
先日「Beelink ME Pro」という、ホームサーバー/NASとして使うことが想定されたミニPCのレビュー記事を掲載しました。レビュー作業の過程で「そういえば自宅PCの『共有』というのをこれまでずーっとやってなかったよね」と感じ、この連載「Windows PCで始めるホームサーバー/NAS入門」を始めることにしました。
この連載を全何回とするかは未定ですが、おおむね以下の流れを想定しています。
・Windowsの標準機能を使ったストレージ共有
・インターネット回線を介した外部からのアクセス
・ホームサーバーとNASの違い
・NAS用OSのインストールと運用
今回は一番上の「Windowsの標準機能を使ったストレージ共有」です。ウインタブ読者であれば「すでに知っている」「すでに使っている」人も多いのではないかと思います。しかし、この連載ではこれまでPCの共有やサーバー的な使い方をしたことがない人を基準として、ベーシックなところから整理していきます。そのほうが私としても勉強になりますし。
目次
この記事でできること・できないこと
できること
・同一ネットワーク内の別PCから、特定フォルダーにアクセスする
・ファイルの閲覧・コピー・保存を行う
・1台のPCを「共有用PC」として使う
できないこと
・インターネット越し(外出先)からのアクセス
・NASのような24時間常時運用
・自動バックアップやRAID管理
※これら「できないこと」については連載を進めていく過程で説明する予定です。今回はあくまでベーシックな内容にとどまります。
「ホームサーバー」という言葉について
この連載は下記の定義に基づいて用語を使用します。
・ホームサーバー:PC用OS(この記事ではWindows)で同一ネットワーク上に置かれるもの
・NAS:専用OS(DSM、QTS、TrueNASなど)で用途がストレージ/サーバーに限定されるもの
この定義は完全に正確なものとは言えませんが、一般的な認識には合致しているものと思います。
事前に確認しておくこと
以下を満たしていれば問題ありません。
・Windows 10 または Windows 11 (Windows 10の人は早めに11にしましょう)
・自宅にルーターがある
・共有するPCとアクセスするPCが同一ネットワークに接続されている
・管理者権限を持つWindowsユーザーで操作できる
なお、私は有線LAN環境で作業を進めますが、有線LAN接続は必須ではなく、Wi-Fi接続でも作業は可能です。
では、これ以降、作業をしていきます。
共有される側(ホームサーバー役PC)の設定
1. ネットワークの種類を「プライベート」にする

クリックで拡大します
Windowsの設定から「ネットワークとインターネット」を選びます。現在ご自身が接続しているネット回線を選択すると画面がこの画像のように切り替わります(この画像ではイーサネット、つまり有線LANになっています)。
ここで「ネットワークプロファイルの種類」を「プライベートネットワーク」にします。また、画像ではモザイクをかけていますが、IPv4のアドレスは後で使いますので控えておいてください。Windows PCでは多くの場合、ここが「パブリックネットワーク」になっていると思います。そのため、初めてストレージ共有の設定をする場合、ここの変更は必須の作業になるかと思います。

クリックで拡大します
ついで「ネットワークの詳細設定」を選択します。

クリックで拡大します
次に「共有の詳細設定」を選択します。

クリックで拡大します
上の画像のプライベートネットワークの下にある「ネットワーク探索」をオンに、「ネットワークに接続されたデバイスを自動的に設定する」にチェックを、そして「ファイルとプリンターの共有」もオンにします。
これにより、他のPCからこのPCが見えるようになります。
2. 共有するフォルダーを指定する

クリックで拡大します
次にエクスプローラーを開きます。今回はレビューに使用したBeelink ME ProのHDDドライブ(Dドライブ)に作った「beelink1」というフォルダを共有することにします。
このフォルダを右クリックし、表示されたメニューから「プロパティ」を選択します。

クリックで拡大します
プロパティの画面が開いたら、上部の「共有」タブを選択し、その下にある「共有(S)…」のボタンを押します(これだけだと共有の設定は完了しませんのでご注意ください)。

クリックで拡大します
共有する相手を選びます。この画像でブランクになっている部分がありますが、ここに「Everyone」という選択肢がありますので、ホームネットワークの場合はEveryoneを選んでもいいですし、特定の相手を選んでもいいでしょう。 家庭用ではない場合はEveryoneを選ぶべきではありません。
この画像で「ウインタブ検証用」というユーザーの右側に「アクセス許可のレベル」があり、ここで「読み取り/書き込み」のほかに「読み取り(のみ)」に権限を設定することができます。
共有相手を選び、権限設定をしたら、「共有」ボタンを押します。

クリックで拡大します
このような画面が表示されますので「終了」を押します。これで「共有される側のPCと共有されるフォルダ」の設定は終了です。
※最初は「特定のフォルダー1つだけ」を共有するのがおすすめです。
アクセスする側PCの操作
ここからは「アクセスする側」のPCの画像を使用します。

クリックで拡大します
エクスプローラーの「ネットワーク」のところに、これまでの作業で共有設定を済ませたPCが表示されます。
表示されない場合は、アドレスバーに直接
\\PC名
例:\\DESKTOP-D12ABCD
または
\\共有される側のIPアドレス
例:\\192.168.x.x
を入力します。なお、上記の「\\」は「¥¥」と表示されることもあります。それと、後述する理由により、この記事のレベル (より高度な使い方をしない場合)だと「PC名」で認証するほうがラクです。
共有フォルダーにアクセスする際、共有元PCのWindowsユーザー名とパスワードが求められますので、それを入力し、入力情報を保存すればアクセスできます。
よくあるつまずきポイント
・共有されるPCのネットワークが「パブリック」になっている
・共有されるPCがスリープしている、あるいは電源が入っていない
・権限設定が「読み取りのみ」になっている
・Windows Update後に再起動していない
IPアドレスを使って認証する場合、再起動などでIPが変わる可能性があります。 PC名で認証する場合はこの影響を受けません。
第1回のまとめ
すでにご自宅などでPCの共有をしている人にはあまり意味のない内容だったと思います。一方で「これから初めてPCの共有をする」という人には「思ったほど簡単ではない」と感じられるのではないでしょうか。まあ、時間に余裕を持ってじっくり作業すれば問題ないと思うんですけどね。
次回は、「では、外出先からアクセスしたい場合はどうするのか?」ということについて説明したいと思います。
2014年にサイトを開設して以来、ノートPC、ミニPC、タブレットなどの実機レビューを中心に、これまでに1,500本以上のレビュー記事を執筆。企業ではエンドユーザーコンピューティングによる業務改善に長年取り組んできた経験を持ち、ユーザー視点からの製品評価に強みがあります。その経験を活かし、「スペックに振り回されない、実用的な製品選び」を提案しています。専門用語をなるべく使わず、「PCに詳しくない人にもわかりやすい記事」を目指しています。
▶ サイト紹介・ウインタブについて


コメント