こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。基本的にiOSやAndroidの製品を取り上げることはしていないのですが、Androidに関しては中国タブレットのデュアルブート機(WindowsとAndroidを両方搭載している)を使用する機会もあり、Windows用のAndroidエミュレーターもいろいろあるので、この先は少し記事にする可能性はあると思います。一方iOSに関してはAppleという一社独占の製品で、WindowsというOSとの接点も薄いため、今後力を入れて紹介するという気持ちは全くありません。しかし、やはりiPadという製品は気にならないわけもなく、特に今回リリースされた12.9インチの「iPad Pro」と7.9インチの「iPad mini 4」に関しては、多少なりともチェックせずにはおれない、というのが正直なところです。ということで、この2つのiOS製品について、多少調べてみました。
目次
1.iPad Pro
スペック
OS: iOS 9
CPU: Apple A9X (+ M9モーションプロセッサ)
RAM: 非公開
ストレージ: 32GB / 128GB
ディスプレイ: 12.9インチRetina(2732×2048)アスペクト比4:3
ペン入力: Apple Pencil(別売り99ドル、筆圧+傾き検知)
ネットワーク: 802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth 4.2、LTEモデルあり
入出力: Lightning、Smart Connector(Smart Keyboard接続用)、ヘッドフォン
カメラ: イン1.2MP / アウト8MP
スピーカー: ステレオ(4スピーカー)
バッテリー駆動時間: 最大10時間
サイズ: 305.7 × 220.3 × 6.9 mm /713g(Wi-Fi版)、723g(Wi-Fi+Cellular版)
価格: 799ドル(32GB版)、949ドル(128GB Wi-Fi版)、1079ドル(128GB Wi-Fi+Cellular版)
筺体
12.9インチディスプレイを採用した大型タブレットでありながら、厚さはわずかに6.9 mm、重量は700g強となっていて、Windowsの世界では考えられないくらいの素晴らしさです。残念ながらCPUがIntelではないため、「A9X」の実力の程はわかりませんが、Appleによれば「過去一年間に販売されたPCのうち80%はiPad Proより遅い」とのこと。2732×2048というディスプレイ解像度もタブレットとしては未知の領域です。このサイズをフルに活用すべく、Surfaceによく似た感じのキーボードも用意されています(トップ画像参照のこと)。他のニュースサイトではサイズ感と価格から、「Surface Pro 3」と比較する記事がいくつかありました。
また、筆圧対応のペン入力も可能で、Appleではあえて「pen」ではなく「pencil」と読んでいます。広大な12.9インチのディスプレイサイズもあって、かなり快適なペン入力が可能になっているようです。ただし、価格の方は最も低価格な32GBモデルが799ドル、Pencilが99ドル、専用キーボードが169ドルとなっていて、しめて1,067ドル(約12万8700円)と高価です。この価格だとMacBook Airの13インチが買えますね。
で、フォトショ動くの? by デザイナー
デザイン系の仕事をしている人に大人気のApple製品ですが、iPad Proは残念ながらフォトショ(PhotoShop)もイラレ(Illustrator)も動きません。驚異的なスペックに見えるiPad Proですが、あくまでもiOSを搭載したiPadであってMacBookではありません。
2.iPad mini 4
スペック
OS: iOS 9
CPU: Apple A8 (+M8 モーションコプロセッサ)
ディスプレイ: 7.9インチ Retina(2048 x 1536)
ストレージ: 16/64/128GB
カメラ: インFaceTime HDカメラ(1.2MP)/ アウトiSightカメラ(8MP)
ネットワーク: 802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth 4.2
バッテリー: WiFi 接続時最大10時間、セルラー接続時最大9時間
サイズ: 203.2 x 134.8 x 6.1mm / 298.8g(Wi-Fi) / 304g(Wi-Fi+LTE)
本体色: ゴールド、スペースグレイ、シルバー
価格(Wi-Fi/Wi-Fi+LTE):
16GB 4万2800円/5万6800円
64GB 5万3800円/6万7800円
128GB 6万4800円/7万8800円
コメント
サイズでは8インチWindowsタブレットと競合するiPad mini 4ですが、ここでもサイズ感が際立ちます。厚さ6.1 mmというのも重量300g切りというのも8インチWindowsタブレットでは未踏の領域です。インテル製ではない「A8」プロセッサーをCPUにしているため、Windowsタブレットとの単純な性能比較は困難ですが、Windowsよりははるかに軽量なiOSを搭載しているのでかなり高速な動作が期待できそうです。また、iPad mini 4のセールスポイントはカメラであり、アウト8MPという画素数もさることながら、写真撮影やビデオ撮影のための機能がもりだくさんとなっており、Windowsの比ではない高画質が楽しめそうです。
iPhone 6S Plus持ってるけど、買ったほうがいい?
ディスプレイサイズ5.5インチのiPhone 6S Plus、OSは同じ「iOS 9」でCPUは「A9」ですし、カメラもイン5MP/アウト12MPとさらに高性能です。スマホをこれにしてしまうと、iPad mini 4というタブレットを持つ意味がかなり薄れてしまうような気がするんですが、どうでしょう?
3.iPadは「スマホのお化け」、Windowsタブレットは「クソ小さいパソコン」
iPadというのはタブレット型デバイスの草分け(それ以前にもタブレットはあったが、これだけ普及したのは間違いなくiPadの功績)で、特に筐体設計に関してはダブルスコア、いやトリプルスコアくらいの差でWindowsタブレットを引き離していると思います。デザインセンスは言うまでもありませんし、薄さと軽さに関しては当分Windowsが追いつけないレベルに到達しています。また、ディスプレイの美しさというのもAppleがずーっとこだわってきた領域で、この分野でもWindowsは太刀打ちできません。
iPad Proのところでも、iPad mini 4のところでも「チクっと」書きましたが、やはりiPadという製品はWindowsタブレットとガチ競合はしない、と思います。もしタブレットを「コンテンツ消費型のみ」言い換えるとエンタメ専用デバイスと捉えるなら、iPadシリーズは圧倒的にWindowsよりも上です。筺体、OSの操作性、アプリ資産、どれをとっても優秀です。しかし、「コンテンツ生産型」言い換えると「パソコンソフトでなにか作る」ような使い方をする場合、iOSではできないことが多すぎます。でも、快適かどうかは別にして、Windowsタブレットなら普段使っているパソコンソフトは動かせます。
iPad Proは確かに素晴らしい筺体ですし、性能も高いんでしょうけど、PC用のソフトウェアを動かすことができません。この時点でSurfaceと比較する意味もありません。どんなに素晴らしい製品であっても、MacOSでなくiOSを搭載する限り、PCとして使うには限度があります。つまり、iPadは「スマホのお化け」という表現がピッタリきます。同じことはiPad mini 4にも言えます。私が聞いた話だと、iPad miniは大画面のiPhone 6 Plusが登場してから売上が大きくダウンしたそうです。当然ですよね、差別化できるところがディスプレイサイズだけだったのに、その差が一気に縮小しちゃったんだから。
私たちWindowsタブレットユーザーは多かれ少なかれタブレットに「パソコンとしての役割」を期待していると思います。だから外付けキーボードが欲しくなるし、モバイルマウスだって買い集めます。たとえ使う機会はほとんどなくてもOfficeがバンドルされていないといまいち納得できません。そうじゃありませんか?
私を含めた、こういう人たちはいくらiPadが進化してもあまり心が動きません。また、逆にこれまでiPadに満足してきたような人たちにとってWindowsタブレットなんて使いにくい中途半端なタブレットとしか映らないでしょう。もちろん十分なお金があればiPadとWindowsタブレットの両方を買う、というのはあると思いますけどね。
ひょっとしたらAppleはiPad Proという製品を作ってはいけなかったのかもしれません。Microsoftが七転八倒しながらWindowsPhone、WindowsRT、Windows8.1という並列するOSを統合しつつある中、Appleはこの先Microsoftと同じ道を歩まなくてはならない可能性があり、その引き金となるのがiPad Proなのかも。
4.関連リンク
iPad Pro:Apple公式サイト
iPad mini 4:Apple公式サイト
コメント
以下、大変失礼な事と承知で書かせていただきます。不快でしたら削除ください。
PhotoShop、Illustratorで何をするのか、にもよりますがiPad向けのPhotoShop、Illustrator製品もちゃんとあります。(もちろんデスクトップ向けとは使い勝手が異なります)
私はAppleを推奨するわけでも、Windows至上主義でもありません。いつも楽しみに記事を読んでいただけに、偏った記事がとても残念です。
こんにちは、コメントありがとうございます。削除などととんでもないです。軽い感じの印象を持ってもらえるように記事を書いたつもりなのですが、読んだ方が不快になるということは配慮不足だったということです。Photoshopに関してはWindowsストアアプリでもPhotoshopExpressというのがあるのですが、製品版のPhotoshopとは別物で、機能も使い勝手も全く異なり、画像の加工を職業にしているような人には使えません。iPad用のPhotoshop MIXはそれよりも高機能だということですが、それでも製品版には及ばないと思います。製品をほめる記事と言うのは簡単に書けるのですが、欠点を指摘する記事と言うのは書き方が非常に難しく、時として関係者の方を不快にさせてしまうのですが、サイト全体が製品を礼賛する記事しかないとしたら、読者の方には全く信用されないだろうと思います。今回の記事でご不快にさせてしまったことはお詫びいたします。しかし、当面この記事はそのままにさせておいてください。
あと、Twitterなどでもこの記事を批判している人がいて、確かに勉強不足だと思ったので、いくつか他の記事を調べたところ、
「3つのOS」で基盤整備を進めるアップルの次世代戦略
というのがありまして、
という記述がありました。この先どうなるんでしょうね?もう少しAppleの戦略も勉強しなくちゃいけない、と反省しました。
こんにちは。いつも楽しく読ませて頂いてます。
今回のiPad proは、IBMとの提携のあとに発表(というか噂)があったので、個人需要ではなく法人需要が目的で制作されたものだと思ってましたが、Apple Pencilがついてきたあたり、法人需要に加えて昔のAppleに回帰したんじゃないかなという印象を持ちました。つまりデザイン、グラフィック制作の需要を重視したのではないかと思ってます。法人需要に加えてと書きましたが、iPad Proはどう見てもプロフェッショナル仕様なのでデザイン、グラフィック制作の法人も想定しているのでしょう。
iPadProが出てきたことで、案の定というかOS Xとの統合を望む声が大きくなってきました。けどAppleはWindowsのような「なんでもできる」ではなく「ひとつのことをより特化させる」方法を取っていますので、統合はひょっとすると将来あり得るのかもしれないけど、まだ先なのではないかと思っています。でもiPadProはPencilの機能を見た感じ、やっぱりプロフェッショナル仕様なんです。でも現状は残念ながらソフト(OSのことではなくグラフィックソフト)がハードに追いついていない。ではどうするのかというとソフトを追いつかせるしかないんですけど、それがグラフィックソフトをOS X仕様に近づけるのか、OS Xに統合させるか、どっちかだと思うんですね。で、現状OS Xと統合の線は比較的薄いので、ソフトを追いつかせてくるんじゃないかと思ってます。
あとひょっとすると将来OS Xが統合するんじゃないかと思っている理由がキーボードの存在です。キーボードを出す理由が個人的には分からない。Office用に用意したわけではないですし、ないですよね?(笑)
一番考えられるのが法人需要なんですが、キーボードを使うのならOS X使ってると思うんですけどね。IBMの顧客の中にキーボードを望む声が比較的多かったとしか考えられないですね現時点では。
というふうにキーボードの存在は謎です。ということはOS X統合の布石なのかなあという結論に達したワケです。可能性は0%ではないかなと。
逆に統合しない理由も考えられるんですけど、それはやっぱりAppleはハード屋なんですね。ハード売ってなんぼなので、多目的よりかは目的別にハードを作ったほうが悪い言い方ですが儲かるんですよね。MicrosoftやGoogleとは利益の取り方が違うと。これが統合しない理由です。
今回の記事は確かに感情がいつもよりも出ていた印象を受けましたが、タイトルもウインタブですし、ほとんどWindows関連の記事ですので、その時点で偏ってるといえば偏っているので今更かなあとは思いましたが、批判的な感情が少し出てしまうと駄目なんでしょうかね?私は特に気になりませんでしたが、Windowsファンはこんな人達なのか!と思われてしまう可能性もあるのかもしれません。
すごい長々と書いてしまいましたが、これからも応援しています。
Akiyoshiさん、こんにちは、コメントありがとうございます。いただいたご意見は参考にさせていただきます。もちろん良し悪しを論じるほどの知識はないので、コメントのしようもないですが。iPad ProとMac Book系の差別化ってどうなんでしょうね?また、例えばiOSで完璧なPhotoshopを作ったとして、iOSユーザーの殆どはiPhoneを使っているので、めちゃめちゃ需要が少ないと思うんですけど、Appleはソフトウェアメーカーに対してそんなことを強いることができるんでしょうか。そのへんがわからないというか、iOSのなかでミクロなシェアしかないiPad Proのために高度なソフトウェアを作るメリットってあるのか疑問です。
osを統合したくてもできないんでしょうね
ユーザビリティが最悪になりますから
Windows10もタブレットの使い勝手はいまいちですし、でも、今後の変化が楽しみでもあります
こんにちは、コメントありがとうございます。OSを統合しないのがAppleの戦略なのであれば、やはりiPad Proってミスマッチな気がするんですけどね。
はじめまして、通りすがりで興味深く記事を拝見させていただきました。
PROというからには、DTM&お絵かきのプロユースをターゲットにしていそうですね。実際にはセミプロを対象にしてそうな印象ですが、それら創作が素人にも身近になりそうなデバイスになる予感がします
WindowsタブレットはパームPC世代にとっては「浪漫」ではありますが、実際に使ってみるとSurfaceでさえ「拡張性やキーボードとの据わりの悪さ」といったパソコンとしては未完成であり、タブレットとしても使いやすいとは言い辛くまだまだ発展途上のホビーですね
やはりWin8以降、MSとしては娯楽や創作・編集、ビジネスなどを目的とした既存ユーザを同一視したのは、一括りに取り込めれば商売としては楽であり美味しい話ですが、結果混乱を招いただけですね
やはり目的ごとにハードやソフトを棲み分けて、目的から得られたデータを容易に異なるデバイス間で共有できるというAppleの目論見は鉄板かと思います
でもまあ、Windowsタブは楽しいですしもっと使いやすく進化してほしいですね
こんにちは、コメントありがとうございます。Appleの目論見が鉄板なのか私にはわかりませんし、MSの戦略が混乱を招いただけというのも同意できません。ですが、人それぞれの意見や感想を持つのは当たり前だと思います。私はこれからもWindowsをメインに記事を書いていくと思います。