こんにちは、吟遊詩人です。今回は、HAYLOUのノイズキャンセリング付き・空間オーディオ対応ワイヤレスヘッドホン「S40」の実機レビューです。HAYLOU様にはレビュー用機材をご提供いただきました。この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。
吟遊詩人はオーバーイヤー型のワイヤレスヘッドホンを使用するのは今回が初めてです。これまでワイヤレスのオープンイヤーのイヤホンを使っていました。これ、非常に楽だったのですが、音漏れがかなりあるため、静かな環境では利用をためらっていました。本製品はオーバーイヤー型なので音漏れの心配はあまりなく、40mmと22mmという大型のドライバー搭載ということで、低音から高音域まで豊かな音場が期待でき、非常に楽しみでした。
・40+22mmのドライバーは効果絶大
・ノイズキャンセリングが驚くほど効果発揮
・バッテリー切れ知らず
ここはイマイチ
・有線接続時には24bit/96kHzで出力してほしい
・構造上やむを得ないが眼鏡と相性が悪いことがある
・長時間の着用では少し耳が蒸れる
1. スペック
ドライバー | 40mm + 22mm 同軸デュアルドライバー |
Bluetoothバージョン | 6.0 |
対応プロファイル | A2DP、AVRCP、HFP |
対応コーデック | AAC、SBC、LDAC |
Bluetoothマルチポイント接続 | 2台まで可能 |
稼働時間 | 最大90時間(ANCオフ) 最大60時間(ANCオン) |
バッテリー容量 | 650 mAh |
充電端子 | USB Type-C |
重量 | 350g |
カラー | ブラック、ホワイト |
製品寸法 | 長さ155×幅155×高さ215.7(mm) |
保証期間 | 2年 |
2. 付属品・筐体
外装のパッケージはこんな感じです。LDACとHi-Res、Bluetooth V6(?)のマークが印象的です。安っぽくなく、いい感じでした。配送時に少し外箱にダメージがありましたが、本体には全くキズなどはありませんでした。
同梱物はマニュアル、ヘッドホン本体、USBケーブル(Type-C⇔Type-C)、着脱式のマイクです。マニュアルは多言語版で日本語もサポートされています。本体でできることはマニュアルに(若干怪しい)日本語で書かれているので困ることはないです。
また、マニュアルと外箱の側面にスマホアプリのダウンロードリンク(QRコード)があるので、簡単にアプリを導入できます。地味ですが、ユーザーへの配慮が感じられます。
3. アプリ
設定
ひとまず、スマホでS40とペアリングを行います。やり方はマニュアルにある通り、ヘッドホンの電源を入れてスマホでBluetoothをオンにして「新しい機器とペア設定する」で接続する…、いわゆる「いつもの手順」です。接続出来たら、ダウンロードしておいたアプリを起動します。
初回起動時に「プライバシーポリシーに同意」と「ユーザ登録」が必要になります。ユーザ登録完了後に改めてログインします。機器の追加画面になりますので「HAYLOU S40」を追加します。
接続するとS40のステータス画面になります。ここでANC設定(アクティブノイズキャンセリング)を設定できます。吟遊詩人はアダプティブANCにしていますが、状況によって切り替えるとよいでしょう。
また、この画面でLDACの設定が可能です。LDACをオンにすると、ゲームモード、マルチポイント(同時2台)、空間オーディオは無効になります。オンにするとS40が自動的に再起動してLDAC接続になります。再起動も1秒もかからず、切り替え時に音楽を再生していなければ気になることはないスピード感です。
サウンド設定
上部の隣のタブに移動するとサウンドの調整ができます。基本音として「デフォルト」、「Bass」、「ロックンロール」、「ソフト」、「クラシック」が選べます。また、サウンドマーケットから「アコースティック強化」、「ソフトで没入感のある」、「低音の強化」、「ピュアボーカル」がデフォルトで使えます。マーケットという名称から、今後バリエーションが増えることが期待できます。また、どれもしっくりこない場合は、プラスマークを押すと10ポイントのイコライザを使って自分好みの味付けにすることも可能です。
ホワイトノイズ
下部の音楽タブに移動すると、ホワイトノイズを選べます。これらは環境音で、集中力を上げたりゆったりリラックスする際に使います。「風が強い」、「夜の鳥のさえずり」、「大雨」、「古いビニール」、「夜の森」、「葉」、「ビートの波」、「波」、「滝」が選べます(ちなみに「古いビニール」はレコードのことのようです)。
音楽を流すとつい聞き入ってしまったり口ずさんだりしてしまいますが、周囲の音を遮断したい人にはホワイトノイズはすごく効果的です。今まではYouTubeでそういう音楽を聴いていたんですが、途中で広告が入るんですよね…。このホワイトノイズがあればもう広告に邪魔されることなく、ずっと集中・リラックスできます。
空間オーディオ
空間オーディオはAndroid 13以降のバージョンであればBluetooth接続した際に選択できます。また、ヘッドホン側でも空間オーディオ処理を頑張っているようで、Android 12のスマホ(Xperia 5 Ⅲ)でも効果がありました。
空間オーディオは「目の前で歌っているような感じ」です。つまり右を向けば左耳側から音楽がよく聞こえ、反対に左を向けば右耳側から音楽がよく聞こえるというようになります。ライブビデオなどをみながら首を左右にゆっくり振れば本当にそこにいるかのような臨場感が得られます。
ちなみに、吟遊詩人は空間オーディオの設定はスタティックにしています。ダイナミックだとちょっと音が動きすぎるように感じ、落ち着かないです……。吟遊詩人は空間オーディオ初体験だったのですが、これ面白いですね!
職場のゲーマーに聞いてみたんですが、最近のFPSでは普通の機能らしく、ついてなかったら戦えないらしいです。吟遊詩人はゲームは「位置情報ゲームくらい」しかしないので、イメージはあまりわかないのですが、敵が接近してくる際に、その方向から音がするので素早く気付ける、ということらしいです。確かに、そうしたシーンでは非常に効果的だと感じました。
4. 実際の使用感
吟遊詩人が2週間がっつり使い倒した使用感ですが、「楽しく便利」です。集中したいときにはホワイトノイズを聞きつつ作業をして、音楽を楽しむ時にはイコライザで音に味付けをして堪能でき、あらゆるシーンで便利に使い倒しました。強いて言えば、オーバーイヤー型はある種の眼鏡と相性が悪いということでしょうか。
吟遊詩人はスマホを見るときには眼鏡をはずし(「おでこにかけておく」で伝わりますでしょうか?)PCを見るときには眼鏡をつけるという動きを常日頃します。その際、弦が柔らかく軽量なメガネとは相性がちょっと悪いです。ヘッドホンに耳が挟まれていて、眼鏡が思ったように動かせないです。
弦にしっかりと強度がある眼鏡だと困ることはないので「眼鏡との相性」とも言えるでしょう。あと、環境によりますが、耳が暑くなることも時々あります。ムレムレというほどではありませんが、ちょっと気になることがありました。
持ち歩きに関しては「耳から外して首にかけておく」か「折りたたんでカバンにしまう」かになると思います。折りたたむとコンパクトになりますが、そのままカバンにぶち込むのはちょっと気が引けるので、何かしら収納袋があるといいと思いました。吟遊詩人のようにオジサンレベルになるとさすがに首にかけて街中うろつくのは勇気がいりますw
5. 音質
物理的に大型のドライバーを搭載しているため、吟遊詩人がこれまで使用したヘッドホンの中で最強の音質、と言って過言ではありません。やっぱり低音は物理的にデカいと鳴りが違います。
また、ドライバーが同軸上に二つ付いているというのもかなり理にかなっていると思います。このサイズでデュアルドライバーとか正気か?というのを実現してくる技術力はすごいと思います。また、オーバーイヤー型なのも周りにそんなに音漏れしないという安心感もあり、ある程度ボリュームを上げて音楽の世界に浸れるのもメリットですね。
ただ、電車ではANCをオフにしておくことをお勧めします!!つい聞き入っているうちに乗り過ごしをしがちです。え?まるで実体験みたいな話だって?……朝の出社時なくてよかったとだけ言っておきます。
空間オーディオが使えることもライブの動画を見るときにちょっとうれしいです。また、PCで作業している際にも横を向くと音場の定位が変わるというのもスピーカーで聞いているみたいでちょっとうれしい。音楽を集中して聞いて音楽の中に入り込む場合には空間オーディオはオフにしていた方がどっぷり音楽に浸かれます。
有線接続については実用上さほど差はなさそうですが、一つだけ不満が残ります。ハイレゾ音源を名乗っているのに16bit/48kHzのモードでしか繋がりません。本体の性能はLDAC(24bit/96kHz)をしっかり鳴らせる実力があるのに、より帯域に余裕があるUSBの有線接続なのに、16bit/48kHzに留まるのは非常にもったいないと思います。
まあ、ケーブルが邪魔になりがちなので、あまりUSBでの有線接続をしないと思いますが、我が家のようにBluetoothの帯域が込み合っていて有線接続が確実というシーンもあると思うのでここは頑張ってほしいです。ファームウェアの更新とかでいけるんじゃないかと期待しています。
6. 操作感
ヘッドホンの操作性ですが、電源、ボリューム、ANCが独立ボタンになっているのは非常にうれしいです。電源ボタンはともかく、他のボタンは操作頻度が多い重要なボタンなので独立してついているのは便利でありがたい。オーバーイヤー型のヘッドホンということでサイズが大きく、ボタンを設置する場所があるから、ということですが、それをうまく活かしていると思います。
なお、イヤーカップの外側部分はタッチ操作になっており、音楽の一時停止、再開が可能ですが、触り方の問題か、時々反応が悪いことがあります。
7. 装着感
サイズの調整余地もあり、オーバーイヤー型なので特に重さを感じることもなく装着感は良好です。また、サイズ調整時に髪の毛が挟まるようなことも特にありませんでした。締め付け感というかフィット感も高くヘッドホンをつけて歩いたり小走りになった程度ではズレたりしません。
ANCが優秀だからといって、さすがにランニングには使わないと思いますが、ランニングマシンの上くらいならいける!と思います。ただ、汗まみれになって大丈夫かと言われるとダメそうなので、お勧めはしません。
8. バッテリー
相当持ちます。ANCのオン/オフでは消費電力はさほど変わらないように感じます。LDACに切り替えてもバッテリー容量が大きいおかげか、目に見えて消費が大きいとは感じませんでした。(多少は消費電力が増えているはず)
9. まとめ
HAYLOU S40はAmazonで販売中で、10月7日現在の価格は5,992円です(Amazonプライム感謝祭セール価格です)。価格は変動しますので、購入にあたっては下記のリンクボタンから価格を確認するようにしてください。
この価格でこの内容なら、オーバーイヤー型は初めて、という人にこそお勧めです。(吟遊詩人がそうです!)
特に大きな欠点は感じられず、唯一気になったのは長時間つけていると耳が暑いというくらいで、他は使い込んでいても、どんどん製品に惚れていくだけ…でした。空間オーディオは初体験ですが、非常に面白いと思いました。まあ、まだ実用性的な使い方というより面白がっているという感じですが…。また、ANCが相当効果的ですので、ホワイトノイズと組み合わせて外部から隔離して超集中したいという用途のためだけに買っても後悔しないです。
10. 関連リンク

▶ サイト紹介・ウインタブについて
コメント