MAIWO K25682 デュアルベイHDDエンクロージャー レビュー － 安価で、手軽にRAID可能な外付け2ベイ2.5インチHDD・SSDケース

こんにちは、natsukiです。Aliexpressで購入して使っている、2ベイの2.5インチ外付けHDD/SSDケース「MAIWO K25682」を紹介します。このケースの特徴は、まず、最小限のポータブルサイズで2ベイであること。そして、RAID設定が可能なこと。つまり、RAID設定したストレージを手軽に持ち運びできるんです。ニッチながらも、非常に面白い製品です。

1.製品概要

「MAIWO K25682」は、2つの2.5インチベイを持つ、外付けHDD/SSDケースです。最大データ通信速度は5gbpsで、2.5インチ外付けケースとしては標準的。

そして面白いのが、「RAID」が可能です。この製品に興味を持つ人にとっては言わずもがなとは思いますが、「RAID」とは、2つ以上のストレージを統合して扱う技術です。詳しくは、例えば、下記のエレコムの解説ページをご覧ください。

RAIDとは何か？知っておきたい基礎知識:エレコム

この製品では、単に2ベイの外付けドライブとして扱う「Normal」モード、2つのストレージを1つのドライブとして扱う「Large」モードの他、2つのストレージに分散してデータを書き込むことで、ストレージの統合と速度向上を図る「RAID0」と、データに冗長性を持たせることで、容量が半分になる代わりにどちらかのストレージが壊れてもデータを復元できる、安全性の高い「RAID1」が可能です。

調べてみると分かりますが、RAIDを構成可能なHDD/SSDエンクロージャーは、そのほとんどが据え置き型で、かさばる形状であったり、HDDがむき出しだったりします。対してこの製品は、RAIDを構成可能なエンクロージャーとしては希有な、持ち運びも十分可能なサイズと形状になっています。もちろん、単なる2ベイの2.5インチ外付けHDD/SSDケースとしても利用可能。後述のように、USBケーブル1本で稼働するというのも、嬉しいところです。

2.筐体と同梱品

では、実物を見ていきましょう。箱です。MAIWOは、日本ではあまり聞きませんが、一応日本のAmazonでもこの製品を含めてある程度扱いがある、主にストレージ関連製品を扱う周辺機器メーカーです。私も、SSDケースなどの小物を、他にも使っています。

同梱品です。左上から、電源ケーブル(後述のように、なくても動作します)、データ転送ケーブル、保証書。左下から、ラベル、7mm厚用スポンジ、マニュアルです。

マニュアルは多言語で、日本語もあるので安心。文章はほぼ違和感なく訳されていますが、「やまと」って(笑)。

本体です。下に、実際に2.5インチHDDをセットした画像も載せますが、サイズとしては厚さ以外は一般的な外付け2.5インチHDD/SSDケースと変わりません。非常にコンパクト！

通常の2.5インチHDD/SSDケースのように、スライドでカバーが開きます。カバー裏には、すでにクッション用スポンジが1枚貼ってあります。

9mm厚のHDDを装着。この製品のコンパクトさが分かるかと思います。

7mm厚のHDDを装着。カバー裏かHDDにスポンジを重ねて貼って上げると、安定感が増すでしょう。

ポートやスイッチ類は1つの面に集約されています。スイッチによるRAID構成切り替えが分かりやすくていいですね。注意したいのは、ポート形状が旧いことです。電源ポートが「microUSB」はまだいいとして、肝心のデータ転送ポートが、もはや外付けHDD/SSDケースくらいでしかお目にかかれない「microUSB 3.0」です。つなぐ対象がUSB Type-Aなら付属のケーブルを使えばいいのですが、これではUSB Type-Cにはつなげません。Aliexpressなら、「microUSB 3.0 ― USB Type-C」ケーブルも数百円程度なので(コイン割引や、日替わりのスーパーセールによく出品されています)、この「MAIWO K25682」を買うなら一緒に買っておくとよいでしょう。

3.使用感

データ転送ケーブルだけでも稼働する

上で見たように電源ポートがありますが、ざっと使っている限りでは、ちゃんとUSB 3.0以上のポートにつなげば、データ転送ケーブルのみで稼働します。これは、持ち運びの利便性からすると非常にありがたいですね。つまり、通常の2.5インチ外付けケースと同じ感覚で使えるということです。

ポータブルストレージとして使うときはデータ転送ケーブルだけで、NASのように安定性を重視する使い方のときは電源ポートもつないで、と使い分けるとよいでしょう。

まずは、2ベイ2.5インチ外付けHDD/SSDケースとして

表と裏に、1TB(実容量約931GB)のHDDを装着しました。そのままつなげば、当然ながら、ご覧のように2つのドライブとして認識します。1つのポートで2つのドライブをつなげる、これだけでも便利。

後で、RAIDのときと比較するためにデータ転送速度も計測しておきました。HDDなのでこんなもんでしょう。

RAID設定をしてみる

RAID設定をしてみましょう。設定は簡単。パソコンにつなぐと、現在のモードがLEDで示されます。「Normal」モードのときはご覧のように3つすべて点灯。その他の場合は、それぞれのLEDが点灯します。ここでスイッチを切り替えて、RESETをペン先などで長押しするだけ。もちろん、データはすべて消えるので、保存している場合は他に退避を。以下、Windows側の挙動は、Windows 11によるものです。

RAID1

「RAID1」です。ストレージ容量を倍使いますが、どちらかのストレージが壊れてもデータは保存される、安全性重視の構成です。NASなど、特に重要なデータの保存に使いたいところ。理論上、データ転送速度はあまり変化しないはずです。

スイッチを切り替えてRESETを長押した後、「ディスクの管理」を開くと、「ディスクの初期化」がはじまります。画像では、容量931.47GBの「ディスク1」がそれですね。

パーティションスタイルを指定した後(なぜか容量が微妙に減った)、該当ディスクを右クリックで、「新しいシンプルボリューム」を選択。あとはウィザードに沿ってフォーマットなどを進めれば、設定完了。

2枚の1TB(実容量約931GB)HDDが、1つのドライブになりました。

データ転送速度は、理論通り、あまり変わりません。

RAID0

今度は、「RAID0」にしてみます。容量は2つのストレージの合計になり、また、データを分散保存することで、データ転送速度の向上も期待できます。

スイッチを切り替えてRESETを長押した後、「ディスクの管理」を開くと、「ディスクの初期化」がはじまります。画像の「ディスク1」がそれです。ディスク容量はちゃんと統合されて、「1862.94GB」になっていますね。この後、パーティションスタイルを指定して、該当ディスクを右クリックで「新しいシンプルボリューム」からフォーマットなどを進めるのは「RAID1」と同じです。

データ転送速度を計測してみると……、おお、これはすごい。もっともこれはデータがない状態で、HDDの場合は、データが溜まってくると速度低下もするとは思いますが。

4.販路と価格など

販路について、やはりAliexpressが圧倒的に安く、私もAliexpressで購入しました。セールによって価格が変動するものの、コイン割引や日替わりのスーパーセールなどで、おおむね3,000円前後になっているのをよく見かけます。私が購入したときも、セール価格2,700円台だったときに、ミニゲームの汎用クーポンを重ねて購入しました。なお、この製品は多数の出品者がいて、私が購入したのは「Maiwo Official Store」というところです。

Amazonでも販売されていますが、7,000円台から10,000円以上と、かなり値動きが激しく、いずれにしても高価です。Amazonでの購入は、価格からはあまりお勧めできませんが、日本語で詳しい商品説明があるので、一読しておくとよいでしょう。

ということで、この「MAIWO K25682」は、コンパクトな2ベイの2.5インチ外付けHDD/SSDケースというだけでも貴重で、さらにRAIDも可能という独特の個性を持つ製品です。持ち運びに便利でRAID構成可能なエンクロージャーは、他にはそうそうないかと思います。しかもRAID可能なエンクロージャーとしては非常に安い。とりあえず、私のようにミニPCをサーバー運用しているならRAID1で重要データの保存先にちょうどよく使えますし、他にも、2.5インチストレージが余っているなら、工夫次第で色々と面白い使い方ができそうな製品です。

5.関連リンク

外付けハードディスク用のmaiwo-SSD,sata to USB 3.0,hdアダプター:Aliexpress内「Maiwo Official Store」(私が実際に購入した出品者です。この製品を販売している出品者は複数あるので、適宜ご判断ください。)
MAIWOデュアルベイ2.5インチSATA外付けハードドライブRAIDエンクロージャー:Amazon