプト上、ゲーミング性能を重視しているわけでもありませんし、先日リリースされたばかりの「APEX Legends Mobile」も含めほとんどのゲームは十分楽しめます(一部のゲームはグラフィック品質の設定を落としてやる必要があります)。RAMは8GB、内蔵ストレージは128GBという構成で、MicroSDカードによるストレージ拡張にも対応します。

ディスプレイは6.53インチFHD(2,340 × 1,080)です。タフネススマートフォンと言うこともあり、高リフレッシュレート表示には対応していません。

カメラはイン16MP、アウト48MP(メイン) + 20P(ナイトビジョン) + 2MP(マクロ) + サーマルという構成です。Glory Proと同じく超広角レンズは非搭載となりますが、暗闇でも明るい写真を撮影できるナイトビジョンカメラ(ソニー製イメージセンサーIMX350採用)、そして「サーマルカメラ」を搭載しているのが最大の特徴となります。

ワイヤレスネットワークは802.11a/b/g/n/acとBluetooth 5.0に対応します。モバイルネットワークは4G、5Gともに国内主要4大キャリアの通信バンドをサポートしており、VoLTEにも対応していますが技適の電磁表示は現時点のファームウェアでは確認することができませんでした。

バッテリー容量は5,000 mAhです。ワイヤレス充電には対応しておらず、オプションで充電ドック(クレードル)も用意されています。

2.Glory G1S 筐体と使用感

付属品
付属品はオリジナルステッカー、マニュアル、電源アダプター、USB-C to Aケーブル、USBポート用の予備パッキン、SIMピンです。どうしても使っているうちにパッキンが劣化していって防塵・防水性能が落ちてしまうので、予備が最初から付属しているのはありがたい限りです。

前面
Glory Proと比較
下の画像の左がGlory Pro、右がGlory G1Sです。前面はGlory Proを継承しており、ディスプレイにはティアドロップ型のノッチを採用しています。タフネススマホだとパンチホールノッチを採用している機種もなくはないのですが、採用例はあまり多くはないので、割と標準的かな、と感じました。

背面
Glory Proと比較
こちらも下の画像の左がGlory Pro、右がGlory G1Sです。背面デザインは110dbという大音量を誇る大型スピーカーが目立ったGlory Proから変更されています。Glory Proもタフネススマホの中ではかなり印象に残りましたが、Glory G1Sも他社タフネススマホと異なる、個性的な筐体デザインに仕上がっています。アウトカメラ中央に配置されているのはサーマルレンズで、指紋センサーはカメラバンプの下にあります。慣れないうちは間違えてサーマルレンズのほうに触れてしまうこともありました。

左側面
SIMトレイ
左側面にはSIMトレイと好きなアプリを割り当てることができるサイドキー(カスタムキー)が配置されています。SIMトレイは排他式となっており、デュアルSIM運用時はMicroSDカードの利用はできません。

上部
上部レーザーポインター
上部にはレーザーポインターが搭載されています。プレゼンテーションなどで活用できそうな気はするのですが、アウトドアシーンでの使い道はかのあゆもあまり思いつきませんでした…。Glory Proに搭載されていたライトの方が懐中電灯としても活用できるので実用性は高かったかな、と思いました。

下部ポート
USBポート部
下部にはUSB-Cポート、3.5 mmイヤホンジャックがあります。USB-Cコネクター部はかなり狭くなっているので、端子部分が厚めのUSB-Cケーブルではうまく挿入することができませんでした。

システム

ホームUI

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プリインストールアプリ

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前述の通りOSはAndroid 11です。独自UIは採用されておらず、「素の」Android OSに準じたソフトウェアが搭載されています。プリインストールされているアプリはAndroidシステム標準、Google純正アプリ、サーマル撮影用カメラアプリ、トランシーバーアプリ「Zello」、コンパスアプリで、他社タフネススマホでよく見られる分度器などの機能をまとめた「ツールボックス」アプリはインストールされていません。独自機能なども後述するサイドキーの割り当て以外はありません。

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サイドボタン割り当て

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左側面に配置されているサイドボタンは設定メニューにある「User defined key」より割り当てを変更できます。デフォルトではカメラアプリの起動に割り当てられていますが、Googleアシスタントの起動や音楽再生、プッシュ・トゥ・トークなどあらかじめ指定されている動作に変更可能です。ただしレビュー時点では任意のアプリを割り当てることはできませんでした。

ストレージ容量

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工場出荷時のストレージ情報です。シンプルなソフトウェア構成ですが、システムが使用している容量は128GB中20GBと比較的多めになっています。

システム情報

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工場出荷時にインストールされているファームウェアには2022年1月5日付のAndroidセキュリティパッチが適用された状態になっています。

ディスプレイ

ディスプレイは6.53インチサイズで、解像度はFHD(2,340 × 1,080)です。パネルはIPS液晶が採用されており、解像度が高いこともあり写真などを表示してみたところ表示品質は満足できるものになっていました。また、DRM Infoで確認したところ、Widevineのレベルは「L3」でした。つまり、NetflixやAmazonプライムビデオなどの動画サブスクリプションサービスではHD画質での視聴はできません(YouTubeなら高画質で視聴可能です)。

タフネススマートフォンなので筐体などの傷は気にせず裸でガンガン使っていきたいところですが、ディスプレイの傷だけはどうしても気になってしまうところです。AGM Glory G01Sでは工場出荷時に既にフィルムが装着済みになっているほか、PDA工房にて既に各種液晶保護フィルムが販売済みです。

AGM Glory G1S 保護フィルム各種:PDA工房

スピーカー

Glory Proでは「最大110db」出力できるパワフルな3.5Wスピーカーが搭載されていましたが、Glory G1Sでは2Wと比較的「マイルド」になりました。モノラル出力ですが音質はクリアで、音量もGlory Proほどではないにしても大きめなのでアウトドアシーンでの音楽視聴や動画観覧にも活躍できそうです。

カメラ

カメラアプリUI

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純正カメラアプリは標準的なUIを採用しており、ポートレートやナイトモードなどの機能が一通り搭載されています。

カメラサンプル1

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カメラサンプル2

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カメラサンプル3

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カメラ性能は非常に高く、明るい場所はもちろんのこと、薄暗い場所でもナイトモードを使用することにより、美しい写真を撮影可能です。拡大したときのノイズなども抑えられており、メインカメラとしても活躍できそうです。

ナイトビジョンカメラサンプル

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中国メーカー製タフネススマホでは搭載されている機種が増えてきたナイトビジョンカメラも備わっています。上記画像はナイトモードでも対応できない、光がほぼない場所で撮影したのですが、はっきりとした写真が撮影できました。

サーマルカメラアプリUI

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サーマルカメラはGlory Proと同じく標準カメラではなく別途インストールされている専用アプリで撮影します。細かい調整は不要で誰でも簡単に撮影できる「クラシックモード」のほか、細かい設定を行える「プロ」モードが備わっています。

サーマルカメラサンプル

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サーマル撮影のサンプルは長時間作業していると天板が熱くなるLet’s Note XZ6を素材にしてみました。上記写真だとファンが収まっている箇所(画像右下)が44.2℃になっていることが確認できます。

カラーパレットの変更

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カラーパレットの変更も行えますが、設定によっては逆に温度の変化などがわかりづらくなってしまうので、基本的にはデフォルトのままで良いかもしれません。

サーマルカメラは動画撮影も対応しています。解像度は256 × 192ピクセル、フレームレートは25Hz撮影に対応しており、ウインタブ的にはPCやスマホなどの実機レビューにも活用できそうに思われました。

3.Glory G1S 性能テスト

AnTuTu Benchmark

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参考:
Xiaomi 12 Pro(Snapdragon 8 Gen 1):971,423
ASUS ROG Phone 5s(Snapdragon 888+):846,862
ASUS Zenfone 8(Snapdragon 888):785,280
Mi 11T(Dimensity 1200 Ultra):582,178
Xiaomi Pad 5(Snapdragon 860):566,309
realme GT Master Edition(Snapdragon 778G):542,182
Xperia 1 SOV43(Snapdragon 855):511,163
Xiaomi Mi 11 Lite 5G(Snapdragon 780):500,573
Oneplus Nord CE 2 5G(Dimensity 900):430,049
Redmi Note 11 Pro + 5G(Dimensity 920):427,053
Samsung Galaxy Fold SCV44(Snapdragon 855):414,302
OnePlus Nord CE 5G(Snapdragon 750):384,505
iiiF150 R2022(Helio G95):350,565
POCO M4 Pro 5G(Dimensity 810):349,498
OnePlus Nord N10(Snapdragon 690):342,506
AGM Glory Pro(Snapdragon 480):340,772
POCO M3 Pro 5G(Dimensity 700):330,303
Redmi Note 11 Pro(Helio G96):336,280
POCO M4 Pro 4G(Helio G96):311,030
Redmi Note 11S(Helio G96):307,755
realme narzo 50(Helio G96):287,043
Redmi Note 11(Snapdragon 680):277,105
Blackview A95(MediaTek Helio P70):227,817
DOOGEE S98(Helio G96):277,159
CHUWI HiPad Plus(MT8183):172,713
Samsung Galaxy Note FE(Exynos 8890):177,984
OUKITEL C22(Helio A22):99,664
AGM H3(Helio P22):84,184
BlackView A55S(Helio A22):78,630
geanee ADP-503G(MT6737M):46,316

GloryシリーズではすべてのモデルでQualcommの5G対応エントリーCPUのQualcomm Snapdragon 480 5Gを採用しています。かつてのSnapdragon 4xxシリーズは日本国内ではガラホ(Android OSを採用した従来のいわゆるガラケー)を除き搭載機がなくなってしまったSnapdragon 2xxシリーズより性能は高いものの、なんとなくいまいち…という印象の型番でしたが、5Gに対応するSnapdragon 480 5Gでは上位製品であるSnapdragon 690 5GやSnapdragon 765G 5Gに迫る性能に向上しています。

Glory G1の総合スコアは「340,864」点でした。ウインタブで実機レビュー済みの機種の中ではSnapdragon 690を搭載しているOnePlus Nord N10に近いスコアですね。MediaTekのDimensity 700もそうですが、5G対応スマートフォンはもはやエントリークラスのCPUでも十分な性能になってきています。

4.Glory G1S レビューまとめ

AGM Glory G1SはAGM公式サイトにて699ドル(約93,500円)で販売中です。また、AliExpress内のAGM Mobiles Official Storeでは製品ページに7月1日まで有効の40ドルOFFクーポンがあり、それを使うと571.62ドル(79,604円)で購入できます。前回レビューしたGlory Proよりもかなり購入しやすい価格と言えます。

Glory Proもそうでしたが、搭載CPUだけ見てしまうとずいぶん高額に感じてしまう方も多いかと思いますが、そもそもAGMのスマートフォンはCPU性能だけで評価されるような端末ではありません。

「ガチなアウトドア環境」でも使えるタフネス性能を備えているのはもちろんのこと、暗闇でも撮影できるナイトビジョンカメラやサーマルカメラを備えており、その作り込みは同じようなスマートフォンを販売している京セラの「TORQUE」や「DURAFORCE」シリーズを思わせる高さになっています。タフネス性能を追求するのであれば、とても魅力的な選択肢だと思います。

5.関連リンク

AGM Glory G1S - サーマルカメラ搭載の「ガチな」5Gタフネススマホがちょっと薄く、軽くなりました!
AGM Glory G1S:AGM
Glory G1S:AGM Mobiles Official Store(AliExpress)

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