こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。先日PIPO X10の読者レビューを担当されたnatsukiさんが、ご自身で購入されたマウス・キーボードセット「ロジクール ワイヤレスコンボ MK245 NANO」の実機レビューも一緒に投稿してくださいました。セット製品として比較的低価格で、無線USB子機(レシーバー)ひとつだけでマウスとキーボードを接続できるため、特にUSBポートが少ない小型タブレットやスティックPCなどに最適だと思います。natsukiさんのレビューは製品の使い心地がよくわかり、読者に非常に有益なものだと思います。natsukiさんにはこの場にて御礼申し上げます。ありがとうございました。ではどうぞ!
1.はじめに 製品の特徴
こんにちは、natsukiです。先日、PIPO X10をレビューさせていただくにあたり、手頃な入力機器としてロジクールから発売されたばかりのキーボードとマウスのワイヤレスコンボMK245 NANOを購入しました。ついでといってはなんですが、せっかくの新製品ですので、こちらもレビューしてみました。
この製品は、写真で見たまんま、キーボードはテンキー無し、タッチパッド無し、マウスのボタンは左右クリックとホイール押しの3つのみという、考え得る最小限の構成となっています。また、セットなので一つのレシーバーでキーボードとマウスともに動作します。お値段は税抜き2,880円。
なお、この製品には前身機種MK240sがありまして、値段も同じ。スペック表や写真を見る限り、変化したのはキーボードの電池寿命が2年から3年に伸びたことくらいです。電池の持ちがよくなったのは、素直に歓迎できるでしょう。
2.マウス
他のマウスと比較するとこんな感じです。
左がBUFFALOのBSMBB20S、真ん中がこのMK245 NANO、右はBUFFALOのBSMBB17。高さはあんまりなく、ちょっと小ぶりな感じです。
質感は、いかにもプラスチック。
表面は多少ざらつかせてあり、肌触りは悪くありません。個人的に、表面がツヤツヤしたマウスの、特にクリック部分の「ペタッ」とした感触がどうにもイヤで、ここはポイント高いです。ホイールも必要十分といったところで、使用していて特に不満もなければ驚きもありません。よく見ると、ゴムの継ぎ目がバレバレだったり、バリが少し残っていたりと質感は安っぽいですが、実用には関係ありません。
クリックは昔ながらの「カチカチ」ですね。クリック、ポインタの感度ともに、使っていて気になることは特にないです。これ、褒めてます。いやいや、この「気になることはない」ってのは素晴らしいことです。日頃、Bluetoothマウスには細かな、ほんと些細なことですが、それでも使い心地の悪さを感じることが多いので、やっぱりUSBだよなってあらためて思いました。
裏側はこんな感じで、電池ボックスにレシーバーを収納できます。また、ON/OFFスイッチが付いています。読み取りはオプティカルタイプとのことですが、使用中は、赤くも青くも光りません。不思議!?
3.キーボード
質感は、ひとことで言うと「おもちゃみたい」。まあ、この値段で高級感を追求しちゃいけません。静音構造のキーも、打鍵感は「ペコペコ」した感じで「おもちゃ感」をもり立てます(なんじゃそら)。
しかし、そこは天下のロジクール。ツボはしっかり押さえていて、使えば使うほど、第一印象を覆す快適な使用感に驚かされます。
見ての通り、ベゼルはほぼ皆無で省スペースですが、キースピッチはしっかり19mmを確保。その上、配置は極めてオーソドックスな配置をキープしていて、何も迷わない。あ~、やっぱりEnterキーが2段ぶち抜いていて、その下に大きめのShiftキーがあると落ち着きますね。
また、スペースキーのある最下段だけキーの縦幅が少し大きめにとってあります。この辺も、スペースキーを多用する日本人のタイピングをよく分かっていて快適です。上下キーを詰め込んだためにそうなっただけかもしれませんが。
その上下キーだけは、最下段にまとめて詰め込んであるのでちょっと押しにくくなってしまっています。これは、この手の省スペースキーボードの場合、上下キーが犠牲になるか、Shiftキーが犠牲になるかの二者択一なのでやむをえません。私はShiftキーの味方なので、この方がありがたいです。
ちなみに、これは完全に好みですが、左下のCtrlキーとFNキーは、個人的には逆の配置の方が好きです。だって、FNキーなんて文書作成中にはまず使わないけど、Ctrlキーは、アンドゥ(Ctrl+Z)、コピー(Ctrl+C)、切り取り(Ctrl+X)、貼り付け(Ctrl+V)をはじめ、タイピングしつつアルファベットキーとの組み合わせで使いまくるじゃないですか。絶対、Ctrlキーがアルファベットキーに少しでも近い方が使いやすいと思うのですが。このキーボードを使って、それだけが唯一の不満です。
キーの造形は、最上段と最下段は、中心がやや盛り上がるわずかなかまぼこ形、その他の段は、逆に中心がわずかにくぼんでいます。また、表面はマウスと同様、軽くざらつかせてあり、指紋も付きません。ペコペコした打鍵感も、爽快感こそありませんが、しっかりと「押したな」というのは伝わってきます。いくら見た目が安っぽくても、こういった部分をしっかり作ってあるのは、さすが!というところです。
そして、軽い!
スッカスカに感じるくらい軽い!それでいて、構造が単純すぎて、相当強打しても壊れる気がしません。造形が全体的に丸くシンプルなのも(それが「おもちゃ感」を増してるんですが)、強度と取り回しのよさに貢献しています。
ちなみに、裏側には折りたたみ式のスタンドが付いていて、キーボードに傾斜を付けることもできます。
電池寿命はまさかの3年。
「気にするな」ってことですね。なお、キーボードにはON/OFFのスイッチはありません。なので、片付けるときに圧迫されてどっかのキーが押しっぱなしになると、楽しい事態が発生します。マウスだけ使っているときは気をつけましょう。
4.まとめ
この製品は、とがった所はなにもありません。あたりまえのことを、あたりまえにできる。ただそれだけの製品です。しかし、配置とか造形とか、お金をかけないならかけないなりの細かな気づかいが、さすがはロジクールと唸らされます。
正直、箱を開けて初めて本体を手にしたときには、その質感に「おいおい、いくら安いにしても、もうちょっとどうにかならなかったのかよ」と思いました。
しかし! あたりまえなんですが、マウスやキーボードは「見て」使うものではなく、「触って」使うものだったんですね。いざ、実際に使ってみると、じつによくなじむ。この製品のために、こちらから歩み寄らなくてはならない所がない。これって、初めて使うマウス・キーボードとしてはなかなかないことです。
もちろん、マウスとキーボードまとめてひとつのUSBレシーバで足りるところもありがたい。なお、ロジクール独自のUnifyingには対応してません。あの技術って、マウスとキーボードにしか対応していないのでいまいち存在意義が分からないんですよね。っと、これは脱線。
この製品は、自分専用の使い心地を求める人向きではありません。まあ、そういう人ははじめからもっと高価格帯のものを見るでしょう。しかし、「とりあえず」マウスとキーボードが欲しいという場合には、ハズレのない、バランスのよい快適さを約束してくれる製品です。
対象としては、キーボードの付属しないタブレット、そしておそらくもっとも相性がよいのは、USBポートに余裕のあるスティックPCやTV Boxでしょう。このあたりは、もともとPCの本体価格が安いので、いきなり高価なマウスやキーボードをつなごうという人はあんまりいないと思いますから。そういうときに、このMK245 NANOは文句なしにお勧めできます。
ちなみに、PIPO X10との相性はあつらえたように最高でした。GOLE 1とか、中華タブで専用キーボードはあるけど英字配列なのがちょっとなーというときとか、レシーバーを差すだけでどのPCにも即使用可能なところとか、なにより、手頃なこのお値段。ウインタブ様の読者層にはまさにクリティカルな製品だと思うのですが、いかがでしょうか?
5.余談1
これはこの製品そのものとは関係無い話になりますが、このマウス・キーボードセットというジャンルで、今回新発売されるにあたって、商業戦略の面で文句をつけたいことがあります。
ロジクールは、このMK245 NANOとほぼ同じタイミングで、ロジクールとしては初の「静音マウス」シリーズも発売しました。実は、現時点で日本で販売されている製品で、マウス・キーボードセットは他にも多数あれど、静音マウスを採用している製品は管見のかぎりひとつもありません。YAMADAの担当店員も「存在しないです」と言っていたので、そうなんでしょう。
せっかくほぼ同時の発売なのだから、ロジクールには是非、静音マウスのマウス・キーボードセットを新たなラインナップとして加えて欲しかった。なぜだ? 静音マウスって、そんな売れていないんでしょうか? 私は通常のマウスより絶対好きなんですが。
6.余談2
このMK245 NANOを使っていて、1点だけトラブルがありました。
それは、この製品をつないでいるとWindows 10 Anniversary Updateに失敗するということです。PCの機種は、PIPO X10です。インストールがはじまって、何回やっても99%で止まってしまうので、いろいろ試した結果、MK245 NANOをはずすとうまくいきました。まあ、あっちこっちに「周辺器機をはずすこと」って警告されていますから、MK245 NANOの責任ではありません。
ただ、今回のPIPO X10はタッチパネル搭載なので、マウスやキーボードを接続しなくてもアップデートに関する操作ができました。でも、もしこれが単独では入力デバイスを持たないスティックPCや、TV Boxだったら…?
ドライバとか色々事情はあるんでしょうけれど、大規模アップデートがこれだけデリケートだと、ちょっと先行きに不安を感じます。
7.関連リンク
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