FRONTIERが2-in-1 PC(タブレットが本体で、着脱式のキーボードがセットされたもの)「FRT280P」を発売しました。高性能なゲーミングPCをメインに扱っているFRONTIERですが、「FRT◯◯P」という型番の2-in-1 PCは以前からあり、CPUやRAM/ストレージなどの仕様をブラッシュアップしながらニューモデルをリリースし続けています。
ポイント:
・国内メーカー品では希少な低価格帯Windowsタブレット(2-in-1)
・CPU性能が従来モデルよりもアップ
・専用キーボードが付属
1.製品概要
スペック表
FRT280P | |
OS | Windows 11 Pro |
CPU | Intel Celeron J4125 |
外部GPU | なし |
RAM | 8GB |
ストレージ | 128GB eMMC |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 10.1インチIPS(1,920 × 1,200)タッチ |
ネットワーク | 802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth 5.0 |
入出力 | USB 3.2 Gen1 Type-C、USB 3.2 Gen1 Type-A miniHDMI、microSDカードリーダー オーディオジャック (キーボード側にUSB 2.0 Type-Aあり) |
カメラ | イン2MP/アウト2MP |
バッテリー | 76V/3,000mAh(22.2Wh) |
サイズ | タブレット:260×174×11mm キーボード込み:260×174×22mm |
重量 | タブレット:600 g キーボード:500 g |
コメント
OSはWindows 11 Proで、CPUはCeleron J4125です。この製品の従来モデル「FRT270P」からの主要な変更点はCPUだけです。
これはPassmarkが公表しているベンチマークスコアです。左がFRT280Pの搭載CPU、真ん中にあるCeleron N4120は従来モデルFRT270Pの搭載CPU、右のN100はCeleronの後継と位置づけられているIntelのエントリーCPUで、ウインタブを含め各所の評価が高い型番です。
Celeron J4125とN4120はともにコードネームが「Gemini Lake Refresh」で4コア4スレッド、J4125のほうが周波数(クロックスピード)とTDPが高いため、性能は少し上です。ただし、N100とは歴然たる性能差があります。
J4125、N4120とも少々古い型番なので、ここ2年ほどはウインタブでも実機をテストしていませんが、特にN4120(やN4100)に関しては相当数のレビュー経験があります。このCPUのビジネス用途としては「持ち出し用のPCとして、すでに完成した資料を使ってプレゼンなどをする」「あまり凝っていないOffice系資料の作成」「いったん完成した資料の手直し」などが挙げられます。動画視聴やWebブラウジングは問題なくこなせると思います。
RAMは8GBでストレージは128GBのeMMCです。SSDよりは低速とされますが、CPU性能から見て速度面には不満は感じないでしょう。また、RAMについてもCeleron J4125との組み合わせでは悪くありません。
筐体は「デタッチャブル2-in-1」です。最近の低価格帯PCではめっきり見かけなくなった形状ですが、2014年とか2015年にはこのタイプのWindows PC(タブレット)が非常に多く出回っており、ウインタブでも中国メーカーの製品を愛用していました。CPU性能は低いですが、10インチ級でタブレット単体でも使える、というパッケージングは今でも魅力的ですし、もう少し新製品が出てきても良いのではないか、と思います(まあ、需要が少ないんでしょうね)。
前面と各部名称です。ディスプレイは10.1インチで解像度は1,920 × 1,200と十分なものになっています。ただ、ベゼルはかなり太いですね。ただし、本体の横幅を小さくするとセットされるキーボードも小さくなり、キーピッチも狭くなってしまいますので、10インチ級の2-in-1であればベゼル幅が太くなるのもやむを得ないかと思います。
前面上部にWebカメラ、下部にWindowsボタンがあります。ここも思わず「懐かしい!」と言ってしまいそうなところで、Windowsのロゴマークがセンサーボタンになっているんですよね。かつてのWindowsタブレットによく見られた構造です。あと、スピーカーの配置もいいですね。これだと動画視聴時などで自然なステレオ感が出ると思います。
ポートは左側面に集中しています。豊富にある、とまでは言えませんが、筐体サイズを考えれば充実した構成と言えます。
キーボードです。「日本語キーボード 83キー(JIS規格準拠) (キーピッチ約0.65±0.2mm /キーストローク約2.5mm )、接続方式:ピン端子(5ピン)、キータイプ:パンタグラフ」と開示されていますがおそらくキーピッチは誤りです。「キーピッチ0.65 mmってティンカーベル用ですか?」ということです。おそらく16 mmとか16.5 mmとかではないかと思います。
なお、キーピッチの狭さについてはある程度の覚悟が必要ですが、キーストローク2.5 mmというのはノートPC用キーボードとしてはかなり深く、非常に素晴らしいと感じます。
2.価格など
FRONTIER FRT280PはFRONTIER Directで販売中で、6月5日現在の価格は49,800円です。以前(2014年頃)に比べるとさすがにちょっと高く感じますが、ディスプレイ解像度もWUXGA(1,920×1,200)ですし、RAMとストレージ容量も以前の製品よりも大きいので、悪くない価格だと思います。
これでCPUがN100だったら…と皆さん思われるんじゃないでしょうか?国内メーカー品でN100搭載の類似モデルに「aiwa tab WS12」がありますけど、こちらは価格が8万円台になってしまうんですよね。
3.関連リンク
2014年にサイトを開設して以来、ノートPC、ミニPC、タブレットなどの実機レビューを中心に、これまでに1,500本以上のレビュー記事を執筆。企業ではエンドユーザーコンピューティングによる業務改善に長年取り組んできた経験を持ち、ユーザー視点からの製品評価に強みがあります。その経験を活かし、「スペックに振り回されない、実用的な製品選び」を提案しています。専門用語をなるべく使わず、「PCに詳しくない人にもわかりやすい記事」を目指しています。
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コメント
N100とは言いませんがもうちょっと高性能なCPUでもよかったかなぁ。
あとストレージがeMMCというのがきつい。SATAでいいからM.2 SSDだったらよかったのですが。
基板直付けのストレージは万一の時に手が出ないんです。M.2 SSDなら分解して取り出すことができるのに。
あと、先ほどFRONTIERのオンラインショップに行ってみましたが、完売とのことでした。