Tribitの最新Bluetoothスピーカー「StormBox Pro」の実機レビューです。Tribitはオーディオ用のスピーカーやイヤホンを手掛けるメーカーで、このStormBox Proはラインナップの中でも最上位モデルです。最大24時間のバッテリーライフ、アウトドアでも安心のIP67という高い防水性能、XBassテクノロジーによる力強い低音が楽しめるなど、その仕様も素晴らしいです。デザインもスタイリッシュで、まるでランタンのような見た目は目を引くこと間違いなしです。
なお、この製品はメーカーよりサンプル提供していただきました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。ありがとうございます。
目次
スペック
ドライバー: 3インチサブウーファー、40mmスピーカー ×2、パッシブラジエーター ×2
出力パワー: 合計40W(25W + 7.5W ×2)
周波数帯域: 60Hz – 20kHz
オーディオプロセッサ: AKM7755 DSP
Bluetoothバージョン: 5.0
バッテリー: 5,000mAh x2(最大24時間)
サイズ: 96 x 96 x 180mm
重量: 980g
コーデック: SBC、aptX
スペックについて
25Wの3インチサブウーファーと、7.5Wの40mmスピーカーを2基、そしてパッシブラジエーター2基で構成されたパワフルなスピーカーです。Bluetooth 5.0に対応し、コーデックもaptXに対応していますので、通常のSBCよりも高音質で再生ができます。オーディオプロセッサには旭化成製のAKM7755を搭載しています。
防水・防塵等級IP67で、バッテリーは5,000mAhが2つの合計10,000mAhと大容量、最大24時間の再生が可能でアウトドアでも安心して使える仕様です。重量が980gなので持ち運びもしやすいですね。
外観
付属品です。日本語対応した取扱説明書とカード状の案内書類、USB Type-C to Type-Aケーブルが同梱されています。
正面です。見た目はキャンプで使うランタンに似た形状をしていて、単純な円筒形ではないためおしゃれに見えます。上部が下部よりも少しだけ細い形状で、上部には持ち運び用の取っ手があります。下部にはメーカーロゴの「Tribit」と書かれたプレートが付いています。
背面です。背面の下部にはポート類がありますが、ゴム素材のカバーで覆われています。カバーはしっかりと装着されていて、やや開けにくいです。
カバーには製品名が刻印されています。右側に爪を掛けることができる隙間があり、ここからカバーを開けます。
カバーを開けるとUSB Type-CポートとUSB Type-Aポート。
上部もゴム素材です。「-・○・+」と、ボタンっぽく見えませんが、実はクリック感がしっかりとあるボタンになっていて押し心地は良好です。中央の「○」が再生/停止ボタン、左右の「-・+」がボリュームボタン、下部の電源ボタンの右にはXBassを有効にするボタン、左にはBluetoothボタンが配置されています。一番下の5つの点はLEDインジケーターで、バッテリー残量が確認できます。
底面には各種認証マークがあり、その周囲には滑り止めが付いています。滑り止めは表面積が広いためかしっかりとホールドしてくれます。
上部の取っ手は凹凸のある表面のシリコン素材で、触り心地がさらさらとしていて握りやすいです。
また、本体はGoogle Nest Miniなどの表面に近い触り心地で、ファブリック調の素材です。
使用感
動画(操作・音量・音質など)
※音量が大きくなるタイミングがあります。イヤホンで視聴される方はご注意ください。5秒ほど前にテロップが出ます。
撮影機材はSony Xperia 1 IIです。スマホのマイクを通すのでやや音質は悪くなってしまいましたが、外観と音楽・動画のサウンドについてある程度わかって頂けたのでは無いかと思います。
音質はとても良い!XBass機能によりパワフルな低音が楽しめる
【XBassなし】
どの帯域も余裕のある鳴り方をしていて音が掠れたりしません。一番印象的だったのは”分離感の良さ”です。音が多いポップスを聞いてみましたが、しっかりと聴き分けることができます。また、メリハリがしっかりと感じられ、1つ1つの音がクリアです。
音源にもよりますが、ボーカルよりも低音が一番主張する印象です。ただ、フラットな音質が好きで低域の音圧が強い製品が苦手な私でも許容できるくらいです。ボーカルは高音よりも前に出るので「低音>ボーカル>高音」というようなバランスです。ただし、XBassを有効していない場合は、低音域の中での音の浮き沈みの幅はやや狭めです。
【XBass有効】
有効にしても音の分離感やバランスは変わりません。しかし、ONにした途端ノリの良いサウンドに変わる印象です。理由としては低音域の音圧がブーストされたからだと感じます。例えばベースの旋律で階段状に変わっていくようなパートがあったとき、OFFだとその変化がややわかりにくかったのですが、ONにするとしっかりとわかるくらいに変化があります。
ボリュームによっては結構な振動が発生して、机上に置いておくと床まで振動が伝わるくらいにはパワフルです。
動画再生にも安心して使えるBluetooth接続
動画再生も音楽時の傾向に近く、ボイスはBGMやミュージックよりも控えめになりますが、YouTubeやNetflixで動画を楽しむには十分なバランスです。良いなと感じたのは、aptX接続ながら遅延が少なく、実際の音と口の動きに違和感を抱くほどの差は無く、よく使っているNetflixでも安心して使用できています。
なお、この製品はマルチペアリングとマルチポイント接続が可能になっていて、最大8つのデバイスを登録して、同時に2つのデバイスと接続ができます。電源を入れると前にペアリングした最後の2台と自動的に接続するようになっています。画像ではXperia 1 IIとGalaxy Z Fold 2をマルチポイント接続しています。
デバイスの切り替えは本体Bluetoothボタンで行います。あるいは片方を再生しないで、聞きたい方のデバイスのメディアを再生すれば大丈夫でした。マルチポイント対応はあまり使ったことが無かったので、切り替えの操作が必要なく非常に便利でした。
通話もできるけどスマホを使ったほうが良さそう!だが途切れの心配なし
この製品のもう1つの活躍の場として、”テレワーク”などでビデオ通話をする際のスピーカーとマイク、というのがあります。今回はスマホとペアリングした状態で普通の電話とビデオ通話を試してみましたが、どちらも似たような使い心地です。
まず、Bluetooth接続が原因の途切れは無く安定して使えます。スピーカーとしては、相手の声がややこもったように聴こえます。しかし、聴き取りづらいということはなく、認識できるくらいにはハッキリとしています。
マイクとしては、こちらの声がやや遠いようです。通常の通話のように耳にスマホをつけて話すときと同じくらいの声量では、StormBox Proから拳1つ分の距離に口が近づくことでやっと相手が聴き取れるくらいです。相手に音量を上げてもらうか、こちらがより大きな声で話す必要があります。こちらの声はややこもって聞こえますが、聞き取れないほど潰れてしまうことはありません。
結論として、電話なら普通にスマホを使ったほうが良いと思います。ただし、ビデオ通話などは通常の電話よりも自然と声量を上げると思いますので、ZoomやSkypeなどと使うときはやや声を大きく発すれば差し支えないと判断しています。
音量
パワフルな出力のスピーカーなだけあり、スマートフォンとペアリングしている際は、音量1か2でも静かな自室で聴くには十分なくらいの音がでます。防水対応でアウトドアにも向いているということで、散歩がてら屋外で再生をしてみたのですが、音量を上げれば10m程離れていてもうるさいくらいです。
360°全方位に対応したスピーカーなので、どの位置にいてもバランスが変わることなく聴くことができます。そのため、キャンプで音楽と一緒に楽しみたい時やグループでのダンスの練習など、複数人で音を共有したい場合にも十分活躍してくれると感じます。
バッテリー保ちが良く数日の持ち出しも余裕!
スペック上は最大24時間再生となっていますが、実際そのくらいは使用できます。フル充電からテレワークのお供に約8時間程度の再生で2日間は余裕で使えました。3日目は約5時間程度だったと思います。24時間連続再生をすることはあまり無いでしょうから、数日間のアウトドアなどだったら充電無しで持ち出しができますね。
さらに、10,000mAhもある大容量バッテリーなので、スマホなどに給電することも可能です。残念ながら急速充電には対応していないようで、Galaxy Z Fold 2とXperia 1 IIを充電してみましたが、どちらも通常スピードでの充電で結構な時間がかかりました。
しかし、背面のポートを覆っているゴム状の蓋が、防水のためか固く閉じられており、開けるのに一苦労しました。爪が長い人なら問題ないと思いましたが、引っ掛ける部分が短めで上手に指を返すのが難しいです。
まとめ
このStormBox Proは4月15日現在、Amazonで税込み9,999円でAmazonにて販売中です。
こうしたサイズや特徴のスピーカーは結構あって、例えばUltimateEarsやBOSEなどが調べてみると良くヒットしますが、結構なお値段がします。その点この製品は1万円ほどで購入ができますので、個人的には防水360°Bluetoothスピーカーのベストバイになるのではないかという予感がしています。
また、この製品をもう1台用意することでステレオモードが使用できます(今回のレビューでは試せていません)。もう1台購入しても2万ほどなので、高級機よりもお安くステレオで使用ができます。さらにファブリック調のデザインも非常にスタイリッシュで、とても気に入りましたし、これもおすすめしたいポイントです。
パーティやアウトドアでの利用はもちろん、おしゃれでコンパクトなスピーカーを探していた方も、そしてスピーカーを考えていなかった方も是非チェックしてみてください。
関連リンク
Tribit StormBox Pro:Amazon
プレスリリース:Tribit