こんにちは、natsukiです。今回も、心温まるアリエクハートフルエピソード(?)をお届けします。たびたび記事でも取り上げているように、Aliexpressは色々とリスクもある一方、出品者との直のやり取りが容易で、非常に柔軟な買い物も可能な海外通販サイトです。中にはもちろん、顧客のニーズに誠実に応えてくれる優良業者も数多く出品しています。先日、交渉によって、正規には販売されていないノートパソコンのキーボードパンタグラフを購入することができたので、こんな買い物もできるんだという事例として紹介します。メーカー修理に出すと時間や莫大な修理費がかかるけど個人で修理するには部品が手に入らない、という場合の救世主となってくれる可能性があります。ただ、読んでいただくと分かるように、極めて特殊なケースなので、参考にするというよりは読み物として楽しんでいただければと思います。
なお、大前提として、あくまで個別の事例なので、Aliexpress全般で同様のサービス品質を期待できるという話ではありません。商品の性質や出品者や交渉の仕方や先方の担当者などなどにより、実際の対応はまちまちであろうことはあらかじめご承知おきください。
目次
1.ことの発端 ― Lenovo Yoga 770 キーボードの破損
今回、探していたのは、Lenovo Yoga 770のキーボードパンタグラフです。私はこのパソコンを、基本的に据え置き機として、「テントモード」で様々な周辺機器をつないで使用しています。ところが、その状態でたたまずに置いておいたところ、いつの間にか「W」キーが破損していました。子供か誰かが何かぶつけてしまったんだろうと思います。
破損したのは、パンタグラフのツメ部分。
幸いにして、本体側の金属のツメは無事でした。もしこちら側がダメになると、基本的にはキーボード全体の交換となってしまいます。くわばらくわばら。
つまり、パンタグラフさえ手に入れば、修理は嵌め込むだけで、注意深く作業すれば簡単です。パンタグラフ型ノートパソコンキーボードの構造と修理については、Lenovoのサポートページにわかりやすい解説があるのでご覧ください。
キーボードのキートップが外れた場合の対処方法:Lenovo サポート
2.部品が手に入らない
公式サポートでは、引き取り対応のみ
もちろん、まずは公式サポートに連絡を取りました。破損状況を画像付きで伝え、本体側に破損はないのでパンタグラフのみ購入できないか聞いてみます。しかし回答は、「パンタグラフのバラ売りはしていないので、引き取り対応のみになる」とのこと。また、保証期間は切れてしまっているので、修理代は最大5万円程度までかかる可能性もあるとのことでした。おそらくこの「最大」というのは、「チェックしてみたら本体側のツメもダメだった」という場合だとは思うのですが、詳細な状況別の見積もりまでは出していません。
金額もさることながら、引き取り修理なので、数週間にわたってメインマシンがいなくなるというのは非常に厳しい。そこで、いったんこちらはあきらめます。
通販サイトやオークションでパーツを探すが、見つからない
次に検討すべきは、パーツのバラ売りです。パーツを扱っているショップの他、オークションには多くのジャンク部品が出品され、キーボードは定番です。しかし、比較的新しい製品で、ThinkPadやIdeaPad等に比べると販売数が少ないのか、これが見つかりません。なお、「Lenovo Yoga 770」は日本での2022年の販売名で、世界では同等品が「Lenovo Yoga 7」「Lenovo Yoga 14C」などの名称で販売されており、実際には必要に応じてこれらの商品名でもやりとりをしていますが、紛らわしいので記事中では「Lenovo Yoga 770」と表記します。
具体的には、メルカリやヤフオクなどのオークションサイトや、ダイナショップなどの修理屋をあたり、直接問い合わせたところもありますが、見つかりませんでした。実はeBayでは見つけたのですが、いずれにしても出品者との直接のやりとりが必要なため、価格や買い物慣れその他を総合的に見て、最終的には下記のようにAliexpressで注文しました。
Aliexpressにも無いが……
Aliexpressでも探しましたが、ありません。ただし、です。他のパソコンのパーツながら、写真を見る限りは同じパーツに見えるものがありました。
これが、出品画像。対象製品は、IdeaPadの一部の機種となっています。上から2番目の画像に注目。
再掲します。これが、破損したLenovo Yoga 770のパンタグラフ。む、む、これは、イケるのではなかろうか? よし、ダメ元で交渉です。
3.Aliexpressで「画像から」注文できないか交渉して購入
早速、Aliexpressのメッセージ機能を使って、出品者の「Felicite Store」に連絡を取ります。ストアページを見ると分かりますが、キーボード部品専門のいわゆるジャンク屋ですね。古き良き秋葉原や押井守作品に出てきそうなサイバーパンクな店舗を勝手に想像してしまいます(実際、当たらずも遠からずだったりする)。
こんな画像を送り、「Lenovo Yoga 770のキーボードパンタグラフ(Aliexpressでは一般に「hinge」と呼称されます)を探しているのだけど見つかりません。そちらの出品している商品に、おそらく同じ形状のものを見つけたのですが、この画像のhingeを売ってもらうことはできますか?」と聞いてみました。もちろん、やりとりは英語です。
以下、やりとりの大意です。
ストア「確認するので追加で部品の鮮明な写真を送ってください。」
私 写真送付
ストア「うちは英語キーボードしか取り扱っていないが大丈夫?」
私「欲しいのはhingeで、キーキャップではないので大丈夫です。」
ストア「そちらの欲しいものを確認しました。商品ページから購入してください。」
Aliexpressは、購入の際にメッセージを添付すると、購入情報が自動入力されてメッセージセンターに飛ぶので、購入したことを伝えました。
ストア「これを送ります。」
私「それです。お願いします。」
価格は、送料込みで1,185円。ただしこの部品の場合、1,000円以上が送料です。総額としてはキーボード部品として妥当な価格ですが、うちわけを見ると商品部分の価格設定が非常に安いので、後から考えると今後のために数個まとめ買いしてもよかったかな?
4.到着、そして修理!
到着しました。なんと注文から4日。早い、嬉しい。心配な梱包も、ご覧のように、段ボールで挟んだ上にプチプチで丸くなるくらいグルグル巻きにしてあり、これなら安心です。
届いた新品と、破損したものの比較。左側が破損したパンタグラフ、右側が新たに届いたパンタグラフです。そうだよ、これだよ!
無事にピッタリ嵌まり、完全復活です。これにて一件落着。
5.まとめ
ということで、画像から「これを欲しい」という注文に応じてくれた「Felicite Store」は、マジでGood Job!! やりとりも簡にして要を得ていて、非常にスムーズでした。謝謝。
繰り返しになりますが、今回の話はあくまで個別のケースで、Aliexpress全体で同様の均質なサービス品質を期待できるという話ではありません。ただ、私は、今までもいくつかの例を記事にしているように、購入にあたって出品者との直接のやりとりをけっこうやっていて、ほとんどの場合、非常に親切に対応してもらっています。Aliexpressには、確かに度し難い詐欺業者もまぎれている一方で、このようにニーズに柔軟に丁寧に対応してくれる優良出品者だって数多くいます。リスクを見抜く一定の「嗅覚」と交渉にあたっての最低限の要領のよささえあれば、こういう有用で楽しい買い物体験ができるもの、またAliexpressの魅力です。
ただし今回の場合では、見た目が同じというだけで本来そもそも違うパソコンの部品を注文しているので、いくら出品者が誠実でも、結局部品が合いませんでしたということも十分にあり得ました。もちろん、はじめからそこは自己責任のつもりで注文しています。非常にアクロバティックなことをやっているので、特殊すぎて参考にはなりにくいと思いますが、パソコンの部品で困った場合は、最後の手段の1つとして考えておくとよいかもしれません。
6.関連リンク
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[PR]Felicite Store:Aliexpress
コメント
Ali楽しいですよね!
「嗅覚」を鍛えるのも楽しみの一つだと思います。
怪しいけど大丈夫かな?という気持ちの自分との戦い。この感覚を研ぎ澄ませていくのがたまりませんね。
安!と思って商品ページを見てみたら写真の商品とは色違いとして登録されていて、その商品は実際には高いことがある。購入した商品が到着していないのにStatusが”Delivered”になることがある。
なんてこともありますが、それでも楽しい買い物ができますよね。
またAli特集をお願いします!
ありがとうございます。
安く面白い製品に出会えるのもさることながら、注文から届いて検品するまで、買い物そのものを楽しむサイトだと思っています。使い慣れれば慣れるほどネタに事欠かないので、また面白そうな話があれば折に触れて記事にしたいと思います。よろしくお願いします。