こんにちは、natsukiです。次々と新製品の投入されるドローン業界ですが、ここ最近にBanggoodで発売がはじまったラインナップには、単なる性能アップではなく、とても個性的な製品がそろっています。個人的にも、「こんなものがあるのか!」と非常に気になるものばかり。ドローン初心者向けののものから、上級者向けのものまで、完全に私の好みでのチョイスとなりますが、紹介してみたいと思います。なお、ここで紹介する機体は、ひとつめの「JJRC R010」以外は「本体のみ」のもので、操縦には、別途、操縦機やゴーグルが必要になります。そのあたりについては、過去の記事などをご覧ください。
目次
1.「JJRC R010」― 再販開始!拡張性・発展性バツグンの格安入門トイドローン
おやおやおや、なぜこいつが今になって? 4年前のトイドローンが、なぜか再販。まあ、ぶっちゃけ在庫処分でしょう。しかし、この機体は名機中の名機で、初心者の訓練用には、今なお最適な機体なんです。初めて飛ばすドローンとしてもいいし、また、FPVドローンへの改造も簡単。こだわり出せば、ファームウェアを入れ直してアクロバティックな飛行すら可能という、恐るべき拡張性を持つ機体です。ちなみに、「JJRC R010」「redpaws R010」「JJRC H67」「Eachine E011」どれも、微妙な違いはあるものの、ベースは同じものです。これも、いちおう製品名は「JJRC R010」ながら、製品画像には堂々と「redpaws R010」って書いてあって、区別する気はなさそう。
どういうものかといえば、要するに、「高度維持機能」のない「アングルモード」で飛行するトイドローンです。高度維持機能がないことで操縦難度は高まりますが、FPVドローンを飛ばすなら基本的な操縦モードのため、だからこそできるだけ安い実機で十分に訓練したい。お値段は、付属バッテリーの数によって異なりますが、最大でも2,000円以下に収まる激安価格。トイドローンの最廉価機体であるEachine E010と、特性はほぼ同じの完全上位互換機で、しかも価格があまり変わりません。Eachine E010と比較した場合のメリットは、以下の通り。
・716サイズブラシモーターで(Eachine E010は615サイズ)、多少の風も平気。屋外でも十分飛ばせる。
・FPVカメラを積んでも、余裕の運動性能。
・操縦プロトコルが、マルチプロトコル操縦機ならまず間違いなくバインドできるBayang。(製品付属の操縦機は技適無し)
・専用のツールを使えば、汎用ファームウェア「Silverware」を導入可能で、その場合はアクロ飛行も可能。
FPVドローンへのステップアップを見据えるなら、VTX(映像送信機)付きカメラ「Eachine TX06」とセットで買っておくのがおすすめ。こいつをはんだ付けするだけで、FPVドローンに早変わり。716サイズモーターなので、このくらいの重量増は余裕です。なんと、合計3,000円台でFPVドローンが手に入ってしまう。
ともかく、安い。バッテリー1つなら16.99ドル(1,881円)、3つで17.99ドル(1,992円、5月25日時点でタイムセール中)。しかもドローン操縦の練習機として、まったく色あせない機体です。この価格ならクラッシュしまくっても惜しくないし、手軽に思い切った改造もしやすい。付属の操縦機は技適の問題だけでなく性能的にもダメダメと思われますが、ちゃんとしたマルチプロトコル操縦機を使えば、練習次第でそうとうに精密な操作も可能。カメラのなんやかんやがめんどくさければ、目視飛行でも十分に楽しめる飛行性能があります。入門機として、その後も習熟に応じていじくり回して遊べる機体として、とりあえず1台は買っておいて損のない機体です。私も、この同型機を使い倒してドローンのいろはを学びました。すでに同型機を3台持っているんですが、もう1台補充しとくかなぁ(笑)
JJRC R010:Banggood
2.「URUAV UZ80」― 1Sバッテリーで高い運動性能を堪能できるToothpick FPVドローンキット
こちらは、「Toothpick(つまようじ)」と呼ばれる、プロペラガードのないタイプのFPVドローンです。プロペラガードがないので、当然、屋内での飛行にはあまり適さず、屋外の十分な広さがあるところでの飛行を想定した機体です。
このようなToothpick機は、サイズの割に非常に高い運動性能を持っています。ただし、従来の機体は、2Sバッテリー以上のバッテリーを使うのが一般的で、1Sバッテリーで十分に飛ばせるToothpickは、すでに終売の「BETAFPV HX100 SE」くらいのものでした。このURUAV UZ80は、現在の技術水準で1Sバッテリーで十分な運動性能を持つ機体となっています。1Sバッテリーと2S以上のバッテリーでは、その管理のめんどくささに雲泥の差があるということは、たびたび書いてきたとおりです。Toothpickがこれだけ手軽になるとは、技術の進化を感じさせます。
1点、注意なのは、これ、完成品ではなく「キット」です。つまり、自分で組み立てなくてはいけません。ただし、はんだ付けは不要なのでご安心を。組み立て式なのは決してマイナスではなく、むしろ、メンテナンスに必須なFPVドローンの基本的な仕組みを知ることができます。
価格も、95.99ドル(10,629円)と、リーズナブル。実はウインタブでも、割引クーポンを発行してもらっているんですが、すでに限定数オーバーのようです。ただ、ポイントがあれば、クーポン以上に割引が効くのを確認しています。飛ばす場所のあてさえあれば、是非1機は持っておきたい機体です。なお、よく見ると、構成部品自体は、旧来のドローンで使われていたものがほとんど。このUZ80をモデルに、自分で組んでみるというのも楽しそう。
URUAV UZ80 DIY Toothpick FPV Racing Drone:Banggood
3.「Flywoo Firefly Hex Nano」― ヘキサコアで、まさかのGPS付きバージョンもあり
見た目からしてインパクトのあるこれは、2重の意味で、非常に興味深い構成の機体です。まず、ひと目見て分かる、ヘキサコプター。なんと、モーターが6つもついています。おかげでペイロードには、かなり余裕があるようで、ドローン用小型アクションカメラの搭載も余裕そうです。
それから、GPS搭載バージョンがあります。操縦者からの比較的正確な距離を測定したり、電波が途絶えたら勝手に出発点まで帰ってきたり、といったことが可能です。面白すぎる。ただし、GPS搭載版は、ファームウェアがINAVというもので、いつものBetaflightではないので、要注意。
Toothpick形状なんで、飛ばす場所を選びますが、いちおう、別売でプロペラガードもあります。うーむ、どんな飛びなのか、気になる。ただ、バッテリーは4Sなので、4Sバッテリーを扱える中級者以上向けの機体ですね。価格は、構成によって変化するものの、おおむね1万円台後半と、4SバッテリーのToothpick形状FPVドローンとしては安価な部類。GPS追加バージョンはプラス15ドルといったところです。
Flywoo Firefly Hex Nano:Banggood
Flywoo Firefly Hex Nano INAV(GPS搭載バージョン):Banggood
Flywoo Firefly Hex Nano Spare Part 2 PCS Propeller Protective Guard(プロペラガード):Banggood
4.18650リチウムイオン電池で、長時間飛行が可能なFPVドローン2種類
「18650リチウムイオン電池」とは?
これは興味深い! 18650リチウムイオン電池とは、電子タバコや強力なLED懐中電灯などによく使われる、サイズの割に高容量の電池です。一見単三電池のようですが、サイズはひとまわりデカい。昨年あたりから、その18650リチウムイオン電池を使って、スタミナ抜群のFPVドローンを作れないかという一部のドローンユーザーの試みが、注目を浴びていました。そして、ついにその成果を製品化したものがいくつか発売されたんです。
その飛行時間は、公称15分! 通常のFPVドローンがせいぜい4分なのを考えると、これは驚異的。もっとも、18650リチウムイオン電池は、もともとドローンレベルの瞬間的な高出力を出す用途は想定されていないので、電気的、出力(運動性能)的にはかなりデリケートな模様。極めて実験的な機体のため、通常のFPVドローン以上に、色々と調べながら分かった上で飛ばす機体です。例えば、18650リチウムイオン電池と一口に言っても非常に様々なスペックやメーカーのものがあり、カタログスペックはさておいて実際にどの程度の出力を出せるのかなども含めて、自分で情報収集して電池を選定する必要があります。でもでも、こういうギリギリへの技術的挑戦が面白いんですよ!
「HGLRC Rekon 3 Nano」
以前より18650リチウムイオン電池ドローンへの挑戦を行っていた、ドローンパイロットDave_C氏の試行錯誤の成果を製品化した機体です。
ちなみに、せっかく飛行時間が長いのでロングレンジのレシーバーで飛ばしたくなりますが、「TBS Crossfire Nano RX」レシーバーは、日本では実質的に業務用での利用しかできないので注意。価格は、1万円台後半。こんなに実験的な機体なのに、FPVドローンとしてはごく普通の価格で買えてしまうから誘惑に耐えるのがツラい(笑)。
HGLRC Rekon 3 Nano Long Range FPV Racing RC Drone:Banggood
「FlyFox Nano3」
同じコンセプトの製品です。微妙に構成部品が異なるので、どっちを買うかは好みです。例えば、この「FlyFox Nano3」の方がちょっとだけ軽いです。部品を精査すれば、100g切りも可能かな? 価格は、HGLRC Rekon 3 Nanoと同じく1万円台後半ながら、少しだけ安いくらい。
FlyFox Nano3 3 Inch Long Range FPV Racing Drone:Banggood
5.まとめ
ご覧のように、Banggoodでは、最近非常に個性の強いドローンの発売が相次ぎました。どれも、性能面でスペックアップしたというよりは、技術的にいじくりがいのある製品ばかり。純粋な運動性能とカメラ性能の向上だけでなく、新しい技術やアイデア、挑戦的、実験的な製品に触れられることも、FPVドローンの大きな楽しみです。これだから「ドローン沼」はやめられない!