こんにちは。ひつじです。なんだか仕事が色々と大変でなかなか記事が書けないのが心苦しい昨今。本当は仕事内容もここの記事に出来ちゃう内容だったりするので、隙を見て何気なくリリースしたいな、なんて画策中です。こうご期待。
最近はChromeOSに最近はまってる私ではございますが、今回はあえてWindowsの大御所に関する記事を書きたいと思います。iOSならipadやiphone、Androidならまあ色々、じゃあWindowsなら?そうです。Surfaceです。あんまり意識していなかったんですが、Surfaceって色んなバリエーションがありますよね。正直これが理由でとっつきにくい側面も多少はあったりします。今回はこれらを比較しつつ実勢価格なども踏まえて用途別のおすすめなどを考えてみたいと思います。
目次
1.Surfaceとは
知っている方が多いとは思いますが、簡単にSurfaceシリーズの紹介を。SurfaceはMicrosoftが直々に発売しているモバイルPCシリーズのことを指します。初出はWindows8が出た頃とほぼ同時期。時期的にはiPadやAndroidタブレットがモバイル端末として台頭し始めた頃です。ソフトウェアメーカーであるMicrosoftがハードウェアベンダーにもなる、という情報はappleに対する危機感が故だ、とか既存のWindowsPCベンダーは廃業に追い込まれるかも、みたいな色んな噂や憶測が流れていましたね(この辺りはひつじのうろ覚えです)。
過去にはWindowsRTという、ある意味とっても野心的なOSを搭載した機種(SurfaceRT)なんかも発売していたわけですが、現在では高品質なモバイルPCの1ブランドとして認知されていますし、そんな中でも定期的になかなかの冒険心を感じさせるような機種をリリースしているのも特徴的です。
Surfaceの特徴としては別売ながら筆圧検知できるスタイラスに対応していること、Laptop等は除きますがキックスタンドにより本体自立が可能であることが挙げられます。見た目上の特徴とも言える「タイプカバー」というキーボード兼用の本体カバーが購入可能なことも特徴ですね。またOSベンダーが直々に発売するだけあってOS搭載機能に(比較的)最適化されたハードウェア構成になっていることが多いです。CortanaとかWindows Helloとか。
2.Surfaceの現行ラインナップについて
Surfaceは大きく分けて以下のシリーズが存在します。一部はもう古いと言わざるを得ないものもありますが一応まとめて紹介しちゃいましょう。
Surface Proシリーズ
恐らく多くの人がSurfaceと聞いて想像する端末がこれです。キックスタンドと別売ではあるけれど薄型軽量なカバー兼用キーボード(タイプカバー)、そしてこれまた別売ながら筆圧検知可能なスタイラスが使用できる2in1端末というのが共通仕様です。現行品としてはSurface Pro X、Surface Pro 7、そして旧型品であるSurface Pro 6が存在します(一応市場にはそれより前のいわゆる「5」世代も売られていますが今回は割愛)。ただ、このうち「Surface Pro X」は少しコンセプトが違う製品です。同じシリーズではあるものの別製品として扱った方がいいのかな、と悩みました(詳しくは後述します)。
Surface Laptopシリーズ
一般的なクラムシェルノート筐体を持つSurfaceです。サイズ展開は13.5インチと15インチの2パターンですが、一般的なノートPCと異なるのは他のSurfaceと同様に画面の縦横比が3:2である点でしょう。また、ハードウェア構成が両者で結構違っている点もちょっと面白かったりします。簡単に言えば(法人モデルを除き)AMD派は15インチ、Intel派は13.5インチ、というすみ分けになっているんですよね。
Surface Bookシリーズ
ラインナップ上は旧機種になりつつあるものの、デタッチャブル2in1筐体で、さらにキーボード部分にタブレット部分を反転して取り付け可能にすることでコンバーチブルタイプのように使えてしまう機能も持たせている等、構造上非常に意欲的な製品。現在はBook2が主流です。ヒンジ部分の作りはキックスタンドがアイデンティティ化しているSurfaceにあって、それに劣らないだけの強烈な個性を有しています。使い勝手にも癖があるようですが、スリムな筐体ながらGTX1050やGTX1060を搭載していることからトータル性能はSurface ProシリーズやSurface Laptopシリーズさえ覆せるのでは、という気さえしてくるダークホースです。あとは価格次第というところ…。
Surface Studioシリーズ
Surfaceを名乗ってはいるものの高性能な一体型デスクトップと言うべきPCです。28インチの色調整済ディスプレイは解像度4,500×3,000を誇り、更に画面の傾きもかなり自由度が高い機種です。どちらかというとクリエイター等にフォーカスされた機種であると言えます。価格を踏まえるとあくまで「指名買い」。通常候補に入れることはなさそうな機種であると言えます(そのため申し訳ございませんが以降記事では触れません)。
Surface Goシリーズ
10インチのディスプレイを有するSurfaceシリーズの末弟です。性能としてはいわゆる「一般的なWindowsタブレット」らしいものではありますが、カバー兼用のキーボードやキックスタンドは健在。Surfaceらしいアイデンティティが愛らしい機種です。何気ないもののSurface Pro X以外でLTEでの通信にも対応している機種です。リーズナブルな価格なので比較的手を出しやすい機種でもあります。
3.スペック比較
ではSurfaceの各モデルのスペックを比較してみましょう。今回はスペックに加え、2月23日現在の価格(Microsoftストアのもの)も記載します(基本的に最小構成での価格で、セールやキャンペーンは考慮していません。掲載が無かったものは価格ドットコムで価格を確認しています)。
一応記載はしておきながら注意点があります。Book2のXboxワイヤレスは日本だと「無効」にされているそうです(じゃあなんで公式サイトのスペック表に書いてあるのか…)。また、細かい表記ブレが結構あったので、ある程度は考慮したつもりですが分かりにくい点はご容赦ください。
総じてどの機種も競合に比べて高価格に見えてしまうのですが、いずれもOffice Home & Business2019が付属しています。この付属有無で2~3万円程度の差が出ますので実売価格で見れば安いとまでは言えずとも、実はそこまで高い端末ではないということも見えてきますね。
CPUを見ていて面白いと思わせる機種は2つありますね。1つはPro X、もう1つはGoです。Pro XのCPUはいわゆるARM系。スマートフォン等に使われているものに近いです。一般的にARM系CPUは「複雑なことは苦手だけど省電力」というのが特徴です。正直に言えば価格に対して性能は期待しにくい側面があります。またウインタブで紹介した時にも記載をしていますが、一部を除く64bitアプリは動きません。オンボードのグラフィック性能もいわば「普通のオンボード」級のはず。ただ一方でスリープからの復帰やインターネット接続時の使い勝手は従来のCPUを凌駕していると考えて大丈夫でしょう。
一方、GoはPentium “Gold”系の省電力CPUを搭載しています。実はPentiumやCeleronにはGoldとSilverの2種類のラインが存在しています。前者がCore iシリーズを系譜とするもの、後者がAtomを系譜とするものです。一般的には前者の方が性能は上なんですよね。ただこのGoが採用するPentiumはハイパースレッティング対応とは言え、もともと2コアなのでN4100等のネイティブ4コアと大した差は出ないかもしれません。しかしグラフィック性能を踏まえればGold採用のメリットは確実にありますね。
他にCPUまわりで注目をするならば、第8世代ながらCore i5を搭載しつつ、Office付きで10万円を下回り始めているPro 6なんかはお買い得感があります。使い勝手の上でPro 7との差異がそこまで大きくないこともあって、Surfaceの中では今お買い得な機種の1つと言って良いでしょう。
また、goのCPUの下りでも少し触れましたが、多くの端末はGPU性能にも気を使われているのが見て取れます。Iris系のGPU(CPU内蔵のGPUです)はちょっとしたゲーム等がプレイが出来る程度の力を有しています。またRyzenが搭載しているGPU(内蔵GPU)も性能は高く、その部分に不満が出ることは少ないでしょう。なお外部GPUを搭載しているBook2は搭載品を買おうとするとセールでも30万円近い出費が必要なので、ちょっと厳しいものがあるかな、と。
少し気になるのはディスプレイです。基本的にSurfaceはPixelSenseというブランド名をSurfaceの液晶に冠しているのですが、どれも細かく解像度が異なっており、3:2とまだメジャーとは言い難いパネルを調達していることからも、少なくともコストがかかっているであろうことは分かります。一方で主要な色域カバー範囲などがはっきりと分からないのは少しもったいないですね。正直今時のミドルクラス以上のノートPCにおいて「sRGBカバー率100%」は記載していないのとほとんど同義です。勿論sRGBを提唱したのがMicrosoftなので仕方ないにしても、ですが。それとgoは横解像度で1,920あればなあ、と思ってしまいました。
他注目点としてはPro系はタイプカバー抜きの重量であるため約1kg前後が実態であると考えれば、Laptop13.5インチは性能と可搬性の両面で健闘しているということ、重複した内容になりますがGoがLTE通信に対応している点はポイントだと思います。またXもGoも周波数上も主要キャリアであれば問題はなさそうです。
4.おススメSurfaceは?
実際、これだけバリエーションがあるとなかなかチョイスが難しいな、と感じますね…。ひつじ的に良いなと思う点を意識して色んな切り口でおススメポイントを挙げつつ、機種を紹介していきたいと思います。
コスパが良い機種
個人的には「Surface Go」と「Surface Laptop 3(13.5)」ですね。前者の場合、ポイントとしてOfficeを搭載していることとLTE通信に対応しているところが挙げられ、Wi-Fiモデルであれば6万円台から購入できるのは魅力です。3:2インチの画面もFHDの動画を見るのにはちょっと惜しい点があることは気がかりなものの不満になりそうな要素はなく、かつスタイラスが別売りながら対応、タイプカバーがあればPCとして不自由なく活用が出来る、キックスタンドがあることでタブレットとして見ても使い勝手が優秀な部類であるといったポイントははっきりと推せる理由になります。
後者の場合、Office付きであることに加えて、Iris Plusを搭載した最新のi5でかつ高解像度のディスプレイを持ち最新鋭のWi-Fi規格に対応、更に1.2kg台の可搬性を確保しながら14万円をギリギリ下回るプライスタグは非常に良心的。この価格だとストレージの小ささが少し気がかりですが、サブ用途であれば十分に活用が出来る内容であると言えます。またキックスタンドタイプのSurfaceよりも使う場所を選ばない点も良いですね。キックスタンドとタイプカバーって膝の上や狭い机の上ではちょっと扱い辛いところもあったりしますから。Proシリーズなら断然「Surface Pro 6」が高コスパです。Pro 7と比較して大きな差異がないので割り切って購入してもグラフィック性能を求めないならば大きな不満は出ないでしょう。
エンターテインメントに使える機種
「Surface Laptop 3」か「Surface Pro 7」がいいと思います。Book2は外部GPUでGTX1060を搭載しているため「いいかな」とも思ったのですが価格を踏まえればLaptopやPro 7の方がバランスが良いですね。Laptopについては正直「宗派」で選べばいいと思います。ただAMDの内蔵GPU、Vegaは動画再生で定評のあったFluid Motionにおいて、なにやらひと悶着あったようなので、そこは調べたうえで購入された方が良いとは思います。Surface Pro 7のCore i3モデルを除き、どの機種を選んでも性能はかなり高めでかつゲーミングや動画再生、あるいは音楽や動画、イラスト作成用途にも大きな不満は出ないと思います。その上で価格かAMDであることを優先するならばLaptopを、トータルでの満足度を求めるならPro 7(+タイプカバーとスタイラス)かなと思いますね。
仕事に使える機種
いわゆるオフィスワークであれば「Surface Pro X」、次いで「Surface Pro 7」または「Surface Pro 6」、「Surface Laptop(13.5)」にすると思います。Pro Xはマシン性能にそこまで期待はしないほうが良いものの、それでも常時インターネットに接続できる環境は素直に羨ましいですしExcelやWordであれば持て余す程度の能力はあるはずです。ただPro 7との価格差に価値を見出せるかは人によるかと思います。Wi-Fi環境があるし普通のPCで大丈夫!って方、もしくは3D CAD等を使う人、あと互換性への不安も込みで古いアプリケーションを使うしかない方や旧式のOSをエミュレーションで動かすしかない…みたいな方はPro Xは避けた方が無難でしょう。Pro 7や型落ちで安くなり始めたPro 6を狙う方が幸せになれると思います。またグラフィック能力はPro 7のCore i5やCore i7の場合、十分に力を持っていますしね。何気にPro 6はMini DisplayPortを有している唯一の現行機種とも言えるため、そこに価値を感じるならば確保に走った方がいいくらいかもしれません。これらも考えたうえでキックスタンドが使いにくい等があるならばLaptopを検討かな、と思います。
クリエイター向けの機種
イラスト用途であれば「Surface Pro 6」の方がコスパも含めていいかもしれませんが、音楽や動画作成者は「Surface Pro 7」も良いでしょうね…。スタイラスの仕様はPro 6もPro 7も変わりませんし下限価格で見た場合にPro 6の方がCPUの地力は高いはずです。一方でPro 7はPro 6にない特徴として、NVMeタイプのSSDが付け外し可能です。容量を割くようなコンテンツを作る人にとって、任意に容量拡張が出来る仕様というのは端末を使い続けるにあたり結構大きな要素に成り得ます。なのでこの点に魅力があるならばPro 7を、そうでないならばPro 6をベースにスタイラスの替え芯やメモリ強化などを検討した方がいいと思います。ほかにも「外付けHDDやSSDで十分だよなあ」という人であればわざわざ高いNVMeのSSDが必要な機種を選ぶよりPro 6でいいよな、と。ちなみに個人的には音楽制作にはUSB端子がやや不足かなと思わなくもないです。音楽機材を結構選定しないと厳しい局面はありそう。
ひつじが買うならどれ?
私だったら多分「Surface Laptop 3(13.5)」のCore i5モデルを買うと思います…。純粋にノートPCとして魅力の多い機種だと感じました。Surface Proシリーズも非常にいいなと感じるのですが、可搬性は同等ですし、私はノートPCを狭い場所に置いたり膝の上で使ったりするので使い勝手としてはLaptopがいいだろうな、と思った結果ですね。キックスタンドのない、さり気ないSurfaceである点も個人的にすごく好みです。
5.まとめ。Surfaceは「アリ」か
個人的にはSurfaceシリーズはMicrosoft製ハードウェアですし、信頼性と実績もきっちり磨いてきていることから多少高くても致し方ないブランドに成長していると思っています。その上でキャンペーンなどの実勢価格を見ればこれはお買い得なのでは?と思わせるものがあります。最新モデルはちょっと手が出し辛いかな、と思わせるところもありますが、その場合は型落ちモデルなんかを候補に入れてもいいんじゃないでしょうか。特にOfficeが必要な人(大学生や自己調達を求められる社会人)にとっては良い選択肢だと思います。
一方で魅力の何割かを純正の別売品が支えている点は否めません。特にタイプカバーとスタイラスは原則調達するくらいのつもりでいた方がいいようには思います。しかしそうなるとコスパが良いと言い辛くなるわけで…。悩ましいですね。
6.関連リンク
Microsoft Surface:Microsoft