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Fluentalk by Timekettle T1 レビュー - スマホ型翻訳機の決定版!無料のeSIM・画像翻訳・5モード搭載で旅先でも安心

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Timekettle T1 翻訳機 レビュー
Timekettleの翻訳機「Fluentalk by Timekettle T1」の実機レビューです。ウインタブでTimekettle製品のレビューをするのは今回が初めてではありません。直近だとオープンイヤー型イヤホンタイプの上位モデル「W4 Pro」とカナル型イヤホンタイプの「M3」をレビューしており、その翻訳精度や使い勝手の良さを高く評価しています。

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W4 ProとM3のレビュー記事はこちらです
Timekettle W4 Pro AI翻訳イヤホン レビュー - 翻訳イヤホンのハイエンドモデル、機能性に優れ、オープンイヤー型になってさらに快適に!
Timekettle M3 レビュー - 見た目はイヤホン、中身は高性能な翻訳機。海外とか「ガチ中華」で強力な助っ人に!

過去にレビューしたTimekettle製品は「イヤホンタイプ」でした(見た目は完全ワイヤレスイヤホンにしか見えない、という形状)。しかし、今回のレビュー機「T1」は「ミニサイズのスマホ」という外観で、ディスプレイやカメラを搭載しています。

ここがおすすめ
・5つの翻訳モードを搭載。会話や講演、画像の翻訳にも対応
・40言語、93のアクセントに対応
・認識精度・翻訳精度が素晴らしい
・eSIMを内蔵、2年間はモバイル通信が無料
・オフライン翻訳にも対応。言語パックも無料
・スマホアプリは不要、単体で使える
ここはイマイチ
・講演、映画や海外ニュースなど早口な外国語の翻訳ではラグが長め
・イヤホンタイプよりもサイズが大きい

1.スペック

スペック表

項目 仕様
OS Android 10
CPU 4コア ARM 12nm 2.0GHz
RAM 4GB
ストレージ 32GB
ディスプレイ 4インチ(1,080×540)
無線通信 Wi-Fi、Bluetooth, LTE
入出力 USB Type-C, nanoSIM, eSIM
カメラ 8MP
バッテリー 1,500 mAh
連続待受 3.5時間, スタンバイ96時間
サイズ 116.8×58.6×11.2 mm
重量 115 g

イヤホン型と異なる特徴

以前レビューしたイヤホンタイプの製品とは多くの相違点があります。

Timekettle T1 翻訳機 ディスプレイ

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まず(当たり前ですが)ディスプレイがついていますので、翻訳内容の表示をはじめ各種の操作はすべてFluentalk by Timekettle T1本体のみで完結できます。イヤホンタイプのように母艦となるスマホ及びスマホアプリは必要ありません。
Timekettle T1 翻訳機 画像翻訳

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また、本体背面に8MPのカメラを搭載しており「画像翻訳」が可能です。海外(あるいは池袋?)に行った際に看板を撮影すればそのお店が何を扱っているのかがすぐに分かりますね。また、標識を撮影すれば行き先に迷うこともない…かもしれません。個人的な経験なんですけど、以前韓国に行った際に、「町並みが日本によく似ている」「看板のデザインも日本に似ている」と思ったんですけど、私はハングル文字が1ミリも理解できないので「なんとなくわかるような気もするが、実は全くわからない」と、微妙に苛立ちを感じてしまいました。Fluentalk by Timekettle T1があればこのような苛立ちとはほとんど無縁かと思います。

Timekettle T1 翻訳機 データ通信

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それと、この点は非常に重要かと思います。Fluentalk by Timekettle T1は「2年間データ通信量が無料」なんです。eSIMを内蔵しているので、レビュー機を開封し、電源を入れたら自動的にモバイルデータ接続しました。上に「母艦スマホやアプリは不要」と書きましたが、データ通信も単体で可能なので、もはやT1の操作にスマホは全く必要ありません。

対応言語

Timekettle T1 翻訳機 対応言語

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Fluentalk by Timekettle T1の翻訳言語は「40」、また、アラビア語や英語、スペイン語などは複数のアクセント(例:アメリカ英語、オーストラリア英語など)にも対応しており、アクセントまで含めると「93」の言語(アクセント)の翻訳が可能です。

また、オフライン翻訳も可能です。ただし、言語パックのダウンロードが必要になり、販売ページでは8言語13組に対応とのことですが、本体のメニューを確認すると、以下の言語パックがダウンロード可能でした。実際にいくつかダウンロードしてみましたが、無料でした(イヤホンタイプの翻訳機の場合は一部のみ無料、あとは有料)。

中国語-日本語英語-日本語スペイン語-日本語日本語-韓国語日本語-タイ語、中国語-英語、中国語-フランス語、中国語-スペイン語、中国語-イタリア語、中国語-ロシア語、中国語-ドイツ語、中国語-韓国語、中国語-タイ語、中国語-アラビア語、英語-スペイン語、英語-フランス語、英語-イタリア語、英語-ロシア語、英語-ドイツ語、英語-韓国語、英語-タイ語、英語-アラビア語、スペイン語-フランス語、スペイン語-ドイツ語、スペイン語-韓国語、スペイン語-イタリア語、ロシア語-フランス語、ロシア語-韓国語、ロシア語-イタリア語、韓国語-タイ語

世の中には非常に多くの言語があるので、オンライン翻訳、オフライン翻訳とも「これで十分」と断定はできませんが、世界の隅々まで出張するようなお仕事の人でもなければこの翻訳ラインナップで問題ないかな、とは思います。あとは読者の皆さんのニーズに合わせて評価していただければ、と思います。

2. 翻訳モード

外観と使用感の前に「翻訳モード」について説明します。

Timekettle T1 翻訳機 ワンタップ翻訳

まず、「ワンタップ翻訳」です。スマホのようにFluentalk by Timekettle T1を持ち、ボタンを押しながら母国語を話すとT1が外国語に翻訳してくれる、というものです。このとき、画面には母国語と外国語が表示され、(翻訳後の)外国語の音声も流れます(音声はOFFにすることもできます)。

Timekettle T1 翻訳機 聴講モード

聴講モードは講演や授業の音声をリアルタイムで翻訳するものです。例えば講演を聴く際はボイスレコーダーのようにデスクあるいはテーブルの上にT1を置くだけです。

Timekettle T1 翻訳機 チャット翻訳

チャット翻訳は1対1の会話を想定した使い方です。この画像にあるように2人の中央にT1を置き、交互に会話する感じですね。

Timekettle T1 翻訳機 画像撮影翻訳

T1はカメラを搭載しています。このカメラを使って写真を撮影し翻訳する、というもので、Google Lensの翻訳機能に近い機能です。

それともう一つ、「道案内モード」というものがあります。これは「独立したモード」というよりは「ホーム画面のボタンを押すと、外国語の定型メッセージが大きく画面表示・音声出力され、道案内を頼みやすくする」というモードです。

さらに、T1にはディスプレイ付き翻訳機ならではの機能もあります。「世界時計の表示」「為替レートの表示」「SOSボタン - 各国の緊急電話(警察・救急・消防)を一覧表示してくれる」といった機能で、「ボイスメモ(翻訳ではなく、単に音声を録音してくれるもの)」もついています。

3. 外観

Timekettle T1 翻訳機 箱

箱です。Timekettle製品は非常に凝ったパッケージが使われていることも多いのですが、Fluentalk by Timekettle T1の箱は割と普通でした。しかし、画像右下の青い紐を引いて箱を開ける仕組みになっていて、開封時にはちょっとワクワクします。

Timekettle T1 翻訳機 同梱物

同梱物です。画像左が本体、本体から右に充電用のUSBケーブル、ストラップ、SIMピンが取り付けられた台紙、そして取扱説明書です。取扱説明書は日本語を含む多言語で書かれていました。内容は親切ですが、T1はかなり機能豊富な製品なので、もう少し詳しくても良かったように思います。…まあ、個々の操作はそれほど難しくはないので「使いながら覚えろ」ということでいいんでしょう。実際私はそれほど困りませんでした。

Timekettle T1 翻訳機 前面

前面です。まるで小型のスマホ、という感じで液晶画面があります。3つの画面があり、左右にスワイプして切り替えます。スマホを使える人なら問題なく操作できると思います。メニューの文言もわかりやすいですし。

Timekettle T1 翻訳機 背面

背面です。素材はおそらく金属だと思います。筐体色は濃いシルバーで、ちょっと高級感もあります。…そしてなんと、翻訳機なのにカメラがあるんですよね。

Timekettle T1 翻訳機 下側面

こちらは下側面。画像左からマイク、USB Type-Cポート、スピーカー、ストラップホールです。

Timekettle T1 翻訳機 上側面

上側面です。左右にある穴はマイクです。

Timekettle T1 翻訳機 右側面

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右側面にはボタンが3つ。画像左から「母国語ボタン」「外国語ボタン」「電源ボタン」です。電源ボタンは長押しで電源のオン/オフ、短押しで画面のオン/オフ、二度押しで「道案内モード」が起動します。

例えば私がT1を「日本語を母国語に、英語を外国語に」に設定した場合、母国語ボタンを押しながら日本語を話すと、画面に英語訳が表示され、スピーカーから該当する英文が流れます。

また、この状態で英語話者が外国語ボタンを押しながら英語を話すと、画面に日本語訳が表示され、スピーカーからが応答する日本文が流れます。

Timekettle T1 翻訳機 左側面左側面です。画像左に音量上下ボタン、その右にSIMスロットがあります。

4. 使用感

Timekettle T1 翻訳機 レビュー

トップ画像を再掲します。一般的なスマホよりも「二回りくらい小さい」感じで、手によく馴染みます。イヤホンタイプとは明らかに異なりますが、個人的にはイヤホンタイプよりもこの形状のほうが好みですね。

翻訳を試してみました。

Timekettle T1 翻訳機 ワンタップ翻訳

まずは最も使用頻度が高いであろう「ワンタップ翻訳」から。これが「T1のデフォルトの翻訳機能」と言ってよく、画面OFFの状態から右の「母国語ボタン」「外国語ボタン」のいずれかを押すと画像左の画面が表示されます。画面の上部に「英語」「日本語」とありますが、ここで使いたい言語を選択できます。

画像左は「母国語ボタン(「日本語を話す」と書いてあるボタン)」を押しながら「新宿駅に行くには、どの電車に乗ればいいですか?」と話したところです。正しく英語が表示され、スピーカーからその英語を読み上げてくれました。タイムラグ(日本語を話してから英語に翻訳されるまでの時間)は「ほとんど無視してもいい」くらいの短さで、全くストレスはありませんでした。

あと「明日は寒いので、コートを着て行ったほうがいいですよ」と主語を省略し、時制も曖昧にして話してみたのですが「It’s going to be gold tomorrow, so you’d better wear a coat.」ときっちり訳しましたね。

何パターンか日本語で日常的に使われるようなことを喋ってみましたが、ことごとく正確に翻訳してくれました。ただし、方言はダメです。「今日はなまら暑いんでないかい?(北海道弁)」と話したら「Isn’t it really hot today?」と正確に訳せましたが「今日はなまら暑いべや」と話したら「It’s very hot room today.」と誤訳しました。まあ「なまら=very」を理解できたのは素晴らしいと思いますけどね。あと「したっけ」とかもダメでした。

私は関西人ではないのですが、エセ関西人として「そのゴミ、ほかしてくれへん?(自然な表現かどうか自信はない)」と話したら「Please give me some of that trash.」と、これまた失格です。

とはいえ、標準語を使うぶんには問題ない、というか「とても頼りになる」翻訳精度です。購入されたら、ご自身のお国言葉をどのくらい理解できるか遊んでみるのもいいと思いますw

Timekettle T1 翻訳機 道案内モード

独立した翻訳機能ではありませんが、「道案内モード」というのもあります。ホーム画面にある「道案内モード」のボタンを押すと、このような画面が表示され、音声出力されます。つまり、道に迷ったときに通行人にこの画面を見せて、道案内してもらう、という仕組みです。

この画面、デフォルトでは英語ですが、他の言語にすることもできますし、文面を編集することもできます。で、この画面を見せたら、あとは「ワンタップ翻訳」の画面に移動して道を尋ねる、という格好になります。

Timekettle T1 翻訳機 チャット翻訳

次に「チャット翻訳」を試してみました。こちらは翻訳精度はおそらく変わらないと思いますが、このような表示に変わります。この画像だと、左側にアメリカ人、右側に日本人が座り、中央の再生ボタンを押してそれぞれの母国語を話すと相手の言語に翻訳される仕組みです。

ワンタップ翻訳が「通行人に道を尋ねる」とか「飲食店でメニューについて質問する」「駅で駅員さんと話す」などの「短時間の立ち話」に向くのに対し、チャット翻訳は「特定の相手とじっくりコミュニケーションを取る」ような使い方に向きます。

Timekettle T1 翻訳機 聴講モード

続いて「聴講モード」です。レビュー期間中に外人さんのスピーチを聴く機会はありませんでした。急用で帰省し、90歳代の両親の小言(スピーチともいう)を聴く機会はありましたけどね。なので、YouTubeでCNNニュースを「聴講」してみました。

CNNニュースはノンネイティブにとっては話すスピードが高速ですよね。T1もCNNニュースを正確に全文翻訳することはできませんでした。勝手に端折るような振る舞いをしましたね。なので、少なくともCNN用としてはT1は実力不足と評価します。

一方でこの動画(アメリカの人気スーパーでリアルな英会話!使える英語表現ばかり )を聴講したところ、かなり満足度が高い翻訳精度でした。ただし、上で試した「ワンタップ翻訳」「チャット翻訳」と比較すると翻訳のタイムラグは長かったです。つまり「精度は合格点をあげられるが、動画を観ながらリアルタイムで翻訳を見るのは厳しい」です。よって、「字幕のない外国映画を、T1で翻訳しながら観る」というのは実用的とは言えません。

また、リンクした動画で、演者がお店に入ったら一面に花があって「All the flowers!」と話す場面があったのですが、T1はこれを「すべての花」と訳しました。…まあ正解ではあるんですが、「わぁ、お花がいっぱい!」と訳してほしかったところ。…T1はYouTubeの画面を認識していないので、これは無理な注文だと思いますけどね。

Timekettle T1 翻訳機 画像撮影翻訳

Fluentalk by Timekettle T1の目玉機能、というかイヤホンタイプでは無理な「画面撮影翻訳」を試してみました。ちなみにT1のカメラは「翻訳専用」です。普通に写真をとることはできますが、プリントアウトしたり、SNSに投稿したりはできません(T1はUSBケーブルでWindows PCとデータ接続できますが、なぜか画像データは対象外です)。

台湾旅行記2023

これは一昨年台湾に行った際にフードコートで撮影したメニュー写真です。これを画像撮影翻訳してみました。

Timekettle T1 翻訳機 画像撮影翻訳

うーん、これだとかなり見にくいですね。画面をピンチして拡大できますが、解像度は上がらないので拡大しても見にくいままです。

Timekettle T1 翻訳機 画像撮影翻訳

クリックで拡大します

元画像を拡大し、それを撮影したのがこれです。かなり見やすくなりました。翻訳精度についてはよくわからないのでAIアシスタントに判定してもらったところ「割と正しいが、『蝦仁煎はエビ入りオムレツのことで、エビフライではない』『綜合煎はミックスオムレツであり、ミックスフライではない』『小籠湯包は小籠包のままでいいのではないか。スープ餃子というのは誤訳気味』」との評価でした。また、Google Lensを試してみたところ、「わからないものは無視」され、上の画像のうち5つのメニューのみが翻訳されましたので、精度については「痛み分け」という感じです。

他の画像で「縦書きは正しく認識できなかった」という点も気になりました。アジア圏では縦書きの看板も珍しくないので、この点はイマイチですね。ただし、「横書きの標識」の場合はまずまずの精度でした。

5. レビューまとめ

Fluentalk by Timekettle T1はTimekettle公式サイトやAmazonで販売中で、6月25日現在の価格は公式サイトで43,980円、Amazonでは43,999円です。

出張や旅行用として、また仕事や勉強用として手軽に持ち運べる翻訳機ならTimelettleがベストだと思いますが、イヤホンタイプにするか、それともT1のようなスマホ型(スタンドアロン型)のほうがいいのかはお好みによります。ウインタブでは両タイプを試していますが、翻訳精度そのものは「どちらもTimelettle品質」なので、体感できる差はないと判断しました。あとは使い勝手の面で、T1の場合は

・2年間モバイルデータ通信が無料
・オフライン翻訳用の言語パックが無料
・カメラを使っての画像翻訳が可能

といったメリットがあり、イヤホンタイプの場合は

・スマホアプリを使えるので、イヤホンだけ持ち歩けば良い
・翻訳に使わないときは音楽用イヤホンとしても使える

といったメリットがあります。なので、「お好み次第」ではありますが、個人的にはT1のほうが好ましいと感じました。画面がついていて単体で使える、というのはやはり便利で、旅行先などでもポケットからサッと出して使える、というのは素晴らしいと思いました。イヤホンタイプのほうが便利そうに思われますが、実際には単体で使えるT1のほうが圧倒的に素早く使えます。いちいちスマホを出さなくていいですし、アプリの起動も不要ですから。

6. 関連リンク

執筆者:ウインタブ
2014年にサイトを開設して以来、ノートPC、ミニPC、タブレットなどの実機レビューを中心に、これまでに1,500本以上のレビュー記事を執筆。企業ではエンドユーザーコンピューティングによる業務改善に長年取り組んできた経験を持ち、ユーザー視点からの製品評価に強みがあります。その経験を活かし、「スペックに振り回されない、実用的な製品選び」を提案しています。専門用語をなるべく使わず、「PCに詳しくない人にもわかりやすい記事」を目指しています。
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