Suuntoのスマートウォッチ、「SUUNTO RACE」の実機レビューです。AndroidベースのWear OSではなく、独自OSを搭載するスマートウォッチで、一回の充電で一週間以上稼働する驚異的なバッテリー稼働時間と、アウトドアシーンでも活躍できる便利な機能を備えた製品です。
・一回の充電で1週間稼働する驚異的なバッテリーの持ち
・オフライン用マップデータを無料ダウンロード可能
・96種類以上の運動データを記録できるスポーツモード
ここがイマイチ
・気軽に購入出来るとは言えない価格設定
販売サイトはこちら
SUUNTO RACE:Amazon
SUUNTO RACE:SUUNTO公式ストア
1.スペック
スペック表
Suunto Race All Black | |
対応OS | Android 7.0以上、iOS 15以上 |
ディスプレイ | 1.43インチAMOLED(466 × 466) |
ストレージ | 16GB/32GB |
衛星測位システム | BeiDou/GPS/GLONASS/Galileo/QZSS |
バッテリー | 日常使用: スマートウォッチモード 最大16日間 日常使用: 待機モードのみ 最大26日間 トレーニング: 全システム GNSS モード + マルチバンド 最大50時間 トレーニング: 全システム GNSS モード + シングルバンド 最大65時間 |
耐水性能 | 100 m |
サイズ | 49.0 × 49.0 × 13.3 mm |
重量 | 83 g |
バリエーションモデル
SUUNTO RACEはステンレスケースのもの(上段の4つ)とチタンケースのもの(下段の2つ)があります。ステンレスモデルの筐体色は上段左から「All Black」「Midnight」「Birch」「UTMB World Series」、チタンモデルの筐体色は下段左から「Titanium Charcoal」「Titanium Amethyst」です。また、ステンレスモデルはストレージ16GB、チタンモデルはストレージ32GBです。なお、今回のレビュー機は「All Black」です。
コメント
SUUNTO RACEは独自OSを採用しています。サードパーティ製アプリやウォッチフェイスの追加には対応していませんが、母艦スマートフォンで再生している音楽・動画のコントール機能や天気情報の表示といった、スマートウォッチに必要とされる機能は一通り用意されています。
同期アプリは「Suunto」で行います。基本的に記録された運動データや睡眠データ、心拍数・血中酸素濃度の同期・確認がメインとなっていて、本体の設定はSUUNTO RACE側で行うようになっていています(後述します)。
ディスプレイは1.43インチの有機ELで解像度は466 × 466、常時点灯表示にも対応しています。強化ガラスは高級腕時計でも採用されているサファイアクリスタルが用いられているため、保護フィルムを貼らない状態でも擦り傷が付いてしまう心配はありません。
モバイルネットワークには対応していませんが、無料でオフライン表示用の地図データをダウンロードしてSuunto Race All Blackに転送することで母艦スマートフォンを持ち出さなくてもナビゲーション機能やウォーキング・ランニング・サイクリング等の走行データを確認出来ます。
スポーツモードは95種類以上の運動データの記録に対応します。面白いところではスノーケリングやサーフィンといったウォータースポーツも対象に含まれています。
バッテリー容量は公開されていませんが、メーカー発表によると最大26日間の連続稼働が可能とのことです。後述しますがバッテリーの持ちは本当に「素晴らしい」の一言に尽きます。
2. 筐体
付属品はマニュアル、シリコンバンド、充電ケーブルです。付属しているバンドは安価なスマートウォッチ・スマートバンドでもよく見られるシリコンバンドですが、質感は悪くはありません。
前面です。レビュー機の筐体色は「All Black」でしたが、「ブラック一色」で非常にカッコいいデザインです。ディスプレイの表示も美しく、この辺はさすが高価格帯のスマートウォッチといったところ。
スマートウォッチとしてだけでなく、普通の腕時計としても全く違和感がないのでビジネスシーンでも活躍してくれそうです。また、バンドは普通の腕時計用のものが使えますので、レザーバンドなどと組み合わせるのもいいかもしれませんね。
レビュー機の筐体色「All Black」ではステンレス素材です。MIL規格準拠のタフネス性能と100mの防水性能を備えているので、ラフな環境でも安心して使えます。
背面は充電用のPOGOピンとセンサーがあります。
左側面には何もありません。
右側面にはメニューボタン、デジタルクラウンが配置されています。
3.使用感
SUUNTO RACEは他社スマートウォッチ・スマートバンドと同じくタッチパネルを備えていますが、メニュー操作は基本的にデジタルクラウンとメニューボタンで行うため、慣れるまで少々戸惑いました。
画面を下にスワイプするか、デジタルクラウンを回転させることでアクセスできる「ウィジェット」より各機能にアクセス可能です。
スマートフォンから受信した通知を表示する機能もあります。LINEやGmailなど、一部アプリではSUUNTO RACEから簡易メッセージを送ることができるクイックリプライ機能もあります。
ウォッチフェイスは他社スマートウォッチのように後から追加できず、プリセットされている16種類からしか選択できません。この点は個人的に少し残念に思われました。
睡眠記録・心拍数・血中酸素濃度測定もあります。医療機器ではないのであくまで参考程度にとどめるべきですが、自分の体の状態を把握するのに便利な機能です。
SUUNTO RACEでは完全無料でダウンロードできるオフラインマップ機能もあります。日本向けのデータも用意されていて、母艦スマートフォン経由であらかじめダウンロード・転送しておくことで単体でもナビゲーション機能が利用できます。
コンパス、高度計・気圧計といった機能も用意されているので、キャンプやハイキングといったアウトドアシーンでも活躍してくれそうです。
スポーツモード
スポーツモードは前述の通りウォーキング・サイクリング・ハイキングだけでなく、シュノーケリングやサーフィンなどのウォータースポーツも記録できます。
かのあゆは最近体重が増えてしまい、休日ウォーキングに出かけるようにしています。先日もSUUNTO RACEを装着して田町駅からレインボーブリッジを経由してお台場までウォーキングしたのですが、ルートも含め正確に記録できていました。Suuntoアプリからは消費カロリーだけでなく、平均速度や脂肪燃焼率といったデータも確認出来るので、運動後のモチベーションも上がりました。
SunntoアプリではSUUNTO RACEから同期されたデータの確認や、自分の体に合わせたトレーニングを提案してくれる「Sunnto Coach」が利用可能です。
スマートウォッチの管理機能は最低限で、アプリで設定できるのはあらかじめ用意されているスポーツアプリの追加、ペアリングの登録、スポーツモードのカスタマイズ、ウィジェットに登録する機能の管理、ファームウェアの更新のみです。
バッテリー駆動時間
レビュー開始から一週間程度、睡眠時も含め装着していました。常時点灯をオフにした場合、かのあゆの使い方ではフル充電して1週間後のバッテリー残量は35%でした。
普段使用しているApple Watch Series 7、Pixel Watch(初代)はどちらも「もって1日、場合によっては半日」でバッテリーが切れてしまうため、いつも持ち出し用の専用モバイルバッテリー、充電器を持ち歩いているのですが、それに比べてSUUNTO RACEのバッテリー持ちは本当に素晴らしいと思います。
常時点灯を有効にするとバッテリー駆動時間は短くなるものと思われますが、基本的に充電ケーブルを持ち出す必要はないと考えていいでしょう。
4.まとめ
SUUNTO RACEはSUNNTO公式オンラインストア、家電量販店、Amazonなどで販売中となっていて、レビュー機の価格は82,280円です(ケース素材によって価格は異なります)。
スマートウォッチとしては高価格帯の製品で、ウォッチフェイスの充実度などSUUNTO RACEよりも優れた部分のある他社製品もあるので、ユーザーを選ぶ製品ではあると思います。
ただ、ネットワーク環境が全く利用できない場面でも運動データのルート確認やナビゲーション機能が利用できるオフラインマップが利用できるのはアウトドアシーンでは便利ですし、腕時計としても実用的に使用出来る驚異的なバッテリー稼働時間も素晴らしく、「ガチ」でトレーニングデータを記録したい方や、ラフな環境でも使用出来るスマートウォッチを探しているのであれば間違いなく刺さる製品だと思います。
スマートウォッチは腕時計でもあります。そのためスペックとか機能だけでなく、デザインの美しさとか高級感、またデザイン面での好み、といった要素についても他のジャンルのガジェットより数段重要になると思います。その意味では、デザインに関してはお好みの問題だと思うのでここではなんとも言えませんが、質感については非常に素晴らしいと評価できます。
5.関連リンク
SUUNTO RACE:Amazon
SUUNTO RACE:SUUNTO公式ストア