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Gemini lakeの後継としてのAlder lake - 実は冷え冷え、ノート向 きでしょう(読者投稿:渋谷Hさん)

Gemini lakeの後継としてのAlder lake

画像出所:Intel

こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。読者の渋谷Hさんに最新CPUの動向についてご投稿いただきました。渋谷Hさんは過去にも何度か記事をご投稿いただいており、私自身も大変勉強になっています。渋谷Hさん、いつも素晴らしい記事をありがとうございます!本当は「もっとたくさん投稿して下さい!」とお願いしたいところなのですが、この記事を拝見すると、「サクサク書けるようなイージーな内容ではない」とも思います。

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では、渋谷Hさんのご投稿をどうぞ!

本記事の推測の要点

・Jasper lakeの直接の後継は出ず、Core+AtomのハイブリッドであるAlder lakeのPentiumやCeleronで置き換えられる
・性能はそこそこ上がり、Gemini lakeに比べ2.5倍程度、一昔前のモバイル向けCore i3やApple A13に匹敵しそう
・CeleronはSurfaceタイプの製品まではOKだが、8インチ以下の小型タブレット向けは安いものは出ない
・純Atom系列に比べ少し値上がりし、供給の問題もあって安価な中華製品が大量に出回るのは先になりそう
・デスクトップ版で消費電力が高いと言われているのはハイエンドモデルをオーバークロック気味に設定してCPUベンチマークを取った場合のみの話であり、実用的にはゲーム等そこそこ重い処理でも競合製品を上回るワットパフォーマンスを見せるので、モバイル向けで出しても問題はなさそう

単品Atomはなくなり、Core+Atomのハイブリッドに

数年前にCherry Trailを最後に「Atomがなくなる」と言われ、結局スマートフォン向けはなくなったもののApollo lakeやGemini lakeがタブレット向けとして存続していましたが、Jasper Lakeも再び「Atomの最終製品」[ascii]とされ、識者のロードマップでもTremontのPC向け製品は外されています[ascii]。おそらくGemini lakeやJasper lakeの直接の後継は出ず、Intelの次世代CPU「Alder lake」のローエンド(PentiumやCeleron)がその代わりになりそうです。

Alder lakeはCove (core)系列の高性能コア(performance core; Pコア)とAtom系列の高電力効率コア(efficient core; Eコア)の混載ですが、intelのリークとされるスライド[wccftech]では、モバイルノート向けCoreの選別落ち品を「1P + 4E + 48~64 EU-GPU」というLakefieldに似た構成に仕立て、9~15WのPentiumやCeleronとして出荷するという計画のようです (IPP/ICPを選別落ち品と読み替えていますが、過去にはCeleron 3955Uがこのカテゴリにされており、工業製品(industrial)か組み込み(integrated)向けという意味と思われます)。

Alder lakeのEコアは4つ1組でPコア1つとほぼ同じ面積で、実質的に2コアPentium Goldの新バージョンに該当しますが、Atom側の視点では4コアのJasper lakeに高性能コアを1つ足したものと考えることができ、これがPentium Silverの実質後継となるのではないかと推測されます。

ただ「実質後継」とはいってもTDPは9-15 Wになるため、Celeron J4125等のTDP 10 W製品同様、11インチ以上のネットブックや2in1、ファン付きのミニPCが前提となり、9インチ以下のタブレットに採用される可能性は低いと思われます。リークされた表を見る限り、小型タブレット向けの製品は低電圧選別品のCore i5/i3ブランドとなりlakefieldの後継という形になるようで、Cherry Trailのように安価な8インチタブレットが出回る可能性は低そうです。

Gemini lakeの後継としてのAlder lake

※wccftechより転載。2021年頭に出回った「リーク」とされる出所不明のスライド

期待できるAlder lake Pentiumの性能

Intel Architecture Day 2021Intel ONにおけるAlder lakeの紹介をもとに、Gemini lake後継Pentium/Celeronの性能をざっくり概算すれば、

・コア数が実質倍増する(Eコア4つ=Pコア1つ換算)
・クロックあたり性能が20~40%向上する(Goldmont+ → Gracemont、Golden cove)

という2点の組み合わせで、Gemini lake時代の2.5倍程度、Tiger lake世代の4コア(1125G4)と2コア(1115G4)の中間程度(passmark: 7000点、CinebenchR23: 3500点、Geekbench:3200点程度)と見積もるのが穏当でしょう。これはおおよそ第7世代までの全てのノート用CPUを優に超える勘定です。Intelの説明が正しければ、Eコア(4C4T)だけでskylake世代(2C4T)に匹敵する性能でそれより消費電力が大幅に低いとしていますので、辻褄はあっています。

内蔵GPUもGemini lakeの4倍、Skylake世代のCoreの2倍はユニットを積んでおり、Gemini lakeとは一線を画し、かなり「普通のPC」に近くなると思われます。

モバイルは放熱制限が厳しく性能は実機の熱設計次第になりますし、混載コアが期待通り機能しないケースも報告されていますから、ベンチマークの予想値も基準をどこに置くかでブレがありますが、「第11世代モバイルCPUの2コアと4コアの概ね真ん中」という予想が大きく外れることはないと思います。

なお、この速度はiPad等に搭載されるApple A13~A14とほぼ同等で、9W駆動ならタブレット(2in1)でも使えそうに思えますので、新機種が出ることを期待したいところです。

Gemini lakeの後継としてのAlder lake

(c)Intel 2021
Intel Architecture Day 2021のスライド。Alder lake-Eコアの4C4TはSkylakeの2C4Tに比べ同消費電力で80%速いか、同速度で80%消費電力が減る。

出荷時期と価格の予想

出荷時期の予想

Alder lakeは最初期のエンスージアスト(マニア)向けが2021年11月に出荷され、その後もまずはメインストリーム向けの製品を2022年春発売という予想ですので、Celeronの出荷はそれのさらに後回しになるでしょう。Tiger lakeはメインストリーム向けが2020年後半に出ていますが、エントリー向け(Pentium Gold 7505、Celeron6305等)の搭載品が出回ったのは半年ほどたってからでした。Alder lakeでも同じようになるでしょうから、Alder lake版のエントリー向けが出るのは来夏あたりと見込むのが良いでしょう。

Alder lakeではU15以下のUltra Mobileはすべて同じ2P8Eの型から作られるようで、その中の選別落ちから1P4EのようなPentium/Celeronが生産されることが期待できますが、intel7の製造ラインはサーバ市場でAMD EPYCに対抗するためのSapphire Rapidsも控えており、デスクトップ版のPentium/Celeronは当面14nmの旧来品のままという説もありますので、タイミングはやや流動的です。

またもう一つ、コロナ関係のサプライチェーン寸断もあり世界的に半導体不足であるという点も考慮の必要があります。14 nmプロセスのGemini lake等は中華メーカーが潤沢に使える量が供給されていましたが、10 nmのJasper lakeやTiger lake Celeronはそれほど数が出回っておらず、現在流通しているのは大手メーカー製品が主体です。中華メーカーが製品を出せるようになるのはもう少し先ではないかと思います。

価格の予想

Alder lakeのCeleronはエントリー向けと言えどGemini lakeあたりと比べれば2倍程度の規模感ですから、その分価格は上がると思われます。Atom系CPUは最新でなくなればintel ark掲載の希望価格が2000~3000円程度まで落ちることがありましたが、Alder lakeCeleronは他のCore系Celeron同様5000~10000円程度になるのではないかと思います。10nmプロセスは製造設備に余裕があるわけでもなく、cherry trailやgemini lakeのように2万円台の中華ミニPCが大量に出回るようなことはこの先しばらくないと予想します。

Alder Lakeは熱い?

先行発売されるデスクトップ向けOCモデル(K付き)は、最大消費電力が241Wであるとスペックシートに記載されており、消費電力が大きい印象を与えます。しかしこれは16コアのAMD Ryzen 9 5950Xに実質10コアの12900Kで対抗できる性能を出すため無理をしているという印象で、Alder lakeが素材として電力効率が悪いわけではなく、効率重視のチューニングにすれば問題ないようです。

Intel ONでの発表や、他サイトの実機レビュー(videocardz.zomによる一覧)の結果を見る限り、

・常識的なTDPに抑えて使う限り、消費電力あたり性能は良く、5950X以外(5900X以下)よりも優れている
・オーバークロック耐性が高く、電力を投入するだけ性能が伸びるため、K版では驚くほど電力を使う

という状況と言うことができます。

常識的な最大消費電力に設定して使う

Alder lakeとRyzen 5xxxシリーズでは、コア数が似通った製品どうしで常識的な消費電力に抑える設定とすれば、例えば「5900X (定格105W/PPT142W) ⇔ 12900K (PL2=125~140W設定)[adoredtv][自作とゲームと趣味の日々]」や5800X (定格105W/PPT135W) ⇔ 12600K (実測最大120W)[PCWatch]」の組み合わせでは、いわゆるワットパフォーマンスでalder lakeはRyzenに対して互角以上の性能を見せます。

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また、低い周波数帯の場合や少数のコアだけが回っている場合、言い換えればアイドル時や低負荷時は、競合製品より低消費電力・高効率に動作するという結果が出ています。Cinebench等でもシングルスコア計測に限れば電力あたりスコアは高く、PCMarkやProcyonなどのOfficeベンチでは競合製品より低い平均消費電力(=電気代)で高スコアを記録しています[マイナビ]。ゲームも全コアが常時最大クロックになることはないため、12900Kでも平均消費電力(=実際の電気代)が5950Xの2/3程度、11900Kの半分程度となり[igor’s lab]、中央値でも競合製品とほぼ同等となっています[4gamer]。Linux用の(比較的軽い)ベンチマークでは、実行中の全時間の消費電力分布において、12900Kは平均48Wなのに比べ5950Xが平均82Wになるなど、競合製品の2/3程度の消費電力で済んでいます[Phoronix]。CPU使用率が20~50%程度の処理の時、Alder lakeはクロックを必要なだけ伸ばして省電力に動くのに対し、Ryzenは全コアでクロックを伸ばしてしまう問題があるようです(APU版など新しいバージョンが出るたびに徐々に改善はしているそうです)。

総じて言えば、CPUレンダリングやエンコード等CPUの演算能力をフルに(CPU使用率100%)使う時間が長ければ5950Xが優れたワットパフォーマンスを見せますが、5900X以下ではAlder lake製品中にワットパフォーマンスで同等または上回る製品があり、5950Xでもエンコード等以外、ゲーム以下の重さのアプリケーションであればAlder lakeのほうがワットパフォーマンスが優れている、というのがレビューのメタアナリシスから分かります。ノート用の場合、JEITAのような軽い負荷で計測すれば相応に長寿命になることが期待できるでしょう。

Gemini lakeの後継としてのAlder lake

(c)2021 Phoronix Media
Phoronix: Intel Core i5 12600K / Core i9 12900K “Alder Lake” Linux Performanceより、テスト実行中の消費電力分布

モバイル用途での消費電力・熱設計

ノートPCやタブレットの場合は「常識的なTDP」よりさらに一回り抑えた消費電力で動作させるため、現行のx86 CPUの中でもワットパフォーマンスが高いと言える範囲に収まるのではないかと思います。ちなみに(モバイル向けでない)12600Kを用いBIOSのPL2設定を1Wまで下げて使った方のレポート[twitter]によると、10Wでi7-1185G7と同等、15WでRyzen 5 5600Uに近く、25WでRyzen 7 5700U程度の性能となっており、モバイル向けCPUとして不足することはなさそうです。

初期のTiger lakeのモバイル版では公称TDP 15Wで可変範囲(cTDP)が12~28W等、公称値より多く電力を食う隠し設定があり騒音発生の原因になっていましたが、Alder lakeでは無理にクロックを上げない設定にされるようで、公称15WのcTDPが12~20W、公称28Wは20~28W、公称45Wは35~45Wとなっています。特に重量級モバイル向けでは公称TDPをcTDPの上限側に据え、十分な冷却器の導入をメーカーに勧めているようです(Tigerlake-Hの段階でこうなっており、その効果はVAIO Zなどでは明らかでした)。

Gemini lakeの後継としてのAlder lake

※自作図 Alder lakeとTiger lakeのモバイル版のcTDP範囲(線)と公称標準TDP。Alder lakeではTiger lakeに比べcTDPの範囲が狭めになり、Tiger lake-H以降はcTDP上限が標準TDPとして設定されることが多い。

コア数による特性の違い(ダークシリコン問題)

「Alder lakeは消費電力が多い」と言われているのはコア数が多い12900Kであって、コア数の少ない12600Kはやや特性が異なっているようです。PCWatchの測定では、フルロード時、12900Kは240W程度消費しますが、12600Kは実際は120W程度までしか消費しません。

Tiger lake等の近年のintel CPUでは、ブースト周波数に複数の種類ができ、1コアのみブーストは高く、全コアブーストではそれより低くなっています。半導体の特性としては高いクロックが出せるが、全コアでそれをやると消費電力が大きくなりすぎ、「手抜き」をせざるを得ない状況ということです。この傾向はコア数が多いほど強くなります。

また、この問題はいわゆる周波数のスイートスポットからの説明も可能で、効率最高の周波数は(選別により幅があるとはいえほぼ)一定である以上、コア数が増えれば効率的な周波数帯の消費電力も増えるはずです。AMDのThreadripperでは64コアの3990Xが定格280Wで、これでもなおスイートスポットより低めで回している言いわれます。

Alder lakeの場合、Intel ONでの説明や他レビューでの電力性能曲線を見る限り、8P+8Eの12900Kでは125W付近が効率がよさそうですが、6P+4Eの12600Kで効率がよさそうなのは65W付近となっています。モバイル版では5W版は1P+4E、15Wは2P+8E、28W版は最大6P+8Eと消費電力に合わせてコア数が変わっていすが、これも周波数のスイートスポットとCPU全体の最大消費電力を合わせようとするとそうなるということでしょう。

5~10年前に「ダークシリコン」「ディム(薄暗い)シリコン」と呼ばれていた予測()では、微細化したほど消費電力が下がりにくくなって以降、微細化でコア数が増えれば消費電力が増えてしまい、全コアを同時に全力動作させるととんでもない電力を消費するようになるため、未来のチップは各コアが交代で働くことになるか、全コア同時に手抜きするだろう、とされていました。その問題が、今現在になって顕在化してきた、というところでしょう。

全コアブーストの周波数が相対的に低いということは、裏を返せば、冷却と電力投入が十分ならば全コアでもっと高い周波数を出せるということであり、デスクトップ向けOCモデル(K付き)で常識外れの大電力でのオーバークロックが行われているのは、このようなチップの特性を反映してのものと思います。

Alder lakeの一般的性能

Alder lakeの性能上昇は飛躍的で、デスクトップ版のベンチマークやモバイル版のリーク情報を信じる限り、ノート向けやハイエンドを中心に、同じ価格帯・セグメントで前世代に比べ30~50%ほど性能上昇するケースが続出しそうです。例えば12600Kは前世代の11600Kの1.5倍、11900Kを超える数字ですし、重量級ノート向けの12900HK(45W、6P+8E)は前世代の11980HK(8コア)の40%増とリークされています。これには以下の3つの要因が寄与しています。

IPCの向上:Pコアは、前世代に比べ同一消費電力・同一クロックでで20%ほど性能が向上しています。
Eコア混載:K付き製品のベンチマークからPコアとEコアの性能を鶴亀算で求めると、Pコア(1C2T)と同面積のEコア(4C4T)は1.5倍の性能を発揮します。ただし12900Kでは、電力制限がきついのか、Eコア無効にしてもPコアのクロックが上がり5~10%程度の性能低下に収まるようです。
大型化:デスクトップ版K付きは前世代に比べEコアが純増しており、28W帯のモバイル用CPUはコア数は4が上限だったのが実質8コアまで増えています。増えた分は純粋に演算能力の増大になります。

技術ライターの大原氏の推測[ascii]によると、Eコアは省面積・省電力になる代わり最高クロックが低い設計となっているようで、デスクトップ版でも3.9GHzが上限となっています。モバイルではPコアのクロックも上がりくくなるためEコアの存在感は相対的に大きくなり、理屈上はEコアとPコアを同じクロックで動かせば、Eコア4つ1組でPコア1つ(HT込み)の2倍の性能になるはずです。その他の要素も勘案して平均すれば、Alder lake(特にモバイル版)は前世代の同消費電力・同コア数(Eコアは4つで1つ換算)の製品に比べ1.3倍程度の性能と概算して問題ないと思います。

一般的に言えば、CPUは1世代で+20%の性能を達成すればまあまあ成功というレベルですので、上記の3つの要素は一つ一つが1世代分相当の進歩に相当し、これらの要素が同時に来るモバイル版(特にU28~H45)は相当な進歩になると予想されます。Intel前世代やAMD Cezanneを超えるのはもちろん、大差があると思われていたAppleのCPUとも比較が視野に入ってきているようで、重量級ノート向け(45W)の定格12900HKはApple有利なgeekbenchでM1 maxをやや越え[wccftech]、Cinebench R23(Apple SoCネイティブ対応)で比較すると12700HはM1 maxの1.5倍のスコアを記録するというリーク情報があります[notebookcheck]。まだサンプルの段階で放熱方法も不明ですが、少なくともApple製品より一回り高い電力消費があるならば競合製品同等の計算性能は出る可能性が高く(M1max@30W ⇔ ADL@45W、M1@15W ⇔ ADL@28W、A14@5W ⇔ ADL@9W)、選別上位品であれば同等の消費電力でも競合しうるという程度の期待が持てるものになっています。

※Geekbench 5ではM1 maxは12900Kの70%程度のスコアですが、Passmarkでは63%、Cinebench R23では45%程度のスコアになります。Geekbench 5はメモリ帯域幅がある程度スコアに反映されM1 maxで有利になるのに対し、Cinebench R23はそれが反映されにくいからと推測されています。

intelの製造プロセス

intelはalder lake製造に用いる10nmプロセスの改良版を「intel7」と改名しました[itmedia]。これについて、他社の7nmや5nmに追いつけないintelのマーケティング上のハッタリだ、とする見方も多いようです。intel自身は「他社のマーケティングに合わせて改名した」と主張していますが、これについてはintel側の主張が正しいようです。

wikichip.orgが各社の技術資料やL3の面積から推定したトランジスタ密度[wikichip]では、intel 10nm(現intel7)はTSMC 7nmやSamsung 7nmと同等で、intel 7nm(現intel4)はTSMC 5nmより20%ほど高密度となっています。TSMC 5nmをintelの物差しで測ると8nm程度に当たります(この数字はintel CEOの説明と一致します)。

本来、14nm→10nm→7nm→5nmと進むと、1世代ごとに長さが1/√2=面積半分=トランジスタ密度が倍になるはずですが、intel以外の各社の密度向上はそれより30~70%ほど少なく、intelが10 nmの開発で苦戦して14nmに留まっている間に、各社が好き放題に誇大宣伝をしていたというのが実情のようで、intelが10nm(intel7)や7nm(intel4)でキャッチアップできるのは不思議な話ではありません。

2023年にはTSMCの4nmに相当するintel 7nmプロセスでMeteor Lakeが作られる計画になっており、順調に進むことを期待したいところです。

Gemini lakeの後継としてのAlder lake

(c)2021 Wikichip
wikichipの推定した10nm~5nm世代の各社のトランジスタ密度

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コメント

  1. 匿名 より:

    PentiumMがCoreになったようにAtomが次世代アーキテクチャのベースになるのでしょうね.

    • 渋谷H より:

      コメントありがとうございます。

      ゲームのようにシングルスレッド性能が必要な用途も多いので、当面はハイブリッドが続くと思います。ただ、噂レベルですが、Pコアの数は据え置きでEコアの数だけ増やしていくとも言われています。このあたりはまた情報が出たら記事を書いてみたいと思います。

      中長期的なアーキテクチャ更新については、第15~16世代あたりで刷新するという話もあり、Atomコアを発展させて得た知見を取り込むのではないかと思います。