Thresholdというのは「入口」とか「発端」という意味で、発音は「スレショルド」です。「マイケル」を「マイコー」と言いたい人なら「スレショード(ドは心持ち小さく)」でしょうか。
Thresholdという言葉は次期Windows(Windows8の後継OS)の開発コードネームになっています。Windows関係の情報を集めるべくググっているとかなりの頻度でこの言葉を目にします。
ここ数日でThresholdに関する情報が急に増えました。
Windows ‘Threshold’: More on Microsoft’s plan to win over Windows 7 users:
ZD Net(英語)6月30日
Getting Windows to the Threshold:
Paul Thurrott’s SUPERSITE FOR WINDOWS(英語)
Windows Threshold: The modern UI takes a backseat for desktop users:
Neowin(英語)6月30日
Yes, the desktop will be going away on smaller Windows tablets:
Neowin(英語)7月1日
また日本のメディアでも
マイクロソフト、次期Windows『Threshold』に新スタートメニューを導入。スタート画面を置き換え:
engadget日本版
などがあります。ひと通り目を通してみましたが、一番上のZD Netの記事がネタ元になっているようです。この記事の執筆者はMary Jo Foleyという人で、業界きってのMicrosoft通(engadget日本版)だとのこと。なので、Mary Joさんの記事をベースに情報を整理してみましょう。
Thresholdのリリース次期は2015年の春頃で、名称がWindows9となるのかどうかは不明。このOSはWindows7を使い続けている人、言い換えるとデスクトップPCやノートPCでマウスやキーボードを使い「デスクトップ(モダンUIではない、トラディショナルな画面)」を操作している人に受け入れやすいものになる。Windows8.1 Updateになってから、起動時に従来のデスクトップ画面とモダンUIを選べるようになったが、Thresholdでもこの考え方は継承され、デバイスの種類によって「見た目と機能」が異なるものになるだろう。
・デスクトップPC/ノートPCの場合、起動時にはデスクトップUIがデフォルトに
・2 in 1(Surfaceなど)の場合、キーボードを装着している場合はデスクトップUI、装着していない場合はモダンUIで起動
・WindowsPhone/タブレットの場合、モダンUIのみでデスクトップ画面は一切表示されない。従来の画面分割の機能は維持。Threshold MobileとしてARMや、多分Atomを積んだタブレットにも使われるだろう。スポンサーリンク
とりあえずいったん切ります。現在私達が使っているWindowsタブレットですが、Mary Joさんの情報によれば、Windows RTみたいな位置づけになってしまう、というふうに読めます。これだと現時点でWindows8のタブレットを使っている人には強い不満が残りそうです。
でもちょっと待ってください。最近の10インチWindowsタブレットの仕様を見てみると、キーボードを付属させている機種がほとんどです。タブレットと2 in 1の定義というか境界線なんて、実は曖昧なものでしかありません。なので「タブレット」だからモバイル用のOSとインターフェースにしなくてはならない、ということではなく、WindowsRTの後継OS(WindowsPhoneと統合?)も存在して、そちらを搭載した安価なタブレットも登場する、という理解をしておくべきでしょう。フルスペックのOSを搭載したWindowsタブレットがなくなる、ということではないと思います。WindowsRTの新機種(例えばSurface Mini)のリリースが延期されているのはこのあたりの事情が背景にありそうですね。
Microsoftの最も重要なミッションはWindows8でタッチ操作優先にしすぎてキーボードとマウスをメインに使っている人をないがしろにしてきたことをリカバリーすることだ。ThresholdにはモダンUIを内包したメニューボタンが実装され、Windowsストアアプリをデスクトップのウインドウ内で実行できるようになる。よって、モダンUIを完全にカットすることができるのだ。
また切ります。この記事のトップ画像(4月のBuildカンファレンスの画像)がスタートメニューの中にモダンUIのタイルが並んでいる状態です。このままリリースされるわけではないかもしれませんが、雰囲気はわかりますね。ストアアプリをデスクトップのウインドウ内で実行できることも合わせて考えれば、デスクトップPCのようなある程度大画面で、マウスとキーボード使う前提ならば、確かにモダンUIにこだわる必要はなさそうです。でも8インチのタブレットの場合、これらの変更があったとしても従来のモダンUIのほうが使いやすいというか、新機能はむしろ使いにくそうです。
Thresholdの正式リリースの前、今夏にはWindows8.1のアップデート版(Update2)がリリースされる。ただし、大規模なアップデートではなく、地味なものになりそう。
ThresholdではWindows7と8.1のユーザーを何としても取り込まなくてはならないので、Windows8.1 Updateのユーザーと、場合によってはWindows7 SP1のユーザーに対して無償でアップデートさせるということもあり得る。
本当に無料になったらうれしいですね。最近の流れから考えて、新しいOSって軽量化される可能性もありますし、来年春というタイミングなら、その頃には少しくたびれてきているであろう私達のWindowsタブレットがいい感じでリフレッシュされそうです。