こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。先日書いた記事「タブレットでRAM2GBと4GBはどのくらい差があるの?ご意見お待ちしています」にたくさんのコメントを頂き、ありがとうございました。RAM2GBで十分なのか4GB必要なのか、ということは、最終的には購入する人が自分で判断すべきことです。ウインタブではCPUやRAMが非力な製品の実機レビューや製品紹介などをする機会が多く、その経験を踏まえて、RAM2GBと4GBの違いを下記のように捉えています。
次にRAM4GBについてです。ごめんなさい、私はこの製品に限らず、これまで何度もRAM2GBとRAM4GBのタブレットを試用してきましたが、少なくともタブレットとして使うぶんには両者の差をほとんど感じません。RAM4GBなら快適で、RAM2GBだと使い物にならない、という経験をしたことがありません。
おそらくRAM4GBが威力を発揮するケースとしては、ブラウザーのタブを大量に開いたとき、画像加工ソフトでレイヤーを数十個作ったとき、大きな画像ファイルを一度に大量に開いたとき、などがあると思いますが、それらはいずれもキーボードを接続したノートPC形態のときに起こりうることで、タブレットとして使う場合には考えにくいです。また、オンラインゲームなどをやる際にもRAM4GBと2GBの差は発生すると思いますが、オンラインゲームの場合、そもそもAtomというCPUを使っていることがボトルネックになるので、このクラスの製品の場合はRAM容量まで辿り着く前に決着がついてしまうと思います。
(出所):ドスパラ Diginnos DG-D09IW2SL - みんなが納得できるスペックを備えた8.9インチ Windows タブレット(実機レビュー)
このような表現を今後の記事で継続することについて、読者がどう考えているのかを知りたい、というのが先日の記事を書くにあたって考えたことでした。
1.タブレット利用なら2GBでOK
いただいたコメントの総意とは言えませんが、おおむね「タブレット利用なら2GBでも十分」というご意見が多かったようです。
基本的にWebブラウザー(Edge、Chrome)あるいはテキストエディター、クラウドメモ系(Simplenote)といったアプリをシングルタスク的に使っていることもあり、2GBで何ら不満を覚えていなかったりします。
– shukakuさんより(一部抜粋)-RAM2GBの、ASUS「 T100TA」及びドスパラ スティックPC「DG-STK3」を使用してます。T100TAは出先でのテキスト作成、画像等のデータ管理、ネット動画視聴。
スティックPCは、メインPCで編集した動画や画像をテレビで観るのが主な使い方です。このような使い方ですと、RAM2GBで困ることは全くないです。T100TAは買い換えを考えてますが、その際に重要視するのは、ストレージ、バッテリー持ち、充電ケーブルの所得性、コスパ…ですね。RAMは2GBでもいいです。(Windowsアップデートさえ解決すればストレージも考慮外になります)
– 匿名さんより(一部抜粋)-私もみなさんと同じで、AtomのWinタブにどこまで期待するかによって差があると思います。
私はAtom Z3740, 2GB, Win8 32bitのタブレットを愛用していたことがありますが、ブラウザやOffice、ゲームなどをシングルタスクで起動する、いわゆるタブレットらしい使い方をしていれば全く問題ありませんでした。しかし調子に乗ってモニターに接続し、ブラウザとOfficeを組み合わせた本格的な作業を始めると、「メモリが不足しています」みたいなメッセージが出てきて、少々困った思い出があります。
ですので、あくまでタブレットとして使う方は2GBでいいのでしょうが、少しでもWindowsのPCとして作業をする可能性のある方は一応4GBにしておいたほうが安心なのかなと思います。そしてそのような本格的な作業もこなせる(Atom Z3740では若干の非力感は否めませんが)ということがWinタブの大きな魅力だと思います。
– げーまーさんより –Miix 2 8(2GB)をWindows 10にして移動時などサブPCとして使っています。キーボードやマウスを接続することはほとんどありません。起動した直後でもリソースモニタで見ると「空き」がほぼ0なので「余裕はない」と言うことが分かります。(「スタンバイ」は500MBあります)
ExcelもChromeも普通に使えますが、いくつもソフトを起動しておくのは負荷が高そうと判断して基本的には1~2個に抑えるようにしています。そういう使い方なので、私の場合は2GBでも実用上問題ありません。メインのノートPCとして使うなら8GBは欲しいので、ある意味4GBは中途半端かもです。
– まいるどさんより –
タブレットとして使用する場合、操作性(タッチ操作)やディスプレイサイズの制約から、シングルタスク的な使い方をすることが多い、ということと、もともと込み入った作業をしないように心がけるので2GBでも大丈夫、しかし、周辺機器を接続してPCとして使う場合は作業内容が複雑(マルチタスク)になるので、その場合は2GBだと不足感がある、というご意見を多く目にしました。
これらのご意見は私の見解と合致するものです。同じ機体、同じOSであってもタブレットとして使う場合とPCとして使う場合では、「使い方と意識」が異なりますね。
2.RAM2GBで不足を感じた場面
また、実際に使っていてRAM容量の不足を感じた場面についてもコメントをいただきました。
私は、Miix28(Windows8.1, 2GB)とCHUWI Hi10(Windows10, シングルブート, 4GB)を使用しています。使用目的は、
① 外出先でのWeb閲覧
② 会議のメモ取り
③ Rorand VS-880(ハードディスクレコーダー)の代替利用
の3点です。
①と②は2GBと4GBの差は感じませんが、③は若干差を感じます。Digital Performer 8で、ドラム2トラック、ベース1トラック、オケ2トラックを再生しながらギターを録音する、というシチュエーションにて、Miix28ではなんとか録音はできるものの、画面描画は追いつかず、あぶなっかしい感じで録音しましたが、CHUWI Hi10では危なげなく、スムーズに録音できました。また、ソフトシンセのUltra Analog VA-2を6つ立ち上げ、録音しているドラム2トラックを同時再生というシチュエーションにて、Miix28は限界という感じでしたが、CHUWI Hi10ではまだ余力を残しているという感じでした。私にとっては、音楽ソフト使用時において(とくにライブ時)、2GB機よりも4GB機のほうがより安心して使用できる、と感じております。
– Kyonさんより(一部抜粋)-出先でLINE用の動画編集する時なんかは多少違いますね。1080pでも撮影時間がかさむとプログラムに割り当てた量をこえるようで、何度も読み出しがあって不安定になりますね。編集最後で書き出せないケースは結構苦しいので保険としても欲しいところではあります。
– 匿名さんより –最近のソーシャルゲーム。特にアニメーションを多様するものや3Dを利用するものはメモリ2Gでギリギリになっているものが少なくないです。(具体的に2Gで遅延が発生するタイトルはいくつか知っているのですが割愛します)なので、ゲーム用途で今買うならメモリ2GBはなるべく避けたいという心情が強いです。
– 匿名さんより(一部抜粋)-スポンサーリンク
VivoTab note8(RAM 2GB)を手書きメモ取り用に使っていますが、文章量が多くなると頻繁に入力待ちの状態になります(2ページめに入ると、もうだめです)。この使い方は、まさに「タブレット的」使い方だと考えているので、次に買う機種は最低4GBのRAMがないと使い物にならないのではと考えていました。記事に書いてくださっているように、RAMが倍になってもあまり変わらないのだと、タブレットをメモ帳代わりにすること自体が、まだ難しいということなのですかね…。
– 匿名さんより –
特定の作業だと、「音楽ソフト」「動画編集」「ソーシャルゲームでアニメを多用しているもの」「手書きメモアプリの一部」などが指摘されました。私は普段タブレットでこれらの作業をしていないので、ご意見が大変参考になりました。上のほうで「シングルタスク的に使えば大丈夫」ということを書きましたが、これらの作業の場合はそもそもメモリーを大量に使ってしまう、ということでしょうね。
もちろんPhotoshopなどの画像加工ソフトもこの類型に当てはまると思いますし、いつも書いてますけどオンラインゲームなんかもそうでしょうね。ただし、これらのソフトウェアの場合、RAMというよりはそもそもCPUの段階で処理能力を越えてしまっているという可能性が高いと思います。
3.検証した人
実際に試してくれた人もいました。
厳密に比較してなくて申し訳ないですが、手持ちの機器で
RAM2Gの一太郎タブレットではブラウザのみ起動でタブ8つくらい開いてそれぞれでリンクたどっていただけで「メモリー不足で動作不安定だからいくつかアプリを終了しろ」との旨のメッセージを出したことが何度かあります。
RAM4GのV919AirCHでは、ブラウザのみの時はタブを20くらい開いてブラウジング続けてもメモリー不足の警告が出たことはなく、ー太郎起動してデジカメの高画質写真を数枚開いてブラウザで前出の無茶してようやくメモリー不足になりました。
小型で持ち運びを重視とかサブ機器として割り切るならRAM2Gでも問題なく、ノートPCくらいに大きなアプリやデータを安定して使いたいならRAM4Gあったほうが良い、のではないかと思います。
– あるえふさんより –
これはわかりやすいですね。もちろんCPU性能なども異なるので、完全無欠な比較ではないと思いますが、かなりイメージをつかみやすいと思いました。個人的には2GBでももうちょっと頑張れるんじゃね?とは思いますが、あるえふさんの「タブ8つくらい」が「タブ10個くらい」に変わる程度かもしれません。
4.将来に備えて
「いざというとき」ということは誰しも考えます。タブレットや2 in 1を購入するのなら、現時点で想定する作業だけでなく、将来的に「あんなこともする」「こんなこともする」と考えるのは当然かもしれません。また、アプリ環境やWindowsというOSが今後どう変化していくのか、ということも関係してきます。
アプリの必要メモリ容量は増加傾向にあること。
メモリはあればあるほどSSDへの不要なアクセスが少なくなるので、筐体の寿命が伸びること。
メモリが多いほど、消費電力は上がること。
メモリそれ自体はCPUの演算性能に直接は影響しないこと(ただし、メモリがあるほど総合的な動作速度が低下しにくくなる)以上の四点を原則として鑑みると、スマホの延長線上としてのタブレットならば、2GBあれば事足りる。そして、世の中の大多数の人間の需要はこちら側だけで十分満たせる。逆に、パソコンの延長線上としてのタブレットならば、4GB以上が安牌。つまり、クリエイティブな作業を持ち運ぶツールとしてのタブレットになる。
ただし、タブレットは基本的に専用のVRAMを持たず、それにメインメモリ容量の一部を充てているので、一般的な使い方でも多い方が動画再生等で安定しやすいなど、メモリ2GBに拘る理由が存外無い。
– 匿名さんより –最高時速80キロの車で80キロ出すよりも、最高時速120キロの車で100キロ出す方が安定して走れる
そんなイメージですね。windowsはメモリ解放の手段が限定的というのも、メモリに余裕を持たせたい一因になります。私はタブレットの方が頻繁に再起動していてなんだか本末転倒な気がしてました。
– 匿名さんより –32bitのWindows10の場合、システム要件としてのRAM必要量がAnniversary Updateで1GBから2GBとなりました。Windows XPの場合も、確かRAMについてのシステム要件は変わらなかったけど(記憶違いならごめんなさい)、サービスパックがすすむにつれてRAMの必要量が増してきたような印象を受けています。
そして、タブレットのほとんどはRAMの増設ができないため、RAMが多い方に安心感を覚えます。もっとも、RAMが足らなくなる前に、買い換え、買い増ししてしまいますが、、、。
– 匿名さんより(一部抜粋)-
特に、「アプリの必要メモリ容量が増加傾向にある」という点と「Windowsの大型アップデートによって必要なRAM容量が増加していく」というのは昔から言われていることではありますが、改めて認識しておく必要があります。来年春に予定されている「Creatiors Update」なんて、名前を聞いただけでRAMをめちゃめちゃ使いそうですしね(ただし、いまのところ仕様変更の情報はありません)。
また、「最高速度80キロ~」のコメントも普遍的な話としてあります。そして、RAM2GBにするのか4GBにするのか、という選択肢は数千円から1万円くらいの金額差でもあるので、このくらいなら余計に払ってもいいのでは?ということだと思います。
ただ、極論すると「だからといってゲームもしないのにGeForce GTX積んだゲーミングPCを購入してYouTubeではじめしゃちょーを観るだけってどうなの?」というのもありまして(こう書くと「いやゲーミングノートのほうが快適ですよ、YouTube」っていう人が出てくる…)、要は身の丈に合った製品を少ない出費で購入したい、ちゃんと使えるのなら安い方にしたい、というのがあります。言っちゃえばRAM2GBか4GBか、という話の出発点はそこにあります。同様に、AtomというCPUはどのくらいまでのことなら快適に使えるのか、というのも根っこは同じです。
バブル時代のように「とりあえず一番いいやつ持ってきて!」という人もいるでしょうし、そういう人のほうが快適にPC環境を整えられるでしょうね。でも、それをいっちゃあこの記事の意味ないですね。
5.感想
いただいたコメントを拝見し、ウインタブではRAM2GBと4GBの使用感の相違について、基本的には従来通りのスタンスでいいかな、と思いました。しかし、もう少し具体的な記述をしていくべきだと思っています。例えば
・タブレットモードでは「小さな画面でタッチ操作」という制約があり、キーボード接続をして2 in 1として使う場合よりも複雑な操作がしにくく、シングルタスク的な使い方になるので、結果としてRAM容量をあまり必要としないことが多い。
・RAM2GBしかないということを自覚し、あまりシステム負荷をかけないように使う場合でも、タブレットモードではそれほど不自由を感じないはず。
・キーボードとマウスを接続し、PCとして使う場合、マルチタスクになったり、高負荷のソフトウェアを使うケースがあり、RAM2GBだと不足感がある。
・高負荷のソフトウェアを使う場合、RAM以前にCPU性能も重要になるので、ソフトウェアが推奨するシステム構成を守る、ということが先決。
・将来的なことを踏まえるとRAMは4GBのほうが安心なのは間違いないので、あとは予算や自分の希望する使い方と相談して機種選びをする。
という感じでしょうか。先日の記事にいただいたコメントはできるだけ多く掲載すべきと思ったのですが、すべて掲載できず、一部の方のコメントのみの掲載となってしまいました。すみません。コメントは全て拝見しており、今後の記事づくりに役立てていきます。ご協力ありがとうございました。また、この件はこの先もずっと議論になっていくと思いますので、引き続き皆様のご意見をお願いいたします。
コメント
T100TAの匿名です。
2GBと4GB、どれくらい違うんだろうと私も疑問に思っていたので、今回の企画は大変参考になりました。
うっすらとですが、2GBで十分な事と4GBあった方が良い事の線引きが出来てきた気がします。
正直、2GBを選ぶか4GBを選ぶかは価格によるかもですね。
3万円以下なら2GBでもいいし、3万円以上出すなら4GBあってもいいかなとも思います。
まあ、それよりも「USBで充電出来るか」「充電用以外に本体にUSBがあるか」の方が私には重要ですけどね。
4GBのメモリーにアクセスするにはアプリも
64Bit版にしないと駄目じゃないかな?
こんにちは、コメントありがとうございます。OSは64ビットでないと4GB使えませんが、個々のアプリは別な話か、と。
同じRAM2GBの機械でも、画面解像度が違うと多少の影響はでてくるのでしょうか。
こんにちは、コメントありがとうございます。多少あるかもしれませんが、RAMではないような気がします。あまり意識したことないですね。
コメントを採用していただいてありがとうございました。使い方がノートPC寄りでガシガシ活用する人なら4GBが必要かも知れませんね。自分ではAmazonのFire HD 8(メモリは1.5GB?)でも不満を覚えない使い方なので、今のところは2GBで足りそうです。これを機会にもうちょっと重そうな作業にも使ってみようかな…。
shukakuさん、こんにちは、コメントありがとうございます。こちらこそ引用させていただき助かりました。私の場合Chromeが一番のメモリくい虫になってます。