こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。今回はパソコンでもタブレットでもスマホでもなく、「最強のテキスト入力専用マシーン」を紹介します。そう、「ポメラ」です。キングジム(ポメラを作っている会社ですね)は10月4日、ポメラのニューモデル「DM200」を発表しました。使っている人もそうでない人も、ポメラと聞いたら気になると思います。もちろん私もです。ニューモデルはどんな感じなのか、確認してみました。
1.スペック
この製品はパソコンではないのでCPUがどうとかRAMがどうとかは関係ないです。一応「本体メモリは128MB」と書いてありますが、もともとテキスト入力専用機なので、データ保存に使われるだけだと思いますし、テキストで128MBというのは相当な量になるはずなので、いつものように4GBだ、とか、いや8GBだ、とかの次元ではないです。
気になるのはサイズ感です。ディスプレイは7インチ(1,024 × 600)と、ポメラにしては大きめです。また重量も580 gということなので、10インチタブレットと同じくらいですね。11.6インチのクラウドブックの半分くらいとも言えます。
プリインストールソフト、というか辞書は「角川類語新辞典.S」「明鏡国語辞典MX」「ジーニアス英和辞典MX」「ジーニアス和英辞典MX」の4種類です。テキスト入力専用なので、百科事典とかは入っていません。
この製品の特長は「Wi-Fi通信が可能」で、「ポメラ」とiPhone、Macで相互に文章を編集することができる「ポメラSync」、Evernoteやメールのアカウントにテキストを送信することができる「アップロード」に対応し、パソコンとの連携が容易になっています。
それと、ATOK(日本語IME)です。ちなみに私はATOKを全然使わないので、偉そうなことは言えませんが、私の周囲にATOKファンが多数いて、彼らは絶対にATOKから離れようとしないので、もともと非常に優れたIMEであることは間違いないでしょう。そのATOKがこの製品専用の「ATOK for pomera [Professional]」となり、パソコン版のATOKと同等の性能になりました。
面白いところでは、ポメラのキーボードを「外付けのBluetoothキーボード」として使えるようになりました。もともとポメラのキーボードは非常に「気持ちいい」打鍵感なので、これはうれしいですね。また、編集中のテキストをQRコードに変換して、スマホやタブレットに読み込ませることもできます。ひとつひとつは地味ですが、ポメラでテキスト入力を、パソコンで画像の追加など本格的な編集を、という役割分担が一段と明確化される周辺機能が充実した、ということができますね。
2.筺体
デザインは従来の上位機「DM100」に近いイメージですね。パッと見るとテキスト入力専用機とは思えない、パソコンっぽい感じがします。
私は「ポメラ」ってこのイメージなのですが、それとはずいぶん違います。実際、サイズはテキスト入力専用機としてはずいぶん大きく、重いのではないか、という印象があります。ヘンな言い方ですが、「580 gをテキスト入力のためだけに持ち歩くのってどうなの?」と思います。ちなみに私は小説家とかではないですが、文章を書くことによって収入を得ている、という面も持っています。それでも「ちょっとなあ」と思っちゃいますね。
ポメラ最大の魅力はキーボードだと思います。この製品の場合、キーピッチ17.0 mm(横)15.5 mm(縦)となっていて、これってノートPCの一般的なキーピッチである18 ~ 19 mmよりは狭いです(最近は11.6インチサイズの製品でも18 mmとか普通にあります)が、打ち心地には疑いを挟む余地はないだろうと思います。また、キーの割付に自由度があり、「親指シフト」にも対応できます。
天板と両側面です。画像の一番下は「左側面」ですが、この面にPCとの接続や充電に使うmicroUSBポートとフルサイズのSDカードスロットがついています。製品の性質上、USBポートがたくさん必要とかもないので、必要十分という感じでしょうか。
3.価格と発売時期
KINGJIM pomera DM200は10月21日の発売予定で、価格は税込み53,784円となっています。ポメラという製品が持つ魅力と、DM200に追加された機能を考えれば、このくらいの価格になってしまうんでしょう。
あとは、この製品を必要とする人がどのくらいいるのだろうか、言い換えるとノートPCとかタブレット+キーボードではダメで、ポメラでないと満足できない人がどのくらいいるのだろうか、ということを考えてしまいます。
この記事の上のほうで画像を掲載した「ポメラDM5」という製品は重量が300 g以下で、価格も1万円前後(あれ?ずいぶん実売価格が上がったなあ)です。DM5はコンパクトに折りたたむこともできますので、私なんかは「これ欲しいなあ」なんて定期的に考えたりします。しかし、DM200の場合、サイズ的にタブレットとバッティングしてしまいます。また、ウインタブの記事を書く際、画像を併用するため、どうしてもパソコンや2 in 1でないと作業を完結できません。
毎日1万字近くはテキスト入力をしていますが、そんなわけでテキスト入力だけでは作業が完結しないので、ポメラは私にとって作業の一部を担うための端末という位置づけにしかできません。そうなるとこの価格とサイズ感は厳しい、ということになってしまいます。
もちろんポメラのキーボードの秀逸さとか、電源を入れたら即テキスト入力可能という気軽さは得難いものがあります。また、単機能であり、工業製品として優れたコンセプトのポメラはガジェット好きの物欲をくすぐるだけの魅力がある、というのも納得できます。みなさんはDM200をどう評価しますか?
4.関連リンク
ポメラ専用の新「ATOK」搭載により変換精度が向上し、無線LANにも対応した新機種 デジタルメモ「ポメラ」DM200発売:キングジム ニュースリリース
pomera DM200:キングジム公式サイト 製品紹介ページ
コメント
順調にシグマリオン、と言うよりもモバイルギアに先祖返り中、って感じです。
良い意味で。
こんにちは、コメントありがとうございます。私も依然Windows CE機持ってましたけど、さすがにあのストレスフルな挙動とは別物か、と…
私はDM100のユーザーです。確かに元々IMEはお世辞にも褒められるレベルではなく、私の専門領域だけ他IME用の辞書を無理やりインポートして使えるレベルにしています。
なお、DM100も公式にはiOS,非公式で、また英語キーボード扱いにはなりますがandroid,windowsでもbluetoothキーボードとして使用可能です。
(onda v919 air chのキーボードとしても現役稼働中です)
DM100は電池込でも430g程度でしたが、今回はかなり大型化してしまいました。
厚みもありますし、自分としては残念な限りです。
takeokaさん、こんにちは、コメントありがとうございます。DM100までお持ちとは、なかなかのマニアですね!私はずっと前からDM5を買おうか悩んでいてはや1年です。
DM100をメモや記録に利用しています。バッテリー駆動時間は十分に長くて心配なさそうですが、機能と価格を考えると躊躇しますね。重さも8インチタブレット+Bluetoothキーボードと同程度になり、それならタブレットの方が色々できて…という結論になりそうに思います。
文書作成を職業にしている人やそれに近い立場の人が、いつでもさっと書き始めるためには重宝かも。Wi-Fiやクラウド対応で、書いた文章を利用・処理する手間が減ったことでしょうし。
一般的な利用者なら廉価なタブレット+キーボードの方が無難かも知れません。Fire HD 8+BSKBB24BK(バッファロー)+P-DSSANLBK(エレコム)の組み合わせは軽量で良いですよ。あとはキーボード付きタブレットカバーを使うとかですかね。
ポメラシリーズは大好きなんですが、どうしても価格が…。手元のDM100も値引き販売の際に入手したもので、定価だったら手を出せなかったと思います。それなりの価格になることは分からなくもないんですが…。
shukakuさん、こんにちは、コメントありがとうございます。テキスト入力ということに絞ればポメラのほうがタブレットよりずっと使いやすいのでは?私はウインタブの原稿書きに使いたいということも考えるのですが、結局ノートPCで済ませてるんですよね、最近は…。
他のかたのコメントにあるようにDM100は辞書がさほど強力ではないので、意外と変換候補が出なかったりします。DM200は改善済みなんでしょうね。
手元にDM200と8インチタブレット+キーボードの両方があるという状況ならDM200を取ることも想像しますが、購入するという段階だとお値段が厳しいかと…。貴サイトでご紹介の廉価なノートPCが買えちゃいます。(>_<)
shukakuさん、こんにちは、コメントありがとうございます。確かに価格ですよねー。テキスト入力が本業とかでないと手を出しにくいです。
ちゃんとかな入ってる。この前のWindows機は重くなっても良いから必要なものを全部入れたくせに、なぜかキーボードはデザインがどうのってかな刻印なしだったんだよね。
しかし、このポメラ、利点ないね。小さいパソコンが2時間ぐらいしかバッテリーで動かない時代だったら分かるんだけど。
あ、Windowsアップデートに悩まされない点は良いか。
アゲオさん、こんにちは、コメントありがとうございます。通りすがりの国文学者とか、情報サイトのライターとか、小説家とか…
Androidのタブレットやスマホを使い始めた頃はフリック入力をマスター出来る自分が想像出来なくて出張時の新幹線でテキスト入力だけでもキーボードが欲しいと思い、ポメラも候補に上げてた頃が今となっては懐かしいです。
なんでもやってると慣れるんですよね。Twitterとかいじってるうちにフリック入力にもかなり慣れちゃって、140字程度ならどんなに起動の早いデバイスを鞄から取り出すより、常時握っているスマホで打ち終わる方が速くなっちゃいました。特に7~8inchタブレットは両手でフリック入力するにはサイズ的に最適で、今では新幹線の中でのドキュメント用のテキスト入力等は鞄の中のPCを取り出さずにAndroid機でエディターを立ち上げてフリック入力するようになっちゃいました。
フリックに慣れたのが原因か、Windows機の発表がショックだったのか、自分でもよく分からないけどポメラは意識から外されていました。Bluetoothキーボードよりちょっと値が張る程度の価格でならまだ今からでも検討の余地はあるとは思うけど、2in1PC以上の価格では難しいと思います。
タケルさん、こんにちは、コメントありがとうございます。そうっすねえ、DM5とかなら買えそうだし、面白そうなんですけど…
数年前に、どこでも文書作成が出来るようにポメラ購入を検討した事もありました。
WindowsタブレットT100TAを買って以降は、それで用が済んでしまうのでポメラの必要性は感じなくなっていました。
う~ん、今現在その値段その重さだったら、Windowsタブレットかクラウドブックを買ってしまうかな。
こんにちは、コメントありがとうございます。そうですよね。この製品はプロ向けかな、と思います。下のグレードのポメラは欲しいですけど。
いまさらながらですが、久しぶりの最新型 DM250 に関して触れられてないのが悲しかったり・・・。
最新ポメラ登場◆ATOK強化でさらに入力快適!
『キングジム デジタルメモ「ポメラ」DM250』新発売のご案内
https://js.justsystems.com/?4_–_2678050_–_240283_–_1
すみません、見落としていました。近日中に記事を掲載したいと思います。