こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。今回はお正月らしく、オピニオン記事です。「7インチのWindowsタブレット」ですが、2015年はNTT-Xストアで7,000円台という恐ろしい販売価格が設定され、とりあえず購入してしまった、という人も多いと思います。この価格であれば「とりあえず」という意思決定に何ら問題はないと思いますし、間違いなくいいお買い物だったでしょう。私はといえば、結局購入しませんでした。検証用に1台7インチも手元においておくべきだとは思ったのですが、身の回りのタブレット類が非常に増えてしまい、逡巡しているうちに祭りが終わった、ということです。
一方、2015年の年末になってWindows 10 スマホ(WindowsPhone)が続々と登場してきました。現状はディスプレイサイズが5インチ程度のものが主流ですし、CPUやRAMについてもエントリーレベル~ミッドレンジのスペックのものしかない、という状況なので、「Windowsのスマホが買えるようになったね、バンザーイ!」と思いつつも、Continuumという、「Windowsスマホならでは」の新機能を試すことができません。
また、Microsoftストアアプリ(WindowsストアアプリとWindowsPhoneストアアプリ)はPCでもスマホでも使える「ユニバーサル化」されたものが多く登場し、特にゲームアプリでは非常に高度なものが登場してきています。あまりにも高度なので、一部のアプリは日本で現在購入できるWindows 10 スマホだとスペック足らずになってしまっているほどです。ストアアプリのレベルアップは2016年も継続し、特にスマホ向けということでは急速にiOSやAndroidのアプリ市場をキャッチアップしていくことになると思います。
目次
1.どうなる?境目サイズのタブレット
今回のお題は「8インチ以下のディスプレイサイズのWindowsデバイスは2016年にどのような方向に向かっていくか?」ということです。まず、Windows 10の時代では、7インチの「フルWindows」デバイス、というのは出てこないと思われます。Microsoftのシステム要件では7インチサイズのものはWindows 10 Mobileを使用することになっていますから。
また、Windows 10 スマホは2016年も新製品が続々と登場することが確実だと思います。CPUにSnapdragon 808とか810とか820などの高性能なものを搭載し、ディスプレイサイズも6インチ以上のものが出てくる可能性も高いと思っています。
そうすると、直感的に思うのは、「7インチサイズはスマホ(ファブレット)化する」ということです。確かに7インチでハイスペックなWindows 10 Mobileデバイスが登場したら、「電話もできるし、高度化したアプリをContinuumを介して大画面で使えるし、タブレットとしても使える」ので、ある意味現状の7インチフルWindowsタブレットよりも使い勝手が良くなるでしょう。この記事は特に裏付けがあって書いているわけではありませんが、「ファブレット」はWindows 10 MobileというOSを採用することによって、今年こそ日本市場で一定レベルの存在感を発揮するだろう、と思います。
2.絶対に7,000円とか無理だから!
PCをずっと使ってきた人間の先入観として「IntelのほうがQualcommよりも優秀で値段も高い」というのがあると思います。しかし、AtomとSnapdragonって、どっちが高価だと思いますか?Snapdragonの価格は調べてもよくわからないのですが、Atomよりも安いとは思えません。また、スマホにするのなら通話用の装備が必要になるので、従来のタブレットよりも構造は複雑になります。ちなみにMicrosoftのハイスペックかつ最新のLumia 950 XL(5.7インチ、Snapdragon 810)のSIMフリー機の価格はAmazon.comで579ドル(約69,800円)です。ディスプレイサイズを大きくしたらもっと高くなるでしょう。
7万円台のWindowsタブレットというのは、日本では8インチモデルは存在せず(すべて7万円より安いです)、10インチクラスだとThinkPad 10とかが該当します。ASUSのTransBook T100HAのハイエンドモデルよりも高いですね。
これを踏まえると、2015年にNTT-Xストアがやってた「7,000円台のタブレット」とかは無理です。構造をスマホ(ファブレット)にしてしまったらできっこないです。もちろん、価格が高いと即アウト、ということではなく、その分高機能、多機能になるわけですから、これはこれでOKでしょう。私に買えるかと言われると厳しいですけど。
3.低価格、低スペックなWindows 10 Mobileタブレットの存在意義は?
では、もっと割りきった製品として「1万円ちょっとくらいの価格で、低スペックながらWindows 10 MobileをOSにした7インチのタブレット専用機」というのが出てきたとして、買いたいと思いますか?
ストアアプリの品質が向上してきていることを思えば、このような製品であってもそこそこ快適に使うことはできそうです。しかし、「World of Tanks Blitz」をSnapdragon 210とか410で快適に遊ぶのはちょっと厳しいですし、同様にこのような製品がスペック足らずになってしまうようなアプリが出てくる可能性も非常に高くなります。あるいはAtomを使うことになるのかな。
そして、もっと大きな話として、BayTrail世代のAtomを搭載したフルWindows搭載の8インチは(結構在庫がありそうだし、BayTrailのバルク価格も下がると思うので)引き続き1万円台半ばから後半くらいの価格で購入できてしまう、ということがあります。
同じ価格でフルWindowsかモバイルWindowsか、という選択肢なのであれば、私ならフルWindowsを選ぶと思います。多くの人は同じ意見になるでしょう。もちろんあえてWindows 10 Mobileのほうを選ぶ、という人も少数いると思います。
しかし、メーカーだって少数の人にしか受け入れられない製品を作るわけには行きませんね。慈善事業をしているんじゃないんだから。ゆえに私は、2016年には低価格なWindows 10 Mobile搭載の7インチクラスのタブレット専用機は出てこないと思います。
4.ファブレットか8インチか?
「ファブレット」は決して安価ではないでしょうから、「手軽に持ち歩ける安価なWindowsタブレット」の主役は今年も8インチのフルWindowsタブレットが担うことになるでしょう。私のような「小型デバイスおたく」が所有するモバイルデバイスは
Windows 10 スマホ
8インチフルWindowsタブレット
10インチ以上の2 in 1、もしくはモバイルノートPC
の組み合わせが引き続き王道かな、と思います。また、2016年の半ば以降になると
Windows 10 ファブレット
10インチ以上の2 in 1、もしくはモバイルノートPC
という勢力も台頭してくるでしょうし
Windows 10 ファブレット+モバイルキーボード
ですべてをこなす人も出てくると思います。外出時の手荷物がもっとも簡素化するのは最後のパターンですが、製品を購入するコスト、ということに関しては実はそれほど安上がりにはならないだろう、ということは皆さん同意されるんじゃないでしょうか。
もちろんこれは「モバイルデバイスをすべてWindowsで固める場合」の話なので、「スマホはiPhoneだし、あとは何を買おうかな」という人のほうが多いだろう、とは思います。
5.ファブレットの予算を確保するのが漢
ウインタブというサイトを運営している以上、私の予想通りファブレットが登場したら避けて通れないんだろうなあ、とある程度覚悟しております。2016年の小型Windowsタブレットの台風の目になりそうだから。そして、ファブレットの効果的な活用法の提案、みたいなのがウインタブのコンテンツとして非常に重要になりそうだから。
しかしまあ、「小型デバイスおたく」というのは必ずしも合理的な人たちじゃなくて、ひとつひとつのデバイスが小型軽量であることを周囲に自慢しつつ、結局たくさんの小型デバイスを持ち歩くので実はかなり「大きくて重い」のを我慢してたりもするんで、個人的には引き続き王道パターンを貫いてしまいそうですw
コメント
そういえばマウスが次ファブレット考えてるんでしたよね
こんにちは、コメントありがとうございます。私もそういう記事を読んでいますが、国内だとマウスかドスパラかな、と思います。
8インチタブレットは家でメインで使うには小さすぎ、外で使うには大きすぎる。
こんなのが欲しい。
画面サイズ12~13インチ、解像度Full-HD以上、ファンレス、キックスタンド付き、USBポート3つ以上、Office(Mobileじゃないやつ)付き。
Miix700が近いかな。
こんにちは、コメントありがとうございます。さまざまなご意見があって当然です。私ははじめて購入したのが8インチだったし、その後大きいサイズのタブレットも試用していますが、8インチって結構魅力的なサイズかな、と思いますよ。
8.1時代の7インチタブレットが軒並み 10プリインストールモデルになっているあたり、 7インチの10タブレットを出してはならないというわけではなさそうですが。
最低システム要件が 8インチになってるのって何か意味があるんですかね?
私は7~10インチの Windowsタブレットを持ってますが、やっぱり外出時には軽くて持ちやすい 7インチ(iwork7)を選んでしまいます。
いっそ Windows10mobileと Windows10の DualOS 7インチなんて出してくれないものか(笑
Astarさん、こんにちは、コメントありがとうございます。「システム要件」って何なんでしょうね。「7インチのフルWindows 10は特例でアップグレードできる」的な話もちらっと聞いたことがあるんですが、真偽の程は定かではありません。あと、私は7インチと8インチの両方を使っていないので、7インチでないと困る、という場合がどのくらいあるのかもわからず、7インチ7,000円台というのと、8インチで投げ売りされてるフルWindowsタブレットが最強、と思っています。
Xiaomi MiPad2でついにiPad Miniサイズのタブレットも出て、Windowsタブレット端末はいよいよ中国製品の存在を無視できなくなってきている気がします。
上の方と同じくiWork7持ちですが、これがiPad Miniサイズになれば仕事にも実用的になるかも、、、と期待しています。
HBさん、こんにちは、コメントありがとうございます。中国製品の品質はかなり向上しているし、おそらくシャオミのは国際品質と言っていいレベルだと思います。あとは技適の問題だけですね。電波法は非常に大切な法律ですが、実態にそぐわなくなっている部分もあるし、もう少し運用でなんとかしてもらえないかな、と思います。
「漢」に笑いました(笑)
小型を購入したはずなのに、なぜか嵩張るんですよね。
分かります(笑)
ぜひとも、ウィンタブ様には頑張っていただきたく…。
今年は、色んなデバイスが荒れそうですね(笑)
せめて、Every Phone の発売元が…、欲しい… orz
Windows 10 Mobile の WIndows Phone でデザリングしたところで、通話アプリが落ちる Android やフリーズする iPhone にする勇気は無いです。
MVNO の通話料は、まだまだ高いので、IS12T は手放せないです。
禿しいベイさん、こんにちは、コメントありがとうございます。あとWindowsデバイスからメガヒットな製品が出てきてくれるといいですよね。でもスマホとかタブレットでメガヒット、というのはもはや難しいのかな。
中国でWindows 10 Mobile搭載8インチが発表されたらしい
価格は未発表だけどエントリーレベルの位置付け
http://japanese.engadget.com/2016/01/04/win-10-mobile-8-alcatel-3-5-android/
トシさん、こんにちは、コメントありがとうございます。この製品、もう少し情報を集めたいと思っています。でも8インチのWindows 10 mobile機って作っていいんだ!と思いました。
8インチのファブレットたったりして…。