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Cystereo LAVAの実機レビュー ー ANC付の高コスパヘッドホン

Cystereo_LAVA_main
まいど。ひつじです。今回はCystereoの「LAVA」というヘッドホンをレビューしたいと思います。この製品、メーカーは前述の通りなのですが最近は「Vankyo」という会社が製品販売をしているようです。

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Amazonでも他のCystereo製品の販売ブランド名が「Vankyo」になっていたり、そうでなかったりしています。Cystereoはご存じなくてもVankyoをご存知な方は多いのではないでしょうか。

さて、このLAVAですがANC(ノイズキャンセリング)搭載のヘッドホンです。更にapt-X HDとAACにも対応しておりコーデック面でも優秀。カタログスペック上はとても「最安6,000円で入手できる」製品には思えません。今回、音質等を中心に正直にレビューします。

なお、この製品はCystereoよりご提供頂いております。ありがとうございます。

1.注目ポイント

Cystereo LAVAの良い点と気になった点は以下の通りです。

良い点

・価格度外視で優秀なカタログスペック
・イヤーパッドの質感が良い
・装着感が良好
・低音の量を設定可能(無線接続時のみ)
・価格以上に質の良い外観
・ANCを有効にしている場合に癖が少ない音質
・有線ケーブル接続時でもANCを使用可能
・折りたたみ可能で持ち運びに便利

気になった点

・ANCが有効かどうかで音質が変わる
・有線接続時、電源OFFで音質が低下する
・良くも悪くも「音作り」が上手いタイプ

2.スペック

ドライバ:40mm
周波数応答:20Hz-20KHz(Bluetooth接続時)/ 20Hz-40KHz(有線接続時)
マイク:右側1箇所(通話用)・5箇所(ANC用)
チップセット:QCC3034+YAMAHA ANCデジタルオーディオシステム
防水性能:IPX5
Bluetooth規格:Bluetooth 5.0(AVRCP、A2DP、HFP、HSP)
対応コーデック:apt-X /AAC/ SBC
バッテリー:1,000mAh
充電時間:約1.5時間
再生時間:最大40時間(ANC ON) / 最大60時間(ANC OFF)
充電端子:USB Type-C
マルチペアリング:2台まで可能(有線接続時は不可)
サイズ:220mm×180mm×26mm(手採寸のため概算)
重さ:約290g
価格:7,999円(Amazon)
※4月30日現在2,000円OFFクーポン配布中

3.筐体

本体を除く付属品は以下の画像の通りです。説明書類(日本語版と英語版は別に作成されています)、USB Type-Cケーブル、3.5mmオーディオケーブル、キャリーバッグが同梱されています。
Cystereo_LAVA_temp

なお、バッグはメーカーロゴなども無く内部も非常にシンプル。ケーブルを収納できるポケット等はありませんがこの価格帯できっちりとしたバッグが付属しているだけでも非常にありがたいところですね。
Cystereo_LAVA_case

本体は以下写真をご参照ください。各部説明もキャプションで記載しています。

Cystereo_LAVA_front

本体正面。シンプルのヘッドホンですね。

Cystereo_LAVA_swi

スイーベル機構もあって持ち運びにも便利。

Cystereo_LAVA_pad

イヤーパッドは合皮のようですがプロテイン生地を採用しており装着感も良好です。

Cystereo_LAVA_side

横から見たデザイン。ボタンなどを除き左右に意匠の差はありません。

Cystereo_LAVA_side2

わかりにくいかと思ったので拡大。メタル調でかつ旋盤加工風の処理がされています。

Cystereo_LAVA_band2

バンド部分は金属製。何気ないですがここで高級感の違いが出るんですよね。

Cystereo_LAVA_band

ただ驚いたのは裏側はちゃんとプラスチックが貼ってある点。気配りがすごい。LR表記も内側にあります。

Cystereo_LAVA_usb

左側エンクロージャーに充電用USB Type-C端子があります。

Cystereo_LAVA_botton

右側には電源ボタン(再生ボタンと兼用)、ボリューム上下、3.5mmステレオミニジャック、LED、ANC切替ボタンがあります。

4.使用感

装着感

イヤーパッドの質感が非常に高いですね。プロテイン生地を採用しているようです。合皮感特有の「表皮の薄さ」は感じますが肌触り等はラムスキンレザー等を上手く再現しているように思います。

また、ヘッドバンド部の作りも良好。よくヘッドホンだと髪を挟んで脱着時に数本抜けてしまう、みたいなことってあると思うのですがこの製品レビュー中には1度も経験していません。

髪の長さ等も関係するかもしれませんので「参考程度」としておいて欲しいのですがストレスフリーな点は非常にありがたいですね。

側圧はやや感じられる程度でそこまで強くありません。勿論頭を激しく振ったりするとズレてしまいます。普通の徒歩ならOK、寝ながらの使用やランニングはNGといったところでしょうね。

操作感

電源長押しでON/OFF、短く押せば再生/一時停止、ボリュームボタンは長押しで曲送りとオーソドックスな構成です。また、音楽再生中のみノイズキャンセリングボタンを長押しすることで低音の量を3段階切り替え可能です。(ノーマル・低音削減・低音増強)

個人的に絶妙だったのがボタン同士の距離感。ちゃんと手元が見えない状態で操作する前提で設計されているのがよく分かります。筐体のカーブ部分とボタンの距離の関係性が良く、押し間違いせずに狙った操作が自然に出来るんですよね。

「ボリュームを調整したいときに親指を置いたらちゃんとボリュームの上下ボタンの位置が同時に分かる」とか「再生や一時停止はヘッドホンのヒンジ近くの一番分かりやすい場所のボタン」だとか、あるいは「ノイズキャンセリング機能は切り替えを多用しないから、やや他のボタンから遠い位置にある」みたいな設計が非常に優秀です。

機種によっては操作の度に目的のボタンを探すこともあるかと思いますが、LAVAに関しては最初に数回触った以降そういったことはありませんでした。

音質

ANCを「有効」にし、低音量を「普通」の設定にしている場合、無線接続あるいは有線接続+電源ONであれば、ボーカル音域も強調した僅かなドンシャリタイプに区分されるかと思います。中低域は暖色系のサウンドで聴き心地が良いタイプですし、ドンシャリと言っても極端な音作りがなされているわけでもないので万人受けすると思います。

使用直後は中域の一部音域(おそらく1500Hz付近)でのディップやダイナミクスの揺らぎが目立っていたのですが、20時間ほど使用したら気になることは無くなりましたのでご安心を。

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低域はANC有効時に一定以下の周波数帯がカットされている気がしますが実使用上問題はありません。空気を押し出すような弾力感のある表現をしますね。ノリ良く楽しみたいならばいい表現だと思います。

ANCを無効にした場合、低音が増える様子があります。これは低音量の切り替え以上の変化があるな、といったところ。パーカッションが多い楽曲だと低音が飽和気味になるのでこの点が気になる方はいると思います。

それとは別にリップロールや吐息等だけを単体で聴いた場合に籠もり感のある付帯音を感じるシーンがありますね。この音域は楽曲中だとボーカルの声の要素の一部に含まれますが、ボーカルソロ等で声をはりあげるシーンでもやや詰まった感じにもなるので、そもそも音作りとして目立たないよう抑え込んでいる「苦手」な箇所なのだろうと思います。

中域は前述のディップが目立たなくなった時点で「ボーカルが前に出るタイプ」の調整がなされている以外目立った癖はないですね。低域に比べ音の立ち上がりが明確。わずかに上擦りする感じはありますが、そこも含めて張りのある描写が楽しめると思います。

高域はBluetooth有効時でもよく伸びています。量は多いですが音調として目立った癖などもありません。中域の張りの良さと相性が良く、解像度等も必要量はきっちり確保しているので価格を度外視したとしても不満の出ないだけの質を備えていると思います。優秀だと思います。

定位は「やや耳の傍で音がなる」傾向がありますね。空間表現は比較的コンパクト。また、音域にもよるのですが基本的にピントがはっきり合うタイプではありません。ボーカルの位置が近い感じはしますが、他は大枠でおおよその位置を捉えるようなタイプです。ただしこれは悪いポイントではなく、ピントが甘い分楽曲側の「粗」もマスクしてくれるので聴き心地の良さに一役買っています。

外音を意図的に取り込むアンビエントモード有効時はやや空間が広がったような印象を受けますね。外音が混じることでそう感じるのかもしれません。

ここまでは電源がONの時の音質を評価しています。有線接続時も電源ONでANCを併用可能(Bluetooth関係の機能はマルチペアリング含め使用不可)なのですが有線接続でかつ電源OFFにした際の音質は実用品相当、というのが率直な印象。かなりバスドラムやベースライン付近の低域の主張が強くなるのですが籠もりが非常に強いです。この籠もった低域を除けば中高音域は悪くない表現なのですが…。

電源OFF時の有線接続は「バッテリーが切れた場合でも一応使える」位のニュアンスで捉えておくほうが良いかと思います。

総括すると楽曲の生々しさ、みたいなものを表現するのはやや苦手ながらピアノとボーカルだけのセッション等をBGM的に聴く場合にはとてもマッチするヘッドホンだと思います。音作りもモニター的というよりは万人がノリ良く楽しめるような方向感ですね。一方で極端にシンプルな楽曲を聴き込んでしまうとヘッドホン側の音作りで隠されていた苦手部分を感じるシーンもわずかにあります。

上手く調整されているため「音楽だけに没頭して分析する」みたいな用途にも使えますが、基本的にはイージーリスニング用。その前提であれば価格を超えた上質感を感じられる良い製品だと思いますし音質も大満足といったところです。遅延も小さいので音楽ゲームやアクションゲームをしないならば映像の視聴等にも使い出があると思います。

色々辛めに書いている部分もありますが、少なくとも電源ON時の音質は「クラスを超えている」という評価をして良いと思います。

ANC(ノイズキャンセリング)性能

ANC特有の圧迫感のようなものを殆ど感じないのが美点です。非常に効き方がナチュラルで不快感が殆どありません。にも関わらずノイズキャンセリング性能そのものも優秀で、有名メーカーのものと比べても遜色なくノイズを遮断してくれます。この圧迫感の少なさと効きの良さの両立は掛け値なしに良いと思えるポイントですね。特に風切り音等の一部の環境ノイズの除去はかなり得意としているのかな、とさえ思います。

人の会話等、必要な外音を選択的に拾うという点は有名メーカーの方が得意なのかな、と思う部分はありますが、私個人としては外音を遮断したくて音楽を聴いているタイプでもあるのでこれくらいの方がかえってありがたいかもしれないです。

なお、外音を意図的に取り込むアンビエントモードはホワイトノイズがやや目立ちます。実使用上弊害はないのですが、音質評価でも記載した「ANCモードON/OFFで音質が変わる」理由はこの辺りとも関係するのかな、と少し思ってしまったり。そうであればいずれこの点は解消してくれると嬉しいな、と思っています。

また、ANC使用における制約が少ないのも魅力的ですね。有線接続でも併用が可能というのはありがたいです。勿論音楽再生をしていなくてもANC機能単体で使用が可能です。

接続品質

大阪はご存知の通りの時勢なので外出してのテストが満足にできていない点はご容赦ください。手持ちのapt-X HDの製品と比較した場合、このコーデックを採用している製品としては一般的な接続品質を有していると思います。厳密にテストまでは出来ていませんが自宅で使用する限り、手元にあるスマートフォンやパソコンと接続している限りにおいて途切れることはありませんし、4m~5m程度の距離をとっても接続は問題なく維持できています。

この強度であればターミナル駅や繁華街などの人が多い地域での使用を除けば特に接続品質上の不満は出ないかと思います。

音漏れ・遮音性

遮音性はANC機能の存在もあってかなり優秀な部類です。ANCを考慮しない場合でも密閉型ヘッドホンとしてはパッドの密着性が高いこともあり「やや良好」になるかと思います。この点はヘッドホンとしての見た目から期待される基準はクリアしていると言っていいでしょう。

音漏れについては常識的なボリュームであれば「満員電車の横の人には電車が止まったタイミングで少し聴こえるかも」位。こちらは密閉型ヘッドホンとして一般的~多少漏れる位、に区分されるかと思います。ただANC機能の恩恵でボリュームを大きく取らずともちゃんと音楽は聴こえるので使い勝手上の問題は特に無いと思います。

バッテリー持ち

本体が届いてから1日がっつり使っても警告すら出ず、2日になってようやくバッテリー残量低下警告が出た、といったところ。マルチペアリング状態で恐らく合計10~15時間程度は使用していたと思います。正直日をまたぐレベルでバッテリー持ちが良いせいで明確な検証が困難な位です。不満はまず出ないはずです。

5.まとめ

Cystereo_LAVA_box
Cystereo LAVAはAmazonで7,999円で発売されています。加えて5月2日現在、製品ページに2,000円OFFクーポンがありましたので実質6,000円程度で購入可能です(5月31日まで)。ヘッドホンそのものが持つ本来の特性を上手く料理して良い音に仕上げたタイプの製品だと認識していますが、その点が気にならないならば非常に良質な製品だと感じました。

少なくともこの価格で大手メーカーに遜色のないANC性能を持ちつつ、価格以上の音質を提供してくれる製品です。また装着感も非常に良いので「初めてのANCヘッドホン」だけでなく、「プロジェクター等に合わせるために複数のANCヘッドホンを持っておきたい」みたいな用途にも好適だと思います。

また、仕事のお供としても非常に良いと思います。マルチペアリングに対応しANC機能に不快感もありません。更に音質も「ながら聴き」用途としては望外に良い質なので、不満を覚える要素は殆ど無いでしょう。

個人的にはこの価格ならば複数台持ってもいいかな、と思っています。友人が来たりした時にも色々使い出がありそうだな、と思っています。

読者の皆様のみならず、ウインタブライターの皆にもオススメしたいところです。笑

6.関連リンク

Cystereo LAVA ワイヤレス ヘッドホン:Amazon

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