
ロジクールのキーボード「Alto Keys K98M」の実機レビューです。この製品は「新感覚メカニカルキーボード」と謳われており、ロジクールとしては初の「ガスケットマウント構造」を採用しています。メカニカルキーボードとしては静音性に優れており、「コトコト」という心地よい打鍵感が魅力です。
・メカニカルキーボードとしては打鍵音が小さめ、耳障りでない
・非常に「心地よい」打鍵感
・テンキー付きキーボードとしては横幅が小さい
・設定アプリ「Logi Options+」により多彩なカスタマイズが可能
ここはイマイチ
・バックライトの設定によりバッテリー駆動時間が短くなる
1. スペック
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| キー構造 | メカニカル(ガスケット式) |
| 接続I/F | Bluetooth / Logi Bolt USBレシーバー各種 ※Logi Boltレシーバー付属 |
| キーボード配列 | JIS 日本語配列(102キー) |
| 角度調節機能 | あり |
| その他の特徴 | UniCushion ガスケット Marble Switch キースイッチはホットスワップ対応 |
| 対応OS | Windows 10、11以降 macOS 11以降 Linux、ChromeOS iPadOS 14以降、iOS 14以降 Android 9.0以降 |
| サイズ | 401×147×39.6 mm |
| 重量 | 1,100 g |
Alto Keys K98Mの内部構造です。「UniCushionガスケット」という、ロジクール独自開発のガスケットをはじめ、PC製スイッチプレート、ラテックス製トップフォーム、IXPEスイッチフォームパッド、ラテックス製ボトムフォームといった、打鍵音や振動を抑制するパーツが多く含まれています。これらのパーツにより静音性と心地よい打鍵感を実現しています。
2. 外観
ロジクールは環境への配慮が行き届いており、箱にプラスチックは使われておらず、ほぼ完全に「紙製」です。また、取扱説明書も付属していません。ご覧の通り箱の蓋の裏側にクイックスタートガイドの代わりになる図解説明があります。
Alto Keys K98Mに限らず、ロジクール製品は基本的にアプリ「Logi Options+」を使って各種設定をする仕組みのため、取り扱い説明書は必要ありません。
同梱物です。左端がLogi Bolt USBレシーバーです。Logi Boltというのはロジクール独自のUSB無線規格で接続性が高く (Wi-Fiアクセスポイントや周囲のワイヤレスデバイスからの干渉を受けにくい)、1台のレシーバーで最大6台のLogi Bolt対応デバイスとペアリングできます。
Logi Boltレシーバーの右にあるのが充電用のUSB Type-A – Type-Cケーブルです。なお、Alto Keys K98Mは有線接続には対応していませんので、このケーブルを接続しても充電しかできません。
その右にあるペーパーは取扱説明書ではなく、安全性やコンプライアンスに関する説明が書かれていました。
前面です。Alto Keys K98Mは「JIS 日本語配列(102キー)」です。製品名に「98」とあるのは、(推測ですが)英語配列なら98キー、ということだと思います。

キースイッチはリニアタイプの「Marble Switch」で、ホットスワップ (ハンダを使わずにスイッチを交換できる構造)対応です。この画像はESCキーと半角/全角キーを外したところですが、画像右端に写っているキー引き抜き工具は私の私物で、Alto Keys K98Mにはキー引き抜き工具が付属していません。力ずくでキーキャップを外すこともできると思いますが、私が試した限りかなりの力が必要でしたし、キースイッチを破損させる可能性もありますので、キーキャップを取り外す際は必ずキー引き抜き工具を用意するようにしてください。
また、この引き抜き工具はキーキャップの取り外しのみが可能で、キースイッチの取り外しはできませんので、(他の工具でも代用はできますが)できれば専用の工具を用意するほうがいいです。ただ、Alto Keys K98Mはキースイッチまでを含めて開発された製品だと思いますので、メーカーが提供する「心地よい打鍵感」を大切にするのであればキースイッチの交換までは考えなくていいのでは?と思います。

左:バックライト消灯、右:バックライト最大輝度
バックライト色はホワイトで、アプリ「Logi Options+」で明るさや点灯時間 (キーに触れない状態が継続すると消灯する)を調整できます。
底面です。樹脂素材で角度調整用のスタンド (脚)とLogi Boltレシーバーの収納ポケットがあります。この画像ではレシーバーが取り付けられていませんが、サイズ的に「なくしやすい」と思われますので、購入されたらすぐにこの収納ポケットにレシーバーを入れておきましょう。
角度調整は一段階のみです(脚を立てるか畳むか)。
脚を立てたところと畳んだところです。どちらがいいかはお好み次第ですが、私は脚を立てるほうが使いやすく、レビュー期間中は常に立てていました。

筐体に厚みがあるので、私はパームレストを使いました (Alto Keys K98Mにはパームレストは付属しません)。
上面と下面です。上面には電源ボタンと充電用のUSB Type-Cポートがあり、下面には何もありません。また、この画像を見ると筐体が半透明になっていて、UniCushionが透けて見えるのがわかると思います。
3. Logi Options+

Alto Keys K98Mに限らず、ロジクールのマウスやキーボードの多くは設定アプリ「Logi Options+」で各種設定ができます (一部の低価格品はLogi Options+には対応していません)。私は複数のロジクール製品を使っていますが、PCにこのアプリを入れておくだけですべての製品の設定が可能です 。
Alto Keys K98Mでは一部のキー (上の画像でハイライトされている上段のキーです)で細かい設定が可能です。
これはF4キーですが、初期状態では「バックライト」が割り当てられています。これを変更して「キーボードショートカット (例:Ctrl+C)」を割り当てたり、AIアクション、Smart Actions、その他のアクションを割り当てることができます。

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これはAIアクションの「AI Prompt Builder」の画面です。要するに「キーひとつでChatGPTを呼び出せる」ということです。
また、Smart Actionsというのはキーボードマクロで、例えば「電源を入れたらブラウザーのChromeが立ち上がり、ウインタブのWebサイトとFacebookとXが開き、画像加工ソフトのGIMPも立ち上がる」といった、少し複雑な操作を登録することができます。Smart ActionsはK98Mのほか、ロジクールの中上位モデルが対応しています。
その他のアクションではこのように非常に多彩な機能の割り当てが可能です。
Logi Options+ではこの他にバックライトの設定やEasy Switch (接続デバイスの切り替え)などができ、さらに「使用するアプリごとに異なる設定にする」ことも可能です。Alto Keys K98Mを活用する上で「Logi Options+の使いこなし」が重要になります。
4. 使用感
まず、打鍵音を確認していただくため、こちらの動画をご覧ください。
打鍵音の大きさは「メンブレンやパンタグラフなど、一般的なキーボードよりも大きい。静電容量無接点方式のキーボード (東プレのREALFORCEやHHKB)よりも大きい。一般的なメカニカルキーボードよりは小さい」です。決して「静音」ではありません。
ただし、打鍵の音質は心地良いものです。お好みもあるかとは思いますが、個人的には耳障りな高い音ではなく、抑制された音質と感じられ、打鍵音が大きくとも耳障りとは感じられませんでした。人によっては「ASMR」かもしれません。
配列に関しては「右のShiftキーが小さい」のが唯一引っ掛かりました。私はこのキーを多用しているので、使い始めのうちは右Shiftキーを押したつもりが上矢印キーを押してしまっていた、ということが頻発しました。数日経って誤押下はかなり減りましたが、今でもごくたまに間違えます。この点以外は全く不満はなく、テンキーつきながら横幅が抑えられた小さめのサイズ感も気に入っています。あとは手持ちのパームレストを使っていますが、メカニカルキーボードは厚みがあるものが多いので、使っていて違和感があるようならパームレストを用意するのもいいでしょう。
イマイチと感じられたのは「バッテリー持ち」ですね。特にキーボードバックライトの輝度を上げ、点灯時間を長く設定すると、思った以上にバッテリー消費が早くなります。Alto Keys K98Mは自宅や事務所などで据え置き型で使う製品だと思いますし、充電しながらでも使えますので、致命的な弱点とまでは言えませんが、私の手持ちのキーボードよりも頻繁に充電する必要がありました。
5. レビューまとめ
Logicool Alto Keys K98Mは2月26日の発売予定で、ロジクール公式ストアやAmazonなどで予約販売中です。2月17日現在の公式ストアでの価格は16,731円、Amazonでは16,900円 (ポイントを考慮すると実質16,731円)です。この価格はロジクールのメカニカルキーボードとしてはリーズナブルだと思います。
ロジクールにはゲーミングブランドの「Logicool G」があり、高性能 (応答速度が速い、ラピッドトリガー対応など)なメカニカル・ゲーミングキーボードも多数販売されていますが、Alto Keys K98Mはゲーマー向けの製品ではなく、メカニカルキーボードとしては抑えめの打鍵音と心地よい打鍵感を楽しめる一般ユーザー (ビジネスユーザー)向けの製品です。
また、Logi Options+で設定できるSmart ActionsやAIアクションはビジネスマンや学生さんにとって作業を効率化したり、作業のレベルを高めてくれると思います。
キーボードを実用品として捉える場合、1,000円のものでも問題なく使えます。それでもあえて値の張るものを選ぶ理由は、「入力という行為そのものを気持ちよくするため」です。PC作業においてキーボードは触れている時間が長い周辺機器だからこそ、その快適さに価値を感じる人にとっては、Alto Keys K98Mという選択は「正義」だと思います。
6. 関連リンク
2014年にサイトを開設して以来、ノートPC、ミニPC、タブレットなどの実機レビューを中心に、これまでに1,500本以上のレビュー記事を執筆。企業ではエンドユーザーコンピューティングによる業務改善に長年取り組んできた経験を持ち、ユーザー視点からの製品評価に強みがあります。その経験を活かし、「スペックに振り回されない、実用的な製品選び」を提案しています。専門用語をなるべく使わず、「PCに詳しくない人にもわかりやすい記事」を目指しています。
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