ロボット掃除機「Narwal Freo」の実機レビューです。いまやロボット掃除機は利用者も増え、価格も1万円台から購入できるようになりましたが、今回レビューする製品は「Narwal」という聞き慣れないメーカーの製品ながら発売当初の価格が税込み189,000円、4月16日現在の実売価格も129,800円という、このジャンルとしては高額な製品です。
しかし、高いだけのことはある製品でもあります。他にはない優れた機能を搭載し、清掃能力・水拭き能力とも高水準な製品です。
・専用アプリを使って多彩な設定が可能
・マップ機能のカスタマイズで使えば使うほど便利に
・4つのモードで掃除も水拭きも
・Freoモードでおまかせ清掃、汚れも自動検知
・テールスイング機能で壁際もきれいに
・モップ自動洗浄機能でいつも清潔に
ここがイマイチ
・ロボット掃除機としては高価
販売サイトはこちら
Narwal Freo ロボット掃除機:Narwal公式サイト
Narwal(ナーワル) Freo ロボット掃除機:Amazon
目次
1.Narwal Freo スペックと特徴
スペック表
特徴
・掃除(吸引)と水拭きを4つのパターンで
①掃除から水拭き:最初に床を掃除し、次に床をモップ掛け(徹底的に掃除)
②掃除&水拭き:掃除とモップ掛けを同時に(効率的に掃除)
③掃除のみ:モップ掛けなし
④水拭き:モップ掛けのみ、掃除なし
・おまかせシステム「Freoモード」
複雑な設定は一切不要、Narwalの独自技術「汚れ自動検知」機能でモップの汚れ具合を自動検知し、2度拭きが必要なところを自ら判断
・テールスイング
壁際をモップ掛けする際に「お尻」をねじりながら走行し、壁際や部屋の角の汚れを力強く拭き取り(特許技術)
・モップ自動洗浄&温風乾燥
掃除終了後、モップの汚れ具合に応じて、Narwal専用洗浄剤を自動補充、洗浄時間と水量を自動調整、ウェットモップを自動乾燥。
・静音
静音乾燥、掃除、モップ掛けなどの動作音は室内で話す程度(最小39dB)。掃除モードでの動作音は59db未満、水拭きモードでの動作音は51db未満。モップ洗浄の動作音は64dB未満
・モップ自動リフトアップ
アプリの設定により、水拭きモップがカーペットを感知すると、自動リフトアップし、カーペットの水濡れを防ぐ。
その他、ロボット掃除機に「あるといいなあ」と思う機能はほとんど搭載されていると感じられるくらいに多機能です。
2.Narwal Freo 筐体
外箱はかなりの大きさです。リビングルームに運ぶ前に廊下で撮影しました。大きさの参考として11インチサイズのタブレットと一緒に撮影しました。
開封してみました。Narwal Freoは「お掃除ロボット(画像左上)」と「ステーション(画像右)」で構成されています。開封すると箱の一番上にクイックスタートガイド(画像左下)が入っていました。
ステーション側にはなにやら別な同梱物が…。
専用洗剤、電源ケーブル、そして清水・汚水タンク用のスポンジが入っていました。専用洗剤の効果についても気になるところです。
では、ステーションから見ていきます。この画像は正面から見たところですが、「白物家電」という雰囲気です。光沢があり、尖ったところもない美しいデザインになっています。画像が少し暗くなっていますが、この筐体は映り込みがかなり激しく、少しでも映り込みを減らそうと頑張ってみた結果です。それでもなお、かなり映り込みはありますけどね…。
上面の右側にタッチパネルがあります。Narwal Freoはこのタッチパネルで各種操作をします。
すみません、私の指が写り込んしまっていますが、タッチパネルの画面表示です。上下左右にスクロールすることで操作モードを指定できます。直感的で使いやすいと思いました。
上面は蓋になっていて、これを開けるとまたガイドが出てきました。
内部にはタンクが2つ。
左の白いタンクが「汚水用(4,050 ml)」、右の青いタンクが「浄水用(4,500 ml)」です。
同梱されていた洗剤もステーション内部にセットします。セットは簡単で、「ブスッ」と挿すだけ。
側面、底面、背面です。背面(真ん中の画像)のくぼんだ部分に電源コードを取り付けます。特にコメントするような部分はありませんが、丸みを帯び、光沢のある美しい外観になっています。
次にお掃除ロボットです。こちらも光沢のある、ちょっと高級な外観ですが、一般的なロボット掃除機と大きく異なるデザインではないですね。
上部の蓋を開けるとダストボックスが出てきます。ちょっと意外、というかご注意いただきたい点として、この製品はステーション側にゴミを吸い上げる方式ではなく、ロボットのほうにゴミが収まります。一方で水拭きの際の汚水は上にご説明した通りステーション側に溜まりますので、少しちぐはぐな感じがします。
底面です。ご覧のようにかなり分厚いモップが取り付けられています。モップ掛けの性能にも期待できそう…。
横から見たところです。画像左側が前部なのですが、しっかりした「バンパー構造」になっています。
少し手で押してみました。かなり柔軟に動きます。
タイヤ部分も上下の可動範囲が大きめで、段差を乗り越える能力も高そうです。
3.Narwal Freo 操作方法
Narwal Freoの操作は上にご紹介したステーション上部のタッチパネルでも可能ですが、本来の機能を引き出すにはスマホアプリが必要になります。アプリはGoogle PlayおよびApp Storeからダウンロードできます。
Narwal Freoアプリ:Google Play
Narwal Freoアプリ:App Store
そして、このアプリの出来は「素晴らしい!」です。
初回の動作(掃除)でマップを自動作成してくれます。これは他社製品でもあまり変わらないと思いますが、このマップをもとに多彩な設定が可能です。
このマップには「エリア」の概念があり、任意のエリアを指定してエリア内だけ掃除させることができますし、逆にエリア内だけ掃除させない(禁止エリア)設定も可能です。もちろん複数の部屋のうち、特定の部屋だけを掃除させることもできます。
また、基本的にFreoモード(おまかせモード)で大丈夫だとは思うのですが、上でご説明した通り「掃除のみ」「水拭きのみ」「掃除しながら水拭き(掃除&水拭き)」「掃除の後水拭き(掃除から水拭き)」のモードを指定でき、例えば「掃除の後水拭き」モードではそれぞれの「回数」と「レベル(通常・強力・ノイズ低減など)」を独立して指定できます。
禁止エリアの設定は簡単ですが、基本的に「四角のみ」で、さすがに禁止エリアを複雑な形状にすることはできません。また、「床材」についても設定ができます。「畳」も欲しいところですが、残念ながら選択肢にはありません。
Narwal Freoを使いこなす上で、「マップのカスタマイズ」は必須と言えます。使い始めのうちから完璧なマップ、完璧な設定はできないと思いますが、使えば使うほど(カスタマイズするほど)Freoが本来持っている機能を引き出すことができますので、ある意味「手を入れるのが楽しみ」になるでしょう。
それと、長く使っていく上では重要となる「消耗品の管理」もアプリ上で可能です。それぞれの消耗品の使用時間の目安と交換までのカウントダウンを表示してくれます。
4.Narwal Freo 使用感
迅速かつ静か
動作音はかなり静かですね。メーカーの公称値だと掃除モードで59db未満、水拭き(モップ掛け)時は最小39dbとのことでしたが、日中に使う場合は動作音はそれほど気になりません。ただし、60db弱という音量は「静音」とは言えず、あくまで掃除機を使っているにしては静か、ということです。私はロボット掃除機の使用経験が多くはないのですが、それでも過去に試した製品よりは静かだと感じました。
また、今回のレビューでは常に「自宅内の全部」を掃除したわけではなく、動作チェックなどで1部屋とか2部屋の掃除を繰り返しましたが、掃除時間は短いです。ただし、Freoモードで使う場合、しばしば「ダメ出し」というか、「汚れのある箇所が見つかったのでもう一度掃除します」ということで「やり直し」になってしまうので、その場合は掃除時間が短くはなりません。
参考までに、6畳の和室をFreoモードで掃除した際、一度ダメ出しされた(やり直しになった)ので、掃除時間は約30分かかりました。
また、ロボットの動線を見ていて従来のロボット掃除機よりも効率的に動いている、また、考えながら動いている、というのが理解できました。具体的には(Freoモードの場合)掃除箇所によって動作(吸引)の強弱が見られ、モップを上げている(水拭きをしていない)箇所もありました。動きが「直線を折り返す」ようなものではなく、人智の及ばない(w)複雑な動きをしている、という感じです。
以前レビューした製品では「あれ、またそこを掃除するの?」みたいな感じで、同じ場所を繰り返し掃除したり、「ここはまだ掃除していないよ?」と指摘したくなる場面が見受けられましたが、Freoはそんなことはありませんでした。
掃除の品質ですが、個人的には「高い」と思います。ただし、さすがに部屋の隅っこについては少し取りこぼしが発生します。しかしまあ、このくらいは人間が補足的にやってあげてもいいんじゃないか、と思える程度です。
壁際の動作はソフトに
壁際では本当にお尻を振りながら動きますw また、壁との接触はソフトで、ぶつかる、という感じではありませんでした。このあたり、センサーによる制御が非常に優秀なのだろうと思います。
ごく短い動画を撮影しました。いい感じにお尻を振っています。
モップ自動洗浄は便利だが…
掃除前後(特に掃除終了後)のモップが自動洗浄されます。(汚れ具合によって洗浄時間も変わってくると思いますが)洗浄そのものは短時間で終了し、すぐにまた使えるようになりますが、その後の「乾燥」に時間がかかります(1時間以上かかりますが、この間にもFreoを使うことはできます)。乾燥中は騒音もなく、個人的には不快感はありませんでしたが、それでも動作音は聞こえますので、気になる人もいるかもしれません。
ゴミ・汚水処理
汚水はステーション側に溜まり、ゴミはロボット本体に溜まります。なので、処理が二度手間になってしまう、というのはあります。しかし、汚水は汚水ではあるんですが、ヘドロみたいにはならないですね。なので、処理していて気持ち悪くなりません。
また、ゴミ処理は(上にメーカー画像を掲載しましたが)直接手を汚さない構造です。グロ画像になってしまうのでこの記事では汚水・ゴミ処理の画像は掲載しませんが、掛けた掃除時間・掃除面積の割にずいぶん良くゴミが取れたよなあ、というのが感想です。
5.Narwal Freo レビューまとめ
Narwal FreoはNarwal公式サイトやAmazonで販売中で、4月16日現在の公式サイトでの価格は税込み129,800円です(製品ページにある15,000円OFFクーポンを使用した価格)。
ロボット掃除機に対する個人的なイメージとして「ロボット掃除機に最適化した部屋のレイアウトや事前準備」をしなくてはならない、というのがあります。具体的には床にクッションなどのモノをたくさん置いたりする場合、掃除のたびにロボット掃除機の動線を確保するためにそれらのモノを床から移動させなくてはならないとか、ロボット掃除機が入り込めないような狭い空間をできるだけ作らないようにするとかです。特に小さなお子さんがいるご家庭の場合、おもちゃなどが散乱しているスペースがあると思うので、掃除の前のお膳立てがけっこう大変だったりします。
Narwal Freoを使っても、これら根本的な「事前のお膳立て」がなくなるわけではないけれど、アプリ側で細かく設定することによって掃除禁止エリアを設けたりできますし、エリアによって水拭き要・不要を使い分けたりもできますので、使い続けるほどに(カスタマイズを進めるほどに)どんどんラクになっていくはずです。
Narwal Freoを一言で評価すると「めっちゃ頭のいいロボット掃除機」ということになると思います。高価な製品ではありますが、それだけの価値はあると思いますね。
6.関連リンク
Narwal Freo ロボット掃除機:Narwal公式サイト
Narwal(ナーワル) Freo ロボット掃除機:Amazon
コメント
私もモップの自動洗浄機能付きのロボット掃除機持ってますけど確かにモップ乾燥させる時間と音は気になりますね。仕事行くときに動くようにしておくのがいいと思います。そうなると電気消した状況で動かすのでロボット掃除機にライト付いてると便利だと思います。
モップ自動乾燥付きロボット掃除機は使ってて凄い便利だけど私のは英語オンリーでモノにぶつかって頭悪い(ただ掃除能力は高い)しモップのリフトアップ機能ないからこれが12万ならお得な感じします。
こんにちは。ウインタブはロボット掃除機のレビューに慣れておらず、あまり偉そうなことは言えないのですが、私としてはこの製品は買いでいいと思っています。記事中でも何度か触れましたが、半端なく賢いです。