こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。HUAWEIが5月23日に発表した新製品3機種のうちの1つ「MateBook E」を紹介します。この製品は3機種中で最後に記事にしているわけですが、当初、従来型との変更点がほとんど見いだせず、「記事を書きにくいんだよ!」と思ってました。でも、しっかり手が入ってますね!なお、同時発表の2機種についてはすでに紹介記事を書いていますので、こちらをご覧ください。
HUAWEI MateBook X ー 13インチ、薄型軽量にしてハイスペックなモバイルノートがHUAWEIから!
HUAWEI MateBook D ー 15.6インチ、狭ベゼルでスタイル抜群!のノートPCがデビュー
1.スペック
OS: Windows 10 Home
CPU: Intel Core m3-7Y30 / i5-7Y54
RAM: 4GB / 8GB
ストレージ: 128GB / 256GB / 512GB
ディスプレイ: 12インチIPS(2,160 x 1,440)※アスペクト比3:2
ネットワーク: 802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth 4.1
カメラ: インのみ5MP
入出力: USB 3.0 Type-C、オーディオジャック
バッテリー: 4430mAh
サイズ: 278.8 x 194.1 x 6.9 mm / 重量 640 g
※別売りキーボード込みの重量は1,100 g
カメラと入出力ポートについてはウインタブ推定
このスペック表はHUAWEIのグローバルサイトに記載されているものを転記しているので、日本版の仕様は変更になる可能性があります。従来機のスペックと見比べてみると、変更点は「OSにPro版の選択肢がなくなった」ことと「CPUがSkylake世代のCore mからKabylake世代のCore mに変更された」ということだけのようです(なお、Core i5-7Y54というのはSkylake世代のCore mの延長線上にあるもので、Core i5-7200Uとは別設計です)。
RAMやストレージの構成、ディスプレイの解像度、筺体サイズは従来機と全く同じです。あと、非常に細かい話として、本体とキーボード(別売り)を接続するコネクターのピン数が減っていて、従来機は7ピン、新型は3ピンとなっています。それと、キーボードの形状も変わっているのですが、それは後述します。
2.筺体
MateBook(E)は12インチと大型ながら本体の構造はプレーンなタブレットです。Surfaceタイプのように本体側にキックスタンドがついておらず、キーボードなしには自立(本体を立てて使うという意味です)できません。その分薄型・軽量になっており、厚さ6.9 mm、重量640 gというのは12インチの製品としては驚異的と言っていいレベルだと思います。また、上に書いたとおりAtom機ではなく、Core m系のCPUを搭載し、RAMやストレージ容量も余裕のあるものを選ぶことができます。
薄型・軽量、そしてプレーンなタブレット形態をとるこの製品でさらにうれしいのは2,048階調の筆圧に対応するデジタイザーペンが用意されることです。別売りの「MATEPEN」は充電式で、なんと「レーザーポインター」がつき、「ページアップ・ダウン」の機能もあります。ただし、ワコムのfeel IT Technologyではないと思いますので、描き味等についてはコメントができません。
筺体素材はアルミニウムで、スマホで培った(と言っていいと思います)高品質なものが使われています。また、この製品は筺体側面に指紋センサーも内蔵します。
キーボード形状は明らかに従来型と異なります。なお、従来型では日本向けに日本語配列のキーボードが用意されているため、MateBook Eでも日本語配列のキーボードとなる可能性は高いと思います。
これが従来型のキーボードです。従来型ではキーの間隔をギリギリまで狭くしており、その分キーサイズを大きくしていたと思われますが、新型は割と普通のアイソレーションタイプに変更されているのがわかると思います。なお、従来型から採用されていたキーボードのバックライトは新型でも踏襲されます。
そして、キーボードの構造も変わりました。MateBookのキーボードはタブレットカバーを兼ねるタイプで、カバー部分を台座にしてタブレット本体を立てかける構造だったのですが、新型では「Surfaceっぽくなった」といいますか、角度調整が可能(最大160度)になっています。つまり、キーボードカバーがSurfaceタイプのキックスタンドと同じ動きをする、ということですね。
こちらが新型キーボード。
こちらが従来型です。台座の作り方が完全に変わってしまいました。また、接続コネクターのピン数が変更になっているため、MateBook Eは従来型のキーボードは接続できないと思われますし、従来型はMateBook E用のキーボードは接続できないでしょうね。
3.価格など
HUAWEI MateBook Eは2017年夏の発売予定となっており、少し大型でスペックのいい、プレーンなタブレットを探している人には最適な製品だと思います。なお、ユーロ圏での予定価格は下記のとおりです。
Core m3/4GB/128GB: 999ユーロ(約125,000円)
Core i5/4GB/256GB: 1,199ユーロ(約150,000円)
Core i5/8GB/256GB: 1,299ユーロ(約162,000円)
従来型のMateBookでは、Core m3搭載の下位モデルでキーボードをセットしたお買い得モデルというのが存在していまして、これが7万円程度(5月28日現在だと69,800円@NTT-Xストア)という、明らかに異常な価格です。スマホやAndroid機では高い知名度を持つHUAWEIが、本格的にWindows PCを展開していくための戦略的な価格設定なのでは?と思ってますが、そんなわけで従来型に関してはスペックに強いこだわりがない場合「屈指のお買い得モデル」を選べるようになっています。
それを見てしまうとMateBook Eのユーロ建ての価格設定はどうしても高いという感想になってしまいます。日本でどのくらいの価格設定になるのかは不明ですが、ユーロ建てでキーボード別売り、12万5千円の製品が日本でキーボード込み、7万円とか8万円という価格設定になるためには、「何らかの意思」が働かないと無理なんじゃね?という気はします。
あくまで日本での発売決定および実売価格を確認してから、ということになるんでしょうけど、CPUとキーボードなどの変更点を理解した上で、「別にいいや」と思えるなら従来型のお買い得モデルにしちゃってもいいかもしれません。でも仮に「いや、デジタイザーペンはスペック上は変わらないけど描き味がめちゃめちゃよくなってるから」みたいなことがある場合はウインタブではフォローできないので、そこが少し怖いですけど。
4.関連リンク
HUAWEI MateBook E:HUAWEI 製品情報(英語)
コメント
ワコムのペンじゃないのと価格が上がったのは個人的にこの製品の価値を大きく損なうものじゃないかと思っています。
10万もせずにそこそこの性能のワコムの液タブもどきになれるのって殆どありませんから。
PYUさん、こんにちは、コメントありがとうございます。natsukiさんによればワコム製みたいですね。ただ私feek IT しか試したことがないので何ともいえませんけど。あと、現行モデルの激安なやつは、何らかの戦略によるものか、と思います。
ペンは画像を見る限りでは、旧MatePenと同じに見えるんですがどうなんでしょうね?
ちなみに、旧MatePenはワコム製ですがfeel IT Technologyではないです。情報が少なくて正確なことが言えないのですが、店頭で触ってみた感じだと、おそらくTOSHIBAと開発したAES(アクティブ静電結合方式)に連なるものと思われ、充電が必要な代わりにほとんど視差(ガラスの厚さ)がありません。
旧MateBookもワコム製だということをそんなに前面には出していなかったので、引き続き同じものを搭載しているとも考えられますが、実際に触ってみないことには分かりませんね。
いずれにしても、性能がほとんど変わらずに値段アップは消費者としては残念。
ところで、このスタンド、どうやって固定しているんだ?
natsukiさん、こんにちは。ということはかなり高品質なのでは?価格についてはこのモデルでもHUAWEIが頑張ってくれるとうれしいかな、と。
MateBookは10インチ出して欲しい。10インチはキーボードが打ちにくいからそれ程売れないのかな?
こんにちは、コメントありがとうございます。10インチをHUAWEIが出したら面白そうですね。スペックも高いのを出しそうだし。需要あると思いますけどね。