こんにちは、natsukiです。ああ~、先月の楽天スーパーセールで、割引&クーポンで値引きされた誘惑に、ついに買ってしまいました。サンワサプライの発売する希少な薄型日本語配列メカニカルキーボード「400-SKB057BL」です。
昨年末より、NiZ「静電容量無接点方式 多機能キーボード」を使いはじめて以来、使いやすいキーボードが生産性に響くことを大いに実感してきました。このNizのは、もちろん、現在でも自宅でのメインキーボードです。マジ最高。で、職場用にも使いやすいキーボードが欲しいなと考えていたんです。条件は2点。日本語配列であること。それから、ある程度薄型であること。後者は、ズバリ、ノートパソコンの上に置いて使いたいため。Nizのは、打ち心地は最高なんですが、これらの条件を満たさないのでダメです。すると、絞りこんだ候補は2つ。ひとつは、ウインタブでもよくクーポンを紹介する「ThinkPad トラックポイント・キーボード」。もうひとつが、この「400-SKB057BL」。そして、ついに買ってしまったというわけです。
購入してから約1ヶ月。使用感は非常に快適で、末永く使っていきたい、お気に入りキーボードのひとつになりましたので、紹介してみたいと思います。
目次
1.製品特性
このキーボード、入手難度の低いキーボードとしては、実質的に唯一無二の製品特性となっています。以前に、ウインタブでも紹介記事がありますが、あらためてその特殊性を見てみたいと思います。
形式は薄型メカニカル
最大の特徴はここです。「薄型」の「メカニカルキーボード」です。メカニカルキーボードの中では希少なものですが、最近少しずつ増えてきました。Amazonにも何種類か並び、ウインタブでも上海問屋のものを紹介しましたね。400-SKB057BLは赤軸と青軸を選ぶことが可能で、今回購入したものは、職場で使いたいこともあって、より静音な赤軸です。
日本語配列!
はい、そしてここが唯一無二のゆえん。このキーボードは、日本のメーカーであるサンワサプライが発売しているだけあって、日本語配列です。管見のかぎり、現在、比較的簡単に手に入る「薄型」のメカニカルキーボードで、日本語配列はこれのみです。なお、キー数は、テンキーの有無が選べますが、今回購入したものはテンキー無しです。
USB有線接続
接続はUSB有線接続です。今までのサンワサプライの傾向を見ていると、有線接続で発売した製品が売れてくると、追って無線接続を発売するパターンが多いので、この製品もそのうち無線接続版が出そうな気もするんですが、待ちきれませんでした。
というわけで、ただでさえレアな薄型メカニカルキーボードの中でも、唯一の日本語配列のもの、となります。
2.筐体
ではでは、その独特な筐体を見てみましょう。
箱は、普通のダンボールですね。
同梱品です。特に説明することがないです。取り出すときに、ビニル製の「ノシ」のようなものが入っていて、箱から製品を引き出しやすいようになっていました。こういう細やかな気づかいは、さすが日本企業。
キー配列は、なんのひねりもないごく普通のテンキーレス。ところが、この普通の日本語配列が他にないんですよ。キーピッチは、当たり前ですが、実測でもスペック通りの19mm。最も打ちやすいサイズです。
全体の印象は、ともかく「普通」です。さすがにメカニカルキーボードだけあって、天板はアルミ製で、もちろん工作精度も極めて高く、近寄ってみると縁のダイヤモンドカット加工や天板の梨地塗装、ツヤ消しの渋い質感のキートップなど、細部までよく作り込まれています。ただ、フォントはノーマルだし、デザイン上のインパクトはないので、遠目には安いメンブレンのキーボードとあんまり変わらないかも。要は、「地味」です。しかし、職場で使うには、このくらい地味な方が気兼ねなく使えます。
裏側です。定番の、引き起こすタイプの「足」がついています。
横から見るとこう。薄型、というのがよく分かると思います。薄型なりに、段ごとにキーの表面の傾きに差を付けて、ステップスカルプチャー構造にもなっています。
キートップを外してみましょう。通常のメカニカルキーボードは、キートップの交換が容易なのもウリの1つですが、こちらは、「ツメ」で引っかける構造になっていて、何度も取り外すことは想定していない構造になっています。ヘタに力をかけると折れてしまうかもしれないので、自己責任で。後述のように、この製品にはバックライトがついているので、キーは文字部分がライトを透過するように、ベースの黒と文字の乳白色部分との二色形成になっています。
軸部分です。赤軸なので赤いです。製品スペックには、軸のブランドは何も書いてありませんが、キーには「kailh」と「DAREU」のロゴが。「kailh」は、中華メカニカル軸では比較的メジャーなブランドで、薄型メカニカル軸の草分けでもありますね。「DAREU」は、中華周辺機器ブランドで、前にも紹介したことがありますが、薄型メカニカルキーボードもリリースしています。KailhとDAREUの関係はよく分かりませんが、とりあえず「kailh」軸って事でいいんでしょう。
ケーブルは、microUSBポートになっています。ここでちょっと問題が。このポート、ご覧のように「奥まった」ところにあり、一般的なmicroUSBケーブルでは挿さりません。
これが付属の専用のケーブルです。一般的なmicroUSBケーブルよりも、非常にスリムです。基本的には、この専用ケーブルを使えばいいだけなんですが、自前のケーブルを使いたい場合は要注意です。
全体的に、派手さとは対極にありますが、場所を選ばずに使えるデザインになっていると言えるでしょう。
3.使用感
キータッチ
肝心の部分です。一般的なメカニカルキーボードが、キーストローク4mm程度であるのに対し、この製品は3mmとやや浅め。打ち始めは違和感がありますが、すぐに慣れます。期待通り、非常に打ちやすい。音は、やはりメンブレンよりはするものの、このくらいならオフィスでも十分許容範囲だと思います。音声を比較してみると、こんな感じ。
メンブレンのロジクール「MK245 NANO」、NiZ「静電容量無接点方式 多機能キーボード」、この「400-SKB057BL」、中華青軸の「Arealer Roarer 104キー メカニカルキーボード」の順で打ち比べています。
抵抗感は、静電容量無接点方式のNiZのものよりはありますが、キーストロークが浅いので、打ち慣れればこちらも十分楽です。バネの反発力はあっても、ヘンな引っかかりや抵抗感はなく、スッと押し込める感じ。うーむ、キーボードの感触を文章にするのは難しい。ともかく、非常に素直な反応で、最小限の力でスピーディーに打てます。
また、キーボードそのものが薄いので、パームレストが必要無いのも手軽でよいところ。
バックライト
バックライトがついています。が、色はホワイトのみです。
上がバックライトをフルパワーでON、下がOFFです。いちおう、ゲーミングキーボードのように、様々なパターンで光らせることができるんですが、動きを出すとどうもちらつきがあり、目に優しくありません。光量の調節はできるので、暗めで点灯しておくと多少影になっても視認性がよくなります。エンターテイメント要素というよりは、あくまで実用のための機能だと考えた方がいいでしょう。
キー入れ替え機能はなし
メカニカルキーボードによくある、キー入れ替え機能はありません。個人的には、「Delete」キーを「BackSpace」の上に持ってきたいので、ここはちょっと惜しい。もっとも、先述のように、キーの入れ替えは想定していない構造なので、当然といえば当然なんですが。
4.邪道?ノートブックのキーボードに重ねて使う
そして、コレがやりたかった。
写真は、NECの15.6インチノートブック「Lavie L」に乗っけたところです。うまい具合に、キーボードの足がLavie L側のキーの5段目と6段目の間で固定され、下のキーを押すことなく安定しました。
そう、テンキーレスキーボードは、横幅が15.6インチのノートブックとほぼ同じなので、このようにキーボードに重ねて使うことも、ノートブック側のキーボードの形状次第で可能なのです。もちろん、通常のメカニカルキーボードなどでも、テンキーレスであれば可能ですが、ネックは分厚さ。実際、ノートブックの上に分厚いキーボードとパームレストを置いて使ってみたこともあり、これはこれでそれなりに使えるんですが、もっとスマートにいけないかと思い、この製品にたどり着いたのです。うーん、快適。パソコンの手前にパームレストを置いてもいいかな?
ケーブルにひと工夫が必要
この実現のためには、ケーブルにもひと工夫あった方がよいです。というのは、先ほど見たように、この製品は有線でmicroUSB接続なのですが、そのケーブルが邪魔になるのです。置けなくはないけれど、ケーブルが浮き上がって画面を邪魔しがちだし、無理な曲げ方をすると断線が心配だし。
そこで、このように「L字型」のケーブルを使っていやればよいのですが、また問題が。先ほど見たように、なぜかこの製品のmicroUSBポートは奥まったところにあり、並のケーブルでは挿すことができないのです。
そこで、私の場合、このようにケーブルカバーを削ってしまっています。もちろん、ケーブルカバーを削る行為は、断線や電流、データ通信の不安定化などリスクをともなうものなので、自己責任で。
5.まとめ
この、「薄型メカニカル」で「赤軸」の打鍵感というのは、独特です。しかし、慣れてくると、非常に打ちやすい。テキストライティングなど、ともかくキーを叩く数の多い用途にこそお勧めしたいキーボードです。薄型なので、パームレストが要らないというのも利点。先ほど見たように、ノートブックに重ねて、というトリッキーな使い方すら、ノートブック側の形状にもよりますが、厚さ的には十分可能です。デザインは、ご覧のとおり地味ですが、それだけに使用状況を選びません。
価格は、サンワダイレクトでテンキーありが9,980円、今回レビューしているテンキー無しが8,980円。決して安いものではありませんが、この打鍵感なら納得だと思います。ちょうど、サンワダイレクト楽天市場店で、10/16までテンキーレスタイプがセール対象になっていて、1,000円引きの7,980円のようです。
ニッチな需要かもしれませんが、薄型で打鍵感のよいキーボードを求める人には、唯一無二の選択肢になると思いますよ。
6.関連リンク
400-SKB057:サンワダイレクト楽天市場店
400-SKB057BL:サンワダイレクト本店
コメント
EK820の日本語版OEM?
実はDareuの日本進出の前触れだったり
・・・しないか
おそらく、ベースはそうだと思います。
ただ、完全な日本語配列なので天板や内部基板は完全に作り直しているし、バックライトの色も違うし、向こうはBluetooth付きでバッテリー稼働可能だけどこっちは有線のみだし、テンキーありバージョンの場合にEK820に付いている謎のタッチ操作ユニットはないし、と、ほとんど別物というくらいローカライズがされていますね。
EK820は、あれはあれで非常に魅力的な製品だと思います。買うなら、やはりタッチ操作ユニット付きのテンキーありバージョンかな。あのギミックは、実用性はおいといて面白すぎでしょう。