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N100後継予定のCPUも出る!Core Ultra シリーズ3の概要

オピニオン

Core Ultra シリーズ3の概要
CES 2026にて、「Panther Lake」ことCore Ultra シリーズ3が正式に発表されました。今回は、公開されたプレス資料や最新の情報を基に、その注目すべき詳細を解説します。

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Core Ultra シリーズ3の基礎スペック

Panther Lakeは、性能と効率のバランスを追求した複数の構成が用意されています。主なラインナップはノート用CPU一覧をご覧ください。

  • ハイエンド構成: 4P+8E+4LPE / GPU:12 Xeコア / NPU:50 TOPS
  • スタンダード構成: 4P+8E+4LPE / GPU:4 Xeコア / NPU:50 TOPS
  • 省電力重視構成: 4P+0E+4LPE / GPU:4 Xeコア / NPU:50 TOPS
  • エントリー構成: 2P+0E+4LPE / GPU:2 Xeコア / NPU:12 TOPS
Core Ultra シリーズ3の概要

Panther lake ダイ

性能と省電力性

性能面については、細かいスペックが決まる前の最初の発表からの予想から大きく離れることはない内容となっています。

  • CPU性能:概ね予想通りですが、最大動作クロックが予想より0.1~0.2 GHzほど低く設定されています。その結果、シングル性能はArrow Lakeと同程度に留まりますが、同一電力でのマルチ性能は10~15%程度の向上が見込まれます。
  • GPU性能:Arc B390(12 Xeコア)搭載版は、少なくとも事前予想の「Lunar Lakeと比較して1.5倍の電力で1.5倍以上の性能」は実現する見込みで、発表会では+70%超としています。ハンドヘルドゲーミングPC用として見た場合、主流のRyzen Z1 ExtremeやZ2と比較して、同じ45W前後の電力で約2倍のフレームレートを叩き出します。IntelはB390とRTX 4050(60W動作時)と互角としていますが、一般的なRTX 4050搭載機は100W程度で動作するため、実際は4050搭載機ほどの性能は出ないでしょう。
  • NPU性能:後述するWildcat lake以外はCopilot+ PCの基準を満たします。
  • 省電力性:細部まで徹底した最適化が行われ、4K動画再生やビデオ会議といったビジネス中では負荷の高いタスクにおいて、Raptor Lake比で6割減の消費電力を実現し、Lunar lakeと比べてもさらに消費電力を抑えたとしています。最大クロックが低いことで、電力効率の悪い領域を使用せずにすむため、実使用でのバッテリー持ちもさらに向上しそうです。

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Panther lake 消費電力


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搭載機種と市場動向

同じCES 2026で搭載予定の機種が次々と発表されており、既存のArrow LakeやLunar Lake搭載機が順次2026年版としてPanther lakeに置き換わるほか、ミニPCハンドヘルド機の登場も予告されています。

Dell XPS、HP Omnibook、Lenovo ThinkPad X1 Carbonといった各社のフラッグシップモデルは早速CESでも発表されており、2026年第1四半期中に発売される予定です。ただし、Dell XPSの価格が2,050ドル(約30万円)からとされるなど、もともとプレミアム向けでもありますが価格の高騰が目立ちます。特に高いグラフィックス性能を引き出すには高速かつ大容量のメモリが必須であり、昨今のメモリ価格高騰が製品価格に直撃している形です。

そのほかのラインナップでは、Phoronixの検索によると1,300ドル(約20万円)が最低価格とされ、型落ちになるまでは比較的高い値段になるでしょう。

“Wildcat Lake”:Alder Lake-Nの後継モデル

今回のCES 2026では、Panther Lakeの発表に交じって、Alder Lake-Nの後継にあたるとされるWildcat Lake(WCL)の詳細もしれっと発表されました。Intelのビデオによれば、Panther Lakeとほぼ同等のタイムラインで発売するとしており、おそらく今年中のリリースになるでしょう。

Core Ultra シリーズ3の概要

Wildcat lake ダイ

設計の概要

Wildcat Lakeは、Intel 18Aプロセスを採用したモノリシックダイ(70mm²程度?)とPCHチップの構成で、チップレット間の隙間からFoveros技術を用いないと考えられ、低コストな設計が特徴です。Alder lake-Nを踏襲して主チップを最新のものに置き換えた格好です。

  • CPU構成: 2P+0E+4LPE(Cougar Cove + Darkmont)
  • キャッシュ: システムキャッシュ 4MB(Panther lake比で半減)
  • GPU: 2 Xe3コア(旧Xe 32EU相当、レイトレーシング機能は省略)
  • NPU: 12 TOPS(Copilot+ PCの要件には満たない)
  • I/O: PCIe Gen 4 ×6レーン、Thunderbolt 4 ×2ポート(dGPUは難しい)

全体的な設計としては、Panther Lakeをベースにしつつ、各コンポーネントを均等に省略して小型単一のチップレットにしているようです。GPUには最新のXe3アーキテクチャが移植されていますが、レイトレーシングが省かれている点からも、ゲームよりも実用性を重視したビジネス・一般用途向けの性格が伺えます。

性能予測

基礎設計の進歩と製造プロセスの微細化(Intel 7から18Aへ)により、限られたダイサイズながら高い効率を実現しています。

  • CPU性能: 動作クロックはPanther lakeの最下位Core Ultra 5 322の4.4 GHzよりさらに低めに設定されると思われますが、それでもRaptor Lake-U(Core i7-1355UやCore 150Uなど)に近い、従来のN100比で2~3倍の性能を発揮するでしょう。これまでの低価格帯CPUの枠を超え、ミッドレンジクラスの置き換えも視野に入っているようです。
  • GPU性能: Intel 18Aの採用で、旧32EU相当ながら、従来のN100比で2~3倍、Raptor Lake-U(96 EU)の約7割に相当する性能、Time Spy Graphicsで1000点前後が見込まれます。一般的なビジネスワークであれば十分な性能でしょう。
  • NPU性能: 12 TOPSの小型NPUで、Copilot+PCに対応しません。Meteor lakeなどと近いため、Windows Studio Effect(背景ぼかし)などでは利用できるでしょう。将来の組み込み向け用途の布石という印象です。
  • 省電力性: Intel 18Aを使い、各回路もPanther lakeの縮小版となることから、Panther lake譲りの非常に優れた特性となるうえ、上位SKUとの差別化のため最高クロックを低く抑えると予想され、消費電力はミッドレンジのスマートフォン用SoCに近い水準まで引き下げられるでしょう。バッテリー持ちは、適切な設計がなされればウインタブ基準でも15時間以上の連続駆動も可能で、Raptor Lake-U搭載機の約3倍程度まで期待できるでしょう。
Core Ultra シリーズ3の概要

Wildcat lake ベンチマーク想定値

市場投入と価格帯

プレゼンテーションでは「私の母が3年待って型落ちになって安くなったものを買うが、いちいち待つ必要がない」価格帯向けの製品として紹介されましたが、性能は従来のAlder lake-Nと比べても高く、まさに3年前のRaptor lake-U並みで、組み込み向けどころか十分ビジネス用として通用するレベルにあります。

Panther lakeの発表ではCore Ultra 5までの型番しか発表されておらず、Core (Ultra) 3が空き枠になっています。この枠にWildcat lakeが入り、当面は「Intel Core 312」や「Intel Core 302」といったブランド名で展開されることが予想されます(当該ビデオでは”Core version”と呼んでいるのでUltraはつかなそうです)。市場では、型落ちCPUを搭載した現在の6~10万円前後のミニPCやノートPCが発売さていますが、このセグメントを置き換える形になるでしょう。

ただし、N100搭載機のような2~5万円の激安と呼べる価格帯での普及には、まだ数年(2029年頃まで)の時間を要する可能性があります。DDR5メモリの価格高騰も続いており、省電力性で選ぶならDDR5専用のWildcat lake、安さならDDR4が使えるRaptor lake-Uともなりそうです。2~3年ほどたてば減価償却のめども付き、相対的に性能が低くなることから、Mendocinoのような形で5万円を切るような製品も見えてくるのではないかと思います。

この製品はパッケージも小さくPCIeも少なく、さらにスマホ向けSoCと同程度の消費電力となることから、どちらかというとタブレット向けという印象で、かつて一世を風靡したBay Trailの実用性向上版という印象もあります。ウインタブとしてはWindowsタブレットの復活にも期待したいところです。

なお以前にWildcat lakeがどのようなものか予想したのですが、当たっていたのはCore 3のセグメントに入ってN100ほどは安くならないだろうということくらいで、残りはほとんどはずれでした(タイルアーキテクチャ予想 → モノリシック+非Foveros、NPUなし予想 → 非CopilotNPU搭載、4+0+4は存在しない予想 → 存在しNPUとGPUで差別化)。GPUを移植したのは意外でしたが、ARCは様々なプロセスノードに移植されており、Intelの経営的にも自社工場でAI向けチップを生産できるのがベストなので、その布石かもしれません。

複雑化する型番のルール

Core Ultra Series 3の型番は、以下のルールに基づいていますが、不規則な部分が多く、正直に言えば難解で、購入前には一つ一つ確認したほうがよいでしょう。

  1. 接頭辞「X」: Core Ultra X9 388Hなどの上位モデルに付与されるプレミアムブランディング符号。ただし338Hにはつきません。
  2. 1桁目: 第3世代を示す「3」。
  3. 2桁目: 希少度や価格帯を示すと思われます(8 > 6,5 > 3,2)。CPUのコア数に比例しているわけではなく、必ずしも性能順ではない点に注意が必要です。
  4. 3桁目:
    • 8: 大型CPU + 大型GPU(338Hのみ10 Xeコア、他は12 Xeコア)
    • 6: 大型CPU + 小型GPU(4 Xeコア)
    • 5: 小型CPU + 小型GPU(4 Xeコア)
    • 2: 小型CPU + 選別落ちGPU(2 Xeコア)
  5. 接尾辞: 「H」は残りましたが、従来の「U」や「V」が廃止され無印表記になりました。

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コメント

  1. 匿名 より:

    今までやりたかったことがエントリースマホや型落ちipadでできるようになってきてるから早く普及して価格下がって手元に来ないとwinタブの存在を忘れてしまう

    • 渋谷H より:

      同じファイルを別のアプリから編集するという作業だけはいまだにデスクトップOSが必要で、給電機能付きディスプレイUSB-Cで緊急用にPCとして使えるのはやはり強みではあるんですよね

  2. 匿名 より:

    Wildcat LakeはPCIeのレーン数がN100系統の9レーンからさらに減って6レーンだけどGen4になってるから十分なのかな
    ミニPCだと有線/無線LANに各1レーンで残り4レーンをストレージで配分するみたいな

    価格帯的に比較対象をAlder Lake-NとすべきかRaptor Lake-Uとすべきか悩むけど

    • 渋谷H より:

      Gen3 x9 → Gen4 x6では一応1.5倍の帯域ということなんだとは思います。ユーザー側の拡張性はThunderboltで、というのが基本かなと。

  3. 匿名 より:

    重大な訂正がありまして、どうも
    Core 7 362
    Core 7 352
    Core 5 332
    Core 5 322
    Core 3 302
    みたいなラインナップになるらしく、これでシングル性能は記事の1割くらい上になるかと思います。

    • 匿名 より:

      ローエンドのシングル性能がほぼ最新世代と遜色ないくらいには18Aの省電力性が発揮されてきますね
      N3B with Lion cove+と18A with Cougar coveでは同じ性能ならば40%省力化できるのでいままでの型落ちとは別のステージにある感じっすね

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