こんにちは、輪他です。今回は、ZTEの別ブランド、Nubiaの新型スマートウォッチ、Nubia Watchの実機レビューです。スマートウォッチといえば、Apple Watchなどの四角型や、Galaxy Watchなどの丸型の有機ELディスプレイを搭載したモデルが一般的ですが、今回ご紹介するNubia Watchは縦長の曲がる有機ELディスプレイを搭載し、表示できる情報量を格段に増やすことに成功したモデルとなっています。
なお、今回のレビューでは実機をnubiaからお借りしています。
1.スペック
Nubia Watch | |
OS | nubia 独自OS |
CPU | Qualcomm Snapdragon Wear 2100 |
RAM | 1GB |
ストレージ | 8GB |
ディスプレイ | 4.01インチフレキシブルAMOLED(960×192) |
LTEバンド | — |
SIM | (eSIM) |
ネットワーク | Bluetooth 4.1、802.11 b/g/n |
入出力 | POGOピン、フィットネスセンサー |
カメラ | なし |
バッテリー | 420mAh |
サイズ | 125 × 41.5 × 14.2 mm |
重量 | 98 g |
OSは独自のものを搭載しており、CPUには2018年以前のスマートウォッチに採用されていたQualcommのSnapDragon Wear 2100を搭載しています。現行のQualcommのスマートウォッチ向けCPUはWear 4100ですので、2世代前のCPUとなります。もともと所持していたSNapdragon 4100を搭載したスマートウォッチを使用した印象では、最新のAndroid Wearを動かすには若干性能不足を感じていましたが、本機は独自OSを採用していることもあり、動作のカクツキなどは感じられませんでした。
RAMは1GB、ストレージは8GBと、スマートウォッチとしては標準的な構成になっています。
画面には4.01インチの曲がる有機ELディスプレイを採用しています。最近では、サムスンのGalaxy Foldシリーズや、モトローラのRAZRなど、曲がる有機ELディスプレイを採用する商品も増えてきていますが、本機も同じものを搭載しています。画面の端の方は固定されておらず、腕に巻いた時にディスプレイを腕に沿わせるようにして装着できます。
他のスマートウォッチと違い、縦長の画面いっぱいに通知を表示できるので、長いツイートの返信などの通知も全文まとめて表示できます。
バッテリーは420mAh搭載しており、メーカー公式では一度の充電で7日間持続するとされています。日常的に画面操作などを行った場合でも少なくとも日中に電源が切れたりするようなことはありませんでした。充電時間は85分です。
ディスプレイは4.01インチのフレキシブル(曲がる)有機ELディスプレイで、解像度は(960×192)で、2点のマルチタッチに対応しています。画面密度は244ppi(1インチあたりのピクセル数)なので、Appleの提唱するRetina(モバイル端末では300ppi以上)より若干低く、よく見ると画面の画素が肉眼で確認できます。
ディスプレイの常時点灯には対応していませんが、腕時計を顔に向けるとそのジェスチャーを認識して画面を起動することは可能です。
背面にフィットネスセンサーを搭載しており、心拍モニターや睡眠トラッカーなどの機能も備え、GPSやWi-Fiも搭載しているので、ランニングなどの記録も保存できるようになっています。
防水等級はIP54です。小雨に打たれるくらいなら大丈夫だと思いますが、可動部の多いガジェットなので、大雨に打たれたり、これをつけたままシャワーを浴びるといった用途には向いていません。
専用アプリはAndroidとiOSの両方に配信されており、どちらでも使用可能となっています。ですが、iOSの環境で使用した時は、勝手に接続が切れて通知が届かなかったり、一部機能に制限があったりするので基本的にはAndroidでの使用をお勧めします。
なお、nubia WatchにはeSIMモデルも存在するとのことですが、グローバル版は10月19日現在、eSIM版ではありません。また、レビュー機はeSIM版のようでした。
2.PDA工房 保護フィルム
レビューに先立ち、PDA工房に保護フィルムを作成してもらいました。ありがとうございます。今回レビューするNubia Watchはディスプレイ面が曲がっている特殊な形状のため、上の写真の「Flexible Shield」のみ対応できるみたいです。
3.外観
同梱物です。nubia watch本体に加えて、説明書、替えのバンド、充電スタンド、micro USBケーブルが付属していました。充電スタンドはUSB Type-Cではなく、micro USBとなっていますが、わざわざ抜き差しするようなものではないので使用上は問題ないものと思います。
横からの写真です。時計本体の部分にはマグネシウム合金が使用されており、筐体の剛性が確保されています。右側面にはボタンが埋め込まれており、画面の起動や、時計画面/アプリ画面の切り替えなどに使用します。竜頭のような回転での操作は行えません。
時計部分の背面です。上部にPOGOピン、下部にフィットネスセンサーが配置されています。
4.UI
App Store/Google Playにて提供されている専用アプリ、Nubia Watch(Android版はNubia Smart Watch)を使用して初期設定を行います。Bluetoothにて接続した後、ジェンダー、誕生日、体重、身長などに答えた後、腕時計を左右どちらの腕につけるかについて答えれば、初期設定が完了します。
接続が完了すると、アプリが起動して初期画面に移ります。ここから、nubia Watchで計測したフィットネスデータを確認したり、nubia Watchの各機能の設定を行なったりすることができます。
時計表示のデザインは、公式アプリを使用するか、nubia Watchが時計を表示している時に画面を長押しすることで変更できます。時計のデザインは縦長の画面に合わせて専用のものがいくつも用意されているので、気分転換がてら、印象を大きく変えるほど見た目を変化させることができます。
時計を表示している状態から画面を右側にスワイプすると、機能一覧の画面が表示されます。一般的なスマートウォッチに採用されているような、電話の機能や、フィットネス機能を使用することができます。
用意されている機能は、「Call」「Messages」「Sports」「Health」「Setting」「Heart Rate」「Barrage」「Compass」「Schedule」「Clock」「Search Phone」「Music」です。
「Call」では、他のスマートウォッチと同様に、ペアリングしているスマートフォンにかかってきた電話をとったり、逆にスマートウォッチで電話番号を打ち込んで電話をかけることもできます。中国向けにはeSIM搭載モデルもあるとのことですが、現状のグローバル版はeSIMモデルではないので、単体で電話をかけることはできません。
「Sports」では、ランニングやウォーキング時の、走行距離や消費カロリー、時間を計測することができます。
「Health」では、睡眠時間や、平常時の心拍数、歩行距離などを確認することができます。
「Barrage」では、縦長のディスプレイを生かし、サイネージのように任意の画像や文字列を表示することができます。
母艦がAndroidの場合は、特に何も設定せずとも、専用アプリから使用したい画像を選択したり、再生したい文字列を打ち込むだけですぐにこの機能を使用することができます。
母艦がiPhoneの場合は、この機能を使う際にはiPhoneのインターネット共有(テザリング)でiPhoneとnubia Watchを接続しておく必要があります。
こちらもアプリ上だけではなくnubia Watchから表示したい文字列や画像を選択することが可能になっています。
「Search Phone」は、接続しているスマートフォンの通知音をスマートウォッチから再生し、部屋の中などで見失ってしまったスマートフォンを探す機能です。この機能はAndroidでは問題なく動作しましたが、iPhoneではうまく動作しませんでした。
「Compass」では、東西南北の確認や、水平器として使用することができます。
「Schedule」では、スマートフォン上のカレンダーアプリに保存されているスケジュールを同期して、いつでも確認できるようにしておける機能です。こちらも、Androidでは通常のBluetooth接続にて使用できますが、iPhoneの場合は、インターネット共有(テザリング)での接続が求められます。
「Music」は、スマートフォンに保存されている音楽をスマートウォッチに転送し、スマートウォッチとBluetooth接続のスピーカーや、イヤホンなどを接続して、音楽を聞くという機能となっています。スマートフォンで再生しているメディアを手元で操作するという機能ではないみたいですね。nubia Watchのストレージは8GBあるので、ランニング中に聞きたい曲だけをスマートウォッチに転送し、スマートフォンを持たずに、nubia WatchとBluetooth接続のイヤホンだけを持ってランニングをするといった使い方が想定された機能だと思います。
スマートフォンの通知は各アプリについて、nubia Watchに表示するかどうかをnubia Watchの専用アプリから設定できます。QQや微信は、iPhoneにインストールしていませんが、最初からオンになっていました。
それぞれの通知は、このように、画面全体で確認することができます。長いメールの通知などもまとめて確認できるので、スマートフォンを立ち上げる必要がありません。ただ、メールやLineに対して、Nubia Watch上で返信することはできません。返信したい場合はスマートフォンから行う必要があります。AndroidとAndroid Wear、iPhoneとApple Watchの組み合わせであれば、ウェアラブル端末で定型文を選択するか、音声入力によって返信が行えるのでこの点は残念です。
省電力モードにすると、この画面で固定されます。省電力モードから通常のモードに戻す際は、右側面のボタンを長押しします。
省電力状態のまま使用すると、メーカーの提示しているバッテリーの公称値である、「一度の充電で7日間電池が持続」が達成できるとされています。
5.まとめ
Nubia Watchは現在クラウドファンディングが終了し、nubia公式サイトで販売されています。10月19日現在の価格は219ドル(およそ23,100円)です。
大型の曲がる有機ELディスプレイを搭載し、腕の周りを一周弱表示領域にしてしまうことで、これまでにない情報量を提供してくれるウェアラブル端末となっています。旧型のCPUを搭載してはいますが、独自OSのおかげか動作のカクツキもなく、常時身に付ける端末として、ストレスの溜まらない端末に仕上がっている印象を受けました。これまでにない形のウェアラブル端末ではありますが、実用性があり、日常的に使用していける端末だと思います。
6.関連リンク
nubia Watch:nubia
コメント
フレキシブル有機elの一番相性が良さそう
画面が外向きなので問題はそこですね
通常の時計だとスマホガラス以上の強度を求めていくんでしょうが
逆に自己修復系で詰めていった方が良さそう