1980年代にソニーやパナソニックなどのメーカーから販売されていたホビーパソコン、MSXをポケットサイズで持ち運べる「MSX0 Stack」のクラウドファンディングが開始されています。
MSXは1983年にMicrosoftとアスキーにより提唱された8bit/16bitパソコンの共通規格で、OSはMSX-Basicのほか、MS-DOSに似た操作体系のMSX-DOSが利用可能でした。最終的に1990年に登場した「MSXturboR」まで進化したものの、より高性能な機種を安価に購入できるようになったこともあり、この規格を最後に消滅しています。
「MSX0 Stack」はマイコンボード「M5Stack」をベースにMSXエミュレーターを搭載した製品で、初代MSX規格からMSX2+規格に対応する実機用のゲームソフト(ROMカートリッジ)をそのまま動作させることができます。また実機と同じくMSX-Basic、MSX-DOS、開発ツールであるMSX-Cを利用でき、センサーキットも用意されているのでプログラミングをすることも可能です。今のWindowsやmacOS、AndroidなどのグラフィカルなUIを採用したOSとは操作性が異なるので初めて触る方には新鮮に感じられるかもしれません。
MSX0 Stackには「ザナック」「麻雀」などのMSX向けゲームが含まれているほか、株式会社D4エンタープライズが展開しているオールドゲーム配信サービス「プロジェクトEGG」のMSX向けゲームも楽しめます(プロジェクトEGGは有料サービスですが、登録月無料となる利用券が同梱されます)。
筐体は既存のM5Stackそのものですが、筐体色が「クリアブルー」の特別仕様となっています。
基本セットにはQWARTYキーボードのほか、装着すると任天堂のゲーム機、ゲームボーイに近い印象になるゲームコントローラー、バッテリー(600 mAh)を内蔵し、様々な周辺機器を接続するM5 Face II v1.1 ボトムベースと充電ベース、電池モジュールなどが同梱されています。
MSX0 Stackは現在CAMPFIREにてクラウドファンディングを行っており、価格は29,999円(税込)からです。複数のプランが用意されており、45,000円(税込)のプランだとLTE通信モジュールも同梱されます。製品のお届け予定日は2023年7月です。
前述したとおり現在のPCと操作性なども異なりますし、どちらかと言えば当時MSXユーザーだった方向けの製品ではありますが、IoT機器としても活用できるようになっているのでプログラミングを楽しんでみたい方にもちょうどいい製品となっています。
当時の資産もそのまま活用できるので、コナミの名作ゲーム「メタルギア」などもそのまま楽しめるのは個人的にも魅力的に感じられました(全体的にプレミアが付いてしまっている点が難点ではありますが・・・)。
関連リンク
MSX 0 Stack:CAMPFIRE
コメント
うーん、ほんとにmsxで遊ぶ人はFPGA互換機のSX1Mini+を手に入れてるので、これはかつてお世話になった有名人へのお布施ですね