こんにちは、壁です。なんか怒涛のレビューラッシュになってる気もしますが、お時間がございましたらお付き合いいただけると幸いです。今回はヘッドホン。しかも、オーバーヘッドタイプ。イマドキのスマホに合いそうなBluetoothワイヤレスヘッドホンときました。見た目はヤンチャそうな感じなんですが、これがいい意味で裏切られました。なお、今回のレビューにあたりSoundPEATS社から実機の提供を頂きました。この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございます。
1.スペック
ハイレゾには非対応で、Bluetooth接続時の対応コーデックはSBCとAACの2つ。これから分かるようにiPhoneとは相性がいいですね。apt-Xには対応していません。スタバよりはSBC(シアトルズベストコーヒー)。インピーダンス32Ωはオーバーヘッドタイプヘッドホンとしては低い方。ただ、スマートホに繋ぐ場合にはイヤホンジャックの出力が弱い機種(Xperiaあたり)だと鳴らし切れないことが多いのでご注意。
2.デザイン
化粧箱はこんな感じ
付属品をチェック。
充電用USBケーブル、3.5mmオーディオケーブル(コード長は1.2m)、マニュアル(日本語対応)、充電時の注意書き、キャリングポーチ。なんと、この価格帯でキャリングポーチが付属するのは意外でした。ケーブルも一緒に入れておけるのでこれは助かります。
本体はプラスチックと樹脂。イヤーパッドは合皮巻。
着け心地は圧迫感がなく長時間のリスニングも快適です。ヘッドバンド部はシリコンゴムのようになっていて頭に当たる部分にはクッション性を持たせています。大体アンダー5,000円のものだとバンド部にはそこまで手を入れない製品が多いのですが、本機は安い材質でもそこの辺りには心配りしているところに好感が持てます。
見た目を他社製品と比べてみます。型落ちのSONY MDR-XB600と比較。
ヘッドバンドやイヤーパッドは価格帯が上なMDR-XB600の方がよく造り込んでます。MDR-XB600は折り畳みができるのですがA1 Proは折り畳みができません。ちょっとこの辺りは残念。もっとも、折り畳みができてもキャリングポーチがないのはMDR-XB600で、それより価格帯が下のA1 Proの方にはキャリングポーチが付くので、どっちがいいと問われればA1 Proに軍配を挙げます。
3.接続方法は2つ
BT接続で聞く
ペアリングは「再生/停止ボタン」を3秒以上押します。「Your headset is connected」と音声通知が来たらペアリング成功です。AndroidでBTヘッドセットを使う場合、音量調節は本体側とヘッドセット側と別れているモデルがあります。逆にXperiaのように一括調整するタイプもあります。端末により異なるので注意してください。別個で調整するということはより細かく音量の調節ができるということでもあるのですが、ちょっと面倒w まぁ一長一短ということで。
ワイヤレスのいいところはケーブルの取り回しを気にしなくていいところ。イヤーパッドはホントに耳に置くだけのもので、ちょっと音漏れは多め。装着感は悪くありません。BT接続時は通話応答も出来、通話マイクの声の拾い具合も良好。外出時はBT接続で聞くのがいいかも。
有線接続で聞く
付属の3.5mmオーディオケーブルを使えば、フツーのヘッドホンとして使えるのはバックアップの意味も兼ねてると思いますが、部屋で聞くにはやはり有線の方が落ち着きます。断線しても交換が容易なのも〇。
音質を上げたい場合は市販のHiFiオーディオケーブルを使うもヨシ。お手軽なところだとJVCのOFCケーブル。
長さも選べますのでお好みで。
4.実際に聞いてみる
今回のレビューにあたり用意したのはオーディオチップにAKM4490を採用したZTE AXON 7。またAXON 7か!と思うことなかれ。AXON 7はオーディオ面が本命なのです。…しかし、AXON 7はapt-Xには非対応どころか、それに標準で対応しているAndroid 8すら降ってきてないんですけどね。もっとも、スペックの項で書いたように元々SBCのみの対応なので問題ナシ。
条件はAXON 7の音量は10段目、再生アプリは『PowerAMP』、イコライザーはフラットでトーンコントロールはOFFです。接続は有線接続です。
まずはクラシックからいってますか。音源は大河ドラマ『風林火山』のテーマ曲で、これぞ大河!って感じで個人的には最近の大河ドラマでは一番良かったのが『風林火山』です。クラシックは演奏の音域が広いので、ヘッドホンの得意とする音域を知るのに手っ取り早いと個人的には思います。
ふむふむ…。低域は控えめですが、中域が豊かですね。高域は再生周波数が10,000Hzと伸びるわけではないですがよく鳴ってると思います。低域は控えめといってもドライバ径が40mmと大型のものを使っているので質感は十分にあります。
これを踏まえてユーロビートの『Kiss me kiss me babe』を聞くと、なるほど。音域が中域に集中しているユーロビートだと意外と相性はいいようです。
ポップスはDreams Come True『あの夏の花火』で。吉田美和のヴォーカルがよく通り、サ行で「刺さる」感じもありません。女性ヴォーカル曲とは相性がかなりいいです。
ジャズではデイヴ・ブルーベックの名曲『Take Five』。ピアノの音が心地よく、ベースラインの響きは迫力はありませんが、心地よい低音を聞かせてくれます。ハイハットのアタック感が少し弱いかなという感じですが、このヘッドホンの性格を考えればアリかと思います。
逆に向かないのがハードロックやヒップホップの類。試しにHeartsdaleの『We Love The Music』を聞いたところ低域がすっぽ抜けた感じでコレジャナイ感が漂いました。低域寄りに作られた曲とはトコトン相性が悪いです。
このヘッドホン、解像感や分離感といったものには乏しいのですが、それゆえに長時間聞いても聞き疲れしにくいです。僕はバランスドアーマチュア型のイヤホンで聞き疲れしやすいのですが、分離感が良すぎて無意識のうちにアタマを使い過ぎてしまってるんですよね。
個人的にこのヘッドホンにドンピシャハマった曲はDreams Come True『あの夏の花火』、Suara『夢想花』、『続・夏目友人帳 音楽集 いとうるわしきもの』から『あたたかい雪景色』、デイヴ・ブルーベック『Take Five』、Lia『Fairy Land』といったところで、いずれもゆっくり、しっとりと聞きたいナンバーです。
手持ちのモノだとイヤホンですが、Astrotec AM-800と同じ傾向のチューニングですね。このイヤホンもギンギンな曲よりはしっとりとした曲に向いたイヤホンです。
5.まとめ
SoundPEATS A1 ProはAmazonで3,490円(6月11日現在)で販売中です。アンダー5,000円でありながらキャリングポーチが付属するなど、お買い得感は高いです。
見た目がちょっとヤンチャっぽく感じますが、それとは裏腹に奏でるサウンドはしっとりとしていて、癒されたい時に使いたいと思わせる製品です。BT接続においてはapt-X非対応なところは残念ですが、iPhoneユーザーにはAACコーデックで対応していることもあり、安価ながら高音質なワイヤレス再生が楽しめると思います。ワイヤレスヘッドホン入門にもぴったりです。
造りはすこし安っぽいですが、決して手を抜いて造られたヘッドホンではないので、末永く使える1本です。
コメント
折り畳みができないのが痛恨の極みですね・・
キャリングケースがあっても家での使用がメインになっちゃいます。
昔、ソニーのオーバーヘッドタイプヘッドホンに『Eggo』というハウジングがタマゴ型のモデルがあったのですが、折り畳んだ状態でも非常にスタイリッシュだったのを覚えてます。
MDR-XB600はキレイに折り畳めましたが、現行モデルの650ではスイーベル機構だけで、とても持ち運びに便利とは言い難くなりました。
最近のオーバーヘッドタイプは携帯性はあまり重要視してないのかもしれません。