こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。中華タブレットやPCについてはできるだけ毎日中国の通販サイトを確認するようにしているのですが、ご存知の通り小型タブレットに関しては新製品がほとんど出ておらず、元気なのはモバイルPC(キーボード非分離型2 in 1も含む)です。今後Atomに代わって低価格帯を担う主力モバイルCPU「Apollo Lake」世代のCeleronやPentiumをいち早く搭載し、RAM容量も4GBでは飽き足らず6GBに、ストレージもeMMCではなくSSDを搭載したり、購入後SSDを増設できる構造になっているものが目につきます。
ウインタブでも直近で実機レビューした製品のうち「Chuwi LapBook 12.3」「Jumper EZBook 3 Pro」「T-bao Tbook Air」の3機種は非常に好印象でした。読者のみなさんも、もし購入するならこの3機種のいずれか、と考える人が多いのではないか、と思います。
この記事ではこれら3機種に加え、「そこの中華、ちょっと待った!」と言える元気のある日本製品も「参考エントリー」として加え、いろいろ比較してみたいと思います。
目次
1.Chuwi LapBook 12.3
価格: 309.99ドル(34,752円)
※7月30日現在のGearbest価格
OS: Windows 10 Home
CPU: Intel Celeron N3450
RAM: 6GB
ストレージ: 64GB eMMC
ディスプレイ: 12.3インチIPS(2,736 x 1,824)
ネットワーク: 802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth 4.0
カメラ: インのみ2MP
入出力: USB 3.0 × 2、MiniHDMI、microSD、オーディオ、DC-IN
バッテリー: 8,000mAh
サイズ: 293 x 200 x 15 mm / 1,378 g
※重量は実測値
紹介記事:CHUWI LapBook 12.3 - 価格に似合わないスペックと筺体品質!Apollo Lake搭載の12.3インチモバイルノート、(実機レビュー)
製品ページ(Gearbest):CHUWI LapBook 12.3
2.Jumper EZBook 3 Pro
価格: 229.99ドル(26,325円)
※7月30日現在のgeekbuying価格(筐体色ゴールド)
OS: Windows 10 Home
CPU: Intel Celeron N3450(Apollo Lake)
RAM: 6GB
ストレージ: 64GB eMMC
ディスプレイ: 13.3インチIPS(1,920 x 1,080)
ネットワーク: 802.11b/g/n、Bluetooth 4.0
カメラ: インのみ2MP
入出力: USB 3.0 × 2、miniHDMI、オーディオ、microSD、DC-IN
バッテリー: 9600mAh
サイズ: 310 x 200 x 13 mm / 1.44 kg(実測値1.3 kg)
紹介記事:Jumper EZbook 3 Pro ー 13.3インチ、高質感な中華モバイルノート「これほんとにJumper?」(実機レビュー)
製品ページ(geekbuying):Jumper EZbook 3 Pro
3.T-bao Tbook Air
価格: 269.99ドル(30,904円)
※7月30日現在のgeekbuying価格(筐体色ゴールド)
OS: Windows 10 Home
CPU: Intel Celeron N3450
RAM: 4GB
ストレージ: 128G SSD
ディスプレイ: 12.5インチIPS(1,920 x 1,080)
ネットワーク: 802.11b/g/n、Bluetooth 4.0
カメラ: インのみ2MP
入出力: USB Type-C、オーディオ
バッテリー: 4,000mAh
サイズ: 294 x 200 x 12.6 mm / 1,027 g
※サイズ実測値: 294 × 200 × 14 mm / 1,070 g
4.(参考)ドスパラ Altair VH-AD3L
価格: 32,378円(税込み)
OS: Windows 10 Home
CPU: Intel Celeron N3450
RAM: 4GB
ストレージ: 64GB eMMC
ディスプレイ: 14インチ(1,366 x 768)
ネットワーク: 802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth 4.2
カメラ: インのみWebカメラ
入出力: USB 3.0 × 2、HDMI、SDカードリーダー、オーディオ、DC-IN
バッテリー: 4,000mAh
サイズ: 340.6 x 237 x 25.5 mm / 1.6 kg
紹介記事:ドスパラ Altair VH-AD3 - 14インチでApollo Lakeを搭載しつつも「異常なコスパ」のノートPC(実機レビュー)
※レビュー機はストレージ容量32GBのモデルです
製品ページ(ドスパラ):Altair VH-AD3L
5.ストレージに差があり
対象機種は「参考」という位置づけのドスパラ Altairも含め全てCPUはApollo LakeのCeleron N3450です。RAMは4GBと6GBにわかれますが、ウインタブの見解としては「どっちでもいい」です。Celeron N3450自体、低価格向けCPUとしては優秀なものだと思っていますが、Core mやCore iとまともに勝負できるほどの性能ではなく、従ってRAMも4GBあれば十分と考えるからです。ただし、RAMが多すぎて困ることはないので、転ばぬ先の杖くらいの気持ちで機種選択の参考にするのはありだと思います。この記事では優劣の参考にはしません。
差がつくのはストレージです。
Chuwi: 64GB eMMC + M.2 スロット装備
Jumper: 64GB eMMC + M.2 スロット増設スペースあり
T-bao: 128GB SSD
ドスパラ: 64GB eMMC + 2.5インチドライブベイ(120GB SSD搭載モデルあり)
なにも考えずに一番いいコンディションなのはT-baoです。追金なしで最初からそこそこの容量のSSDがつきます。次にChuwiはM.2 スロットを筐体底面に装備しており、自分でSSDを買えば簡単に増設が出来ます。またJumperはSSD増設余地がありますが、スロットからDIYしなくてはならず、Chuwiほど簡単には増設ができません。そしてドスパラはM.2ではありませんが、2.5インチのドライブベイがついているため、自分で簡単にSSDもしくはHDDを増設することができますし、DIYとかでなく、最初から120GBのSSDを搭載したモデルも設定されています。
ということで、そのままで128GB SSDが搭載されたT-baoに軍配が上がりますが、ドスパラもユーザーに親切といいますか、DIY余地と、少し高くなってしまいますが(1万円)SSD搭載モデルと、複線的にモデルを用意してくれているのが好印象です。次いでChuwiですね。Jumperはちょっと面倒な作業をする必要があり、増設前提で購入するならPCの自作経験があるなど、メカ系の知識が必要になります。
6.ディスプレイと筐体サイズは…
中華の3機種は全て「Macにインスパイアされました系」なので、ちょっと見たくらいだと見分けがつかないくらい似ています。パクリ元、いや失礼インスパイアされた元が同じなので当然といえば当然です。一方、ドスパラはいいか悪いかは人によって評価が異なると思いますが、しっかりオリジナルデザインです。さすが日本メーカー。
さて、比較に際し、ディスプレイのサイズや品質と、それに連動して筐体サイズ、というのが重要なポイントになると思います。
Chuwi: 12.3インチIPS(2,736 x 1,824)
T-bao: 12.5インチIPS(1,920 x 1,080)
Jumper: 13.3インチIPS(1,920 x 1,080)
ドスパラ: 14インチ(1,366 x 768)
中華の3機種はそろってIPS液晶で解像度もFHD以上となります。中でもChuwiはSurface Proと同じ解像度、同じアスペクト比、そして同じディスプレイサイズです。この価格帯の製品が、数値上のみとは言え、Surface Proと肩を並べているというのは驚異的です。また、JumperとT-baoも実機レビューをしてみて非常に高く評価できる品質でした。ただ、T-baoについては読者の方から「実はタテ・ヨコとも数ピクセル小さい」という指摘をいただいているので、念のためその旨注意喚起しておきます(私は気づきませんでした)。
参考エントリーのドスパラは、ディスプレイと筐体サイズは少し不利です。14インチなので筐体サイズが大きくなってしまうのはやむを得ないとして、IPS液晶ではない(と私が判断しました)ため視野角が狭く、角度をつけて見ると少し白っぽくなってしまいます。また、解像度がHDどまりなんですよね。日本メーカー製品とは思えない超ハイコスパの製品でもありますし、ここは弱点として指摘はするものの、日本メーカー製品でこの価格帯にIPS液晶とかFHD解像度を求めるのはちょっと酷な気がします。
なお、筐体サイズについてはT-baoが抜群に小さく、薄く、軽いです。これは全機種を試用したものとして強く主張したいです。Chuwiよりもディスプレイサイズが大きい(ただし数ピクセル欠けてるという情報がありますけど)にも関わらず、Chuwiよりもさらに一回り小さいんですよね。ちなみに上に記載したスペック表の数値だとChuwiとT-baoはほぼ同サイズですが、Chuwiの実寸はスペック表よりも少し大きいはずです(すいません、この製品はもう私の手元にありません。Twitterのプレゼント企画に出してしまいました)。
Jumperとドスパラはディスプレイサイズが大きいため、どうしても筐体サイズも大きくなってしまいます。しかし、金属筐体を採用し、一般的な13.3インチノートとしては十分コンパクトできっちり薄型に仕上げたJumperは締まった印象で好感度大です。一方ドスパラは唯一プラスティック筐体で、質感もあまり良くありません。
7.拡張性はやっぱドスパラ
対象機種中、入出力ポートという点で非常に厳しいのがT-baoです。USB Type-Cがたった一つという潔さ。でも、ノートパソコンですから、現状まだType-C用の周辺機器を揃えていないほうが多いであろう一般ユーザーの利用環境を考えれば、「フル規格」のポート類をできるだけたくさん備えておいてもらいたいものです。
その点ドスパラはフルサイズのUSB 3.0 × 2に加え、HDMIもフル規格、SDもmicroではありません。これならビジネス利用をするにせよ安心だと思います。
また、ChuwiとJumperも全てフル規格というわけではないものの、フルサイズのUSBポートを2つ備えるなど、まずまずの内容になっています。
8.すべてを超越する安心感
初心者から上級者まで、誰が購入しても安心、という製品はドスパラのみです。どんなに優れた製品でも初期不良率ゼロ%とか、1年以内の故障率ゼロ%というのはありえません。中華製品の品質が向上したと言ってもまだ日本製品には及びませんし、一定の確率で初期不良や短期間での故障に見舞われることになります。そしてそれはドスパラ製品とて同じことです。
故障時の対応で最も安心なのはどの製品か、ということは書くまでもないでしょう。中華製品も通販サイトで基本的に1年間の保証をつけてくれますが、実際に不具合が発生した際は、英語のメールでやり取りし、送料片道分を負担して修理してもらうことになります。なので、保証が受けられないということはありませんが、非常に面倒なのと、自己負担(送料、だいたい3,000円くらい)が発生すること、そして修理期間もそれなりに長くなることを覚悟しなくてはなりません。
これらの点で、特に初心者が中華製品を購入することはおすすめしません。ドスパラにしておきましょう。
9.まとめ
この「まとめ」ではドスパラ Altair VH-AD3Lについてはコメントしません。そのため「参考」としています。上記「8」記載の通り、ある程度のリスクを覚悟した上でスペックを優先して中華モバイルノートを購入する、ということで見ていきます。
個人的にはT-baoですね。スペックのまとまりもよく、抜群に小さい筐体サイズは本当に素晴らしいです。あのロゴさえ心のなかで折り合いをつけることができるのならこの製品が一番だと思います。
次にJumperとChuwiですが、パソコンに関するメカ的な知識がなく、しかしSSDは増設余地を残したいという場合はChuwiだと思います。あと、ディスプレイ品質でこの2機種は対照的です。小さく高精細なChuwiと13.3インチと一般的なモバイルノートサイズでFHD解像度のJumper。筐体品質は互角と思っていいですし、CPUやRAM、内蔵ストレージ構成も互角なので、違いはディスプレイだけです。それと価格ですね。実売価格で8,000円弱の差があり、Chuwiは日本メーカーのローエンドモデルよりも高価になります。中華の並行輸入品としては割安とは言え、絶対的な価格としては結構なものです。
こうして3機種を比較すると、似たようなデザインですが意外に違いがあることがわかります。いずれも高水準な製品という前提で「サイズとストレージのT-bao、ディスプレイのChuwi、コスパのJumper」って感じでしょうか。
10.関連リンク
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コメント
電池容量に2倍以上の開きがある比較でランタイムが一番短い機種を勧めるんですね。
Pさん、こんにちは、コメントありがとうございます。私はこの記事でバッテリーについてはあまり考えてませんでした…。記事を読んでいただき、あとは個人の評価基準かと思います。
Jumperを所持してます。のんびり使うと休日の日中は充電なしでも使えますが、充電時のACアダプターで火事になりそうな発熱でビクビクしていますw
2万5千円でしたので満足してますよ!
こんにちは、コメントありがとうございます。満足されているというだけで読んでいてうれしいです。
ピクセル小さいってどういうこと?
厳密に1920×1080じゃないって事?
どうやって見分けたの?
こんにちは、コメントありがとうございます。私は気づきませんでしたし、個体差もあるかと思いますが、画面表示が微妙に切れている、ということを読者の方々は指摘しているのだろうと思います。
これはどんぐりの背くらべ
こんにちは、コメントありがとうございます。みんなそうですよ。Surfaceだってね。
Ezbook 3 Pro をgreekbuying から購入しました。
ストレージの増設についてですが、「M.2 スロット増設スペースあり」ではなく、
既にM.2スロット装備であり、2242サイズのM.2 SSDを簡単に増設できます。
実際に増設しましたので、間違いありません。しかしながら、このSSDを
起動ドライブにするために四苦八苦している状態です。
Windows10をクリーンインストールしようとしているのですが、インストールの
途中で止まってしまい、先へ進めない状態です。
進展あれば、また投稿します。
あと、WiFi ですが、b/g/n だけでなく、ac で使用できており、私にとっては、
なかなか満足出来る機種だと思います。
misakonさん、こんにちは、コメントありがとうございます。この製品、ちょっと情報が錯綜してまして、misakonは「運が良かった」ということだと思います。スロットなしだったという読者の方も多いんです。ウインタブでは運が悪い場合について書いたほうが読者に迷惑がかからないと思ってます。コネクターがなければDIYに詳しくないユーザーはお手上げになっちゃうケースが多いと思うので…。