こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。8インチに限って言えば2014年秋冬モデルは性能面での進化があまり見られず、薄く、軽く、そして安くなっていく傾向がありますね。今回は低価格化ということに注目し、2万円以下で買えるWindowsタブレット3機種の比較をしてみたいと思います。
※「中華タブ」と呼ばれる並行輸入品のタブレットは対象外としています。技適マークがついておらず保守サポートも事実上ないことから、普通の人が安心して使うタブレットとみなしていないためです。
※数値など客観性のあるものに関してはできるだけ正確に記載していきますが、感覚や感想など定性的な内容に関しては私の主観であり、使う人によって異なる感覚や感想をもつ可能性もあります。記事中はウインタブとして断定的な書き方をしていきますが、どうかこの点、あらかじめご了承下さい。
目次
1.対象となる3機種
geanee 7インチWindowsタブレット WDP-71
ディスプレイ: 7インチIPS液晶(1280×800)
OS: Windows8.1 with Bing 32bit
CPU: Intel Atom Z3735G(1.33GHz/バースト時1.83GHz)
RAM: 1GB
ストレージ: 16GB
サイズ: 191.6×9.1×109.8 mm
重量: 326.5g
価格帯: 14,018円(NTT-X Store 2014年12月17日現在)
備考:日本で買える唯一の7インチWindowsタブレット。価格も群を抜いて安い。7インチのIPS液晶で名実ともにAndroidキラーの素質十分。RAM1GBとストレージ16GBという不安はあるが、低価格と7インチサイズのパッケージングに文句は出ないだろう。
製品紹介記事:
geaneeが7、8、10インチのWindowsタブレットを発表、12,980円から!
メーカーサイト:
Windows8.1タブレット 3モデル:geanee公式サイト
acer Iconia Tab 8 W
ディスプレイ: 8インチIPS液晶(1,280×800)
OS: Windows8.1 with Bing 32bit
CPU: Intel Atom Z3735G(1.33GHz/バースト時1.83GHz)
RAM: 1GB
ストレージ: 32GB
サイズ: 128×214×9.75mm
重量: 370g
価格帯: 19,240円(価格ドットコム 2014年12月17日現在)
備考: 2万円を切る低価格ながらIPS液晶とストレージ32GBを搭載、薄型軽量タブレット。RAM1GBながら普段使いには問題なし。
製品紹介記事:
acer Iconia Tab 8 W - 低価格タブレットがまたまた登場!最安タブとなるか?
メーカーサイト:
Iconia Tab 8 W:acer公式サイト
ドスパラ Diginnos DG-D08IW
ディスプレイ: 8インチ光沢液晶(1,280×800)
OS: Windows8.1 with Bing 32bit
CPU: Intel Atom Z3735F(1.33GHz/バースト時1.83GHz)
RAM: 2GB
ストレージ: 16GB
サイズ: 127.96×213.8×8.6mm
重量: 345g
価格帯: 19,980円(ドズパラ直販サイト 2014年12月17日現在)
備考: RAM2GB搭載で上位機種と同等の性能を実現。弱点はストレージが16GBであること。出荷時の空き容量は約6.5GB
製品紹介記事:
ドスパラ Diginnos DG-D08IW - ついに出た!19,980円のフルWindowsタブレット
2.Microsoft Officeは付属せず
WindowsといえばOffice、といっていいと思いますが、今回のノミネート機種はどれもOfficeをバンドルしていません。もちろんOfficeを搭載していないからこそ2万円を下回る価格を実現できているので、購入を検討している人にとってこの点は織り込み済みというか納得できることと思います。
この3機種のためにOfficeの製品版を購入することは現実的ではありません。PowerPointがつかないOffice Personalでも実売価格は20,000円を越える(ただし2ライセンス)ため、せっかく安くタブレットを買ってもOfficeを別に買ってしまうとむしろ割高になってしまいます。Office 365 Soloならアリかもしれませんが、こちらは年間契約(12,744円/年)で利用権を購入するタイプなので、好き嫌いがわかれるでしょう。ちなみに私はOffice 365 Soloを契約しています。
geanee WDP-71(以下、単にgeaneeといいます)はOffice互換ソフトであるKINGSOFT Officeの製品版がついています。純正のOfficeではないけれど、後述するフリーソフトと比較すれば互換性は高く、ユーザーインターフェースも良好なので、使い勝手はいいと思います。
Office互換のフリーソフトではLibreOffice、OpenoOfficeがあります。ともに一定の互換性はありますが、表示が崩れたりマクロが動かない場合があるなどの不都合は起こります。軽作業であればOfficeOnlineが無料で使えるので、そちらで十分、ということも言えるかもしれません。
3.CPU性能は十分か?
はい、十分です(キッパリ)。Core i7搭載のデスクトップPCと比較する人はいないでしょう。8インチのタブレットとしての実用的な使い方をイメージする場合、CPUスペックが低い、ということはありません。これは今回のノミネート機種ということではなく、Z3735Fを含むAtomを搭載したタブレットを使った者としての意見です。ただし、タブレットを含めたPCの性能はCPUだけでは決まりません。RAMやストレージ、基板などを含めて決まるものなので、注意してください。
3.RAM1GBで大丈夫?
すみません、私RAM1GBの実機をしっかり使ったことがないので、各所のレビュー記事を参考に書きます。基本的にWebブラウジングとか動画視聴、音楽鑑賞といった普段使いには全く問題ないようです。ただ、艦これで遊ぶ場合に「RAM1GBだとつらいが、仮想メモリを設定すれば起動し、遊ぶことができた」という書き込みが複数ありました。
また、「RAM1GBしかない」という自覚を持った使い方が必要でしょう。初心者向けのたとえとして「RAMは作業机の広さをあらわす」と言われますが、RAM1GBというのは普通のWindows用の机としてはかなり小さいので、散らかしてはいけない、整理整頓が必要、という理解をしておくべきです。つまり、複数のソフトを立ち上げたままにせず、こまめに終了させ、机の広さを確保する、という心がけが必要、ということですね。
制約があるのは当たり前、ちょっとした心がけがあれば十分に使えると思いますよ。
4.ストレージ16GBで大丈夫?
足りません。読者の方にいただいたコメントによれば、geaneeの出荷時の空き容量は5GB超、ということですが、ストアアプリは必ず内蔵ストレージにインストールすることになるので、ゲーム系のアプリをいくつかインストールしてしまうと一杯になります。また、リカバリ領域が4GBほどあり、これをUSBメモリーに移動させることによって空きを作る、という手もありますが、最新のWindowsタブレットは「WIMBoot」という圧縮インストール手法が使われているので、簡単にリカバリー領域を削除できない可能性があります。
ドスパラのページには「microSDを使った仮想HDDのマウント」という方法が紹介されており、これを使えばストレージ容量を増やすことが出来ますが、この場合でも起動するたびにHDDのマウントをやり直す必要があるので、使う上での「自覚」が必要になります。
ストレージ16GBということにかぎらず、Windowsタブレットを使う場合はデータの管理に気配りが必要で、個人データはクラウド・ストレージに保存するとか、遊ばなくなったゲームアプリはすみやかにアンインストールするとかの心がけがないと使えません。16GBのストレージであればなおさらで、それなりの覚悟が必要だ、と言っておきます。
5.結論、欲しいのなら買って幸せになろう
2万円を切る低価格タブレット、整理するとこんな使い勝手になるといえます。
Windowsストアアプリ→快適です
Webブラウジング→快適です
動画視聴→快適です
音楽鑑賞→ドスパラのみモノラル、あとはステレオスピーカーですが、スピーカーは実用品レベルと考えましょう。いいヘッドフォンを使えばそれなりに使えます。
ブラウザゲーム→RAM1GBの場合、ちょっと工夫がいりますし、あまり快適ではありません。
オンラインゲーム→厳しいです。特に3D。これが目的ならWindowsタブレットはやめときましょう。
RAM1GB→タブレットをいたわる気持ちwが必要です。多くのアプリを同時に立ち上げないで。
ストレージ16GB→使えますが足りません。こまめに不要アプリをアンインストール、クラウド・ストレージの常用、仮想HDDの採用を考えてください。
今回のノミネート機種に限らず、Windowsタブレットにはそれなりの制約があります。性能だけを追求してしまうと永久にWindowsタブレットは購入できません。なぜなら、その時々でタブレットより高性能なノートPCだったりデスクトップPCが必ず存在するからです。
私、acer Aspire Switch 10を使っていて、あまりの使いやすさに感動していますが、この機種、PCとしてのスペックは最低レベルです。でも、「3万円ちょっとでこれってすごいよね」と思うか「いつも使ってるデスクトップPCと比べたらゴミ同然のスペック」と思うかで評価は分かれます。Aspire Switchはゲーマーが自作したPCじゃありませんから。Surface Pro 3でもありませんから。3万円ちょっとで、重さ1.2kgで、よく考えられた筐体の2 in 1ですから。要するに何を物差しにするかでその機種の評価って決まると思います。
この記事で紹介しているタブレットは2万円以下で買えるんですね。購入を検討している人の物差しは「この値段で普段使いとして納得できるだろうか?」ということだと思います。それなら簡単、ウインタブの回答は「どれを買っても納得できます」です。機種ごとには下記のとおりとなりますが、「RAM1GB」よりも「ストレージ16GB」の方が初心者にはつらいかな、と思います。その意味ではIconiaがいいかも。逆に「ストレージ16GB」と折り合える人ならドスパラですね。geaneeは孤高の7インチタブレットなので、マーケティング用語で言う「イノベーター」「アーリーアダプター」という気概のある人におすすめです。
geanee: 7インチのフルWindowsを考えているのなら現状他に選択肢はありません。従って、デメリットには目をつぶりましょう。
ドスパラ: 低価格タブレットとしての弱点はストレージ16GBであることだけです。Atom Z3735FとRAM2GBの組み合わせ、私はAspire Switch 10で実感していますが、全くスペックに不満はありません。ドスパラのいう「仮想HDD」を実装できるくらいの知識があればいけます。
Icona: RAM1GBなので、ブラウザゲームが目的で購入する機種ではありません。普段使いで気軽にIPSの美しい画面を楽しみたいならおすすめです。ストレージは32GBあるので、十分とは言えないものの、それなりに多くのアプリをインストールしても大丈夫です。
コメント
CPUの周波数がバーストするってどういうこと…
せめてブーストと
こんにちは、コメントありがとうございます。IntelのARKの英語版を見ると「Burst」、日本語版だと「バースト」と表記されていて、直訳するとまさに「破裂」って意味ですね。ちなみにYahoo!知恵袋に記事がありました。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10140757720