
pCloudが「クリスマスセール」をスタートさせました(12月29日まで)。今回のセールでは、買い切り型クラウドストレージのファミリープラン(2TB/10TB)および、ストレージ・暗号化・パスワード管理がセットになった「3 IN 1バンドル」が大きな割引になっています。
pCloudは、毎月または毎年料金を支払う「サブスクリプション型」ではなく、一度契約すれば生涯利用できる「買い切り型」のクラウドストレージです(サブスク型プランもあります)。「買い切り」だけに支払いは一度きりなので、セール時に契約するのが圧倒的にお得です。
また、今回のセール対象となっているファミリープランは、容量を複数人でシェアできる点が大きな特徴で、家族で使いたい人や、複数デバイス・複数ユーザーでの利用を考えている人に向いた内容になっています。
この記事では、セール内容の詳細に加え、通常プランとの価格差、他社クラウドサービスとの比較、実際にウインタブで利用してみての感想も交えつつ整理していきます。
目次
pCloud クリスマス・セール概要
セール期間:2025年12月13日(土)から12月29日 (月)まで
ストレージ生涯プラン

| ストレージ生涯プラン | 通常価格 | セール価格 | 割引率 |
| Family 2TB | 890ドル (139,730円) |
399ドル (62,643円) |
約55% |
| Family 10TB | 2,249ドル (353,093円) |
1,049ドル (164,693円) |
約53% |
※円価格は1ドル=157円としてウインタブが計算したもの。
ファミリープランと通常プランの違い
ファミリープランは生涯プランのみに設定されています。通常プランでは1契約=1アカウントであるのに対し、ファミリープランは複数のメンバーで契約容量をシェアできます。
・最大5ユーザーまで。ユーザー全員に専用の買い切りスペースを割り当てることができる
・容量の割り当てはプラン・オーナーが決定、メンバーは割当容量の範囲でpCloudのフル機能を利用可能
・メンバーのストレージのプライバシーは完全に確保され、オーナーやメンバーは他のメンバーのストレージの中身を見ることができない。
仮に私がファミリープラン2TBを契約し、プラン・オーナーとなった場合、私が家族 (妻子合計3名)を招待し、例えば「私:1TB、妻:500GB、長女:200GB、次女:300GB」に設定でき、私は家族のストレージの中身を見ることはできません。また、後日長女の容量を300GBに、次女を200GBに変更することもできますし、次女をクビにする (アカウントを削除する)することもできます。
それと「深堀りできない」のが「家族の定義」です。pCloudに限らず、現代ではほとんどの商品・サービスの「ファミリープラン」で家族の定義が明確にされていません。読者の皆さんもご承知のことと思いますが、いまや「同一戸籍」とか「同居の有無」とかを家族の要件にするのは困難と言え、下手に定義してしまうと炎上しかねません。なので、この点は「個人の良識」で判断していただくしかありませんし、pCloudを含む商品・サービスの提供者と後日トラブルになる可能性は低いと思います。
通常プランとの価格比較
以下は先日まで開催されていた通常プランのセール価格 (一部抜粋、この記事執筆時点ではセールは終了しています)。
| 生涯プラン | 通常価格 | セール価格 | 割引率 |
| Premium Plus 2TB | 599ドル (94,043円) |
279ドル (43,803円) |
約53% |
| Ultra 10TB | 1,890ドル (296,730円) |
799ドル (125,443円) |
約58% |
※円価格は1ドル=157円としてウインタブが計算したもの。
もっとも、pCloudは通常プランの2TBを599ドルで販売していることはなく (ウインタブ確認ベース)、セール時期ではない12月12日現在でも2TBは399ドル (62,643円) 、10TBは1,190ドル (186,830円)です。今回のセールではファミリープランの2TBは通常プランの2TBと同額、ファミリープランの10TBは通常プランの10TBよりも141ドル (22,137円)安い、ということになります。容量を複数人でシェアできるというメリットを考慮すると、このセール価格はお得である、とは言えますね。
3 IN 1バンドル

| 3 IN 1バンドル | 通常価格 | セール価格 | 割引率 |
| Family 5TB +Encryption +Pass Family |
2,097ドル (329,229円) |
799ドル (125,443円) |
約62% |
※円価格は1ドル=157円としてウインタブが計算したもの。

3 IN 1バンドルにはファミリープランのストレージ5TBに加え、EncryptionとPass Familyがつきます。以下、この2つの機能について簡単に説明します。
Encryptionとは
Encryptionは暗号化サービスです。pCloudはもともと「TLS/SSLチャネル保護と256ビットのAES暗号化により、お客様のデータ保護に軍事レベルのセキュリティを提供 (pCloud公式サイトから抜粋)」しますが、Encryptionはいわゆる「ゼロナレッジプライバシー(サービスの運営者ですらデータの中身を閲覧・復号できない)」を実現しています。
EncryptionはpCloudのオプション・サービスで、生涯プランの通常価格は229ドル (35,953円)、12月12日現在の価格は150ドル (23,550円)です。
Pass Familyとは
Pass Familyはパスワード管理ツール「pCloud Pass」のファミリー版です。ストレージのファミリープランと同様に1つの契約で最大5人まで利用できます。
私自身はpCloud Passを利用したことがありませんが、サービスの説明を見る限り他社の有名パスワード管理ツールに対する明確な優位性はあまり感じられません。ただし、このセールのように、セット割引が適用され、クラウドストレージ、暗号化サービス、パスワード管理を一括して手に入れるということであれば購入する意義はあると思います。
Pass Familyは単品販売もされており、生涯プランの通常価格は399ドル (62,643円)、12月12日現在の価格は253ドル (39,721円)です。
通常プランとの価格比較
pCloudの通常プラン/ファミリープランには「5TB」というのがなく、「ズバリ比較」というのはできません。
このセールの場合、「Encryption (150ドル相当)」と「Pass Family (253ドル相当)」が含まれているので、これらを元にs少し乱暴に計算すると「セット価格799ドル ー 150ドル ー 253ドル = 396ドル」がFamily 5TBの価格相当分ということになります。
一方で、通常プラン 2TBのセール価格279ドルをもとに、やはり少し乱暴に計算すると「279ドル ÷ 2 ✕ 5 =697.5ドル」になりますので、この計算に基づく場合はEncryptionとPass Familyが100ドルちょっとで手に入る、ということになりますね。
いずれも妥当な計算とは言えませんが、この3 IN 1バンドルがかなり割安であることは直感的に理解できると思います。
pCloudと他社サービスの価格を比較
今回はセール対象が「容量を複数人でシェアできるファミリープラン」なので、他社サービスと単純に比較することは難しいです。Google Oneに「最大5人とストレージを共有できるプレミアム 5TBプラン」が、Dropboxには「最大5TBで1ユーザーあたりに課金されるチーム (3人~)向けスタンダードプラン」がありますので、Dropboxについては「5人で使う (5人分課金される」と仮定して料金の比較をしてみます。
| 経過年数 | pCloud 3 IN 1バンドル (年間換算 / 累積) |
Google One プレミアム5TB (年間 / 累積) |
Dropbox Standard (年間 / 累積) |
|---|---|---|---|
| 1年目 | 125,443 / 125,443 | 36,400 / 36,400 | 90,000 / 90,000 |
| 2年目 | 62,722 / 125,443 | 36,400 / 72,800 | 90,000 / 180,000 |
| 3年目 | 41,814 / 125,443 | 36,400 / 109,200 | 90,000 / 270,000 |
| 4年目 | 31,361 / 125,443 | 36,400 / 145,600 | 90,000 / 360,000 |
| 5年目 | 25,089 / 125,443 | 36,400 / 182,000 | 90,000 / 450,000 |
※単位:円
※pCloudは1ドル=157円としてウインタブが計算したもの
※pCloudは買い切り型のため、参考値として初期費用を年数で割った金額を表示しています。
※Google One・Dropboxは年額課金です。
これだとDropboxが非常に高価に感じられますが、実際はそうでもありません。Dropboxは「1人あたり」の課金なので、例えば初年度は3人だけ、3年目に1人追加して4人に、5年目にさらに1人追加して5人に、という使い方ができ、1人あたりの年間料金は18,000円なので、必要最小限の人数で運用すれば上の表よりも安くなります(ただし、「3人以上用」と明記されており、1人とか2人で使うことを想定していないので、他のサービスよりも割高ではあります)。
また、それぞれのサービスには様々な機能があります。pCloudに関しては上に説明した通り暗号化のEncryptionとパスワード管理のPass Familyが付属していますし、Google Oneには毎月AIクレジットが1,000ポイントつき、Geminiの機能も拡張されます。
なので、価格だけ見れば「だいたい4年目からはpCloudがお得になり、それ以降はどんどんpCloudが割安になる」とは言えますが、実際には付帯サービスの違いなどを考慮してから判断することになります。
pCloudはウインタブでも使っています
ウインタブでpCloud関連の記事を掲載するようになってから2年近くになります。当初は私自身もpCloudの無料プランを使っていたのですが、2025年2月に「2TB生涯プラン (Premium 2TB)」を購入 (契約)しました。

また、ライターのnatsukiさんもつい先日、2TB生涯プランを購入しています。



私とnatsukiさんはPC環境が異なりますし、クラウドストレージの使い方も異なります。私はどちらかと言うとメインのストレージとしてのみ使用していますが、natsukiさんはもう少し機動的に自宅サーバーとpCloudを棲み分け、データの編集などにも使っており、それだけに現状使いにくい点も上記記事内でしっかり指摘しています。
pCloudの信用リスク (突然サービスが停止・終了するなど)はもちろん考慮する必要はあります。ただ、この点をどう判断するかは人それぞれで、個人的にはpCloudの信用リスクはMicrosoftやGoogleよりは高いものの、利用を控えるような水準ではないと思っています。信用リスクがゼロの企業は存在しませんし。
心配ならまずは無料プランでお試し
pCloudには無料で最大10GBまで使えるプランが用意されています。「いきなり数万円、十数万円を支払うのはちょっとなあ…」という人も多いと思いますので、まずは無料プランで使い勝手を試してみても良いでしょう。冒頭に書いた通りpCloudは年に数回大きなセールをやります。次回のセールが今回よりも高いのか安いのかはなんとも言えませんが、今回を逃すとセール価格で買えない、ということはないと思います (確証はありませんけどね)。
関連リンク
2014年にサイトを開設して以来、ノートPC、ミニPC、タブレットなどの実機レビューを中心に、これまでに1,500本以上のレビュー記事を執筆。企業ではエンドユーザーコンピューティングによる業務改善に長年取り組んできた経験を持ち、ユーザー視点からの製品評価に強みがあります。その経験を活かし、「スペックに振り回されない、実用的な製品選び」を提案しています。専門用語をなるべく使わず、「PCに詳しくない人にもわかりやすい記事」を目指しています。
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